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-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-

-第三章九十節 糾弾されるロディと歴戦のルンと話せない理由-

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ギルドに入って全員が落ち着き…ロディの挙動が可笑しい事にマサツグやフィロ

ネウスが疑問を持つと、尋問を再開しようとして居た。その際ロディに笑われた

事でフィロネウスはムッとしており!…若干八つ当たりするよう話を切り出すと、

マサツグも気を取り直す様な反応でロディの方へ向き直す。そして肝心のロディは

と言うと折角一瞬だけだが自分から注目が外れた事に!…チャンスを逃した!と

嘆き!…だがそのチャンスも当然巡って来ない様子で、まるで刑事ドラマの尋問

場面よろしく!…机を挟んで向かい合う様にマサツグ達とロディが座ると、先程

まで外で話して居た内容を再度話し出す。


「……で、さっきの話は如何言う事なのじゃ!…」


「ッ!?…な、何の話!?…」


「恍けても無駄なのじゃ!!…さっきからお主に反応を見て居れば!…

何かを隠そうと必死になって居るのは百も承知!…

寧ろあれで誤魔化せて居ると思って居る方が可笑しい位じゃ!!!…

…正直に吐け!……一体何を企んでおる!?…」


「ウグッ!!……」


若干お怒り気味のフィロネウスが話を再開するよう切り出すとロディは戸惑い!…

何とか持ち直せないか?と居た様子で恍けて見せるのだが、当然フィロネウスは

誤魔化せない!とばかりに問い詰める!…その際ロディの誤魔化し方が下手だ!

