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第二章 忘れられた男
たとえ全てを失っても
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エルシーは俺のことを覚えていない。
エルシーとの思い出だけをよすがに生きてきた俺は、かなりのダメージを負った。
十二年前、エルシーは七歳だった。不幸のどん底の暗闇にいた俺にとって、エルシーという光は強烈な思い出だが、光の中で愛されて過ごしたエルシーにとって、半年程度一緒にいた俺のことなんて、子守りがいたぐらいの印象しかないのかもしれない。
考え方を変えれば、俺は十二年前の不幸でみっともない痩せっぽちの少年ではなく、「ランデルの狂犬」と恐れられ、いくつも殊勲をあげた王子として、エルシーの前に立っている。
俺自身の認識では、俺は誰とも婚約していないフリーで、かつ王位を継ぐ可能性もほぼないから、かなり自由に結婚相手を選べるはずだった。しかも、俺の手元には父上がマックス・アシュバートンに与えた、俺とエルシーの結婚を認める詔勅まである。
これをババン! とエルシーとおばあ様に叩きつけ、マックスの代りにエルシーを支えたい……と言えば、多少、おばあ様の嫌味を我慢すれば結婚できるはず、とどこかで甘く見ていた。
が、王都に戻ってきてみれば、なぜかステファニーが結婚せずに俺の帰りを待っており、俺は責任を取って結婚しろと言われる始末。そしてエルシーはリンドホルムを継承できず、王都で事務員をし、おばあ様の体調はよくない。
俺はいったいどうしたらいいのか、途方に暮れていた。
俺は時間があると、マックスの詔勅と写真を取り出し、それを眺めた。父上のサインも本物なのに、副本が紛失している二つの詔勅。
俺は結婚を許す詔勅を読んでいて、気が付いた。
これは、第三王子アルバートと、リンドホルム伯爵令嬢エルスペス・アシュバートンとの結婚を許可するものだ。現在爵位を失い、王都で事務職員をしているエルシーでは効力を発揮しない可能性が――というか、確実に難癖をつけられる。
つまり、この詔勅の存在を知った何者かが、エルシーと俺との結婚を潰すために、エルシーの代襲相続を認めさせなかったのでは――。
俺は三年前、マックスが戦死し、ビリーが急死してリンドホルムの継承が発生した時点の、法務長官は誰かを考え、その人物に思い至る。
レコンフィールド公爵セオドア・グローブナー。王妃の弟にして、ステファニーの父親。ステファニーを俺の妃にしようと、父上にごり押ししている男。
俺は、みぞおちがぎゅっと掴まれるような気分になる。
マックスは、俺の要望を聞いて、父上にエルシーと俺との結婚の許可を申し出、父上が許可した。だがその詔勅が原因で、エルシーの相続が邪魔されたのだとしたら。
いや、そもそも、ビリーの死因ももしかして……。
もしそうなら、現在のエルシーの不幸はすべて、俺のせいじゃ――。
そんな俺の苦悩とは別に、ちょうど国立歌劇場では、人気の歌劇『王女の帰還』がかかっていた。
俺はオペラはそれほど好きでもないが、戦地に慰問に来たあるプリマが歌った、劇中のアリア「たとえ全てを失っても」が印象に残っていた。
俺は伝手をたより、正面のボックス席を押さえた。そのボックスは無類のオペラ好き、父上の従兄のマールバラ公爵が年間で契約している席で、現在、マールバラ公爵は講和会議の全権大使として、アルティニア帝国の首都ビルツホルンに赴き、王都に不在だった。俺は王都で留守を守るヴァイオレット夫人に頼んで、融通してもらったのだ。
オペラの予定を伝えると、しかしエルシーは難色を示した。
「オペラは仮面をかぶっていくわけにいきませんし、誰かに見とがめられたら……」
俺はフリーだから、誰とオペラを見ても問題ないと思っていた。
ただ、俺は腐っても第三王子だから、国立歌劇場のロイヤルボックスが使用できる。その場合、俺がオペラを見に来たことも、同行者が何者であるかも周囲にバレバレだ。ロイヤル・ボックスまで支配人が挨拶に来るのが、うっとうしい。
