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第1章 夢目覚め

第7話 リサークルドリームショップ開店

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====破壊勇者クラウス====

 破壊勇者クラウス。元々はただの冒険者であったが、沢山のスキルを習得して勇者の称号を得た。マウンテン王国に属する人物であり、カイガンセン王国の創生勇者といつも殺し合いを繰り広げており、それを10年近くも繰り返していた。
 当時は20歳、だが今では30歳と、おっさんになってしまっている訳だ。
 最近勇者の高齢化が進んでいると巷で噂になっている。

 嘆いていても仕方がない。
 後、謎の商人によって10年間の戦争に終止符を打たれた。
 よって仕事がなくなった破壊勇者クラウスはマウンテン王国より首宣告を食らった。
 きっとそれは創生勇者も同じ事なのだろうと、がんばれよと手紙を送ったらうるせいと言われた。

 だが、30歳になったおっさん勇者でも、まだまだ強くなりたい。
 またはどんどん高見を目指していきたい。
 老人になったら老師なんて言われてみたい。
 結婚もしたい。子供も欲しい、子供も勇者にするんだ。
 いつか魔王を倒して、有名になるんだ。

 そんな欲の塊の破壊勇者クラウスは、リサイクルドリームショップの噂を聞いた。
 戦争は数分で終わらせたあの謎の商人が開いているとされるそのお店。
 破壊勇者クラウスはいつも計画的な男だった。

「これを考えている奴はきっと他にもいるはずだ」

 だから、3日前に並んだわけだが。
 そこには創生勇者がいた。
 
「ふ、お前はいつも俺の先を越すんだな」

 創生勇者は1人だけリサイクルドリームショップに並んでいる恥ずかしさに身もだえしていたらしく、俺がやってくるとにゃーと気持ちの悪い笑みを浮かべた。

「やぁ、クラウス君」

「バデット君も来たのかね」

 創生勇者バデット。
 彼は現在40歳の俺を超す大先輩のおっさんだ。
 ちなみに勇者高齢化社会において最先端を切っておられるかただ。

「クラウス君、お目当ての物は?」

「太陽の剣ですな」

「いやいや、水星の剣も素晴らしいぞ」

「ですが、実物を見て見ないと、それが本当に価値のある物なのか分からないではないかね?」

「いやいや、この写真で分かるだろう、というよりどうやって映像を紙に張り付けたんだ?」

「そんなことは知らない、写真という技術らしいじゃないか」

「もう、画像が紙に張り付いている時点で、オーバーテクノロジーを感じるねー」

「ふふ、同感だ」

 破壊勇者クラウスと創生勇者バデットは熱い語りを3日間繰り返したそうだ。

「見てみたまえ、長蛇の列になっているではないか、私が一番最初という事だな」

「ちゃんと並んでくださーい」

「あ、はい、ってジェラルド将軍! 敵だったってもう戦争は終わったのか」

「そうだぞ、バデット君、戦争は終わったんだ」

 破壊勇者クラウスは遠い目をしながら辺りを見回していた。

「なぜ、顔を隠すんだ布で、それ帽子だったのか」

「いや、周りを見たら、マウンテン王国の人ばかりで恥ずかしい、よく考えたら上司のジェラルド将軍もいるし」

「今頃恥ずかしがってどうするんだ。これから私達は最高の品物を購入出来るのだぞ」

「そうだ。その楽しみもある。後もう少しで、太陽の剣や水星の剣を見る事が出来るのだからな」

 1人のおっさんが門の前に現れる。

「えー皆さま、このメンドクサイ長蛇の列を並び頂いて有難うございます。エンカウンター領地の領主ユウと申します。リサイクルドリームショップは夜の6時頃に閉店します。開店は10時頃になります。えーこんなに並ばれるとは思っていませんでした。値段はあり得ないくらい高いですが買って行ってください、では失礼します」

「なんだあの店主は滅茶苦茶生意気だぞ」

「それが強さの秘訣なのではないですか」

「あと俺は畑作業をしているので何かあったら畑まで来てくださいまたは、このフウ事務長が案内します」

「勝手に事務長にしてんじゃないわよー」

 隣の女性がビンタしまくってるのだが店主はフルボッコ状態と化している。
 破壊勇者クラウスは少しだけ羨ましく感じながらも。

「よし、いざ、勝負」

 店長が開店時に農作業とは、すごく異常な気がするが。
 それでもリサイクルドリームショップは開店された。
 雪崩のようにとはいかないが、順番通りに創生勇者と破壊勇者が店内に入る事が出来た。

=====店内=====

 現在店長は農業にいそしみ、最高のトマト種を植えに行ってますと、フウは一生懸命説明していっている。
 ジェラルド将軍も必死で説明している訳だが。

「これ1億万Tって本当ですか、太陽の剣てこれだけの価値があるんですか?」

「はい、外で試し切りしてください」

「水星の剣も試し切りさせてください」

 外で大爆発と大洪水の音が聞こえて。
 全身黒焦げの人と全身びしょ濡れの人が来た。
 彼等の眼は輝きを取り戻して。

「買うぞ、これは1億万以上の価値があるぞ」
「こっちも買うぞ」

「てことはあっちの防具もやべーんじゃ」
「俺も買うぞ」
「私もよ」

「てかあの神秘のポーションて将軍の指を生やした伝説の」

「買うぞおおおお」
「こっちもだ。それも無敵の鎧も買うぞ」

「身代わりの人形もだ。一度死ねるってマジかよ」
「こっちもだ飛翔の石って空飛べるんかい」

「うおおおおお」

「ジェラルド将軍た、たすけてけええええ」

「こ、こっちだって、こんな時にあいつは何をしてるんだあああ」

====ユウ店長====

「はっくしょん、誰か噂でもしてるのかな、とりあえず農業担当の人を探さないとな―一番いいのはトメイガーさんをここに連れてくる事なんだけど、夢世界からじゃ無理だしなー取り合えずしばらくは俺が、最高のトマトの種を植えてと、クワの熟練度Maxはいいねー。この伝説のクワは最高だ」

 1回クワを振って土を耕すだけで結構な広さを耕す事が出来る。
 なので数回で領民100人分の畑が出来る訳だが。

「結構やりすぎたな」

 肥沃な土のおかげで、結構な広さの土が肥沃になってはいるが。
 耕されていなかったから硬かった。

 その土は今やほかほかになっており。
 
「種植えが面倒くさいな」

 俺は撃沈して土の上にダイノジになって転がっていた。

「戦闘案山子でも改造するか」

 コレクションブックから戦闘案山子を100体取り出すと。
 取り合えず肥沃の土に設置。

「スキル【改造】っと」

 それを発動させると、案山子を片っ端から種まき専用に改造していく。

「君達はこれから種植え案山子だ」

 そうして、種植え案山子が完成すると。

 種植え案山子はひたすら最高のトマトの種を植えるのに自動で動いていった。

「さてと、暗くなった事だし戻るか。ちょうど閉店の時間だな」

 俺はリサイクルドリームショップに戻った。


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