と言う事を思いっきり指摘すると、もはや何か悪事を考えているのでは!?と

言った具合に疑っており!…ロディも面と向かって!…ましてや魔王相手にそう

言われて指を差されている事にショックを受けると、思わずたじろいでしまい!…

マサツグもツッコミを入れる様に話しに参加をすると、ロディに容赦なく質問を

する!…


「……じゃあ俺からも質問な?…

アンタの様子が可笑しくなったのは約一週間前…

その時気になった事と言えば確か…

エルフの国から使者が来たって作業員の兄ちゃんが

声を掛けに来た時ぐらいか?…」


「ッ!?…」


__……ッ!……ザワザワ…ザワザワ……


追い詰める様に話しを切り出すとまずはロディの様子が可笑しくなり始めた

所から話し出す!…それはマサツグの記憶にも残っている様子で、一週間前と!…

そこから更に思い出すよう何かがあった事を話し出すと順を追って話して行き!…

ロディもマサツグに覚えられて居る事で更に戸惑い様を見せて居ると、徐々に

その様子が可笑しいのか周りの冒険者達から視線を集め始める!…確かに一介の

冒険者がギルドマスターに物申して居る!…何ならあの怪物ロディに!…更に

その隣にはあの幼炎の魔王様も居る訳で!…この組み合わせが珍しいと言った

様子で視線を集める中!…マサツグは構わず話を続けると、更に更にロディを

追い詰めに掛かって行く!…


「…で、こっからが俺の推測!…

もしかするとその使者に何か妙な事を吹き込まれたんじゃあないのか?…

良い感じの例えは思い浮かばないけど…

少なくともアンタをそこまで戸惑わせる程の内容!……国絡みとか?…」


{ッ!?……クッ!!…どうしてこんな事になって居るのよ!!…

何で私が刑事ドラマ宜しく二人に追い詰められて居るのよ!!…

…まぁ確かに?…直接的では無いにしても関係有るっちゃ有るけど!…

……ッ!?…その前に周りからも視線を集めてますけどぉ!?…}


__……カシャッ!…カシャッ!…


{ッ!?…ちょ!?…スクショも取られてるじゃない!!!…

こんな情けない姿を取らないで頂戴!!!…}


マサツグはあくまでも推測と言った様子で話しを進めると、一番あり得そうな事

から話し出し!…ゲ○ドウポーズでその相手を女王様からと仮定して話を続け!…

ロディの反応を見る様に下から見上げるよう言葉を口にすると、そのマサツグの

言葉にロディはやはりビクッとする!…そしてロディも驚いた表情を諸に出して

居る一方で、今自分が追い込まれて居る事に対して焦りと不満を持ち!…

ロディ自身も刑事ドラマ感覚で居るのか!…とにかく口には出さなくとも必死に

誤魔化す事を考えて居ると、ここで漸く周りのギャラリーの様子に気が付き

出す!…その際周りに居るギャラリー達はその様子が本当に可笑しいと思った

のか、思い思いにスクショを撮っており!…だがマサツグ達は一向に構わん!…の

姿勢でロディと対峙しており!…フィロネウスがロディの表情を見てアタリを

察すると、更に追撃に掛かって行く!…


「……その表情はアタリで有り焦りを覚えている表情じゃな?…

だとすると言われたのは…

…実はダークエルフ達との関係に亀裂が入ったとか?…」


__ッ!……ホゥ!…


「ッ!…お主やはり感情を殺すのが下手くそじゃな?…

あからさまに安堵した表情を浮かべおって…」


「ッ!?…ウグゥ!!…」


確信を得たフィロネウスは探りを入れる様にロディへ質問!…その際初手と

言った具合にダークエルフとの関係がまた拗れたかをジトッとした目で

問い掛けると、ロディははやり感情を隠せないのか胸に手を当て安堵し!…

当然それを見たフィロネウスも呆れた具合にツッコミを入れ!…フィロネウスに

ツッコミを受けた事でロディもまた怯んだ様子を見せると、マサツグは

その一連の様子を見て更に推理をし始める!…


{……あの様子から察するにダークエルフ達とは関係無い!…

寧ろ関係は良好と言った感じか……となると他に何か面倒臭い事件……

あるとするならクーデターとかなのだろうが……まず無いだろう…

女王様絶対主義みたいな国だしな?…裏切り等は考えにく!…

…他に何か面倒事……うぅ~ん!……………}


「……ッ!…マ、マサツグちゃん?…

何をそんなに悩んで居るのかしら?…言っとくけど本当に何でも…」


「……ッ!……アヤ?…」


フィロネウスがダークエルフ達の話題を振った際、ロディが安堵した事から

関係性は低いと考え!…別の何かがあると推察すると、顎に手を当てては

悩み始める!…その際クーデターや誰かが誘拐!…はたまた殺害された等

考えるのだが、どれもシックリ来ず!…そんな悩んでいる様子のマサツグに

ロディも慌てて言い聞かせるよう何でも無いと言おうとするのだが!…

それよりも先にマサツグがハッと思い付いた様子で言葉を口にすると、

当然その言葉を聞いたロディは体を跳ねさせる様にビクッと反応する!…


__ビクゥ!!!…


「ッ!…くっふふふふぅ♪…

マサツグゥ~?…どうやらビンゴの様じゃぞぉ~?…」


「ッ!…やっぱりか!……でも何で?…」


その際マサツグが呟いた言葉と言うのは…いや名前は、アヤの名前で有り!…

当然ロディが跳ねた瞬間をフィロネウスが見逃す筈もなく!…嬉々として悪い

笑みを浮かべ!…ロディを指差しマサツグに告げ口をすると、マサツグも

それを聞いて確信しては更に悩む!…確かにアヤは絶賛女王様から逃げている

身では有るのだが、ギルドが絡んで来るとは到底思えず!…寧ろここに居る

のは分かっている様子で使者を差し向けて来るあたり!…捕まえようと思えば

捕まえられる筈!…と悩んで居ると、自身が呼ばれたと勘違いしてかアヤが

勝手に寄って来る!…


「うぇっへっへぇ~♥…あぁにぃよんだあぁ~?…」


「ッ!?…うわッ!!…

もう出来上がってるし!!…てか呼んでねぇよ!!」


「んん~?…でもさっき呼ばれた様なぁ?…

気がしたんだけどなぁ~?…んふふふふ♪…」


「ッ!?…こりゃ小娘えぇ!!!

わっちのマサツグに抱き付く出ない!!

