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25.ロズイエ家集合です
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「よろしくね、エルダーちゃん」
王宮内の一番大きなサロンに呼ばれた私は、お義兄様とお義姉様に初めてお会いした。
ロズイエ王国の第一王子で王太子であられるライアン様と、王太子妃であられるエレイン様。
ライアン様はこの国の王家特有の赤い髪をしていて、オリヴァー様より少し濃い目。瞳は同じ金色で、落ち着いた表情ながら、オリヴァー様に似ているのはやっぱり兄弟だからだろう。
エレイン様は公爵家のご令嬢らしく、金色の瞳を携え、ローズピンクの髪が可愛らしい方。
その腕には、お二人のお子様が抱かれていた。
エレイン様のご出産により、王家の別荘に行かれていたお二人がようやく王宮に帰って来られたのだ。
陛下もお義母様も、初孫にメロメロになっていた。
「オリヴァー、結婚式には出席出来なくてすまなかったな」
「残念だわ! オリヴァーの結婚は私もライアンも心待ちにしていたのに!」
「妻を第一にするのはロズイエでは当然よー。仕方ないわ」
ライアン様とエレイン様が、並んで座る私とオリヴァー様に残念そうに話すと、初孫にメロメロだったお義母様が横から口を挟んだ。
「そうそう、ロズイエの男性は情熱的だから、安心して愛されると良いわよ? エルダーちゃん」
ロズイエの男性ってそうなんだ。
確かに、オリヴァー様も『サンブカ』のために奔走してくれてたんだもんね。
エレイン様の言葉に、改めてオリヴァー様の行動を思うと、恥ずかしくなってきた。
「結果的にはな! 馬鹿息子が!!」
「なっ……! まだその話、蒸し返すのかよ!?」
エレイン様の言葉に、今度は陛下が反応して、またまた言い合いになってしまった。
私以外の三人は慣れているようで、そんな二人を放って会話を続けた。
「何かあったのかしら?」
「それがね、聞いてくれる? エレインちゃん!」
私たちの遠回りした話を知らないエレイン様に、お義母様が嬉しそうに説明をする。
うう、当事者の前で話されるって恥ずかしい。
「まあ! 素敵なお話!」
「オリヴァーらしいな」
お義母様から話を聞いたエレイン様は、両手を合わせて声を弾ませ、ライアン様は緩やかに弧を描いて微笑んだ。
ニコニコと微笑む三人に囲まれ、私の顔は赤くなってしまう。
「素敵なものか!! この馬鹿息子が本当にすまない!! エルダー!」
陛下の怒号がこちらに飛び火してきて、びくりとなりつつも、謝罪をされてしまい、慌てる。
「そんな、こちらこそ申し訳ございませんでした! 謝罪も沢山いただいて……本当に大丈夫です! その……今は幸せなので………」
「まあ、エルダーちゃん!」
陛下に恐縮しながらも、精一杯気持ちを伝えれば、お義母様からギュッと抱き締められた。
「エレインちゃんにエルダーちゃん! 良いお嫁さんが来てくれて本当に幸せ!! ね、ライアン、オリヴァー!」
「はい。幸せすぎますね」
「は、はい、まあ……」
私を抱き締めたお義母様が息子二人に投げかければ、ライアン様は笑顔のまま即答、オリヴァー様は照れたようにぶっきらぼうに答えた。
私とお義母様とエレイン様は、その二人の反応の違いに、お互い見合って笑ってしまった。
「そうだ、オリヴァー。お前の調合師学校の案、議会ですぐに通るだろう」
「……そうですか!」
「お前に手配を任せることになると思う」
「かしこまりました……!」
笑い合っていたお義母様の隣に、ドカッと座ると、陛下はオリヴァー様が提案されていた学校について話し出した。
オリヴァー様は嬉しそうだ。
私もオリヴァー様の力になれるように頑張りたい。何より、大好きなハーブで役に立てるなんて幸せだ。
「もう、せっかく家族が揃ったのに仕事の話なんて」
「まあまあ、お義母様。ハーブの繁栄は私たち癒しの聖女にとっても有り難いことです」
頬を膨らませ、可愛く怒るお義母様にエレイン様が笑顔で宥める。
あ、そうだ。
ここぞとばかりに、私は疑問を投げかけた。
「あの、ハーブの調合師も『聖女』と呼ばれるのはどうしてなんですか?」
私の質問に二人が固まってしまった。
……あれ?私、聞いちゃいけないこと言ったかしら?
