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番外編16.オーフィザン様とデート!
160.恥ずかしいよ……
しおりを挟むすっごく恥ずかしいのに、オーフィザン様は楽しげに僕の爪をぺろっと舐める。
「お前は大人しく俺に毛繕いされていればいい」
「ふ、ふえ……で、でも……」
そんなこと言われたって、指先とか手のひらに、ちゅっていっぱい音を立てながらキスされて、すっごくドキドキする。指先を濡れたオーフィザン様の唇で甘噛みされて、声が漏れちゃいそう。手を引こうとしたら、ちょっとだけ、触れる程度に歯を立てられた。痛いどころか、ますますドキドキしちゃうんだけど、これ、オーフィザン様がお仕置きする時の合図なんだ。
「ひんっ……お、オーフィザン様…………」
「逃げるとは図々しいんじゃないか? お前の体を俺好みにしてやろうと言うのに」
「ふ、ふえ……ひゃ!!」
ビクビクしている手、また舐められちゃう。どきどきしてるのに、柔らかくて濡れた唇で指を包まれて、ちゅ、ちゅって吸うようにされて、指先のかすかな刺激だけで、腰の中まで熱くなる。
「んっ……! お、オーフィザンさまあ……ひ!」
「悪い猫だ……しつけ直してやる」
「ま、待ってくださいっ……やだ!!」
畳の上に押し倒されて、耳に触れられて、びくんって耳が震える。
「お、オーフィザン様……で、でも、今日はこれからデートに行くんじゃ……」
「ああ、そうだ。どこか、行きたいところはあるのか?」
「え? えっと……」
考えてるのに、オーフィザン様は僕の耳に指の先で触れてくる。
そんなとこ触られたら、くすぐったい!
ぴくん、ぴくんって耳が揺れて、それを追い詰めるように、オーフィザン様が迫ってくる。
「え、えっと……て、展望台っ……!」
話しているのに、オーフィザン様の手が、ゆっくり、頬から唇に降りてくる。すでに、オーフィザン様にいじられて、体は熱くなり始めている。オーフィザン様に指先で触れられただけで、もっとそれが欲しくなる。追うように唇を動かす僕に、オーフィザン様は意地悪そうに笑った。
「そんなに、されたいのか?」
「ち、違うもんっ……オーフィザン様の……い、意地悪っ……んっ!!」
口答えしたら、服を乱されちゃう。はだけた肌までちゅって吸われて、甘く痛む。そんなところに跡つけられたら、外に出た時に見えちゃう!
「お、オーフィザン様ぁ……あっ……ひゃっ!」
「うるさいぞ……出かける前に、迷子札をつけてやっているんだ。もっと可愛く泣いたらどうだ?」
「ひゃっ……! そ、そんなのいらないもんっ!! 僕っ……! んぁっ……」
ううううううーーーーっっ!! オーフィザン様、全然聞いてない!! 何度もキスされちゃって、僕の肌、キスの跡だらけになっていく。その度に僕の体はビクンビクンって震えて、最初に感じた痛みすら、もう気持ちいい。いっぱいキスされて、ドキドキしてきた。もう、このままでもいいかな……
そんなことを考えだしちゃう頃、どんどんって、お部屋のドアを叩く音がした。
だ、誰?
セリューじゃない。オーフィザン様を心から尊敬しているセリューは、オーフィザン様がいるお部屋のドアをこんな風に叩かない。
まるで殴りつけるようにドアを叩いている人は、外からオーフィザン様の名前を呼んでいた。
「オーフィザン! オーフィザーーン! いるのかーー? 出てこーい!」
この声……王様だ。
オーフィザン様がここにいるって聞いて来てくれたのかな? だけど、オーフィザン様……めちゃくちゃ怖い顔してるよ?? い、いいのかな??
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