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第二章 忘れられた男
無垢な唇
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国立歌劇場の正面のボックス席は、少し奥に入ってしまえば周囲から覗くこともできない。昔は、男女の秘めやかな逢瀬にも使われたと聞く。俺は念のためにかなり奥に引っ込んで、そこでエルシーの唇を堪能した。
エルシーは驚愕のあまり硬直して、抵抗もできずに俺の為すがままにされていた。
腕の中の細い、折れそうな身体。幼い時は毎夜、こうして抱きしめて眠った。十二年ぶりに我が腕に戻ってきた彼女は、細く華奢ではあるが、女性らしい柔らかさと、ほのかに甘い匂いがした。
抵抗されないのを了承と勝手に理解して、俺は柔らかな唇を割って強引に舌をねじ込む。
一瞬、エルシーの呼吸が止まったのを感じる。
舌を入れられて、どうしていいかわからないのだと、その無垢さに俺は一層、興奮して、さらに深く貪った。
あなたを愛している いつまでもあなただけを――。
アリアのリフレインが消え、次の音楽が始まり、俺はエルシーの唇を解放した。
「でん――」
「エルシー……」
殿下、なんて他人行儀な呼び方でなく、昔のようにリジーと呼んでもらいたくて、俺はもう一度エルシーの唇をふさいだ。
それから、俺は長いことエルシーとの無垢な唇を味わう。
途中、一度だけエルシーが抵抗し、小声で言った。
「……これも、業務の一環なんですか?」
この時に、「違う、愛している」と伝えておけば、違う道を辿ったかもしれない。
でも俺は、あくまで王子の秘書官としか接してこない、エルシーをもどかしく感じていた。王子の俺との身分違いの恋に怯えて、エルシーが逃げてしまうのではと、恐れた。
だから俺は、一番、間違った言葉を選択した。
「……そうだ、抵抗は許さない」
ずっと恋焦がれていたエルシーの唇の甘さに酔い、俺は冷静な判断ができなくなっていた。
オペラがはねて、エルシーは明らかに動揺していた。
でもそんな彼女の心情よりも、俺はキスという恋人としての階段を上ったことに浮かれ、馬車の中で詰られても、ただ可愛い子猫が拗ねて、爪を立てている程度に思っていた。
「わたしのファーストキスだったのに、ひどすぎます」
……時々、エルシーはバカだと思う。恋に狂った男を一層、有頂天にしてどうする。
「まあ、これから美味い物を食って、機嫌を直せ」
だがエルシーは食事はいらないから、もう帰ると言い出す。
俺は幼い時、機嫌を損ねたエルシーを宥めたことを思い出していた。ビリーほどではなかったが、エルシーも時々、癇癪を起すことはあった。
「仕事を途中で放り出すのか?」
「これのどこが仕事ですか! 遊んでるだけじゃないですか!」
「立派な業務だぞ? ……お前は王子の秘書官なんだから、俺の楽しみに奉仕して当然だ」
「……楽しみに奉仕って……それが仕事?」
怪訝そうに首を傾げるエルシーの様子に、俺は吹き出しそうになるのを必死でこらる。エルシーが本当に無垢で、何も知らないことがわかってしまったからだ。
男の楽しみに奉仕しろと言われたら、性的な含みを持つと、ある程度世慣れた人間ならばわかる。だがエルシーは文字通りの意味にとって、理解できずに首を傾げている。
リンドホルム城を出た後も、おばあ様はエルシーを無垢なまま、ホンモノの箱入りの令嬢に育てたのだと、内心、感動すら覚えていた。
抱きしめた体つきも、ほんのりと漂う甘い香りも、外見は十分、美しく成熟しているのに、中身はまっさらのまま。十二年前の妖精のようなエルシーのままなのだ。
俺は無知なエルシーを適当に丸め込んだつもりになり、馬車の中でもう一度、強引にキスをした。
エルシーの置かれた立場の弱さや危うさに、思いを致すこともなく。
父上が俺に与えたオーランド邸は、王都の西の郊外にあって、環境はいいが便利は悪い。王宮の晩餐会その他で遅くなった時は、王宮内の私室に泊まったが、正直言って、かなり苦痛だった。王宮自体にいい思い出がないし、とにかく設備が古い。戦争のために予算は切り詰められ、父上や王太子である兄上の住居を優先して、出征していた俺の部屋なんかは後回しだったせいもある。
