転生したら森の主人になりました

上野佐栁

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転生したら森の主人になりました4

転生したら森の主人になりました別世界その3

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 「私ねぇ、願ったの」
 「な、何を?」
 「もし......違う世界があるならその世界で、私が幸せに暮らしているなら変わって欲しいって願ったの。まさか叶うとは思ってなかったけど......」
 「......」
 そんな奇跡みたいなのがあるの?そんな力があるの?別の世界の私は時空さえ超えてしまうほどに魔力が強いの?
 「でも違った」
 「え?」
 「私の思い描く世界じゃない。あっちよりかはましだけど......」
 「思い描く世界?」
 「うん。本物の家族と暮らす私」
 「......っ‼︎」
 「ねぇ、私ならわかるでしょ⁇この気持ち。こんな腐った世界なんか壊して私と一緒に来ない?」
 「......ない」
 「なんて?」
 「私は行かない。何度世界を壊しても繰り返されても......私は同じ道を進む」
 「どうして⁇どうして‼︎なんでわかってくれないの?同じ私ならわかってれるって信じてたのに......こんなの裏切りと同じだわ」
 「逆に聞くけど......なんで?」
 「は?」
 「なんで、この世界を壊したいの?私は、フィードバックや皆んなが居るこの世界が大好きだよ」  
 「なによ......なんなのよ。同じ私なのに......なんでこうも違うのよ!」
 「そりゃ、別の世界のお前みたいにラフォーレは腐ってないからなぁ」
 「ちょっ‼︎ふぃー......」
 「ん?ラフォーレ⁇どうした?いきなり黙り込んで......」
 「......わかった気がする」
 「は?」
 「後で説明するね」
 「お、おう」
 「何がわかったって言いたいの?」
 「私は......私を救う!」
 「は?意味わからないんだけど⁇」
 「何があろうと絶対に見離さない」
 「は、は?何が言いたいのよ?」
 「別の世界の私が希望を持っていなくても......必ずあるから」
 「だからなんの話?」
 「諦めるのはまだ早いって話」
 「え、えっ?」
 私はそう言って、もう一人の別の世界の私に突っ込んだ。
 「こ、来ないで‼︎」
 バンッ
 「同じ私なら力も同じ。でもね、私の方が強い!」
 「......なんなのよ?なんなのよ!貴方は!?」
 「もう一度聞くけど......この世界に本当に未練がないって言える?」
 「そ、それは......」
 「どんなに絶望したって......その中にはきっとある。希望の光があるんだから」
 「意味のわからない事を言わないで!」
 ドン、ガシッ
 「捕まえた!」
 「離して!」
 「絶対に嫌!」
 「どうしてそこまでするの⁇自分が本物のヒーローだって思っているから?」
 「違うわよ!」
 「だったら何よ!」
 「私は私を見離さないって言った。だから手を伸ばすの。どんなに拒絶してもいい!でも手を伸ばす事だけはやめない」
 「臆病で卑怯な私がそんな事を言う日が来るなんてね!」
 「臆病でも卑怯でもいい!私は貴方のことが知りたい。少しは知ってると思う!」
 「......貴方に何がわかるの?目の前で大切な人達を殺された私の気持ちなんて知らないでしょ!?」
 「わかるよ」
 「何嘘付いているの?」
 「嘘なんかじゃない‼︎」
 「だったら証明してみなさいよ!」
 「わかった」
 ゴンッ
 「いっ!?」
 「メモリー」
 「......っ」
 私は別の世界の私に思いっきり頭突きをした。そして、メモリーの力を使った。私の今までの記憶を見て貰えば、別の世界の私も考えが変わるはず。そう思った。
 次に続く
 
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