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第三章 執着とすれ違い
剥ぎ取る*
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エルシーは薄紫色のキモノを着て、俺の絵を抱えて立っていた。俺がコネクティング・ドアから出てきたことで、びっくりして立ち尽くしている。
「起きていたのか……!」
「殿下……そのドア、どこに続いているんですか?」
俺は気まずく視線を動かし、観念して答える。
「俺の……部屋だ」
エルシーはしばらく驚愕して言葉も出ないようだった。が、気を取り直すように、言った。
「殿下、その……祖母のことではお世話になりました。でも――」
エルシーが戸惑い、逡巡する理由もわかる。貴族令嬢として生まれ育った彼女が、経済的に困窮し、祖母の入院費用を俺に出してもらう。そして俺が所有するアパートメントに住まわされ、夜中に俺が寝室にやってくる。
いくらエルシーが箱入りでも、察しがつく。
本当は、金の大部分は父上が出していて、それは父上からの、ローズを守れなかったことに対する謝罪金のようなものだ。エルシーが恩義を感じる必要のないもの。
しかし、国王がなぜウルスラ・アシュバートン夫人の入院費を払うのか、説明はできない。ローズと国王の関係は――そして俺の出生は、国の最高機密だから。
そして今夜だって、エルシーをアパートメントに泊めたりせず、ロベルトが言うように、ホテルかあるいはマクガーニの家あたりに泊めるべきなのだ。夜中にエルシーの部屋を訪れるなんて、絶対、すべきじゃない。下心があると疑われて当然だし、実際、俺には下心がある。
俺は、エルシーを抱きたい。こうして彼女の寝室を訪れ、王子の権力を笠に着て、さらにおばあ様を人質に取り、エルシーに関係を迫ろうとしている。
「エルシー……俺は……」
俺は、卑怯だ。わかっている。でも――。
目の前のエルシーのブルーグレーの瞳が見開いて揺れ、俺の絵を抱きしめている。
俺の代わりに、ずっとエルシーのそばにいた絵。幼いエルシーが育ち、美しく花開くのを身近で見続けた絵。
「俺は、卑怯かもしれないが、どうしてもお前が欲しい」
俺は絵を抱きしめるエルシーを、さらに抱きしめ、唇を塞いだ。
柔らかな感触と甘い匂いに、俺の脳髄が痺れる。最後に残った理性が、砕け散る。
唇を離し、エルシーが抱きしめる絵を見下ろせば、つくづく稚拙でヘッタクソな絵だった。
「それ――わざわざ持ってきたのか。そんな、価値のない絵を」
「放っておいてください。……城から持ち出せた、唯一の絵なんですから」
「大事なものなのか?」
「ええ、とっても! 誰が描いたのかも、知りませんけど!」
ツンと澄ました猫のような態度で、絵の作者本人に向かって「大事だ」と言い切ったエルシーが俺は愛しくて、そしてそこまでエルシーに愛されたヘタクソな絵に嫉妬して、俺はエルシーの腕から絵を取り上げ、暖炉の上に無造作に置いた。
絵ではなくて、俺を抱きしめて欲しい――。
俺はエルシーに口づけると、膝の裏に手をかけ、横抱きにする。慌てて俺の首筋に、エルシーがしがみつく。
俺はエルシーをベッドに運んで横たえ、そのまま圧し掛かって唇を塞いだ。
当然ながらエルシーは抵抗する。両手を振り回し、俺のシャツを引っ張るが、でも俺に唇を塞がれ、舌で咥内をかき回され、口蓋の奥を舐められて、ビクリと体を震わせる。
エルシーが渾身の力で俺の顎を押すので、俺は仕方なく唇を解放する。
「や、何を――」
荒い息を吐きながらエルシーが言うので、俺はエルシーの両手首をそれぞれ掴み、顔の横に縫い留めて動きを封じ込め、言った。
「……観念しろ、本当は昨夜欲しかったのを、我慢したんだ。今夜まで拒まれたら、俺は発狂する自信がある」
昨夜、すでに俺と二人、このベッドで一緒に眠っている。今さら逃すつもりなどない。でもエルシーの抵抗はやまない。
「困ります!いや!」
俺に圧し掛かられ、膝で脚を押さえられてしまえば、身動きなどとれまい。エルシーは気丈だが、力で俺に敵うわけがないのだ。
「エルシー。責任はとる。悪いようにはしない。……お前が欲しい」
「嘘!無茶です!」
表面的には、無茶だ。俺だってそれくらいはわかる。でも――。
