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-第七章-ウィンタースノー連邦-霊峰ウルフハウリング・後編~デグレアント帝国・前編-
-第七章七十三節 小型炊飯器と思い出すパルクールと活きる経験!…-
しおりを挟むさて無事研究所をクリアした事で全てが解決された気になっている面々を余所に!…
時間を遡ってマサツグの方はと言うと、それはそれは大変な目に遭い続ける羽目に
なっていた!…と言うのも空飛ぶ炊飯器の標的が自分である事に気が付きモツ達と
途中で別れた後!…狭い路地を通って何とか空飛ぶ炊飯器の魔の手から逃れようと
するのだが!…それすらをも想定されていた様子で逃げ切る事が出来ず!…更に
マサツグを追い込み驚かせる追尾手段を見せていた!…
__…約2~3時間前…町の裏路地にて…
「…ぜぇ!…ぜぇ!…と、取り敢えず!!…
ここに逃げ込めばアイツだってもう追っては来れない筈!!…
…ッ~~…あ゛ぁ゛~!!…さすがにずっと逃げ続けるのはシンドイ!!…
かと言って迂闊に攻撃してドカン!とか目も当てられん事は避けねえとだし!!…
…後はアイツらが無事この問題を解決してくれたら!…」
その際さすがのマサツグでも、ずっと無尽蔵に逃げ続ける事は出来ない様子で
バテた具合に息を切らし!…と、それでも一旦追跡を振り切った事で一時休憩!…
消費したTPを何とか回復しようと家の壁にもたれ掛かり!…一方で恨めしそうに
凝視して来る空飛ぶ炊飯器の視線を感じて居ると、とにかく一時的ではあるが
安息を手に入れた事で言葉を!…炊飯器に若干文句の言葉を漏らして行く!…
そして事の収拾についても無事解決する事を口にすると、まるでそれがフラグと
ばかりにその炊飯器にある異変が見られ!…
__ボボボボボッ!!!…パカッ!…ウイィ~~~ン!!!…ッ!…
それは狭い路地故に炊飯器が入れない!と言った様子でマサツグの居る路地の前で
ガン待ちをすると、ホバリングしながら突如側面の装甲に切れ目が入り!…
と言うよりそれはハッチ?の様なモノであったらしく!…徐々に開いて内部が
見え出し!…そこからまた小型の炊飯器!…それも一機や二機ではなく複数機
抱えられているのが伺えると、まずハッチに開いた事にマサツグが気付く!…
そしてその光景を見て戸惑い始める!…
「…え?…え??…」
__ピコ~ン!…ピコピコピコ~ン!……ジッ!!…ッ!?…ボボボボボボ!!!…
この時まるで理解が出来ていない様子で言葉を零すと、今度は嫌な予感を感じ!…
と、後は言わずもなその嫌な予感は見事に的中!…次にはその小型の炊飯器も
ビコ~ンッ!と目を光らせ始め!…煌々と赤い光を輝かせて!…一点にマサツグを
見る様にしてジッ!と視線を向けて行くと、当然マサツグもそんな視線を感じて
ビクッ!と…すると次にはその小型の炊飯器達がデカい炊飯器から分離し出す!…
となると今度は途端にスゥ~ッとマサツグの方へと近付いて見せると、また展開が
追い駆けっこになって行き!…
「ッ!?…ちょ!?…まだ回復し切ってない!!…」
となるとまたマサツグが文句を口に!…まだ回復し切っていない!と…その小型の
炊飯器を相手に停戦を求めるよう文句を漏らして見せるのだが、当然その炊飯器が
言葉を聞く筈も無い訳で!…次には小型炊飯器達が体当たりを仕掛け始める!…
それは親が親であれば子も子!と言った具合で!…途端に勢いを付けて行くと、
一直線にマサツグへ向かって飛んで見せ!…と、そうなっては当然また逃走劇へと
発展して行き!…
__ボボボボボボ!!!……ヒイイィィィン!!!…
「ッ!!!…フザッケンナ!!!」
