転生したら森の主人になりました

上野佐栁

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転生したら森の主人になりました4

転生したら森の主人になりました偽物の世界その1

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 「この世界は偽物......私なら気付けるはずよ‼︎」
 「菜摘‼︎早く起きなさい‼︎遅刻するわよ」
 「やばっ!?今何時?」
 朝七時四十八分
 「完全に遅刻だあー!」
 「菜摘待って‼︎お弁当忘れているわよ」  
 「ありがとう‼︎」
 近道して行くしかない‼︎
 「ヒィィー‼︎」
 五分後
 「はぁはぁ......此処の横断歩道を突っ走ればギリギリ間に合う‼︎」
 キィィィー
 「......えっ?」
 歩道者側は信号が青なはず⁇信号無視?嘘でしょ⁇
 ドーン
 「きゃあああ!?」
 「人が轢かれたぞ‼︎」
 「救急車‼︎早く!」
 ピーポーピーポー
 「やぁー。車に撥ねられたのに......頭を軽く打っただけで良かったよ」
 「なづみ!」
 「楓......呼び方が変になってるよ?」
 「無事でよがっだ!」
 「はいはい」 
 「念の為の検査入院は三日なんだな?」
 「うん」
 「そろそろ私達は帰るわ」
 「うん」
 「菜摘‼︎明日の朝も昼も夜も来るから!」 
 「......夕方だけでいいよ」
 「行くから!」
 「学校は?」
 「サボる!」
 「駄目!」
 「菜摘の意地悪!」
 「はいはい。帰るわよ?」
 「明日ねー」
 「うん......明日」
 「このままで、本当にいいの?偽物の世界で、偽物の幸せでいいの?私なら嫌だけど⁇」
 「だ、誰!?」
 「私は......貴方よ」
 「え......私?」  
 「そうよ。ラフォーレ.ア.ウッド。次に転生したらその名前になるの。でもこの世界は偽物。神である私達ですら騙されている。私ならこの世界を終わらせられる」
 「いきなり言われて、信じろって無理だよ」
 「私には大切な家族が居る。とても大切な人達......だからどうかこの世界に満足しないで、お願い」
 そう言って消えてしまった。本当にそうならこの世界はなに?偽物って言ってたけど......私は転生したってことは一度死んでいるの?
 「......信じられないよね⁇」
 「ラフォーレ‼︎」
 「母上‼︎」
 「僕、母上みたいな森の主人になりたいです」
 「......」
 「俺は、ラフォーレがこの世で一番好きだ」
 「俺、父上よりも強くなって、母上を守る!」
 「......なにこの記憶?何処かで失くしてしまったような感じがする?私は、森崎菜摘⁇」
 「......この世界の存在意義を失くしたくない」
 「......っ!?」
 ずっとモヤモヤしていた霧が晴れたかと思うように心がすっきりとした。
 「この世界を壊さなちゃ」
 次の日の朝
 「菜摘‼︎来たよって......あれ?」
 屋上
 「......この高さならさすがに苦しまずに死ねるよね?」
 シュルルル
 この偽物の世界も悪くない。でも此処は私の居場所ではない。だから此処をぶち壊す。
 「......皆んなさようなら」
 ドン
 「菜摘が死んだ?」
 「はい。菜摘さんが屋上から飛び降り自殺をしたんです」
 「う、嘘ですよね?嘘って言って!」
 「......すみません」
 「どうして⁇どうしてなのよ!?菜摘‼︎うわあああん!」
 「ん?」
 「ラフォーレ様が目を覚ました‼︎」
 「ラフォーレ様だ!」
 「ラフォーレ様!目をお覚ましになられて良かったです」
 「......グラス。フィードバックは?」
 「......自分の領地に居ると思いますよ?」
 「ありがとう」
 「ラフォーレ様!?こ、この粉を付けないと危険です‼︎」
 「忠告ありがとう。でも平気。神の私ならあんなのどうって事ない」
 「か、神様⁇えっ⁇ラフォーレ様が!?」
 「そうだよ。森の神ラフォーレ.ア.ウッド」
 この世界を絶対に終わらせる‼︎
 次に続く
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