だがエルシーは、俺がロイヤル・ボックスを使わず、おしのびで観劇するのは、秘書官のエルシーと二人連れでオペラ観劇はまずいからだと、考えたらしい。
「……その、よろしいのですか。オペラが見たいなら、ちゃんとした方をお誘いになるべきでは――」
「別にお前はちゃんとしてるだろ」
もともと、エルシーと結婚するつもりの俺は、エルシーがそんな風に自身を卑下する理由がわからない。
「お前は美人だ。少なくとも、俺が連れて歩いても見劣りしない」
俺はエルシーの立ち居振る舞いは十分貴族的だと言いたかったのだが、言葉の選択を誤ったらしく、エルシーは違う意味に取った。
「連れ歩くアクセサリーがご入用なら、若手の女優あたりをお誘いになればよろしいのです」
「俺は別に、アクセサリーが欲しいわけじゃない!」
だがエルシーは納得していないようだった。
オペラ当日の、グレーのペイズリー柄のドレスに、黒いボレロを羽織ったエルシーもまた美しくて、俺は見せびらかしたいような、隠しておきたいような、相反する思いを抱く。ミス・リーンのシャープな印象のドレスは、エルシーの少し冷たい雰囲気の美貌によく似合う。亜麻色の髪は電気ごてで巻かれ、黒いトーク帽を斜めにかぶり、耳の上で花形に宝石を連ねた豪華なピンで留めている。
「オペラを見るのは――」
「初めてです。……国立歌劇場は、昔一度だけ。母が倒れる前だから……十二歳の冬ですね。家族全員で聖誕節の子供向けバレエ公演を見に来たことがあります」
「くるみ割り人形か」
「ええ。ボックス席ではなくて、一階中央の席でした」
エルシーが手すりの上から、下の客席を覗き込んで言う。
七年前に、王都に出てきていたなんて。……その頃の俺は、ステファニーに連れまわされて、昼興行でオペラやバレエも見に行ったけど、面白いと思ったことはなかった。――でも、エルシーの初めてのオペラを俺がエスコートできるのは、ステファニーに連れ回されて場慣れしたおかげと言えなくもない。
「今日の演目はなんですの?」
俺はエルシーにパンフレットを渡してやる。
「『王女の帰還』。……国を奪われた王女が、紆余曲折の末に国と玉座を取り戻す話だ」
「へえ……勇ましい王女様ですのね」
そう言ってパンフレットを見るエルシーの横顔に、俺は不意に、なんとも言えない激情がこみ上げてきた。
この歌劇の主人公である、狡猾な宰相に国を奪われた王女と、不当な理由で爵位の継承が許されず、領地と住み慣れた城を追い出されたエルシーの姿が重なり、俺はエルシーの細い手首を掴んでいた。
「殿下?!」
「エルシー……お前は、リンドホルムを取り戻したいと、思わないのか?」
エルシーのブルーグレーの瞳が大きく見開かれる。
「え……でも、法律だし……」
エルシーは俺に手首を掴まれたまま、顔を逸らし、目を伏せた。
「……帰りたいと、思わないでもないですが」
伏せた長い睫毛が震える様子に、俺の胸が痛む。もしかしたら、その不幸は全部俺のせいかも――。
だが、エルシーはふっと顔をあげ、俺を見つめて言った。
「王都で仕事をしている今の状態は、別に嫌ではありません。働いてお給金をもらうのは、とても楽しいです。……貴族の娘として、土地と領民に寄生して暮らすより、ずっと」
まっすぐに俺を見る凛とした誇り高いまなざしは、俺の心をぶち抜いた。
開演のベルが鳴り、場内の灯りが落とされ、荘重な序曲が流れる。エルシーはしばらく戸惑っていたが、すぐにオペラに夢中になった。
やがて、一番の聞かせどころ、プリマドンナのアリアがソプラノを響かせる。
たとえ全てを失っても、わたしの心はわたしだけのもの
あなたを愛している いつまでもあなただけを――
戦地の慰問でこの歌を聞いた時、俺はエルシーのことを思い出したていた。王子としての身分も地位も、何もいらない。ただ、エルシーが得られるならと俺は思っていた。
だが、戦争が終わり、すべてを失ったのは、俺ではなく、エルシーだった。
父も、弟も、爵位も、領地も、住み慣れた城も――。
俺はうっとりと舞台を見つめるエルシーの華奢な背中を見ているうちに、どうしても我慢できなくなり、衝動的に手を伸ばして引き寄せ、強引に抱きしめる。