__ヒイイィィィン!!!…メコォッ!!…パラパラッ…
マサツグも慌てた様子で文句の言葉を漏らして咄嗟に回避!…すると回避した際
その小型炊飯器はマサツグのもたれていた家の壁にドスッ!と…減り込む様に
して頭から刺さって行き!…マサツグも回避した所で振り返り!…それを見て
思わず青褪める表情を露わにすると、勿論その場を後にするよう逃走再開!…
更に町の奥へと逃げて行く!…この時その光景を見て付き合って居られない!と
言った言葉を口にする一方!…
「ッ!?…こ、こんなのまで相手にさせられるのかよ!?…
と、とにかく今は逃げるしか!!…」
__ヒイィィン!!!…ヒイィィン!!!…ッ!?…わわわわわわわわ!!!!…
当然そのマサツグの後を追って他の小型炊飯器達?も追跡し出し、更に阿鼻叫喚と
化して行き!…それは先回りする様に飛んで来ては勿論の事ながらタックルを
続行!…何なら小さい分小回りが利くのか適格にインを突いて行き!…それでも
マサツグは被弾を許さず回避をし続け!…続々と小型炊飯器達が壁に減り込むのを
音で知ると、とにかく慌てる!…街中に響く勢いで叫び続ける!…そしてこの間も
ハードワークでパルクール!…飛んだり跳ねたりで忙しく!…
__ダダダダダ!!!…ッ!!…バッバッバッバッバッ!!!…シュタッ!!…
逃げる為に曲がり角を曲がってバリケードを見つけ、しかしマサツグは止まる事無く
慣れた様子で壁キックを敢行し出し!…それは宛ら某・世界で一番有名な赤い配管工
親父の様に!…家々の壁を足場にして蹴って蹴って繰り返し!…それは軽い!と
言った様子でアッサリとそのバリケードを突破して行くのだが!…しかし後ろからは
構わず小型炊飯器が迫って行くる!…何なら向こうは最初から跳べる訳で!…
__ヒイィィン!!!…ヒイィィン!!!…
「ッ~~~!!!…クッ!!…何処までも追って来やがる!!!…
いっそ殲滅出来たらどれだけ楽か!!…
しかししたらしたで面倒な事になりそうだしぃ~!!!…」
これまた当然何の問題も無くしれっとバリケードを越えて見せると、そのまま
スラスター音を響かせながら構わずマサツグへ攻撃を続け!…と、マサツグも
それをチラッとではあるが確認をして行き!…と、やはり文句も漏らし始め!…
いっその事すべて壊そうかとも考えるのだが、後を考えるとそれも出来ず!…
ただ次に逃げる方を見て更に奥へと進んで行くと、そこでまた更にTPを消費し
そうな光景が目の前に映り!…
__ダダダダダ!!!…ッ!!!…
「ま、マジかあぁ!!!…」
次にマサツグを迎えたのは恐らくこの町の下水道へ入る為に大きく作られたで
あろう生活用用水路の様なモノで!…と言ってもその用水路に入るのではなく!…
用水路を飛び越えるのに中々な距離が有るのを目にしてしまうと、逃げ道に
そんなモノが在る事でマサツグも確認しては戸惑い始め!…が、他に逃走路を
変えたくとももう他に道も無く!…何なら当然背後からは炊飯器が!…未だ殺気を
放ち迫って来ているのが感じられると、勿論突っ込むしか無く!…
__ヒイィィン!!!…ヒイィィン!!!…
「ッ!?…ッ…悩んで居ても仕方が無いよな!?…
…スゥ~~…ッ!!!…フンッ!!…」
もう飛び越えるしか選択肢に無くなっており!…マサツグも悟って軽く口を半分
閉じたまま息を吸うと、静かに自身の中で覚悟を決める!…そして更にギアを
上げて行くと、その用水路に向かって真っ直ぐ突っ込む!…するとそれに合わせて
背後から追って来ている炊飯器も更に速力を上げて来ると、追い付こうとして
見せ!…と、その間にも徐々に用水路へと迫っており!…マサツグがここでふと
秋雲国での事を思い出すと、更に勇気を振り絞る!…
「ッ~~~!!!…思い出せぇ!!!…こっちはただの側溝で!!!…
