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新天地へ

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「いつ振りか?ここへ迷い人が来るとは」

何処からともなく響く声。

「お主らのまといしそのオーラ……あぁ。その力。覚えがあるな」

大きな瞳はそう言うと目を閉じた。


シーンと静まり返る闇の中、色を纏うのは私達二人だけ。

「なるほどな……そう言う事か……」

大きな瞳が再び開かれる。

何もないような闇の中に浮かび上がる瞳が2つ。

「この者達が『箱庭』の覇権争いに終止符を打つとな……フフフ……ハハハ……アハハハ」

声は高笑いを始める。

闇の中に響き渡るそれは、正直怖い。

一通り笑い終わると
「あぁ面白い。これ程のジョークはなかなかにないな。ふむ」
と、声の主は一旦自身の感情を落ち着かせる。


ギロリと見つめて来る瞳は、まるで私達を値踏みしているようでさえあった。

「箱庭に落としたとて、どうせ我の関する所ではない。あれに従うのも癪だが、何処へやっても角が立とう。では……」

ゴゴゴゴ……と言う音が響き、その大きな瞳の位置が高くなって行く。

ガラガラと何かが崩れる音が響く。

地響きのようなその音が止むと天井から青白い光が射し込んで来た。

少しづつ明らかになるその空間。

何もなく、果てが見えないその空間。

そして、私達の前には大きな巨人がその天井を持ち上げていた。

「我の後ろにある階段は箱庭へと続く道。天上の楽園か、はたまたこの世の冥界か。それは全てのお主らの次第。この世界の底辺から這い上がって行くが良い。我はその為に暫しの間天を支えよう」

いつの間にかその場所に現れた仲間達は、我先にと階段を登り始めた。

それは、まるで誰も目にしてないような足取りだった。
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