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したじゅんび、に
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冷たい。一番の感想はそれだった。
温められていないローションを垂らした温度なんてある訳のないディルド。無駄にリアルに男性器を模しているせいで、余計に冷たさが違和感になる。昨日のバイブのように性器っぽくなさがあれば冷たさももう少し我慢出来たのに。
「ポチ? 全然入ってないよ? どうしたの?」
「つ、冷たっ……い、です。ちょっと、待って……ください」
冷たい物を咥え込むのにも慣れているはずなのに、自分で調整出来るのが仇となって進まない。雪兎に無理矢理押し込まれるのはいいけれど、自分でとなると勇気が足りない。
「ぁ、はぁ……冷たぁ……あっ、入って……」
「もうちょっとだよ、ほら、がーんばれ、がーんばれ」
応援にやる気を削がれつつも雪兎の命令より快楽が欲しいから腰を下げていく。足の付け根がマネキンに触れると妙な達成感があった。
「は、ぁんっ……きたぁ、入ったぁ、できましたよユキ様ぁ」
「うん、僕なんて言ったか覚えてる?」
「いいって言うまで腰を振れ」
「うん、やって?」
頭に繋がっていない首に手のひらを添え、首の断面に指を添え、マネキンの首部を掴むようにして身体を少し前に倒す。床についた膝に力を入れ、ゆっくり腰を持ち上げていく。
「は、ぁ、あぁあっ……出てっちゃう……」
「ポチ……すっごく可愛い顔してるよ? 気持ちいいのに切なそう……ふふ、もっと激しくしたいんならしていいよ?」
雪兎のものとも似た凹凸が腸壁を擦って出ていく。亀頭が抜ける寸前で腰を下ろし始める。
「はぁあんっ! きたっ、ナカきたぁっ!」
「いーい顔……ふふ、理性溶けてきた?」
「あぁっ! はぁっ、ぁんっ! 奥っ、もっと奥欲しいっ、足りない……足りませんユキ様ぁっ!」
「そりゃ僕のより小さいの選んでるからね」
身体を前に倒しているから背骨の方に擦られるような感覚があるけれど、真っ直ぐならもっと焦らされていただろう。
「ユキ様っ、ユキ様の欲しいです、ユキ様のぉっ!」
「まだダメ、ふふ……もっと工夫してごらん?」
ディルドが根元まで全て入った状態で腰を左右に躙る。腰を上げずに回転させれば大した太さのないディルドでも中をよく捏ね回してくれる。
「ぁ、はぁあっ……これっ、これならイけるかも、ですっ……」
ぐりぐりと腰を回しているとパァンと音が響き、二の腕に焼けるような痛みを感じた。
「腰、上下に振らないと。言ったでしょ、いいって言うまで腰振ってって。横じゃダメ、上下。ポチの中に出たり入ったりするのが見たいの」
痛みに混乱を覚えて腰の動きが完全に止まると、今度は脇腹に同じ痛み。雪兎の手には鞭があった。
「もしかして叩かれたくてやってるのかな?」
「ひっ、ち、違いますっ、ちゃんとします……」
鞭は嫌いではないけれど性感帯でない場所に強く与えられるのは痛みに近過ぎる。せめて胸の辺りをもう少し弱めに叩いて欲しい。
「ぁあんっ! これっ、これすごいっ、出したり入れたりするのにぃ……ぐりぐりするの足すとぉっ、きもちいっ! ユキ様っ、これ、これイイ!」
効率よく快感が手に入る腰の振り方を見つけて悦に入るも短く、俺はほんの数分後に効率だけを求める恐怖を知った。
温められていないローションを垂らした温度なんてある訳のないディルド。無駄にリアルに男性器を模しているせいで、余計に冷たさが違和感になる。昨日のバイブのように性器っぽくなさがあれば冷たさももう少し我慢出来たのに。
「ポチ? 全然入ってないよ? どうしたの?」
「つ、冷たっ……い、です。ちょっと、待って……ください」
冷たい物を咥え込むのにも慣れているはずなのに、自分で調整出来るのが仇となって進まない。雪兎に無理矢理押し込まれるのはいいけれど、自分でとなると勇気が足りない。
「ぁ、はぁ……冷たぁ……あっ、入って……」
「もうちょっとだよ、ほら、がーんばれ、がーんばれ」
応援にやる気を削がれつつも雪兎の命令より快楽が欲しいから腰を下げていく。足の付け根がマネキンに触れると妙な達成感があった。
「は、ぁんっ……きたぁ、入ったぁ、できましたよユキ様ぁ」
「うん、僕なんて言ったか覚えてる?」
「いいって言うまで腰を振れ」
「うん、やって?」
頭に繋がっていない首に手のひらを添え、首の断面に指を添え、マネキンの首部を掴むようにして身体を少し前に倒す。床についた膝に力を入れ、ゆっくり腰を持ち上げていく。
「は、ぁ、あぁあっ……出てっちゃう……」
「ポチ……すっごく可愛い顔してるよ? 気持ちいいのに切なそう……ふふ、もっと激しくしたいんならしていいよ?」
雪兎のものとも似た凹凸が腸壁を擦って出ていく。亀頭が抜ける寸前で腰を下ろし始める。
「はぁあんっ! きたっ、ナカきたぁっ!」
「いーい顔……ふふ、理性溶けてきた?」
「あぁっ! はぁっ、ぁんっ! 奥っ、もっと奥欲しいっ、足りない……足りませんユキ様ぁっ!」
「そりゃ僕のより小さいの選んでるからね」
身体を前に倒しているから背骨の方に擦られるような感覚があるけれど、真っ直ぐならもっと焦らされていただろう。
「ユキ様っ、ユキ様の欲しいです、ユキ様のぉっ!」
「まだダメ、ふふ……もっと工夫してごらん?」
ディルドが根元まで全て入った状態で腰を左右に躙る。腰を上げずに回転させれば大した太さのないディルドでも中をよく捏ね回してくれる。
「ぁ、はぁあっ……これっ、これならイけるかも、ですっ……」
ぐりぐりと腰を回しているとパァンと音が響き、二の腕に焼けるような痛みを感じた。
「腰、上下に振らないと。言ったでしょ、いいって言うまで腰振ってって。横じゃダメ、上下。ポチの中に出たり入ったりするのが見たいの」
痛みに混乱を覚えて腰の動きが完全に止まると、今度は脇腹に同じ痛み。雪兎の手には鞭があった。
「もしかして叩かれたくてやってるのかな?」
「ひっ、ち、違いますっ、ちゃんとします……」
鞭は嫌いではないけれど性感帯でない場所に強く与えられるのは痛みに近過ぎる。せめて胸の辺りをもう少し弱めに叩いて欲しい。
「ぁあんっ! これっ、これすごいっ、出したり入れたりするのにぃ……ぐりぐりするの足すとぉっ、きもちいっ! ユキ様っ、これ、これイイ!」
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