向こうは谷底だったじゃねぇか!!!…あの時に比べたらかなりマシ!!!…
後は踏み切る位置さえ間違えなければぁ!!!」
__ヒイィィン!!!…ヒイィィン!!!…
と、この時思い出した事と言うのもアヤを助けに向かった際の迷いの竹林での事で
あり!…あの時はフィロを背中に背負っていた!と…何なら然程高さも無い筈!と
高を括り!…あの時よりはマシ!と自身に言い聞かせ!…速度を落とす事無く
突っ込んで行くと、一方で炊飯器も構わずマサツグにタックルを続ける!…しかし
マサツグの方が足が速いのか空振りをに終わる!…その点からこの炊飯器自体も
然程AIが賢くないのか?…マサツグの余裕を生む事に繋がり!…と、そんな事を
考えている間にも遂に本番!…大体の踏み切り点を遠目ながら確認して行き!…
ぶっつけ本番用水路に向かい真っ直ぐ突っ込んで行ってしまうと、次には!…
__ズダダダダダダダダ!!!!…ッ~~~~~!!!!…
「アイ…キャン!!!…」
__ダンッ!!!!…グワアアァァ!!!!…
迫ってきた用水路に対して睨みを利かし!…自身の中の闘志に更なる火を点けて
行くと、声を上げる!…自分は出来る!とばかりに叫んで見せる!…そして予め
目星を付けていた踏み切り点にも思いっきり足を踏み込んで行くと、その足に
有りっ丈の力を籠め!…と、言ってもそこまで気張る必要は本来無いのだろうが!…
この時テンションは昂っており!…何か無駄にやる気に満ち溢れた気になって
居ると、その叫ぶ言葉でタイミングを計る!…そして踏み込んだ足の力を
解放する!…
「フラアアアアアアァァァァァァイイィィ!!!!」
__ンンバッ!!!……ヒイィィン!!!…ヒイィィン!!!…
この最後の言葉で地面を蹴り上げ、いざテイクオフ!…この時も思いっきり
叫んで飛び!…と、同時に背後からまた小型炊飯器のタックルを受けそうに
なるのだが、寸前での所で回避!…無事に事無きを得る事に成功する!…
そしてこの飛んだ際にチラッとその側溝に視線を向けて行くと、そこには
目を疑う光景が広がっており!…と言うのも何故かその用水路に溜まっている
液体は蛍光色をして!…
「…ッ!?…な、なんじゃごりゃああぁぁぁ!?」
__どよおおぉぉん…ブヨブヨ…ブヨブヨ……ダンッゴロゴロ…バッ!!!…
具体的にはカラーペンでよく見る黄色や緑・オレンジと言った色が見られるのだが、
どれも主張が強く決して混ざる気配が見られず!…ただマーブル模様を描いては
ブヨブヨとしている様子も見られ!…これにマサツグも驚きを隠せない様子でまた
叫び!…思わず某・名俳優の様なそんな台詞を口にすると、難無く対岸へと渡って
行く!…そして前転着地で逃走を続ける!…因みにその用水路の幅は大体10m位は
有るだろうか、とにかく無駄に幅が取られ!…しかしマサツグはそれにプラスして
更に2~3mは飛んでおり!…これが現実世界でなら間違いなく世界記録物であるの
だろうが!…本人は至ってそれ所ではなく!…とにかく背後から追って来る炊飯器
から逃げて続ける!…
__ズダダダダダダダダ!!!!…ヒイィィン!!!…ヒイィィン!!!…
「ッ~~~~!!!…まだ追って来る!!!…クソッ!!!…
一体その小さな体の何処にそんだけの推進剤が積まれてるってんだ!!!!…
インチキも大概にしろおぉ~~~!!!!」
さて今度は出っ張る様にして配管が入り組んでいる地帯に入って行くと、乗り越え
スライディングで滑り込みを繰り返し!…何ならこの時あのデカい炊飯器もちゃんと
マサツグを追っている様子で…見えないもののスラスター音が!…何処からともなく
響いて来る様に聞こえて来ると、やはりマサツグを慌てさせる!…何なら小型にも
