俺より先に転生したクソ野郎をぶちのめすまでの物語〜アレと違って完璧チートでも何でもないから智略と悪知恵で戦うことにする〜

　トラックに轢かれた俺、白村玲二（しろむられいじ）は女神に呼び出されて異世界＜アースブルー＞に転生することになった。

　その際に女神より与えられた力は絶大で、あらゆるモンスターが一撃で吹き飛んでいく。俺は全能感と爽快感に浸った。

　だが、ほどなくして上には上がいることを痛感させられることになる。

　ーー黒城剣一（こくじょうけんいち）ッ！

　奴の能力はチートなんてもんじゃないッ。傷を負わせられない無敵の防御力！大地を小指一本で切り裂く強靭な攻撃力！世界を数秒で一周する神速！無限大の魔力！パーティには美人だらけ！

　何故、あの男がいるのに女神は俺を呼んだんだ！？……その意味は、すぐにわかった。俺には奴を倒す使命があるのだ。だが、奴より自信があるのは智略と悪知恵と、肩を並べるほどの吹っ飛ばし力だけだ。

　ーーそう、この物語は、俺が黒城をこの手で斃すまでの物語だッ！