抱き付いて良いのはわっちだけ!!…」


フラフラとした足取りで小樽ジョッキを片手に!…まるでマサツグにじゃれ付く

よう抱き着いて行くと、自分を呼んだかを確認し始め!…そんな出来上がって

いるアヤにマサツグも戸惑い返事をすると、今は忙しいと言った様子で余所に

置こうとする!…しかしアヤはマサツグから離れたくない!と言った様子で

抵抗すると、上機嫌で更にマサツグへ絡もうとし!…そんなアヤの様子にフィロ

ネウスも瞬時に反応!…尻尾を逆立てアヤに対し文句の言葉を口にし始めると、

折角の緊張感が台無しになる!…結果としてロディに逃げる機会を得る事に

なってしまうのだが、何故かロディはその場から逃げようとはせず!…と言う

よりも呆気に取られた様子で固まっており!…そこへシロが!…フィロネウスの

言葉に反応して席から立ち上がり始めると、更に現場は混沌と化す!…


__ピクッ!!…ガタッ!!!…


「ちょっと待つですフィロネウス!!!…ご主人様はシロのご主人様です!!!」


口の周りを蜂蜜だらけにしながら席を立ち!…フィロネウスに対して指を差しつつ

文句の言葉を口にすると、改めてマサツグを自分のモノと主張する!…しかし当然

それを突如聞かされてたフィロネウスはピクっと反応すると、黙って居られず!…

フィロネウスは自分の方が先に目を付けて居た事を話し出し!…その際改めて

自分の方が占有権がある事を分からせる様にシロへ胸を張り訴えると、とやかく

言われる筋合いは無い!と反論をしようとする!…だが!…


「ッ!?…何を言うか小童めが!!!…

わっちはお主があの卵より生れ出る時より前から目を付けて居ったのじゃ!!…

お主に文句を言われる筋合いは!!!…」


「ペットとしてはシロの方が先輩なのです!!!

フィロネウスのシロの後輩なのです!!!」


「ッ!?…な!?…なにょおぉ~~~~!!!!」


勿論の事それでシロが引き下がる訳もなく、更に文句を言い!…その文句と

言うのもテイムされた順番を引っ張り出すと、シロの方が先輩と!…

魔王であるフィロネウスを前にして胸を張り返しこの堂々具合!…フィロ

ネウスもそれを言われてショックを受けたよう言葉を口にすると、更に話は

拗れて行く!…ただでさえロディから聴取を取る事だけでも苦労して居ると

言うのに、耳元では子狐がギャンギャン鳴き!…向こうでは子犬も興奮気味に

吠え居り!…酔っ払いに絡まれては更に話が出来ず!…マサツグもこの状況に

ほとほと困り果てた様子で戸惑って居ると、ここでルンが助け舟を出す!…


__……パン、パン!!…ッ!?…


「はいはぁ~い!!…喧嘩なら余所でやって下さいね?

