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じかよう
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手首を頭の上で縛られ、脚を開いたまま足首を別々にベッドに固定され、幾日か経った。食事、トイレ、風呂以外で外される事はなく、雪兎が学校に行っている間はどれだけ催してもベッドから動くことは出来ない。トイレ問題は雪兎が学校に行っている間に睡眠時間を持ってくることで解決した。
「たっだいまー! いい子で待ってた?」
「……めちゃくちゃいい子でーす」
この拘束を抜けて悪事を働ける人間は世界にどれだけいるのだろう。縄抜けだとかのマジシャンなら可能なのだろうか。
「見て見て、これこれ!」
雪兎は鞄から一枚の紙を引っ張り出し、それを掲げる。
「…………見えません」
雪兎が立っているのは扉の前、首の可動域と視力の問題で紙の詳細は全く分からない。
「春休みの許可証だよ。今日から二週間の申請通ったんだ」
「あぁ……じゃあ明日あたり旅行ですか?」
雪兎は紙を枕の横に置き、手首に巻いた拘束用のベルトを外す。同じように足首の拘束も解かれた。
「今からだよ。早く着替えて」
「今回といい正月と言い急ですねぇー、フライトは何時ですか?」
投げ渡されたのはこの間貰った外出着。藍色のパーカーと薄手のジーンズだ。
「あ、待って待って、これ付けて」
雪兎はベッド脇の棚からローターを幾つも持ってくる。もはや見慣れたピンク色の小さな卵は俺を憂鬱にする。どうせ向こうに着くまでコックリングは外してもらえない、それなのにローターに刺激されるなんて、素直に喜べない。
「……機械ダメなんじゃないんですか」
飛行機に乗る前には金属探知機だとかを向けられた覚えがある。まさかゲート前で一度外すのか?
「いいから足開いて」
「…………知りませんよ」
太腿に薄いベルトが巻かれ、そこにローターのスイッチ部分が固定される。
「んっ……ねぇ、ユキ様……本気なんですか?」
後ろの穴の中に小さな丸いものが入ってくる。背後での作業でよく見えなかったが、雪兎はローターにあのクリームを塗っていた気がする。あのもどかしさを向こうに着くまでの何時間……そう考えると深いため息が自然と漏れた。
「ぁ、ちょっ、二つっ……? ゃ、んんっ……」
「ざーんねん。四つだよ」
二つ目が一つ目を奥に押し、無遠慮に入れられる三つ目が更に奥に押し、四つ目は一回り大きく、栓のようにそれらを中に留めた。
「ユキ様っ……これ、結構奥まで……来て。圧迫感って言うか、何て言うか……はぁっ……キツイ、です」
雪兎は無言でベルトに更に四つローターを固定した。
「ちょっ……そんなに入りませんよ!」
「大丈夫大丈夫、これ前用だから」
下着を引き上げ、その中にローターを入れる。陰茎の根元や中程を挟むようなゴロゴロとした異物感がある。
「汚れないようにカバーもね」
亀頭に透明のカバーが被せられる。ゴム製なのか柔らかいそれは亀頭全体にきゅっと吸い付き、中にあった細長い凸が鈴口に挿さる。
「ひぅんっ!? ね……ユキ様、これ、嫌です……」
「今までの経験から言って、二分後くらいには好きって言い出すよポチは」
「…………よーく分かってますねぇ流石飼い主です! 俺もそう思いますよもうやだぁっ!」
自分の順応性が憎い。いや、いつまでも望まない快楽を与えられるのを考えたら好ましい特性なのだけれど。そういう問題ではない。
「ズボン履いて、ベルト閉めて、完璧!」
ジーンズながらゆったりとした作りのズボンは太腿のベルトを隠せている。けれどやはり、股間の膨らみは隠せなかった。
「首輪装着! 犬耳と尻尾も持ったし、リモコンも持ったし、クリームも錠剤も持った……手錠も持ったし……えっと」
