氷の艶やかな青年

はなおくら

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「ああああっ…!」

 ずっと焦らされた肌は、ようやくほしい物を手に入れて激しい快感に震えた。

 ハンナは自分が浅ましく思いもしたが、もはや抑えられる理性などなかった。

 セジャ自身も、ハンナに対する想いも欲も、全てを胸にぶつけた。

 そんな彼の攻めにハンナは、自分の下から何かが来る感覚がした。

 そして彼が頂きを舐めまわし吸い付いて興奮している姿に、頭の中で快感を覚えた。

 次第に、腰が揺れ動き達する前の感覚にまずいと力を入れて我慢するが、彼に対する愛しさと自分で喜ぶ彼の姿に我慢できずに、ハンナは達した。

「あっ…はぁはぁ…!」

 腰がびくびくっとなった事で、イったことがわかったのか、セジャは唇を離して、ハンナを見つめながら頭を撫でて、何かを堪える様にハンナを抱きしめた。

 ハンナはもう何に彼が耐えているのかわかっており、彼のものを触れようとするが、彼はまた拒む様に首を振る。

 それでも触れようとすると、また優しいキスで大人しくさせられたのだった。

 馬車が、止まる頃、外を見るとそこは、セジャの屋敷だった。

「今日は遅いから明日送るよ。」

 そういうと、ハンナを抱えて部屋へと連れて行った。

 この時のハンナも体力を使ってしまっており、遠慮して断る力もなかった。

 部屋へと案内されると、彼はどこか切羽詰まった顔で、ありながら優しくもハンナを抱きしめた。

「今日は、ごめん。君が他の男を見て抑えられなかった…。……可愛い笑顔を…僕以外に…っ…。」

 嫉妬を隠さない彼に、可愛らしさと愛おしさを感じていた。

 ハンナは彼の唇にキスを落として謝った。

「私こそ会場を抜け出して申し訳ありません。不甲斐ない私の話を聞いてくれた友人…なのです。」

「君は不甲斐なくない。僕の自慢の婚約者だよ。」

 セジャにそう言ってもらえる事で、ハンナは嬉しくなった。

「ありがとうございます。彼は友人です。セジャ様にも紹介したいと思っていたのです。」

 そういうハンナにセジャはどこか困った顔をしながら頷いた。

「さあ、無理をさせすぎたからね。ゆっくり休んで…。」

 そう言ってハンナに口付けを落として、部屋を出て行った。

「おやすみなさい、セジャ様。」

 そしてハンナは夢の中へと入って行った。

 深い眠りから覚めて目が覚めた。

 ぐっすりと眠っていた気がしたが、外は暗くまだ夜更けだった。

 目が冴えてしまい、ふと夜会の馬車での出来事が頭に浮かび恥ずかしくなった。

 恥ずかしい姿を見せてしまったと、頭を押さえて忘れようと首を振った。

 それから、悲しい事を思い出してハンナは俯いた。

 

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