他の人の迷惑になりますから!!!」


「ッ!?…ご、ごめんなさい(なのじゃ)…」


「そこの酔っぱらいさんも!!…絡み酒は嫌われますよ!…

ほらちゃんと座って!!…」


「えへへへぇ~♪…ごめんなさいねぇ~?…

でも楽しくてぇ~!…」


ルンは呆れた様子で両手を構えると自身に注目させるよう手を叩き!…そして

慣れた具合に揉めているマサツグ達の所へ向かうと、勢いそのままに喧嘩の

仲裁に入り始める!…それはもう手際よく間に入ると百戦錬磨の様子で二人を

注意!…その勢いに押されてか思わずシロとフィロネウスの二人も素直に謝り

出すと、続いてルンはアヤに取り掛かる!…マサツグが押さえているのをこれ

また間に入ると介抱する様に!…近くに有った席へと連れて行くと、難なく

座らせる!…やはりこれも慣れている様子でアヤに注意!…アヤは完全に

出来上がって居るので理解出来て居るのか?…それでもルンの言う事を聞いた

様子で返事をすると、また一人で上機嫌に飲み始める!…これには周りの

冒険者達も感嘆の声を上げると、羨望の眼差しを送り!…マサツグもマサツグで

ルンに感謝をするよう一礼をし!…ルンもそんなマサツグに対して大丈夫!と

ばかりに手を振って見せると、またカウンターへと戻って行く!…


__おおぉぉ~~!!!……ッ!…ペコッ!……ッ!…フリフリ……


「さ、さすがルンちゃんね!…あの子一人居ればカウンター業は完璧!……」


「ッ!……アンタもさっき逃げるチャンスが有ったのに…

何で残って居るんだ?…」


「ッ!…え?……あっ………」


さながら仕事人!…そのカウンターに戻って行くルンの背中からはある種の

歴戦具合が感じられ!…マサツグがとにかくそんなルンに感謝をしつつ視線を

向けて居ると、ロディも思わずルンを称賛し始める!…そしてやはり優秀なのか、

安泰と言った様子で言葉を続け…マサツグはマサツグでそんなロディの言葉に

反応して振り向き、まだ自身の目の前にロディが座って居る事をツッコむと、

ロディは困惑する!…それこそ最初は意味を分かって居ない様子で戸惑う反応を

見せるのだが、数秒しては気が付いた様に言葉を漏らし!…逃げるチャンスを

失った事でロディは三度固まり!…マサツグも改めて話に戻るよう真剣な表情を

向けると、尋問を再開する!…


「…で、話は戻るけど……何でアヤが関係してるんだ?…

確かに女王様に追われて居るけど!…何も悪い事は!…」


「……ッ~~~!!!…だあああぁぁもう!!…分かったわよう!!…

だからそんなまるで刑事ドラマの刑事役みたいな表情で私を見ないで!!…

こっちが本当に悪者みたくなるじゃない!!!…

…それにこれは言いたくても言えないモンなのよ!!…」


「ッ!?…言いたくても言えない?…」


尋問に戻ったマサツグ達の様子はまた刑事ドラマの様に!…その机の上に

ライトとカツ丼が有れば完璧なのだが、当然ある訳が無いので…とにかく

アヤが関係して居るとあれば黙って居られないと!…マサツグが詰め寄る様に

ロディへ言葉を掛け出すと、遂にはロディも折れた様子で観念する!…

その際マサツグに文句を言うよう睨む事を止めさせると、話せない理由が

ある事をマサツグに話し!…マサツグもマサツグでその話を聞かされては

疑問を持ち!…一体如何言う事なのか?と言った具合に復唱すると、突如

そのロディよりショートメールが届く!…


__ポロン♪…ッ!……ヴウン!!……ッ!?…


[差出人:ロディ  件名 話せない理由]


これだけ注目されて居るとウカウカ変な事も言えないから

チャットで説明するわね?…

簡単に言うと私が説明出来ない理由には女王様が関係して居るの!…

女王様には如何やら会話を傍受する能力が有るみたいで…

効果の範囲は何処までか分からないけど…とにかく結構広いみたい!…

で、如何言う条件でその傍受が出来るかも不明で…

実は結構厄介なキャラクターなのよ…因みにそのキャラを作った運営としては…

エルフなんだから出来るんじゃね?…

みたいなノリで作っちゃったらしいのよぉ~!!…]


「……は?…」


そのマサツグに届いたショートメールの差出人は言うまでも無くロディ!…

件名には話せない理由と書かれて有り、マサツグもそれを見て漸く説明を

してくれる気になったのか!と思いつつ画面を開くと、その文章に驚かされる!…

何故ならそこに書かれて有る文面と言うのは女王様に関する能力?…スキル?…

についてであり!…何でも相手の会話を傍受すると!…そんなスパイ紛いな

能力を持って居るらしく、ロディとしても迂闊に会話が出来ない!…そんな

文章が届いたショートメールに書かれて有った。そして何故そんな能力が

付けられたのかに関しても書かれて有り、ノリで付けたと!…当然そんな

文章を見てマサツグは呆れ!…思わず声に出して戸惑った様な反応を見せると、

周りで集まっていた冒険者プレイヤー達もその反応に興味を示す!…


__ッ!…ざわざわ!…ざわざわ!…


「ちょ!?…マサツグちゃん!!…」


ただでさえあのロディが一介の冒険者マサツグから追い詰められて居る事で珍しいのに!…

そのロディが妙な返事をした直後にショートメール!…勘の良い冒険者プレイヤーからすれば

まず疑問を持った様子で反応し…そのショートメールの存在に気が付くと、

質問攻め待った無しの状態になってしまう!…何故ならNPCからショートメールが

届く事は絶対に無い訳で、当然ある疑問が出て来て!…突如ザワつき始めた周りに

ロディも焦り!…マサツグに注意をするよう慌てて言葉を掛け出すと、フィロ

ネウスも呆れた様子で周りを治める!…


「ッ!…はあぁ~…しょうのない…ほれ?」


__パチンッ!…ッ!……グラァ!…ドサドサァ!!…


「ッ!?…ちょ!?…」


「安心せい!…ただ眠らせただけじゃ!…

別に命を取っては居らん!……話の邪魔になりそうだった故にな?」


「……やっぱ貴方恐ろしいわね?」


溜息を吐きながら呆れて見せ…徐にパチンと指を鳴らすと、次の瞬間周りの

冒険者達全員を昏睡させる!…それは抗う事の出来ない様子で次々に倒れ!…

当然その様子を見てロディも慌てた反応を見せると、フィロネウスは大丈夫と

声を掛ける!…その際さっさと話しを終わらせて欲しいのか、フィロネウスは

若干不服とした表情をしており!…そんなフィロネウスの様子にロディも

改めて脅威を覚え!…思わずフィロネウスに感心しながら次のメールを打ち

出すと、瞬く間にマサツグへと送ってしまう!…


__ポロン♪…ッ!……ヴウン!!…


[差出人:ロディ  件名 Re:話せない理由]