「!」
驚愕のあまり息を飲むエルシーの顔の向きを変え、うなじを押さえ、俺は唇を奪っていた。
エルシーとの思い出だけをよすがに生きてきた俺は、かなりのダメージを負った。
十二年前、エルシーは七歳だった。不幸のどん底の暗闇にいた俺にとって、エルシーという光は強烈な思い出だが、光の中で愛されて過ごしたエルシーにとって、半年程度一緒にいた俺のことなんて、子守りがいたぐらいの印象しかないのかもしれない。
考え方を変えれば、俺は十二年前の不幸でみっともない痩せっぽちの少年ではなく、「ランデルの狂犬」と恐れられ、いくつも殊勲をあげた王子として、エルシーの前に立っている。
俺自身の認識では、俺は誰とも婚約していないフリーで、かつ王位を継ぐ可能性もほぼないから、かなり自由に結婚相手を選べるはずだった。しかも、俺の手元には父上がマックス・アシュバートンに与えた、俺とエルシーの結婚を認める詔勅まである。
これをババン! とエルシーとおばあ様に叩きつけ、マックスの代りにエルシーを支えたい……と言えば、多少、おばあ様の嫌味を我慢すれば結婚できるはず、とどこかで甘く見ていた。
が、王都に戻ってきてみれば、なぜかステファニーが結婚せずに俺の帰りを待っており、俺は責任を取って結婚しろと言われる始末。そしてエルシーはリンドホルムを継承できず、王都で事務員をし、おばあ様の体調はよくない。
俺はいったいどうしたらいいのか、途方に暮れていた。
俺は時間があると、マックスの詔勅と写真を取り出し、それを眺めた。父上のサインも本物なのに、副本が紛失している二つの詔勅。
俺は結婚を許す詔勅を読んでいて、気が付いた。
これは、第三王子アルバートと、リンドホルム伯爵令嬢エルスペス・アシュバートンとの結婚を許可するものだ。現在爵位を失い、王都で事務職員をしているエルシーでは効力を発揮しない可能性が――というか、確実に難癖をつけられる。
つまり、この詔勅の存在を知った何者かが、エルシーと俺との結婚を潰すために、エルシーの代襲相続を認めさせなかったのでは――。
俺は三年前、マックスが戦死し、ビリーが急死してリンドホルムの継承が発生した時点の、法務長官は誰かを考え、その人物に思い至る。
レコンフィールド公爵セオドア・グローブナー。王妃の弟にして、ステファニーの父親。ステファニーを俺の妃にしようと、父上にごり押ししている男。
俺は、みぞおちがぎゅっと掴まれるような気分になる。
マックスは、俺の要望を聞いて、父上にエルシーと俺との結婚の許可を申し出、父上が許可した。だがその詔勅が原因で、エルシーの相続が邪魔されたのだとしたら。
いや、そもそも、ビリーの死因ももしかして……。
もしそうなら、現在のエルシーの不幸はすべて、俺のせいじゃ――。
そんな俺の苦悩とは別に、ちょうど国立歌劇場では、人気の歌劇『王女の帰還』がかかっていた。
俺はオペラはそれほど好きでもないが、戦地に慰問に来たあるプリマが歌った、劇中のアリア「たとえ全てを失っても」が印象に残っていた。
俺は伝手をたより、正面のボックス席を押さえた。そのボックスは無類のオペラ好き、父上の従兄のマールバラ公爵が年間で契約している席で、現在、マールバラ公爵は講和会議の全権大使として、アルティニア帝国の首都ビルツホルンに赴き、王都に不在だった。俺は王都で留守を守るヴァイオレット夫人に頼んで、融通してもらったのだ。
オペラの予定を伝えると、しかしエルシーは難色を示した。
「オペラは仮面をかぶっていくわけにいきませんし、誰かに見とがめられたら……」
俺はフリーだから、誰とオペラを見ても問題ないと思っていた。
ただ、俺は腐っても第三王子だから、国立歌劇場のロイヤルボックスが使用できる。その場合、俺がオペラを見に来たことも、同行者が何者であるかも周囲にバレバレだ。ロイヤル・ボックスまで支配人が挨拶に来るのが、うっとうしい。
だがエルシーは、俺がロイヤル・ボックスを使わず、おしのびで観劇するのは、秘書官のエルシーと二人連れでオペラ観劇はまずいからだと、考えたらしい。