驚きを隠せない様子で言葉を零す!…と言うのもずっと速さも変わらず追って来れる
と言うのはマサツグからすれば可笑しい!と、その桁外れの燃費の良さに文句が
絶えず!…とにかくその路地を駆け抜けて行き!…そしてまた大通りへと
出てしまい!…いや何か大型のトラックも通れそうな開けた道へと出て来てしまう
と、また奴が!…満を持して登場する!…
__ボボボボボボ!!!…ヒイイイイイィィィィンン!!!!…
「ッ!?…しまった!!!…」
それこそ出て来てしまったのしょうがない!と…とにかくその道に沿って
走り続けていると、次には背後に付いて居た!とばかりにその巨体を
スッと現し!…となると当然またチェイスが開始して行き!…スラスターを
吹かしてマサツグを追い掛け!…マサツグもうっかり大きな道に出て来て
しまった事に言葉を零すと、また焦りと驚きを感じて行く!…この時幸いなのは
その空飛ぶ炊飯器が何かしらの射撃武器を持っていないと言う事で、マサツグも
後ろから攻撃が飛んで来ない事で安堵!…だが後ろからそ巨大な物が追って来て
いるとなるとやはり心は落ち着かず!…とにかく他の者達を巻き込まない様に!…
出来るだけ町の外周を走るよう辺りを注意すると、また面倒な事に!…
__ズダダダダダダダダ!!!!…ヒイィィン!!!…ヒイィィン!!!…
「ッ!?…こ!…ここに来て先回りまでして来るのかよ!?…」
と言うのもタックルで空振りに終わった別の小型の炊飯器達も!…如何にか
あの減り込んでしまった壁から抜けて来た様子で!…バッとマサツグの前に
姿を現すよういきなり路地から出て来て見せると、次には当然マサツグに
向かって襲い掛かる!…それこそ挟み撃ちにするよう向かって行く!…
となるとマサツグとしてもそんなモノが現れた事で、これまた慌てて戸惑って
しまい!…が、一方で小型炊飯器達は御構い無し!…マサツグの背後から
デカい方が迫って来ていようが!…ただ弾丸と化す様に!…マサツグに向かい
再度タックルを敢行すると、マサツグもマサツグで身構える!…
そして某・ジャ○プ漫画の様な躱し様を露わにする!…
「ッ!!…クッ!!…やるしかない!!…
四の五の言わずにやるしかない!!!…」
__ギュンッ!!…バシュン!!!…
それは向かって来る小型の炊飯器達を前にして!…覚悟を決めた様子でキッと
真剣な表情を浮かべて見せると、迷う事無く立ち向かう!…そして加速するよう
更に足も動かして見せる!…そして小型の炊飯器達もそんなマサツグを前にして
全く怯む様子を見せず!…いやそもそもまず機械が怯む事が有るのだろうか…
と、とにかくマサツグへ向かって突っ込んで行き!…マサツグも構わずそのまま
小型の炊飯器に向かって突っ込んで行く姿を露わにすると、とても奇怪な現象が!…
__ヒイイイイイィィィィンン!!!!…
「…やれる!!!」
それはマサツグとその向かって来る小型の炊飯器が共にぶつかりそうになった
瞬間!…マサツグの身体はその小型炊飯器の前でフッと半透明になるとそのまま
小型炊飯器を躱し!…と、その躱された小型炊飯器も急には止まれず!…
そのマサツグの後を追っている!…デカい方の空飛ぶ炊飯器にぶつかってしまうと、
今度は減り込む事無く甲高い音を立てて大破!…無残な姿で地面に転がる!…
一方でマサツグもその音と先程の感覚でやれる!と言う事を知ったのか、続け様に
また小型炊飯器達を相手にして行き!…
__ヒイィン、ヒイィン!!…フッ…コオオォォン!!!…コオオォォン!!!…
小型炊飯器達も感情がない事から我が身を厭わず、弾丸の様に襲い掛かり!…
しかし当たらなければ某・赤い彗星の大佐の台詞の通りであり!…マサツグは