だから私自身口頭で伝える事が出来なくて!…

それにプレイヤーからすればある種のイベントだからネタバレにもなるし!…

話す事が出来なかったのよぅ!!…あっ!…

因みにそのショートメールが傍受される事はさすがに無いみたい!…

…まぁ、そこまでされたらさすがにプライバシー的にもね?…

それの女王様自身で来た人だからそんな事はしないと思うけど…

用心にはして居たって訳!…で、話の内容だけど……聞く?…]


「ッ!…当たり前でしょ!…

厄介なイベントはまず先に攻略法を知りたい派だし!…

そもそも知りたくなかったらアンタを追い駆けてすらいないっての!!」


「ッ!……なるほど?…分かったわ!…

じゃあ、今度の会食は…」


マサツグの元に届いたメールは次の通り…先程の文章の続きで運営側としても

話せなかったと言うモノであり、女王様もさすがにこのショートメールの内容は

傍受出来ないと!…そして改めてその内容を聞くか聞かないかについて尋ねて

来ており、マサツグのそのメールを読み終えて文句を言うようロディに返事を

すると、ロディは簡単にだけ返事をする!…その際誤魔化す様に雑談を交えて

話をし始めると、三度マサツグに対してメールを打ち!…これまたマサツグに

ロディからの三通目のメールが届き!…マサツグもそれを開くなりその内容を

確認し始めると、その文面に驚かされる!…何故なら!…


__ポロン♪…ッ!……ヴウン!!……ッ!?!?…


[差出人:ロディ  件名 Re:Re:話せない理由]


じゃあ、話すわね?…結論から言うと指名手配がされたの!…

指名手配されたのは女王様の娘である「アヤ」ちゃん!…

理由としては…まぁ詳しくは話されなかったから良く分からないけど…

とにかく国家ぐるみで何故か可決されちゃったみたい!…

しかも立案者が女王様自身で!……

そのエルフの国自体でも今激震が走っているみたいなの!…

で、そのアヤちゃんを捕まえる手伝いをギルドにも協力を

要請して来たみたいなんだけど……如何したら良いと思う?…]