俺は中心部に今流行りのアパートメントを購入しようと、ロベルトと不動産屋に交渉させ、司令部からもほど近い、バージェス街の高級アパートメントに決めた。ペントハウスで天井が高く、居間の一部と玄関は吹き抜けになり、窓からは王都が一望できた。電気、ガスのボイラー、集中暖房はもちろん完備。下はオフィスになっているが入り口が別で、昇降機は専用だからプライバシーも配慮され、警備もしやすい。
そのアパートメントにはいずれ、エルシーを連れ込む予定だった。安全性もだが、マスメディア対策も必要だ。
――俺自身はステファニーとはもう、とっくに切れているつもりだが、特ダネ狙いの無作法な記者どもが、エルシーに無礼を働かないとも限らない。
それに、ジョージの病の悪化を表向きの理由として、バールの離宮に押し込められているらしい、王妃も存在も気がかりだ。ステファニーを王子妃にするのに、エルシーの存在は邪魔だ。おまけにローズの親族。王妃の理不尽な恨みが向かうことは、十分にあり得た。効力のない呪いならともかく、物理的な攻撃には備えが必要だ。アパートメントには、護衛が泊まり込める部屋の余裕もあるし、階下のオフィスを一つ、特務の秘密の事務所として借りることもできた。特務の仕事を引き継ぐのにも、都合がよかった。
契約を済ませると、俺は内装に手を入れ、好みの家具を選び、アパートメントの管理を、戦争中に従卒だったジュリアン・アンダーソンとその母親に委ねた。ジュリアンの母アンナは、王宮の厨房に努めていた料理人だったが、食事を抜かれた俺にこっそり食べ物を与えていたことが王妃にバレて、王宮をクビになっていた。ジュリアンが執事見習い兼アパートの管理で、アンナが料理人、ジュリアンの姉のノーラが、通いのメイドでまわしてもらうことにした。あとはーー。
「ピアノ? そんなもの買ってどうすんです? 殿下ピアノなんか弾かないでしょ? 誰も弾かないピアノなんか、あっても邪魔ですよ。でかいし」
「いいから。俺はメーカーはよくわからんが、バーナードならその辺も伝手があるだろう。多少、値が張ってもいいから、ちゃんとした奴を選んでくれ。――そうだな、この居間に調和する感じの」
リンドホルム城には音楽室があって、エルシーはヴェロニカ夫人からピアノの手ほどきを受け始めていた。マックスの写真でもピアノの前に座っていたし、かなり弾くのではないかと思った。
俺の部屋の続き部屋の寝室はエルシーの部屋のつもりで、女性らしい鏡台を置き、クローゼットにはドレスや部屋着、下着まで一式丸投げでミス・リーンに注文し、こまごました化粧品も届けられる。ジュリアンとノーラで荷解きをして並べながら、「これ、使う当てはあるんですか」なんて、核心を突かれながらも、俺は着々と整っていくエルシーの部屋につい、頬が緩む。
――千年前のヤパーネの小説、幼女をさらって育てる王子も、こんな風にあれこれ、愛する少女の部屋を考えたのだろうか。
小物や宝石類はバーナード・ハドソン商会に注文したが、バーナードの片腕の東洋人はなかなかに商売上手で、ヤパーネから輸入したキモノを持ってきた。
「当節、上流階級では、ヤパーネのキモノをナイトガウンにするのが流行りです」
ミツゴローとかいう奇妙な名前の小柄な男が、キモノを広げて見せる。
「男性に人気なのが、この黒紋付。ヤパーネではブラック・フォーマルですが、肌触りは最高です。ヤパーネの男は私のように小柄なので、これは特に注文して、大柄な男性用に仕立てたものです」
「なるほど、着心地はよさそうだな」
俺が頷くと、もう一枚、薄紫色に、秋の草花と小鳥を染め上げたキモノを取り出す。
「友禅と言います。例の女性に特にお似合いだと思い、持ってきました」
ミツゴローは、ミス・リーンのサロンに、エルシーのための宝石を届けて、エルシーを見ているのだ。
「……本当に商売上手だな、お前」
俺がため息をつくと、滅多に笑わないミツゴローがかすかに微笑んだ。
