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52.相似
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ルカが持ってた転移結晶を使ってやって来たのは、控え目に言っても不衛生そうな村。
え、何ここ。汚いんだけど。
心なしか腐臭もして、思わず鼻をつまむ。
「こんなとこに人なんか住めるの」
「都市から離れた村や町は整備が追い付いていない所がほとんどだからな」
「都市って」
「国王が暮らす王都だ」
「ああ、RPGにありがちな設定ね」
「あーる…?気になっていたんだが、アメが度々口にするそのあーる?とやらは一体何なんだ」
「RPG、ロールプレイングゲームの略。あっちの世界にある娯楽の一つ。まあ、多分言っても分かんないだろうからあんまり気にしない方が良いよ」
「そうか」
気になってたけど、ルカって割と直ぐ納得してくれるよね。
その方が都合いいから助かるけど。
だって説明するの面倒臭いじゃん?
「どこも大抵こんなものなんだが……おかしいな」
「何が」
怪訝そうな表情を浮かべるルカを見ているとどこからか喧騒が耳に届いた。
「何か騒がしくない?」
「そうだな。行ってみよう」
「行ってらっしゃい」
「…………」
「何。行かないの」
小首を傾げると、ルカは引き返してきて俺をひょいと小脇に抱えた。
嫌な予感。
「ちょっと待って。まさか俺も行くの」
「当たり前だろう。一人にする訳にはいかない」
「ええー…」
あ、そういえばルカって勇者なんだっけ。
正義感とお人好しを足して真面目を掛けてお節介で二乗して出来るやつ。
まんまルカだね。
取り敢えずそう自分を無理矢理納得させて、RPGっぽくクエストが発生したらしい場所へと向かった。
もちろん小脇に抱えられてね。
え、何ここ。汚いんだけど。
心なしか腐臭もして、思わず鼻をつまむ。
「こんなとこに人なんか住めるの」
「都市から離れた村や町は整備が追い付いていない所がほとんどだからな」
「都市って」
「国王が暮らす王都だ」
「ああ、RPGにありがちな設定ね」
「あーる…?気になっていたんだが、アメが度々口にするそのあーる?とやらは一体何なんだ」
「RPG、ロールプレイングゲームの略。あっちの世界にある娯楽の一つ。まあ、多分言っても分かんないだろうからあんまり気にしない方が良いよ」
「そうか」
気になってたけど、ルカって割と直ぐ納得してくれるよね。
その方が都合いいから助かるけど。
だって説明するの面倒臭いじゃん?
「どこも大抵こんなものなんだが……おかしいな」
「何が」
怪訝そうな表情を浮かべるルカを見ているとどこからか喧騒が耳に届いた。
「何か騒がしくない?」
「そうだな。行ってみよう」
「行ってらっしゃい」
「…………」
「何。行かないの」
小首を傾げると、ルカは引き返してきて俺をひょいと小脇に抱えた。
嫌な予感。
「ちょっと待って。まさか俺も行くの」
「当たり前だろう。一人にする訳にはいかない」
「ええー…」
あ、そういえばルカって勇者なんだっけ。
正義感とお人好しを足して真面目を掛けてお節介で二乗して出来るやつ。
まんまルカだね。
取り敢えずそう自分を無理矢理納得させて、RPGっぽくクエストが発生したらしい場所へと向かった。
もちろん小脇に抱えられてね。
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