「いや…如何って言われても!……マジ?…」


__ッ!……コクリッ!……


三度届いたメールの内容は女王様からの依頼内容で、アヤが国家級犯罪者で

指名手配されたと言う事であり!…当然それを目にしたマサツグは戸惑い!…

一体如何言う事なのか!?と目を皿の様に丸くしながら文章に目を通すと、

更にその内容に驚かされる!…何でも理由に関しては不明の様なのだが、その

指名手配をするに当たって立案したのが母親である女王様らしく!…当然この

決定にエルフの国中に激震が走り!…ギルドにもその協力を要請された事で

ロディが悩んで居たとメールで打ち明けると、マサツグもただただ信じられない

様子で戸惑った表情のまま固まってしまう!…そして恐る恐るロディに視線を

向けるよう首を動かすと、ロディに再確認を取るのだが…ロディは無言で頷き

肯定!…それ以上は語らず!…そんなロディの様子にマサツグに更に戸惑い!…

一体何故!?…と考え出して居ると、フィロネウスがそれを見てある事を

口にする。


「……まぁ、大方この風来娘を捕まえる為の方便では無いのかや?…

現にあの小娘実の母より逃げて居るし…」


「い、いや確かにそうだが……ッ!…ん?…

ちょっと待て?…フィロネウス、お前もしかして…これ読めるのか?…」


「ん?…何じゃ?…読んではイカンかったかや?…」


「ッ!?…貴方なんで!?…

!!…」


さも当然の様に会話へ参加をするとその女王様の考えを読み!…大した事では

無いと言った様子で結論を口にすると、マサツグもそれを聞いて納得しそうに

なってしまう!…しかし少し間を開けた後ふと気が付くと、フィロネウスが

この話に付いて行けて居る事に疑問を持ち!…そんなフィロネウスに尋ねるよう

そのショートメールの画面を近付け!…マサツグが戸惑った様子で読めるか

どうかを尋ねると、フィロネウスはキョトンとした表情で肯定する!…すると

そのフィロネウスの言葉にロディも驚くと、思わずメタい事を口にし!…

傍受されているかもしれないのにの言葉を口にしてしまい!…更には

冒険者プレイヤー達も寝ているとは言え!…もしかすると起きて耳に

残るかも知れない勢いで言葉を口にすると、マサツグも慌てた様子で言葉を

続ける!…


「ッ!?…ちょ!!…声声!!…」


「ッ!?…しま!!……」


__…シィ~~ン……


「今の聞かれた?…」


マサツグが慌てて注意をするとロディもハッとした様子で!…そして次には

慌てた具合に自身の口を押さえて黙ってしまうと、辺りはシーンと静まり返る!…

その際連れて来たダークエルフの子供達やギルド職員…アヤにシロはフィロ

ネウスの術中に掛かって眠っており…先程のロディの声で冒険者プレイヤー達も目を

覚まさず!…とにかくチラッ?…チラッ?っと警戒するようマサツグ達が辺りを

見回すと、何とか何事も無かったのか平穏を得る!…


__チラッ?…チラッ?………ふぅ~…


「あ、危なかったわ!!…ごめんなさい!…」


__ポロン♪…ッ!……ヴウン!!……


[差出人:ロディ  件名 Re:Re:Re:話せない理由]


で?…何でその子狐ちゃんはこのメールが見れるのかしら?…]


「ッ!…一々メンドクセェな?…」


何事も無かった事に安堵し…二人揃って息を漏らすと、ロディが徐に謝り

始める。さすがに自分でもやってしまった!…反省した様子で、目の前で

シュンとしており…だが次にはメールを打ったのかマサツグの元に着信が…

マサツグもそれに気が付き開いて見ると、そこにはフィロネウスに対しての

質問が書かれて有った!…確かに今の現状傍受される事を警戒して居るので

仕方がないのだが、マサツグはしゃらくせぇと!…思わず本音を漏らしては

それをフィロネウスに見せるよう差し出し、フィロネウスもそれを見て

頷く様に黙読すると、意外な事を口にする!…


「ッ!…何故も何も…元よりわっちはこの不思議な魔法の文通…

当たり前の様に見れるぞ?…

街中でその…しょーとめーる?…とやらをして居る者達…

或いは空に向かいブツブツと喋る連中も見掛けた事が有る!…

決まってそ奴らは目の前にその本人が居るかの如く会話をして居って…

やはりこの様な不思議な板の様な物を……って、如何した?…」


「ッ~~~……

無駄だと思うけど報告書に書かないといけないわね?…

まぁ、一応問題は無いと思うけど…」


「のじゃぁ?…」


フィロネウスは元から見えて居ると話し出すと、何が可笑しい?とばかりに首を

傾げ…ショートメールの他にボイチャボイスチャットもやっている様子が見えると言った具合に

暴露すると、その行動については理解して居ない様子で不思議そうにする!…

しかしそれでも間違いなくそのウィンドウは見えて居る様で、ウィンドウを

不思議な魔法の板と…その話を聞いてロディは徐に頭を抱え出し、そんな

ロディの様子を見てフィロネウスも更に不思議そうに尋ねると、ロディは

始末書を作らないと…と呟く…それはそれは本当に予想外のバグを見つけた…

と言った様子で悩み出し、その結末の予測出来て居るのか苦笑いをして見せ!…

そんな様子にフィロネウスもシロの影響を受けたのか更に首を傾げ…とにかく

話が脱線した事にロディも軌道修正をすると、最後にある不穏な事をメールに

する!…


__………ポロン♪…ッ!……ヴウン!!……


[差出人:ロディ  件名 Re:Re:Re:Re:話せない理由]


とにかく!…私が話せなかった理由と内容はこれだけ!!…

後、向こうでもアヤちゃんを捕まえる為に何か画策しているみたい!…

警戒はしておいた方が良いと思うわ!!……なんせ…

として捕縛を依頼したんじゃなくて…

として捕縛を依頼して来たのだから!…

期限については言及無し!…報酬に関しての依頼も後回し!…

…悪い子とは言わないから私が目を瞑って居られる内に

逃げた方が良いと思うわ!…]


「………。」


「……ふむ、如何するんじゃ?…マサツグ?…

この娘を連れて逃避行と洒落込むかや?……」


ロディの最後のメールには自分が隠して居た内容はこれだけと、更には

エルフの国でも何か企みが有るかも!と書かれて有り!…その際気になる

事にを使い分けている事も、妙だ!と

書かれ!…まるで手荒でも本気で捕まえる気概が向こうから感じられる

事も臭わせると、マサツグはその文章を見るなり黙ってしまう!…そして

そのマサツグの肩から顔を覗かせるとフィロネウスもそのメールを見て居り…

一通りそのメールを見てマサツグに如何するか?と判断を仰ぎ出すと、

マサツグは少し考えた後ある事を思い付くのであった!…

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