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お城の中は危険がいっぱい

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「ここまでが王宮だよ」

「わぁ、やっぱり凄く広いですね」


私はやっとあの恥ずかしい罰則から解放されて、今は戻ってきたシャルさんにお城の中を案内してもらってます!


「まだまだ、これはお城の右半分だけでしょ
左半分は離宮になってるけど…
マナちゃんが行くことはあんまりないかな」

「へ?
でも離宮に私の寝床とかもあるんじゃないんですか?」

「王太子付き侍女なんだから王宮の方の寝所に決まってるじゃん」


えぇ!?
王族専用の宮なのに…
本当に限られた一部の使用人しかこっちの宮には泊まれないって聞いたけど、新人の私なんかが泊まるなんて本当にいいのかな?


「あの、外とかも案内してもらえるんですか!?」

「あー…
マナちゃんさっきもめちゃくちゃ興味持ってたよね…
分かった、上着持ってくるからちょっと待ってて!」

「はい!」


やった!
さっきは噴水に落ちるとかいうヘマしちゃったけど、薔薇園も見てみたかったんだよね!

私がルンルンでシャルさんを待っていると…


「貴女は……」

「へ?」


背後から声がして振り返ってみると


「やはり先程の煤けた侍女ではないですか」


にこにこしながら酷いことを言うサミュエルさんがいました


煤けた…って、まさか私の事!?
そりゃ私は醜いブスだけど、髪の毛ぐらいは綺麗にしてるし、煤けたなんて言い方酷すぎる!!


「ちょうど良かった
貴女に色々と聞きたい事があったんですよね」


いやいや、私は聞きたい事なんかないです!!


「あ…私ちょっとシャルさんを待ってて…」

「シャル…?
そんな名前の方は王宮にはいないはずですが?」

「へ?」

「私は王宮に出入りしている全ての使用人達の名前を把握しておりますが、その様な名前の方聞いたことがありませんね…
貴女も先程初めて見ましたし…」


う、うそ…
サミュエルさんが頭いいのは知ってるけど、じゃああのシャルさんは誰なんだってなるし、ただ単に把握漏れなんじゃないのかな…?


「でも、今上着を取りに行ってて、待ってるんです!」

「それじゃあそれまでお話しましょうか」


ひぃいい、嫌です!
ただでさえ苦手で関わりたくないのに!!


「あ…そうだ!
わ、忘れ物があったかもしれないので…
すみません、取りに行きますのでお話は出来ません!」


無理無理!
もうこれは嘘でもなんでもいいから逃げよう!
 
身を翻して急いで逃げようとしたら…


「まぁ、待ってくださいよ」


いきなり手を掴まれました


柔かにしてるけどなんか怖いし、悪役のサミュエルさんに関わって碌な事ない気がする!


私は腕をブンっと振り払った


「や、離してくださ…きゃっ!?」


バターンッ


軽く掴まれただけだったのに、焦って勢いつけて離したから後ろに倒れてしまった


いったーい…
尻もちついちゃった…


「な……」


ん…?
サミュエルさんを見ると、目を見開いてこちらを凝視していた


ど、どうしたんだろ?


「きゃっ!?」


ぐいっと力強く腕を引っ張られ、立たせてくれたのかなと思ったら…


「こっちにきなさい!!」

「いたっ…!」


そのまま、ものすごい強い口調と力で空き部屋に連れていかれました













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