次々に避けて進み!…その度背後からまたデカい方に当たったであろう甲高い音を
耳にすると、自分でもやれている事を更に自覚!…徐々にリズムに乗って行く!…
それはまるで傍から見るとデビルバ○トゴーストを繰り出している様に見え、
この時上空班もたまたまそれを見つけた様子で途端に驚き!…
「ッ!?…ス、スゲェ!!…
まだあのデカいのから逃げ続けてる!!……本当に何者なんだ!?…」
「…わ、分からん!!…分からんけど…」
今までそんな回避方法を見せた者は居ない!と驚き…と、同時にマサツグに対して
興味も持ち!…それこそ今までマサツグを見て来た者達と同じ意見に至る始末で!…
本当に同じ人間なのか?と…思わず別の…それこそ実はNPCなのでは?と
感じてしまうと、ただただ困惑の言葉しか出て来ない!…そしてそんなマサツグに
魅入られてしまう!…それは勿論誘惑的な意味ではなく、感激的な意味で有り!…
と、そんな上空班の事など知らないマサツグは必死であり!…となると同時にまた
TPがデッドラインにへと近付き!…
__ズダダダダダダダダ!!!!…ヒイィィン!!!…ヒイィィン!!!…
「ッ~~~!!!…クッソ、いい加減にしろっての!!!…
ゼェ!!…また!!…TPに!!…限界があぁ!!…」
{…また路地裏に逃げるとして!!…如何やって回復を図る!?…
それこそまたあの小さいのを出して追い駆けて来るだろ?…
…何か手段はある筈なんだ!!…何か、何か!!!……}
いつまでも追って来る空飛ぶ炊飯器にイライラを隠せず、勿論文句の言葉も
止まらず!…だが次第にその文句すらも漏らすのがきつくなって来た様で!…
何なら一方で幾ら文句を零した所で炊飯器も止まる気配など全く見せず!…
このままでは不味い!と…また路地裏に入って何とか休息を取りたい!と
マサツグが思考を働かせ始めると、ここでふと特にコレと言って何の変哲も
無い物をその目に捉え!…
__ズダダダダダダダダ!!!!……ッ!…
{…影?…アレ、今なんでそんなモノを?…って、影?……ッ!!!…}
ここで目に入ったモノと言うのはその路地裏の薄暗い雰囲気で有り、建物同士が
並んで立って居るため当然そこに影が在り!…しかしその影が気になった事に
対して自分でも如何して?と次にはふと悩み!…だがそこからハッ!と…今度は
その答えも導き出した様子で!…突如天啓がひらめき試す価値がある!と自分でも
結論付けると、一方で上空から未だ逃げ続けるマサツグの様子を見て居る者達は…
「…ど、如何する?…助けに向かう?…
幾ら何でもこのまま見殺しにする様な真似は!!…」
「とは言ったものの助けられるのか?…
何せあんな奇妙な機械を相手に!…」
TP切れを起こしそうになっているマサツグの様子が見て取れる様で、絶賛助けるか
どうかで悩んでおり!…その際勿論見殺しにする訳には行かない!と考える一方で、
かと言って迂闊に手を出して良いのか?と考える事も…恐らくマサツグを助けると
今度は自分達がターゲットになり!…そこから無事逃げ切れるのか?と…更には
あの機械に追われる事を考えると、今からでも何とも言えない恐怖をその身に感じて
しまい!…思わず躊躇いも覚えて居ると、一方でマサツグは直ぐに自身の考えた
作戦に打って出る!…徐にアイテムポーチを弄り始める!…
__ガサゴソッ!!…ガサゴソッ!!…ッ!…ズルゥ!!…
「…ッ!!…ん?…な、何だアレ?…」
「ッ!…え?…」
それは勿論何かを探す様にして弄り出すと、直ぐに見つけた様子でそのある物に
手を掛け!…と、そこから出て来たのは真っ黒な毛皮のコートで有り!…すると
先程から様子を見ていた上空班の面々も!…突如マサツグがその毛皮のコートを