「……その、よろしいのですか。オペラが見たいなら、ちゃんとした方をお誘いになるべきでは――」
「別にお前はちゃんとしてるだろ」
もともと、エルシーと結婚するつもりの俺は、エルシーがそんな風に自身を卑下する理由がわからない。
「お前は美人だ。少なくとも、俺が連れて歩いても見劣りしない」
俺はエルシーの立ち居振る舞いは十分貴族的だと言いたかったのだが、言葉の選択を誤ったらしく、エルシーは違う意味に取った。
「連れ歩くアクセサリーがご入用なら、若手の女優あたりをお誘いになればよろしいのです」
「俺は別に、アクセサリーが欲しいわけじゃない!」
だがエルシーは納得していないようだった。
オペラ当日の、グレーのペイズリー柄のドレスに、黒いボレロを羽織ったエルシーもまた美しくて、俺は見せびらかしたいような、隠しておきたいような、相反する思いを抱く。ミス・リーンのシャープな印象のドレスは、エルシーの少し冷たい雰囲気の美貌によく似合う。亜麻色の髪は電気ごてで巻かれ、黒いトーク帽を斜めにかぶり、耳の上で花形に宝石を連ねた豪華なピンで留めている。
「オペラを見るのは――」
「初めてです。……国立歌劇場は、昔一度だけ。母が倒れる前だから……十二歳の冬ですね。家族全員で聖誕節の子供向けバレエ公演を見に来たことがあります」
「くるみ割り人形か」
「ええ。ボックス席ではなくて、一階中央の席でした」
エルシーが手すりの上から、下の客席を覗き込んで言う。
七年前に、王都に出てきていたなんて。……その頃の俺は、ステファニーに連れまわされて、昼興行でオペラやバレエも見に行ったけど、面白いと思ったことはなかった。――でも、エルシーの初めてのオペラを俺がエスコートできるのは、ステファニーに連れ回されて場慣れしたおかげと言えなくもない。
「今日の演目はなんですの?」
俺はエルシーにパンフレットを渡してやる。
「『王女の帰還』。……国を奪われた王女が、紆余曲折の末に国と玉座を取り戻す話だ」
「へえ……勇ましい王女様ですのね」
そう言ってパンフレットを見るエルシーの横顔に、俺は不意に、なんとも言えない激情がこみ上げてきた。
この歌劇の主人公である、狡猾な宰相に国を奪われた王女と、不当な理由で爵位の継承が許されず、領地と住み慣れた城を追い出されたエルシーの姿が重なり、俺はエルシーの細い手首を掴んでいた。
「殿下?!」
「エルシー……お前は、リンドホルムを取り戻したいと、思わないのか?」
エルシーのブルーグレーの瞳が大きく見開かれる。
「え……でも、法律だし……」
エルシーは俺に手首を掴まれたまま、顔を逸らし、目を伏せた。
「……帰りたいと、思わないでもないですが」
伏せた長い睫毛が震える様子に、俺の胸が痛む。もしかしたら、その不幸は全部俺のせいかも――。
だが、エルシーはふっと顔をあげ、俺を見つめて言った。
「王都で仕事をしている今の状態は、別に嫌ではありません。働いてお給金をもらうのは、とても楽しいです。……貴族の娘として、土地と領民に寄生して暮らすより、ずっと」
まっすぐに俺を見る凛とした誇り高いまなざしは、俺の心をぶち抜いた。
開演のベルが鳴り、場内の灯りが落とされ、荘重な序曲が流れる。エルシーはしばらく戸惑っていたが、すぐにオペラに夢中になった。
やがて、一番の聞かせどころ、プリマドンナのアリアがソプラノを響かせる。
たとえ全てを失っても、わたしの心はわたしだけのもの
あなたを愛している いつまでもあなただけを――
戦地の慰問でこの歌を聞いた時、俺はエルシーのことを思い出したていた。王子としての身分も地位も、何もいらない。ただ、エルシーが得られるならと俺は思っていた。
だが、戦争が終わり、すべてを失ったのは、俺ではなく、エルシーだった。
父も、弟も、爵位も、領地も、住み慣れた城も――。
俺はうっとりと舞台を見つめるエルシーの華奢な背中を見ているうちに、どうしても我慢できなくなり、衝動的に手を伸ばして引き寄せ、強引に抱きしめる。
「!」
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