不安に思っていると、お義母様がすぐに笑顔を作って答えた。
「……オリヴァーから聞いていたけど、本当にオスタシスはあなたを蔑ろにしていたのね……」
「けしからんな!」
オリヴァー様は私のオスタシスでの待遇をご両親にも報告していたようで。
何だか申し訳ないような、いたたまれない気持ちになったけど、陛下が怒ってくれて、救われたような気持ちになった。
「聖女は対って言ったでしょ? 私たち癒しの聖女の力はね、人々の身体にハーブの力が蓄積されてこそ発揮されるのよ」
初めて聞く話に、私は驚きつつも、お義母様の話の続きを待った。
王宮内の一番大きなサロンに呼ばれた私は、お義兄様とお義姉様に初めてお会いした。
ロズイエ王国の第一王子で王太子であられるライアン様と、王太子妃であられるエレイン様。
ライアン様はこの国の王家特有の赤い髪をしていて、オリヴァー様より少し濃い目。瞳は同じ金色で、落ち着いた表情ながら、オリヴァー様に似ているのはやっぱり兄弟だからだろう。
エレイン様は公爵家のご令嬢らしく、金色の瞳を携え、ローズピンクの髪が可愛らしい方。
その腕には、お二人のお子様が抱かれていた。
エレイン様のご出産により、王家の別荘に行かれていたお二人がようやく王宮に帰って来られたのだ。
陛下もお義母様も、初孫にメロメロになっていた。
「オリヴァー、結婚式には出席出来なくてすまなかったな」
「残念だわ! オリヴァーの結婚は私もライアンも心待ちにしていたのに!」
「妻を第一にするのはロズイエでは当然よー。仕方ないわ」
ライアン様とエレイン様が、並んで座る私とオリヴァー様に残念そうに話すと、初孫にメロメロだったお義母様が横から口を挟んだ。
「そうそう、ロズイエの男性は情熱的だから、安心して愛されると良いわよ? エルダーちゃん」
ロズイエの男性ってそうなんだ。
確かに、オリヴァー様も『サンブカ』のために奔走してくれてたんだもんね。
エレイン様の言葉に、改めてオリヴァー様の行動を思うと、恥ずかしくなってきた。
「結果的にはな! 馬鹿息子が!!」
「なっ……! まだその話、蒸し返すのかよ!?」
エレイン様の言葉に、今度は陛下が反応して、またまた言い合いになってしまった。
私以外の三人は慣れているようで、そんな二人を放って会話を続けた。
「何かあったのかしら?」
「それがね、聞いてくれる? エレインちゃん!」
私たちの遠回りした話を知らないエレイン様に、お義母様が嬉しそうに説明をする。
うう、当事者の前で話されるって恥ずかしい。
「まあ! 素敵なお話!」
「オリヴァーらしいな」
お義母様から話を聞いたエレイン様は、両手を合わせて声を弾ませ、ライアン様は緩やかに弧を描いて微笑んだ。
ニコニコと微笑む三人に囲まれ、私の顔は赤くなってしまう。
「素敵なものか!! この馬鹿息子が本当にすまない!! エルダー!」
陛下の怒号がこちらに飛び火してきて、びくりとなりつつも、謝罪をされてしまい、慌てる。
「そんな、こちらこそ申し訳ございませんでした! 謝罪も沢山いただいて……本当に大丈夫です! その……今は幸せなので………」
「まあ、エルダーちゃん!」
陛下に恐縮しながらも、精一杯気持ちを伝えれば、お義母様からギュッと抱き締められた。
「エレインちゃんにエルダーちゃん! 良いお嫁さんが来てくれて本当に幸せ!! ね、ライアン、オリヴァー!」
「はい。幸せすぎますね」
「は、はい、まあ……」
私を抱き締めたお義母様が息子二人に投げかければ、ライアン様は笑顔のまま即答、オリヴァー様は照れたようにぶっきらぼうに答えた。
私とお義母様とエレイン様は、その二人の反応の違いに、お互い見合って笑ってしまった。
「そうだ、オリヴァー。お前の調合師学校の案、議会ですぐに通るだろう」
「……そうですか!」
「お前に手配を任せることになると思う」
「かしこまりました……!」
笑い合っていたお義母様の隣に、ドカッと座ると、陛下はオリヴァー様が提案されていた学校について話し出した。
オリヴァー様は嬉しそうだ。
私もオリヴァー様の力になれるように頑張りたい。何より、大好きなハーブで役に立てるなんて幸せだ。
「もう、せっかく家族が揃ったのに仕事の話なんて」
「まあまあ、お義母様。ハーブの繁栄は私たち癒しの聖女にとっても有り難いことです」
頬を膨らませ、可愛く怒るお義母様にエレイン様が笑顔で宥める。
あ、そうだ。
ここぞとばかりに、私は疑問を投げかけた。
「あの、ハーブの調合師も『聖女』と呼ばれるのはどうしてなんですか?」
私の質問に二人が固まってしまった。
……あれ?私、聞いちゃいけないこと言ったかしら?
不安に思っていると、お義母様がすぐに笑顔を作って答えた。
「……オリヴァーから聞いていたけど、本当にオスタシスはあなたを蔑ろにしていたのね……」
「けしからんな!」
オリヴァー様は私のオスタシスでの待遇をご両親にも報告していたようで。
何だか申し訳ないような、いたたまれない気持ちになったけど、陛下が怒ってくれて、救われたような気持ちになった。
「聖女は対って言ったでしょ? 私たち癒しの聖女の力はね、人々の身体にハーブの力が蓄積されてこそ発揮されるのよ」
初めて聞く話に、私は驚きつつも、お義母様の話の続きを待った。
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