引っ張り出して来た事に疑問を持つと、一体何をするのか?と…そのマサツグの
動向に目を向ける!…そして一方でそんな上からの視線に気が付いて居ない
マサツグはと言うと、逃げながらそのコートを羽織り始め!…
__バサアァ!!…スッ…スッ…ッ!?…
「ちょ!?…あんな目立つコートを着たら!!…」
「自殺行為だぞ!?…
…あぁ~もう!!…とにかく助けに!!…」
迷う事無くそのコートを羽織り始めた事で上空班は困惑!…日中にそんな黒い
コートを着たらガンガンに目立つ!と…自殺行為である!とばかりに焦りの
言葉を口にすると、一方で案の定マサツグはしっかりと目立ってしまう!…
これには上空班も絶対に逃さない!と言った確信を持ってしまう!…そして
そんな奇行?に打って出たマサツグに対して見て居られない!と言った感情を
持って行くと、次には襲われるであろう事を覚悟して救助に向かう姿勢を露わに!…
が、そんな上空班の事など露知らず!…マサツグは次の角を右に!…また路地裏に
その身を隠して行き!…そこでマサツグの真の狙いを目にすると、また上空班の
面々は戸惑う!…そのマサツグの考えに翻弄される!…
__ズダダダダダダダダ!!!!…ババッ!!!…フッ…ッ!?…
「ッ?!…え!?…」
「き、消え!?…」
それこそ上空班の面々が自身の跨るワイバーンを操縦して急降下の体勢に!…
が、マサツグが曲がり角を曲がった所でその姿をスッと見失い!…それこそ
先程まであれだけ目立った居たにも関わらず!…あっと言う間に自分達の
目の前からマサツグが姿を消した事で戸惑って見せると、その急降下の体勢も
不発!…辺りを見回しマサツグの姿を探し始める!…そして一方で空飛ぶ
炊飯器もマサツグが曲がり角を曲がった事を確認すると、また側面のハッチを
開け!…
__パカッ!…ウイィ~~~ン!!!……ピコ~ン!…ピコピコピコ~ン!…
「………。」
また小型の炊飯器を投入しよう!と…するとそれに伴って小型の炊飯器達も
目を覚まし、その目に光を灯すのだが!…肝心の標的を見つけられない様子で
直ぐには動かず!…まるで標的を探す様にチラチラと辺りを見回し出すと、
炊飯器もマサツグを見失った様子!…機内なのに困惑する様なそんな動きを
露わにする!…一方でその肝心のマサツグはと言うと、自身の思惑が上手く
行った事で漸く休憩が許され!…
「…ゼェ!…ゼェ!……ふぅ~…
さすがにサーマルカメラまでは付いてないみたいだな?…
…とにかくこれで少しくらいは休憩が…」
__ッ!…ヒイィィン!!!…ッ!?…チラッ?…チラッ?……ッ…
この時マサツグは息を切らしながら壁にもたれ!…そして自身を探すに当たって
唯一の弱点である機能が付いて居ない事に安堵すると、やっと休憩が出来る!と
言葉を漏らし!…と、一方で音には敏感なのか小型が途端に反応をする!…
そしてスッと壁にもたれているマサツグの前でビタッと止まり!…次には辺りを
見回しそれでもマサツグを見つけられないそんな反応を露わにすると、目の前で
そんな様子を見せられたマサツグとしても気が気ではなく!…思わず息を呑んで
しまう!…そしてそのまま黙って様子を見て居ると、巡回をする事になったのか
小型はそのまま奥へ奥へと進んで行き!…
__ヒイィィン!!…ヒイィィン!!……ッ…はあぁ~…
「…可笑しいなぁ?…確か音も遮断してくれる筈じゃ?…
…アレは足音だけだっけ?…まぁ良い…これが使えるなら!!…」
結局マサツグを見つける事敵わずそのまま進み!…マサツグも自身から離れて
行った小型の様子を見て改めて安堵の溜息を漏らすと、取り敢えずTPを回復!…
時間稼ぎをして見せる!…そしてこのままずっとと言う訳には行かない!と
