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第三章 執着とすれ違い
執着とすれ違い
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結婚するつもりの俺と、連れ歩く「アクセサリー」にされていると思い込んでいるエルシーとは、再会して二月ほどの間に、大きなすれ違いが起きていた。にもかかわらず、俺は自分のことで手いっぱいで、エルシーの気持ちに寄り添う余裕もなく、十二年ぶりの再会に浮かれきって、エルシーの抱える悩みをまるきり理解していなかった。
王宮で顔を合わせるたびに、父上は俺にステファニーとの結婚を仄めかした。
「好きな相手がいます。ステファニーとは結婚したくない」
はっきり告げれば、父上は白髪が混じって灰色になった眉を顰める。
「……バーティ。爵位のない相手との結婚は、さすがに許可はできぬ」
「ではなぜ――」
なぜ、マックス・アシュバートンの請願を反故にしたのか。
父上は皺だらけの手を弱弱しく上げ、俺の言葉を封じる。
「三年前のシャルローの奇襲の顛末は、世間に公表できぬ」
「……どういうことです?」
「死者が多すぎる。シャルローにそなたがおり、その情報が敵に漏れて狙われた。情報の漏洩元が報道機関に知られれば、王家に批判が集まる。――ゆえに、マクシミリアン・アシュバートンの戦死状況の調査を命ずることができなかった」
「マックスは俺の命の恩人です。そのことは父上への手紙でも――」
「あの私信は別件も言及されていて、証拠として挙げることができなかった」
「そんな!」
俺の反論に、父上は軽く首を振った。
「バーティ。……もし、このままフィリップのところに男児が生まれなければ、そなたが継ぐ以外にない。そなたに傷をつけることはできぬのだ。そなたの出生について疑問を持たれることだけは、避けねばならぬ」
「だからって、ステファニーと結婚するのは嫌だ!」
「……レコンフィールド公爵の後押しがなければ、議会を押さえることはできぬ」
「そんな下らない理由で! 議会なんてクソくらえだ!」
「バーティ……」
そんな口論を繰り返し、俺もいささか疲れていた。
「……マックス・アシュバートンの母親は、心臓を悪くしている! 経済的な問題で、十分な治療も受けられていないのですよ! 俺の命の恩人の、母親だと言うのに!」
父上はベルを鳴らし、隣室に控えていた王室長官を呼び出す。
「アーサー、あれを……」
王室長官はすぐに、革の書類はさみに入れた、国王の署名入りの書類を差し出す。
「王立療養院の使用許可証です。これがあれば、優先的にヴィラを利用できます。費用についても国王陛下の個人資産より一定額拠出されますので――」
俺は眉を顰めて、その書類を受け取る。
「……せめてこうなる前に、経済的な援助だけでもすべきではなかったのですか?」
俺の批判に、父上は目を伏せ、ため息をつく。
「……あの家と王室とは縁が切れておって――余も迂闊であった。何とか、埋め合わせはしたいと思っているのだが」
結局、俺は療養院の許可証だけ受け取り、父上の御前を辞去した。
ロベルトを通して療養院と話をつけたものの、どうやっておばあ様に話を切り出し、入院を勧めるか、俺は考えあぐねていた。
たとえ父上が経済的な援助を申し出たところで、おばあ様は拒絶したかもしれない。もともと、おばあ様は王家に批判的だったから。
自身が後見し、息子の妻にするつもりで育てた少女を、国王は囲って子を産ませた。どういう約束だったのか知らないが、ローズはリンドホルムに帰ることもできず、生まれた子の乳母として王宮に留め置き、最後は王妃の虐待から守られることなく、命を落としている。
その上、息子マックスは俺の護衛として出征し、俺を命がけで守って死んだにもかかわらず、孫娘エルシーへの代襲相続すら認められなかった。