俺にはあの詔勅がある。今はまだ公表できないが、一度は父上もエルシーとの結婚を認めた。何よりエルシーは俺の命の恩人の、マックスの娘。王位継承問題と、ステファニーの件さえ片付けば、エルシーが考えるほど、絶望的ではないはず――。
「俺は本気だ」
「本気でもできることとできないことがあります! わたしを傷物にして捨てるつもり?」
そう、俺自身で傷物にして、既成事実を作る。そうすれば、ハートネルとは結婚できない。――少なくとも、エルシーは純潔を失ったことを隠して、他の男に嫁いだりはしないはず。
「傷物にするが、捨てるつもりはない。一生、大切にする」
――俺は卑怯者だ。純潔を散らせば、エルシーはまともな結婚はできなくなってしまう。エルシー自身も傷つくし、おばあ様が知れば烈火のごとく怒り狂うに違いない。でも、誰かに奪われるくらいなら――。エルシーにのぼせ、拗らせ、冷静さを欠いた俺は、今夜抱かなければエルシーを永遠に失うとまで、思い詰めていた。
俺はエルシーの唇を蹂躙し、エルシーの甘い唾液を吸い上げる。体の下で必死に逃れようと、無駄な抵抗を続けるエルシー。俺の手を振りほどいて、拳で俺の胸を打ち付けるが、痛くもなんともない。俺は殴られるのに任せて、両手でエルシーの身体をまさぐり、キモノのように打ち合わせ式になっている、絹の薄手の寝間着をぐいっと寛げた。
目の前に零れ出るエルシーの白い胸。電灯の明かりに照らされ、眩いほどに輝いていて、俺は思わず息を飲んだ。
十二年前、七歳のエルシーの胸は、まっ平らだった。今、俺が組み敷くのは、女神のように美しい身体。俺の手を逃れようと身を捩れば、白い胸がふるんと揺れて俺を誘ってくる。二つの丘に吸い寄せられるように、俺が両手で掴めば、滑らかで柔らかな乳房に俺の指が食い込む。
なんて手触り。興奮で声も出ない。こんな美しいものは、夢にすら見なかった。
「やあっ……やめっ……」
涙声でエルシーが身を震わせる。白く柔らかな胸、浮き出た鎖骨、細い首筋。羞恥にほんのりと染まり、潤んだ瞳で俺をにらみつける顔――。
「……エルシー、綺麗だ……」
肺腑の底から搾り出すように、俺は感嘆のため息を漏らす。
と、エルシーは最後の抵抗とばかりに両腕を振り回し、脚をばたつかせた。これ以上無駄に暴れれば、エルシーが傷つく。俺はエルシーの細い手首を片手でひとまとめにすると、頭上で枕に押し付けて動きを封じる。
「いや!」
「無駄だ、エルシー。お前は、俺のものだ」
「いや、お願い、いや!」
涙声の懇願に、俺だってが胸が痛む。――こんな風に力ずくで奪いたくはなかった。でも、もしここでエルシーを解放したら、きっと、永久に俺の元から逃げ去ってしまう。
俺の十二年分の拗らせた恋を遂げるには、力ずくで犯して純潔を奪い、見えない妖精の羽を引き毟って地上につなぎ止めるしかない。他の誰かに奪われるくらいなら――。
俺は強引に寝間着とガウンを剥ぎ取ると、それらをベッドの下の手の届かない場所に蹴り落とす。一糸まとわぬ姿に向かれたエルシーは、両手で胸を隠して、ベッドヘッドの方にいざって逃げていく。俺はそんな無駄な抵抗すら微笑ましく観察しながら、自分でシャツのボタンをはずし、吊りベルトを下ろし、トラウザーズのボタンを寛げて、脱ぎ捨てる。その間も俺の目はエルシーの白い身体に釘付けだ。すらりと伸びた、白い脚、ほっそりくびれた腰。丸い尻。周りを見回し、何とか活路を見出そうとする様子は、追い詰められたのウサギのよう。
無駄だ。俺は逃がしたりしない。どれほど卑怯と罵られようと、今夜俺はエルシーの純潔を奪う。
だから俺は、最低の言葉を口にした。
「お前は俺の秘書官だろう? 俺の命令に従え」
「逆らったらクビにするの?」
「お前の祖母が入院できたのも、誰のおかげだと思っている」
俺は腕に絡みついたシャツを剥ぎ取り、全裸になってエルシーに襲いかかった。
「王子のくせに臣民の弱みに付け込んで!卑怯者! 恥ずかしくないの?」
半泣きになって悪態をつく気の強さも、何もかも、俺は愛している。俺は裸のエルシーを捕まえて組み敷き、笑った。
「……卑怯なのは承知の上だ。どうしてもお前が欲しい」
――エルシーが俺を忘れた十二年間分の俺の、歪んだ愛を思い知れ――
俺はエルシーの唇にかみつくようなキスをして、息もできないほど蹂躙した。
「んん……んんっ……」
しこたま舌でこねまわし、唾液を吸い上げる。エルシーは息も絶え絶えで、抵抗も緩んだ。その隙をついて俺はエルシーの両胸を手で覆い、耳元で囁いた。
「諦めて、業務を遂行しろ」
「起きていたのか……!」
「殿下……そのドア、どこに続いているんですか?」
俺は気まずく視線を動かし、観念して答える。
「俺の……部屋だ」
エルシーはしばらく驚愕して言葉も出ないようだった。が、気を取り直すように、言った。
「殿下、その……祖母のことではお世話になりました。でも――」
エルシーが戸惑い、逡巡する理由もわかる。貴族令嬢として生まれ育った彼女が、経済的に困窮し、祖母の入院費用を俺に出してもらう。そして俺が所有するアパートメントに住まわされ、夜中に俺が寝室にやってくる。
いくらエルシーが箱入りでも、察しがつく。
本当は、金の大部分は父上が出していて、それは父上からの、ローズを守れなかったことに対する謝罪金のようなものだ。エルシーが恩義を感じる必要のないもの。
しかし、国王がなぜウルスラ・アシュバートン夫人の入院費を払うのか、説明はできない。ローズと国王の関係は――そして俺の出生は、国の最高機密だから。
そして今夜だって、エルシーをアパートメントに泊めたりせず、ロベルトが言うように、ホテルかあるいはマクガーニの家あたりに泊めるべきなのだ。夜中にエルシーの部屋を訪れるなんて、絶対、すべきじゃない。下心があると疑われて当然だし、実際、俺には下心がある。
俺は、エルシーを抱きたい。こうして彼女の寝室を訪れ、王子の権力を笠に着て、さらにおばあ様を人質に取り、エルシーに関係を迫ろうとしている。
「エルシー……俺は……」
俺は、卑怯だ。わかっている。でも――。
目の前のエルシーのブルーグレーの瞳が見開いて揺れ、俺の絵を抱きしめている。
俺の代わりに、ずっとエルシーのそばにいた絵。幼いエルシーが育ち、美しく花開くのを身近で見続けた絵。
「俺は、卑怯かもしれないが、どうしてもお前が欲しい」
俺は絵を抱きしめるエルシーを、さらに抱きしめ、唇を塞いだ。
柔らかな感触と甘い匂いに、俺の脳髄が痺れる。最後に残った理性が、砕け散る。
唇を離し、エルシーが抱きしめる絵を見下ろせば、つくづく稚拙でヘッタクソな絵だった。
「それ――わざわざ持ってきたのか。そんな、価値のない絵を」
「放っておいてください。……城から持ち出せた、唯一の絵なんですから」
「大事なものなのか?」
「ええ、とっても! 誰が描いたのかも、知りませんけど!」
ツンと澄ました猫のような態度で、絵の作者本人に向かって「大事だ」と言い切ったエルシーが俺は愛しくて、そしてそこまでエルシーに愛されたヘタクソな絵に嫉妬して、俺はエルシーの腕から絵を取り上げ、暖炉の上に無造作に置いた。
絵ではなくて、俺を抱きしめて欲しい――。
俺はエルシーに口づけると、膝の裏に手をかけ、横抱きにする。慌てて俺の首筋に、エルシーがしがみつく。
俺はエルシーをベッドに運んで横たえ、そのまま圧し掛かって唇を塞いだ。
当然ながらエルシーは抵抗する。両手を振り回し、俺のシャツを引っ張るが、でも俺に唇を塞がれ、舌で咥内をかき回され、口蓋の奥を舐められて、ビクリと体を震わせる。
エルシーが渾身の力で俺の顎を押すので、俺は仕方なく唇を解放する。
「や、何を――」
荒い息を吐きながらエルシーが言うので、俺はエルシーの両手首をそれぞれ掴み、顔の横に縫い留めて動きを封じ込め、言った。
「……観念しろ、本当は昨夜欲しかったのを、我慢したんだ。今夜まで拒まれたら、俺は発狂する自信がある」
昨夜、すでに俺と二人、このベッドで一緒に眠っている。今さら逃すつもりなどない。でもエルシーの抵抗はやまない。
「困ります!いや!」
俺に圧し掛かられ、膝で脚を押さえられてしまえば、身動きなどとれまい。エルシーは気丈だが、力で俺に敵うわけがないのだ。
「エルシー。責任はとる。悪いようにはしない。……お前が欲しい」
「嘘!無茶です!」
表面的には、無茶だ。俺だってそれくらいはわかる。でも――。
俺にはあの詔勅がある。今はまだ公表できないが、一度は父上もエルシーとの結婚を認めた。何よりエルシーは俺の命の恩人の、マックスの娘。王位継承問題と、ステファニーの件さえ片付けば、エルシーが考えるほど、絶望的ではないはず――。
「俺は本気だ」
「本気でもできることとできないことがあります! わたしを傷物にして捨てるつもり?」
そう、俺自身で傷物にして、既成事実を作る。そうすれば、ハートネルとは結婚できない。――少なくとも、エルシーは純潔を失ったことを隠して、他の男に嫁いだりはしないはず。
「傷物にするが、捨てるつもりはない。一生、大切にする」
――俺は卑怯者だ。純潔を散らせば、エルシーはまともな結婚はできなくなってしまう。エルシー自身も傷つくし、おばあ様が知れば烈火のごとく怒り狂うに違いない。でも、誰かに奪われるくらいなら――。エルシーにのぼせ、拗らせ、冷静さを欠いた俺は、今夜抱かなければエルシーを永遠に失うとまで、思い詰めていた。
俺はエルシーの唇を蹂躙し、エルシーの甘い唾液を吸い上げる。体の下で必死に逃れようと、無駄な抵抗を続けるエルシー。俺の手を振りほどいて、拳で俺の胸を打ち付けるが、痛くもなんともない。俺は殴られるのに任せて、両手でエルシーの身体をまさぐり、キモノのように打ち合わせ式になっている、絹の薄手の寝間着をぐいっと寛げた。
目の前に零れ出るエルシーの白い胸。電灯の明かりに照らされ、眩いほどに輝いていて、俺は思わず息を飲んだ。
十二年前、七歳のエルシーの胸は、まっ平らだった。今、俺が組み敷くのは、女神のように美しい身体。俺の手を逃れようと身を捩れば、白い胸がふるんと揺れて俺を誘ってくる。二つの丘に吸い寄せられるように、俺が両手で掴めば、滑らかで柔らかな乳房に俺の指が食い込む。
なんて手触り。興奮で声も出ない。こんな美しいものは、夢にすら見なかった。
「やあっ……やめっ……」
涙声でエルシーが身を震わせる。白く柔らかな胸、浮き出た鎖骨、細い首筋。羞恥にほんのりと染まり、潤んだ瞳で俺をにらみつける顔――。
「……エルシー、綺麗だ……」
肺腑の底から搾り出すように、俺は感嘆のため息を漏らす。
と、エルシーは最後の抵抗とばかりに両腕を振り回し、脚をばたつかせた。これ以上無駄に暴れれば、エルシーが傷つく。俺はエルシーの細い手首を片手でひとまとめにすると、頭上で枕に押し付けて動きを封じる。
「いや!」
「無駄だ、エルシー。お前は、俺のものだ」
「いや、お願い、いや!」
涙声の懇願に、俺だってが胸が痛む。――こんな風に力ずくで奪いたくはなかった。でも、もしここでエルシーを解放したら、きっと、永久に俺の元から逃げ去ってしまう。
俺の十二年分の拗らせた恋を遂げるには、力ずくで犯して純潔を奪い、見えない妖精の羽を引き毟って地上につなぎ止めるしかない。他の誰かに奪われるくらいなら――。
俺は強引に寝間着とガウンを剥ぎ取ると、それらをベッドの下の手の届かない場所に蹴り落とす。一糸まとわぬ姿に向かれたエルシーは、両手で胸を隠して、ベッドヘッドの方にいざって逃げていく。俺はそんな無駄な抵抗すら微笑ましく観察しながら、自分でシャツのボタンをはずし、吊りベルトを下ろし、トラウザーズのボタンを寛げて、脱ぎ捨てる。その間も俺の目はエルシーの白い身体に釘付けだ。すらりと伸びた、白い脚、ほっそりくびれた腰。丸い尻。周りを見回し、何とか活路を見出そうとする様子は、追い詰められたのウサギのよう。
無駄だ。俺は逃がしたりしない。どれほど卑怯と罵られようと、今夜俺はエルシーの純潔を奪う。
だから俺は、最低の言葉を口にした。
「お前は俺の秘書官だろう? 俺の命令に従え」
「逆らったらクビにするの?」
「お前の祖母が入院できたのも、誰のおかげだと思っている」
俺は腕に絡みついたシャツを剥ぎ取り、全裸になってエルシーに襲いかかった。
「王子のくせに臣民の弱みに付け込んで!卑怯者! 恥ずかしくないの?」
半泣きになって悪態をつく気の強さも、何もかも、俺は愛している。俺は裸のエルシーを捕まえて組み敷き、笑った。
「……卑怯なのは承知の上だ。どうしてもお前が欲しい」
――エルシーが俺を忘れた十二年間分の俺の、歪んだ愛を思い知れ――
俺はエルシーの唇にかみつくようなキスをして、息もできないほど蹂躙した。
「んん……んんっ……」
しこたま舌でこねまわし、唾液を吸い上げる。エルシーは息も絶え絶えで、抵抗も緩んだ。その隙をついて俺はエルシーの両胸を手で覆い、耳元で囁いた。
「諦めて、業務を遂行しろ」
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