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街中に買い出しをする為、ローブを深く被り市場へと出かけた。
いつも通り店を見て回っていると、身に覚えのある制服をきた騎士が街人に何か尋ねて回っている。
私は騎士の制服に慌てた。
プライアー公爵家の家紋が入っていた。
その事がまだ私の捜索を続けているのだと分かった。
急いで必要なものを買い込みバレないように小屋へと帰った。
ハリアはまだ自分を探している。
自分のことを忘れてないのだと思うと、おかしく思いつつ、嬉しかった。
しかし彼の事が信じられない臆病な自分に苦笑してしまう。
彼の事が頭から離れない。
こんなにも愛しているのに…。
そうして私はしばらくの間街中へ出かける事をやめた。
しばらくして食べ物が底をついた頃、私は大丈夫だろうと街中に出かけた。
その道中、新しい雑貨屋ができていた。
興味を惹かれて店の中に入ると、たくさんのアクセサリーが並んでいる。
一つ一つ見ていくと、あるブローチに目がいった。
決して高いものではなく、偽のエメラルドを真似したものなのはすぐにわかった。
緑の石に周りを黒い縁が美しく装飾されていた。
私は、ハリアをイメージさせる物の気がしてそのブローチを買うことにした。
いい買い物をしたと、ブローチを見つめて市場へと歩き出した。
ハリアと一緒に過ごしているような気持ちになり胸が弾んだ。
彼だと思い胸に宝物を閉じ込めて想いを込めた。
「セレーナっ!」
突然肩を掴まれ振り向かされると、そこにはハリアがいた。
久しぶりの彼は、頬がこけて目が充血していた。
健康だった頃の彼よりも影を帯びているように感じた。
「ハリア…。」
彼の名前を呼んだ途端、見つかってしまったのだと気づき、彼の手から離れようとしたが、失敗した。
私の行動にいち早く気づいたハリアは、私を強引に抱き寄せると、近くの騎士に馬車の手配をさせた。
連れて帰られると、私は彼の中で暴れた。
「ハリアっ…!離してっ…!」
「………。」
ハリアは何も言わない。
それが帰って恐ろしかった。
私たちの騒ぎに街人が集まってきたが、ハリアはお構いなしに用意された馬車に私を乗せた。
私たちが乗るとすぐ、御者は心得たかのように馬車を発進させた。
私はの横には、ハリアが逃さないと言わんばかりに腕を掴んでいる。
「何故…こんな事を…?お願いだから放っておいてっ!」
抵抗して言葉を放つ私に何も帰ってこない。
ハリアは前を向いたままだった。
これからどうなるのか想像も付かず私は馬車が屋敷へと向かうのを見ているしかなかった。
いつも通り店を見て回っていると、身に覚えのある制服をきた騎士が街人に何か尋ねて回っている。
私は騎士の制服に慌てた。
プライアー公爵家の家紋が入っていた。
その事がまだ私の捜索を続けているのだと分かった。
急いで必要なものを買い込みバレないように小屋へと帰った。
ハリアはまだ自分を探している。
自分のことを忘れてないのだと思うと、おかしく思いつつ、嬉しかった。
しかし彼の事が信じられない臆病な自分に苦笑してしまう。
彼の事が頭から離れない。
こんなにも愛しているのに…。
そうして私はしばらくの間街中へ出かける事をやめた。
しばらくして食べ物が底をついた頃、私は大丈夫だろうと街中に出かけた。
その道中、新しい雑貨屋ができていた。
興味を惹かれて店の中に入ると、たくさんのアクセサリーが並んでいる。
一つ一つ見ていくと、あるブローチに目がいった。
決して高いものではなく、偽のエメラルドを真似したものなのはすぐにわかった。
緑の石に周りを黒い縁が美しく装飾されていた。
私は、ハリアをイメージさせる物の気がしてそのブローチを買うことにした。
いい買い物をしたと、ブローチを見つめて市場へと歩き出した。
ハリアと一緒に過ごしているような気持ちになり胸が弾んだ。
彼だと思い胸に宝物を閉じ込めて想いを込めた。
「セレーナっ!」
突然肩を掴まれ振り向かされると、そこにはハリアがいた。
久しぶりの彼は、頬がこけて目が充血していた。
健康だった頃の彼よりも影を帯びているように感じた。
「ハリア…。」
彼の名前を呼んだ途端、見つかってしまったのだと気づき、彼の手から離れようとしたが、失敗した。
私の行動にいち早く気づいたハリアは、私を強引に抱き寄せると、近くの騎士に馬車の手配をさせた。
連れて帰られると、私は彼の中で暴れた。
「ハリアっ…!離してっ…!」
「………。」
ハリアは何も言わない。
それが帰って恐ろしかった。
私たちの騒ぎに街人が集まってきたが、ハリアはお構いなしに用意された馬車に私を乗せた。
私たちが乗るとすぐ、御者は心得たかのように馬車を発進させた。
私はの横には、ハリアが逃さないと言わんばかりに腕を掴んでいる。
「何故…こんな事を…?お願いだから放っておいてっ!」
抵抗して言葉を放つ私に何も帰ってこない。
ハリアは前を向いたままだった。
これからどうなるのか想像も付かず私は馬車が屋敷へと向かうのを見ているしかなかった。
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