第三王子アルバートが庶子である、という秘密を守るために、王家は事情を知るアシュバートン家を葬り去ろうとしている、と感じているに違いない。
俺は常に内ポケットに入れている、マックスの詔勅を上着の上から押さえる。
この詔勅を公表すれば、アシュバートン家の悲劇は白日の下にさらされ、世間の同情を得て爵位と領地を取り戻せるかもしれない。だが――。
公表はある種の賭けだ。父上が危惧したように、俺の出生に疑問が持たれてはまずい。
俺自身は、自分が庶子だとバレ、継承権を失ってもなんとも思わない。でも、表面上、現国王と王妃は理想的な国王夫妻を演じている。一夫一婦を貫く理想の夫婦像は国民の誇りでもある。俺が庶子であるという事実は、そのイメージをぶち壊す。王室へのダメージはもちろん、ローズやアシュバートン家にも、世論の非難は向かうかもしれない。……どこまでの事情を公表すべきなのか、慎重にならなければ。
ならば、俺のすべきことは何か。現状、爵位なしの平民であるエルシーと、このままだと王位に即くことになる俺との結婚は絶望的だ。マックスの形見の詔勅は、その要件を満たしていないと判定される。
まずは、エルシーの代襲相続が却下されたのは不当であること、これを証明するべきか。リンドホルムの直系への継承を認めた詔勅を公表すれば、エルシーの爵位を取り戻せるだろうか? しかし、戦没者の遺族への相続を認めず没落させていた事実が明らかになれば、それはそれで王室や政府に批判が集中するだろう。……俺は事を大げさにしたいわけじゃないんだ。
相続を却下したレコンフィールド公爵の責任を問うか? が、ローズにまつわる公爵家の恨みを引き出し、薮蛇をつつく可能性もある。そこまでするなら、かなりの準備と手回し、そして覚悟が必要だ。
……それに。ビリーの早過ぎる死は、本当に病死なのか? もし、毒殺だとすれば、誰が? レコンフィールド公爵がそこまで手を回すだろうか? 現リンドホルム伯爵は本当に、ただの偶然の連鎖で爵位が回ってきただけなのか?
不審なこと、調査が必要なことが山ほどあって、どこから手をつけるべきかわからない。俺はイライラと煙草に火をつける。
俺とステファニーが相思相愛、だなんてくだらない嘘っぱちを広めた野郎は、いったい何が目的なんだ。エルシーまで信じているなんて、どんだけ蔓延してたんだ。
せめてエルシーが、十二年前にリンドホルムで一緒に過ごした「リジー」を憶えていてくれれば、リジーは俺なのだと告げることができるのに。「リジー」のことすらすっかり忘れているエルシーに、アルバート王子の秘密なんて、語れるわけはなかった。
でも俺は、エルシー以外と結婚するつもりはない。
たとえ継承権どころか、王子の身分を失っても、俺はエルシーを手に入れたい。そのために俺は強くなったのだし、金だって貯めてきた。
ならばいったいどうやって――。
そんな風に俺がグルグルと悩んで馬車に揺られていた時。
俺は決定的な場面を目にしてしまう。
司令部に向かう馬車道の歩道。通りのまだ、開いていない店舗の前の階段に座りこんだエルシーと、その前に跪く赤毛の男――ニコラス・ハートネルを!
跪き、エルシーの手を取ったハートネルは、今にもその白い手に口づけしそうなほど、二人は接近していた。
俺の頭が瞬間的に沸騰する。どっからどう見ても、求婚の最中だ。
やめろ、触るな。エルシーは俺のだ!
俺は馬車を止め、下車してエルシーのもとにまっすぐに向かった。
「わたしは殿下のことが好きなわけじゃありませんし、ただの仕事です!」
エルシーの弁解する声が、俺の胸を抉る。
「じゃあ、僕と結婚してくれよ、エルシー。……別に、殿下を愛してるわけじゃないなら、構わないだろう?俺と結婚すれば仕事もやめられる――」
仕事をやめて、ハートネルと結婚する?
そんなこと、許すわけがないだろう? 俺が、どれだけエルシーのことを恋焦がれていたか。エルシーもハートネルも知らないだろう。
じゃあ、教えてやるだけだ。
十二年分の、想いと、執着とを――。
王宮で顔を合わせるたびに、父上は俺にステファニーとの結婚を仄めかした。
「好きな相手がいます。ステファニーとは結婚したくない」
はっきり告げれば、父上は白髪が混じって灰色になった眉を顰める。
「……バーティ。爵位のない相手との結婚は、さすがに許可はできぬ」
「ではなぜ――」
なぜ、マックス・アシュバートンの請願を反故にしたのか。
父上は皺だらけの手を弱弱しく上げ、俺の言葉を封じる。
「三年前のシャルローの奇襲の顛末は、世間に公表できぬ」
「……どういうことです?」
「死者が多すぎる。シャルローにそなたがおり、その情報が敵に漏れて狙われた。情報の漏洩元が報道機関に知られれば、王家に批判が集まる。――ゆえに、マクシミリアン・アシュバートンの戦死状況の調査を命ずることができなかった」
「マックスは俺の命の恩人です。そのことは父上への手紙でも――」
「あの私信は別件も言及されていて、証拠として挙げることができなかった」
「そんな!」
俺の反論に、父上は軽く首を振った。
「バーティ。……もし、このままフィリップのところに男児が生まれなければ、そなたが継ぐ以外にない。そなたに傷をつけることはできぬのだ。そなたの出生について疑問を持たれることだけは、避けねばならぬ」
「だからって、ステファニーと結婚するのは嫌だ!」
「……レコンフィールド公爵の後押しがなければ、議会を押さえることはできぬ」
「そんな下らない理由で! 議会なんてクソくらえだ!」
「バーティ……」
そんな口論を繰り返し、俺もいささか疲れていた。
「……マックス・アシュバートンの母親は、心臓を悪くしている! 経済的な問題で、十分な治療も受けられていないのですよ! 俺の命の恩人の、母親だと言うのに!」
父上はベルを鳴らし、隣室に控えていた王室長官を呼び出す。
「アーサー、あれを……」
王室長官はすぐに、革の書類はさみに入れた、国王の署名入りの書類を差し出す。
「王立療養院の使用許可証です。これがあれば、優先的にヴィラを利用できます。費用についても国王陛下の個人資産より一定額拠出されますので――」
俺は眉を顰めて、その書類を受け取る。
「……せめてこうなる前に、経済的な援助だけでもすべきではなかったのですか?」
俺の批判に、父上は目を伏せ、ため息をつく。
「……あの家と王室とは縁が切れておって――余も迂闊であった。何とか、埋め合わせはしたいと思っているのだが」
結局、俺は療養院の許可証だけ受け取り、父上の御前を辞去した。
ロベルトを通して療養院と話をつけたものの、どうやっておばあ様に話を切り出し、入院を勧めるか、俺は考えあぐねていた。
たとえ父上が経済的な援助を申し出たところで、おばあ様は拒絶したかもしれない。もともと、おばあ様は王家に批判的だったから。
自身が後見し、息子の妻にするつもりで育てた少女を、国王は囲って子を産ませた。どういう約束だったのか知らないが、ローズはリンドホルムに帰ることもできず、生まれた子の乳母として王宮に留め置き、最後は王妃の虐待から守られることなく、命を落としている。
その上、息子マックスは俺の護衛として出征し、俺を命がけで守って死んだにもかかわらず、孫娘エルシーへの代襲相続すら認められなかった。
第三王子アルバートが庶子である、という秘密を守るために、王家は事情を知るアシュバートン家を葬り去ろうとしている、と感じているに違いない。
俺は常に内ポケットに入れている、マックスの詔勅を上着の上から押さえる。
この詔勅を公表すれば、アシュバートン家の悲劇は白日の下にさらされ、世間の同情を得て爵位と領地を取り戻せるかもしれない。だが――。
公表はある種の賭けだ。父上が危惧したように、俺の出生に疑問が持たれてはまずい。
俺自身は、自分が庶子だとバレ、継承権を失ってもなんとも思わない。でも、表面上、現国王と王妃は理想的な国王夫妻を演じている。一夫一婦を貫く理想の夫婦像は国民の誇りでもある。俺が庶子であるという事実は、そのイメージをぶち壊す。王室へのダメージはもちろん、ローズやアシュバートン家にも、世論の非難は向かうかもしれない。……どこまでの事情を公表すべきなのか、慎重にならなければ。
ならば、俺のすべきことは何か。現状、爵位なしの平民であるエルシーと、このままだと王位に即くことになる俺との結婚は絶望的だ。マックスの形見の詔勅は、その要件を満たしていないと判定される。
まずは、エルシーの代襲相続が却下されたのは不当であること、これを証明するべきか。リンドホルムの直系への継承を認めた詔勅を公表すれば、エルシーの爵位を取り戻せるだろうか? しかし、戦没者の遺族への相続を認めず没落させていた事実が明らかになれば、それはそれで王室や政府に批判が集中するだろう。……俺は事を大げさにしたいわけじゃないんだ。
相続を却下したレコンフィールド公爵の責任を問うか? が、ローズにまつわる公爵家の恨みを引き出し、薮蛇をつつく可能性もある。そこまでするなら、かなりの準備と手回し、そして覚悟が必要だ。
……それに。ビリーの早過ぎる死は、本当に病死なのか? もし、毒殺だとすれば、誰が? レコンフィールド公爵がそこまで手を回すだろうか? 現リンドホルム伯爵は本当に、ただの偶然の連鎖で爵位が回ってきただけなのか?
不審なこと、調査が必要なことが山ほどあって、どこから手をつけるべきかわからない。俺はイライラと煙草に火をつける。
俺とステファニーが相思相愛、だなんてくだらない嘘っぱちを広めた野郎は、いったい何が目的なんだ。エルシーまで信じているなんて、どんだけ蔓延してたんだ。
せめてエルシーが、十二年前にリンドホルムで一緒に過ごした「リジー」を憶えていてくれれば、リジーは俺なのだと告げることができるのに。「リジー」のことすらすっかり忘れているエルシーに、アルバート王子の秘密なんて、語れるわけはなかった。
でも俺は、エルシー以外と結婚するつもりはない。
たとえ継承権どころか、王子の身分を失っても、俺はエルシーを手に入れたい。そのために俺は強くなったのだし、金だって貯めてきた。
ならばいったいどうやって――。
そんな風に俺がグルグルと悩んで馬車に揺られていた時。
俺は決定的な場面を目にしてしまう。
司令部に向かう馬車道の歩道。通りのまだ、開いていない店舗の前の階段に座りこんだエルシーと、その前に跪く赤毛の男――ニコラス・ハートネルを!
跪き、エルシーの手を取ったハートネルは、今にもその白い手に口づけしそうなほど、二人は接近していた。
俺の頭が瞬間的に沸騰する。どっからどう見ても、求婚の最中だ。
やめろ、触るな。エルシーは俺のだ!
俺は馬車を止め、下車してエルシーのもとにまっすぐに向かった。
「わたしは殿下のことが好きなわけじゃありませんし、ただの仕事です!」
エルシーの弁解する声が、俺の胸を抉る。
「じゃあ、僕と結婚してくれよ、エルシー。……別に、殿下を愛してるわけじゃないなら、構わないだろう?俺と結婚すれば仕事もやめられる――」
仕事をやめて、ハートネルと結婚する?
そんなこと、許すわけがないだろう? 俺が、どれだけエルシーのことを恋焦がれていたか。エルシーもハートネルも知らないだろう。
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