『仮面の文官、愛に溺れる男たち』 ― 男装令嬢は恋より仕事を選びたい
女は文官になれない。なら、男になればいい。
高位貴族の令嬢クラリスには、幼い頃からどうしても叶えたい夢があった。
国を動かす仕事に携わる――文官になること。
けれど、この国で文官になれるのは男だけ。
貴族令嬢であるクラリスに求められているのは、家のために良い相手と結婚し、妻となり母となることだった。
そんな彼女の人生を大きく変えた、ある事件で王都を離れることになったクラリスは、誰にも言えなかった夢を叶えるため、とんでもない決断をする。髪を切り、男の服をまとい、名前を変える。
貴族令嬢クラリスではなく、一人の少年――「クリス」として名門学院へ入学したのだ。
目指すは、文官試験合格。
正体が露見すれば、すべてを失う。
そんな綱渡りの学院生活で出会ったのは、男子寮で生活を共にするエリオットと、第二王子レオン。
競い合い、喧嘩をし、笑い合う。
時には互いの弱さを知り、やがて命さえ預け合うようになった三人の間には、身分を越えた強い絆が生まれていく。
けれど二人は知らない。
親友だと思っているクリスが、実は女であることを。
そしてクラリスも知らなかった。
いつか秘密が暴かれたとき、友情だと思っていたものまで形を変えてしまうことを。
彼女は誰かの娘としてでも、誰かの妻としてでもない。
自分の人生を、自分で選ぶことができるのか?
男装令嬢クラリスと、彼女に人生を狂わされていく男たちの、恋と友情と陰謀の物語。
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