「旦那様は『藤物語』がお好きでしたから。……この小鳥は、あの物語に出てくるものと同じもので……こちらではあまり見かけませんが、私の国ではありふれた鳥なのです」
秋草の間に散らばる茶色い小鳥を指さして言われて、俺は商売人の慧眼に、キモノ二枚を買って、さらにチップを弾む羽目になった。
エルシーは驚愕のあまり硬直して、抵抗もできずに俺の為すがままにされていた。
腕の中の細い、折れそうな身体。幼い時は毎夜、こうして抱きしめて眠った。十二年ぶりに我が腕に戻ってきた彼女は、細く華奢ではあるが、女性らしい柔らかさと、ほのかに甘い匂いがした。
抵抗されないのを了承と勝手に理解して、俺は柔らかな唇を割って強引に舌をねじ込む。
一瞬、エルシーの呼吸が止まったのを感じる。
舌を入れられて、どうしていいかわからないのだと、その無垢さに俺は一層、興奮して、さらに深く貪った。
あなたを愛している いつまでもあなただけを――。
アリアのリフレインが消え、次の音楽が始まり、俺はエルシーの唇を解放した。
「でん――」
「エルシー……」
殿下、なんて他人行儀な呼び方でなく、昔のようにリジーと呼んでもらいたくて、俺はもう一度エルシーの唇をふさいだ。
それから、俺は長いことエルシーとの無垢な唇を味わう。
途中、一度だけエルシーが抵抗し、小声で言った。
「……これも、業務の一環なんですか?」
この時に、「違う、愛している」と伝えておけば、違う道を辿ったかもしれない。
でも俺は、あくまで王子の秘書官としか接してこない、エルシーをもどかしく感じていた。王子の俺との身分違いの恋に怯えて、エルシーが逃げてしまうのではと、恐れた。
だから俺は、一番、間違った言葉を選択した。
「……そうだ、抵抗は許さない」
ずっと恋焦がれていたエルシーの唇の甘さに酔い、俺は冷静な判断ができなくなっていた。
オペラがはねて、エルシーは明らかに動揺していた。
でもそんな彼女の心情よりも、俺はキスという恋人としての階段を上ったことに浮かれ、馬車の中で詰られても、ただ可愛い子猫が拗ねて、爪を立てている程度に思っていた。
「わたしのファーストキスだったのに、ひどすぎます」
……時々、エルシーはバカだと思う。恋に狂った男を一層、有頂天にしてどうする。
「まあ、これから美味い物を食って、機嫌を直せ」
だがエルシーは食事はいらないから、もう帰ると言い出す。
俺は幼い時、機嫌を損ねたエルシーを宥めたことを思い出していた。ビリーほどではなかったが、エルシーも時々、癇癪を起すことはあった。
「仕事を途中で放り出すのか?」
「これのどこが仕事ですか! 遊んでるだけじゃないですか!」
「立派な業務だぞ? ……お前は王子の秘書官なんだから、俺の楽しみに奉仕して当然だ」
「……楽しみに奉仕って……それが仕事?」
怪訝そうに首を傾げるエルシーの様子に、俺は吹き出しそうになるのを必死でこらる。エルシーが本当に無垢で、何も知らないことがわかってしまったからだ。
男の楽しみに奉仕しろと言われたら、性的な含みを持つと、ある程度世慣れた人間ならばわかる。だがエルシーは文字通りの意味にとって、理解できずに首を傾げている。
リンドホルム城を出た後も、おばあ様はエルシーを無垢なまま、ホンモノの箱入りの令嬢に育てたのだと、内心、感動すら覚えていた。
抱きしめた体つきも、ほんのりと漂う甘い香りも、外見は十分、美しく成熟しているのに、中身はまっさらのまま。十二年前の妖精のようなエルシーのままなのだ。
俺は無知なエルシーを適当に丸め込んだつもりになり、馬車の中でもう一度、強引にキスをした。
エルシーの置かれた立場の弱さや危うさに、思いを致すこともなく。
父上が俺に与えたオーランド邸は、王都の西の郊外にあって、環境はいいが便利は悪い。王宮の晩餐会その他で遅くなった時は、王宮内の私室に泊まったが、正直言って、かなり苦痛だった。王宮自体にいい思い出がないし、とにかく設備が古い。戦争のために予算は切り詰められ、父上や王太子である兄上の住居を優先して、出征していた俺の部屋なんかは後回しだったせいもある。