考えると、また隙を見てコートを脱ぐ事を考え!…と言うのもこれを繰り返せば
ずっとヘイトを稼ぎ続ける事が出来ると考え!…あくまでも自分はあの空飛ぶ
炊飯器の相手を!…他の仲間に危害が行かない事を考えると、自らピエロを
演じて行く!…そしてこれは本当にモツ達があの機械を破壊するまでずっと続き!…
炊飯器に追われる恐怖と同時に、その光る魔法陣を目にして焦りも感じ!…
__異変解決まであと数分後と言った所…
「…はぁ!!…はぁ!!…もう慣れたとは言えそれでもシンドイ!!…
…それにこの光る幾何学模様は何なんだ!?…
アイツらも本当に大丈夫なんだろうな!?…って、はあぁ~…
……ッ…そろそろ行くか?…」
とまぁ言ってもさすがに炊飯器に追われる事にも慣れて来た様子で、その恐怖も
薄れる事に!…しかし一方でこの魔法陣については別で有り!…何か煌々と
足元で光っているのを目にすると、当然不安を感じ!…何ならこの光のせいで
幻影のコートも使えず!…結果またあの小型の炊飯器から追われる事になって
しまうと、また回復が疎かになって行く!…しかしそれでもここまで何とか
意地からに引っ張って見せる!…さてそうして色々と不満を漏らしながらまた
タイミングを見計らって炊飯器の誘導に出ようとすると、次にはマサツグの目の前で
遂に待ち望んでいた事が起き!…
「…いっせぇのぉせ!!…」
__ババッ!!!…ッ!!…ボボボボボボ!!!…ヒイイイィィンン!!!!…
「さぁコッチだボケナ!!……ス?…」
それは飛び出して行くタイミングを見計らって表通りに!…その際炊飯器の背後を
取り!…炊飯器もそのマサツグが飛び出して来た足音に気が付いてフッ!と…
振り返りマサツグの姿を発見すると、当然の如く追跡!…するとマサツグも煽る
言葉を口にする!…しかしそれを最後まで言い切る事は決して無く、と言うのも
突如その襲って来る筈の炊飯器の様子が!…それはスラスターが不燃を起こした
様子で勢いを失い!…
__ヒイイィンン!!!!…ボボボ!!…ボボッ!!…ボッ!…ボボッ…
「え?…え??…」
__スゥ…ゴガシャ、ゴロゴロゴロゴロ!!!………
それはまるで灯油切れのストーブの様な!…そのまま推進力を失ってしまい!…
遂には地面に落ちて表通りのタイルの凹凸に引っ掛かる感じで地面へ激突をして
行くと、今度は転がってマサツグを追う!…だがそれも長くは続かない様子で
徐々に落ち着く!…するとそこからはウンともスンとも言わずただ沈黙して
転がっており!…マサツグも最初は自身に向かい転がって来た事で驚くのだが、
止まった事でただ戸惑うに落ち着き!…となると今度は本当に止まったのか?と…
何か疑問を感じて恐る恐るその空を飛んでいた炊飯器にへと近づいて行くと、
大剣を徐に抜いては警戒した具合にツンツンと突っつき!…
__……ジャコンッ!!…チャキッ!!…そぉ~……コンコンッ!…
「ッ!…ッ……反応が無い…ただのガラクタの様だ…」
丁度マサツグの目の前にはその空を飛んでいた炊飯器のヘッドパーツが!…
それを大剣で小突いた所で反応は無く!…ただ固い音だけが響く様に聞こえて
何か空しい気になって来ると、次には某・大作RPGの構文宜しく…マサツグが
言葉を零して行く!…それこそ本当に終わった様に静かに呟いて見せて居ると、
足元に有った筈の魔法陣もいつの間にか消えて居り!…しかしマサツグはこの時
全く気付いて居らず!…とにかく黄昏る様に!…その転がる炊飯器を見て何か
興味を持つ様なそんな視線を向けて行くと、今度は安堵!…そして静かにその場で
へたり込むのであった!…
応援ありがとうございます!
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