12 / 253
先生、お付き合いをしましょう!
12
しおりを挟む
「手術は若い人が望ましいから、小柳さんは対象になってる。これ以上大きくならない内に切除して完治させることができればもう薬を飲み続けなくてもよくなる」
「薬を飲まなくても普通に生活できて、出産もできるってことですか?」
「そういうこと。うちの病院には専門の外科医がいるから、きっといい結果が得られると思う」
その言葉に歓喜した夕映と母は手術を決めたのだった。ただ、手術となれば外科の対象となり自然と主治医は変わる。手術は看護師の国家試験が終わった後にすることになったのだが、それは旭との別れを表すカウントダウンでもあった。
手術をするにあたり、外科の医師を紹介された。大人の色気を纏う美しい女医だった。適度に鍛えられた肉体は引き締まっていて、意志の強そうな切れ長の目が厳しそうな印象を与えた。肩より長い髪を左肩から前に持ってきて、1つにまとめていた。美しい螺旋を描いたウェーブが艶やかに光った。
「小柳夕映さんね。私は外科医の渕上希星。よろしくね」
首からかけてある名札を手に取り、彼女は微笑んだ。名前の如く、夜空に輝く星々のように存在感を引き立たせ、その美しさは一段と光を増したように思えた。
夕映は、初めて旭の笑顔を見た時と似たような感覚を抱いた。
少し怖そうだと思えた彼女は、一瞬にしてそれを覆てしまうほど優しさと明るさを兼ね備えていた。
「優しい先生だから大丈夫だよ」
前回の受診時に旭がそう言った。名前だけ見たら、男性か女性かわからなかったが、夕映もまさかこんなに若い美人が主治医になるとは思いもしなかった。
なんだ、なんだ。この病院は若い美形しかいないのか!?
心の中でそう叫んだ夕映。すっかり魅了されてしまい、自分とは天と地ほどの差がある完璧な容姿を食い入るように見つめた。
「薬を飲まなくても普通に生活できて、出産もできるってことですか?」
「そういうこと。うちの病院には専門の外科医がいるから、きっといい結果が得られると思う」
その言葉に歓喜した夕映と母は手術を決めたのだった。ただ、手術となれば外科の対象となり自然と主治医は変わる。手術は看護師の国家試験が終わった後にすることになったのだが、それは旭との別れを表すカウントダウンでもあった。
手術をするにあたり、外科の医師を紹介された。大人の色気を纏う美しい女医だった。適度に鍛えられた肉体は引き締まっていて、意志の強そうな切れ長の目が厳しそうな印象を与えた。肩より長い髪を左肩から前に持ってきて、1つにまとめていた。美しい螺旋を描いたウェーブが艶やかに光った。
「小柳夕映さんね。私は外科医の渕上希星。よろしくね」
首からかけてある名札を手に取り、彼女は微笑んだ。名前の如く、夜空に輝く星々のように存在感を引き立たせ、その美しさは一段と光を増したように思えた。
夕映は、初めて旭の笑顔を見た時と似たような感覚を抱いた。
少し怖そうだと思えた彼女は、一瞬にしてそれを覆てしまうほど優しさと明るさを兼ね備えていた。
「優しい先生だから大丈夫だよ」
前回の受診時に旭がそう言った。名前だけ見たら、男性か女性かわからなかったが、夕映もまさかこんなに若い美人が主治医になるとは思いもしなかった。
なんだ、なんだ。この病院は若い美形しかいないのか!?
心の中でそう叫んだ夕映。すっかり魅了されてしまい、自分とは天と地ほどの差がある完璧な容姿を食い入るように見つめた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
41
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる