上 下
25 / 55

みんなでご飯

しおりを挟む
「なんか今日の夕食いい匂いがすんな…ってミコじゃないか。
しかも食堂だいぶ変わってねえか?綺麗になってる気がするんだが。」

ライお兄ちゃんが上から降りてきた。
隣にはケイトお兄ちゃんも。
…上の階で仕事してたのかな?お疲れ様です。

「それが聞いて欲しいっす。
ミコちゃん料理、洗濯、掃除、全部やってくれたっす。
俺たちがやるより何十倍も早くて上手っすよ!」

いやぁ…掃除と洗濯に関しては魔法でだいぶズルしちゃったし、料理に関してはたくさん手伝ってもらっちゃったけど。

「へぇ、ミコさんがですか。」

ケイトお兄ちゃんが興味津々って顔で料理を眺めている。
…口にあいますように。

ちなみに獣人さん…リオお兄ちゃんは帰った。
新婚さんで奥さんと寮じゃなくてお家に住んでるんだって。
だから娘がどうこう言ってたのか…。

「とりあえずみんなで席に着く。」


両手を合わせてっと。

「いただきます。」

日本にいた頃はアヒージョなんて、オリーブオイルたくさん使う贅沢な料理だったからあんまりやんなかったけれど、今になってやるとは…。
そう思っていると私のことをみんながすごく見ていた。

「そのいただきますってやつ、なんだ?」


…やらかしちゃったてへっ⭐︎
どうしようどうしよう、言い逃れしなきゃ。

「えっと、食に感謝するみたいなやつです。
どこで聞いたかは忘れちゃいました。」


私の言い訳はこれが限界だ。
背中が冷や汗びっしょりである。


「…んまあ記憶喪失って言ってたしな、記憶がある時の文化なのかも知れないな。」

よし、許された。(多分)

私はこれ以上何か言われる前に食に没頭することを決めた。

切ったパンの上にニンニクをフォークで潰して乗せて、エビとブロッコリーと一緒に…。


「!おいしい!」

我ながら美味しいアヒージョだ。
思わず表情も緩んでしまう。


周りを見るとみんなも幸せそうな表情している。
アヒージョ、そんなに美味しかったのかな?


「これは美味しいですね、初めて食べる料理ですがなかなか…。」


「ミコ昔料理人でもやってたのか?」

そこまで褒められるとちょっと嬉しい。


「これお酒合いそうっすね。」


「おつまみとしても親しまれてる料理ですからねぇ。」

話しながらパクリと一口。
ジュワッとしたニンニクの旨みと海鮮の旨み…幸せだなぁ。

久しぶりに大勢で囲んで食べた食事は、すごく美味しく感じた。
その後、私は自室に戻って風呂に入り寝る…前に疑問を一つ解消することにした。

「ハルって何食べるの?」
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【完結】待ってください

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:42

優秀な妹と婚約したら全て上手くいくのではなかったのですか?

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:128,319pt お気に入り:2,205

【完結】さよならのかわりに

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7,831pt お気に入り:4,391

貴方達から離れたら思った以上に幸せです!

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:208,139pt お気に入り:12,402

その花の名前は

恋愛 / 完結 24h.ポイント:397pt お気に入り:4,169

処理中です...