俺は中心部に今流行りのアパートメントを購入しようと、ロベルトと不動産屋に交渉させ、司令部からもほど近い、バージェス街の高級アパートメントに決めた。ペントハウスで天井が高く、居間の一部と玄関は吹き抜けになり、窓からは王都が一望できた。電気、ガスのボイラー、集中暖房はもちろん完備。下はオフィスになっているが入り口が別で、昇降機は専用だからプライバシーも配慮され、警備もしやすい。
そのアパートメントにはいずれ、エルシーを連れ込む予定だった。安全性もだが、マスメディア対策も必要だ。
――俺自身はステファニーとはもう、とっくに切れているつもりだが、特ダネ狙いの無作法な記者どもが、エルシーに無礼を働かないとも限らない。
それに、ジョージの病の悪化を表向きの理由として、バールの離宮に押し込められているらしい、王妃も存在も気がかりだ。ステファニーを王子妃にするのに、エルシーの存在は邪魔だ。おまけにローズの親族。王妃の理不尽な恨みが向かうことは、十分にあり得た。効力のない呪いならともかく、物理的な攻撃には備えが必要だ。アパートメントには、護衛が泊まり込める部屋の余裕もあるし、階下のオフィスを一つ、特務の秘密の事務所として借りることもできた。特務の仕事を引き継ぐのにも、都合がよかった。
契約を済ませると、俺は内装に手を入れ、好みの家具を選び、アパートメントの管理を、戦争中に従卒だったジュリアン・アンダーソンとその母親に委ねた。ジュリアンの母アンナは、王宮の厨房に努めていた料理人だったが、食事を抜かれた俺にこっそり食べ物を与えていたことが王妃にバレて、王宮をクビになっていた。ジュリアンが執事見習い兼アパートの管理で、アンナが料理人、ジュリアンの姉のノーラが、通いのメイドでまわしてもらうことにした。あとはーー。
「ピアノ? そんなもの買ってどうすんです? 殿下ピアノなんか弾かないでしょ? 誰も弾かないピアノなんか、あっても邪魔ですよ。でかいし」
「いいから。俺はメーカーはよくわからんが、バーナードならその辺も伝手があるだろう。多少、値が張ってもいいから、ちゃんとした奴を選んでくれ。――そうだな、この居間に調和する感じの」
リンドホルム城には音楽室があって、エルシーはヴェロニカ夫人からピアノの手ほどきを受け始めていた。マックスの写真でもピアノの前に座っていたし、かなり弾くのではないかと思った。
俺の部屋の続き部屋の寝室はエルシーの部屋のつもりで、女性らしい鏡台を置き、クローゼットにはドレスや部屋着、下着まで一式丸投げでミス・リーンに注文し、こまごました化粧品も届けられる。ジュリアンとノーラで荷解きをして並べながら、「これ、使う当てはあるんですか」なんて、核心を突かれながらも、俺は着々と整っていくエルシーの部屋につい、頬が緩む。
――千年前のヤパーネの小説、幼女をさらって育てる王子も、こんな風にあれこれ、愛する少女の部屋を考えたのだろうか。
小物や宝石類はバーナード・ハドソン商会に注文したが、バーナードの片腕の東洋人はなかなかに商売上手で、ヤパーネから輸入したキモノを持ってきた。
「当節、上流階級では、ヤパーネのキモノをナイトガウンにするのが流行りです」
ミツゴローとかいう奇妙な名前の小柄な男が、キモノを広げて見せる。
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「なるほど、着心地はよさそうだな」
俺が頷くと、もう一枚、薄紫色に、秋の草花と小鳥を染め上げたキモノを取り出す。
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ミツゴローは、ミス・リーンのサロンに、エルシーのための宝石を届けて、エルシーを見ているのだ。
「……本当に商売上手だな、お前」
俺がため息をつくと、滅多に笑わないミツゴローがかすかに微笑んだ。
「旦那様は『藤物語』がお好きでしたから。……この小鳥は、あの物語に出てくるものと同じもので……こちらではあまり見かけませんが、私の国ではありふれた鳥なのです」
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