「……空港で止められますよ」
俺の忠告を無視し、雪兎は大きな鞄に俺を喘がせるための物を大量に詰めた。そして、重すぎて持ち上げられず、俺に運ばせた。
「たっだいまー! いい子で待ってた?」
「……めちゃくちゃいい子でーす」
この拘束を抜けて悪事を働ける人間は世界にどれだけいるのだろう。縄抜けだとかのマジシャンなら可能なのだろうか。
「見て見て、これこれ!」
雪兎は鞄から一枚の紙を引っ張り出し、それを掲げる。
「…………見えません」
雪兎が立っているのは扉の前、首の可動域と視力の問題で紙の詳細は全く分からない。
「春休みの許可証だよ。今日から二週間の申請通ったんだ」
「あぁ……じゃあ明日あたり旅行ですか?」
雪兎は紙を枕の横に置き、手首に巻いた拘束用のベルトを外す。同じように足首の拘束も解かれた。
「今からだよ。早く着替えて」
「今回といい正月と言い急ですねぇー、フライトは何時ですか?」
投げ渡されたのはこの間貰った外出着。藍色のパーカーと薄手のジーンズだ。
「あ、待って待って、これ付けて」
雪兎はベッド脇の棚からローターを幾つも持ってくる。もはや見慣れたピンク色の小さな卵は俺を憂鬱にする。どうせ向こうに着くまでコックリングは外してもらえない、それなのにローターに刺激されるなんて、素直に喜べない。
「……機械ダメなんじゃないんですか」
飛行機に乗る前には金属探知機だとかを向けられた覚えがある。まさかゲート前で一度外すのか?
「いいから足開いて」
「…………知りませんよ」
太腿に薄いベルトが巻かれ、そこにローターのスイッチ部分が固定される。
「んっ……ねぇ、ユキ様……本気なんですか?」
後ろの穴の中に小さな丸いものが入ってくる。背後での作業でよく見えなかったが、雪兎はローターにあのクリームを塗っていた気がする。あのもどかしさを向こうに着くまでの何時間……そう考えると深いため息が自然と漏れた。
「ぁ、ちょっ、二つっ……? ゃ、んんっ……」
「ざーんねん。四つだよ」
二つ目が一つ目を奥に押し、無遠慮に入れられる三つ目が更に奥に押し、四つ目は一回り大きく、栓のようにそれらを中に留めた。
「ユキ様っ……これ、結構奥まで……来て。圧迫感って言うか、何て言うか……はぁっ……キツイ、です」
雪兎は無言でベルトに更に四つローターを固定した。
「ちょっ……そんなに入りませんよ!」
「大丈夫大丈夫、これ前用だから」
下着を引き上げ、その中にローターを入れる。陰茎の根元や中程を挟むようなゴロゴロとした異物感がある。
「汚れないようにカバーもね」
亀頭に透明のカバーが被せられる。ゴム製なのか柔らかいそれは亀頭全体にきゅっと吸い付き、中にあった細長い凸が鈴口に挿さる。
「ひぅんっ!? ね……ユキ様、これ、嫌です……」
「今までの経験から言って、二分後くらいには好きって言い出すよポチは」
「…………よーく分かってますねぇ流石飼い主です! 俺もそう思いますよもうやだぁっ!」
自分の順応性が憎い。いや、いつまでも望まない快楽を与えられるのを考えたら好ましい特性なのだけれど。そういう問題ではない。
「ズボン履いて、ベルト閉めて、完璧!」
ジーンズながらゆったりとした作りのズボンは太腿のベルトを隠せている。けれどやはり、股間の膨らみは隠せなかった。
「首輪装着! 犬耳と尻尾も持ったし、リモコンも持ったし、クリームも錠剤も持った……手錠も持ったし……えっと」
「……空港で止められますよ」
俺の忠告を無視し、雪兎は大きな鞄に俺を喘がせるための物を大量に詰めた。そして、重すぎて持ち上げられず、俺に運ばせた。
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