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エピローグ
X-1・エピローグ、もしくは本当のプロローグ①
しおりを挟むあの後。
それまでの一週間と少しはいったい何だったのかという程あっけなく、俺は殿下の魔力を受け入れられるようになっていた。
あるいは、あの症状は結局、俺の殿下への甘えで間違いなかったのかもしれない。いずれにせよ、心理的な物ではあったのだろう。
俺と殿下の諍いの元になったピオラだが、最終的には俺達の第一子として育てていくことに決まった。俺の希望がほとんどそのまま通った形となる。ただし、俺が身重なのもあって、絶対に無理はしないこと、侍女の手は借りれるだけ借りること、専用の侍女を数人選出した上、必ず一人は傍に控えさせることなどのいくつかの条件は出されたが。
俺だって自分の立場ぐらい理解している。俺の手ずからで全ての面倒をみたいなどという我が儘など言わない。理想としてはそうしたいのだが、無理なことは明らかなので。
それでも、殿下は構いすぎだと時折、渋い顔をするのだが、俺に言わせればルーファほどにも構えていないのだから、足りないぐらいだった。
ちなみにそういう殿下だって不器用ながらも、ピオラにだってちゃんと愛情を持って接している。ぎこちない触れ合いは、見ていて温かい気持ちになるようなものだったが、俺にそんな風に見られるのが殿下は不本意らしい。
いったいどんな意地なのだか。
俺が腹に抱えていた子供は順調に育ち、元々の予定通りの時期に、元気な姿で産み落とすことが出来た。
アーディ……――ニアセプディアと名付けられた、殿下によく似た男の子だ。ニアセプディアとは、『絶えることのないもの』を指す古い言葉で、名前を決めたのは殿下だった。
不足のない人生を送れるようにと、そんな意味を込めたのだとか。髪の色だけが俺に似ている、俺のかわいいアーディ。
健やかに。大きくなってくれればそれでいい。
子供が生まれたのなら、あとは待っているのはただ一つ。
初めから決められていた。
そう、婚姻式である。
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