忘れられた公主と幽霊宮女

桜陽(おうよう)国はかつて家臣である高氏が隆盛を極め国を支配し、皇帝さえも牛耳っていた。しかし若き皇帝の劉帆(りゅうほ)が信頼のおける家臣と共に高氏を滅し、皇帝の権力を取り戻すことに成功した。
高氏の一族である皇后、華蘭は廃妃となり、冷宮に幽閉され、貴妃であった柳 紅花(りゅう ほんふぁ)が皇后となった。紅花皇后はすぐに皇太子の泰然(たいらん)を生んだ。しかしほぼ同日、廃妃華蘭も皇帝の娘を生んだ。廃妃は出産と同時に生命を落とし、廃妃から生まれた公主は、父劉帆から名も与えられず、そのまま冷宮でわずかな使用人と共に育つ。
 それから十数年、劉帆と紅花の間にはもう一人公主凜花(りんふぁ)も生まれ、皇帝劉帆の治世は前途洋々だった。
しかし皇太子泰然は皇帝となるにはいささか突出した才能もなく、側近で一歳違いのいとこ柳 愁宇(りゅう しゅうゆ)の優秀さに敵わなず、そのことに苛立ちを覚えていた。
一方、廃妃が生んだ公主は名も無いまま、華蘭の娘を略して蘭娘(らんにゃん)と呼ばれ冷宮で暮らしている…はずだった。

イラストはpicora様に有償で依頼させていただきました
24h.ポイント 0pt
43
小説 221,116 位 / 221,116件 キャラ文芸 5,501 位 / 5,501件

あなたにおすすめの小説

私は不要とされた~一番近くにいたのは、誰だったのか~

ゆめ@マンドラゴラ
恋愛
彼の幼馴染は、いつも当然のように隣にいた。 「私が一番、彼のことを分かっている」 そう言い切る彼女の隣で、婚約者は何も言わない。 その沈黙が、すべての答えのように思えた。 だから私は、身を引いた。 ――はずだった。 一番近くにいたのは、本当に彼女だったのか。 「不要とされた」シリーズ第三弾。

『病弱な幼馴染を優先してください』と言った妻が消えた翌日、夫は領地の会計書類が全て白紙になっていることに気づいた

歩人
ファンタジー
侯爵家に嫁いで五年。ルチアは夫エミルの領地会計・社交・使用人管理を全て一人で担ってきた。だがエミルはいつも幼馴染のアリーチェを優先する。「アリーチェは体が弱いんだ、お前とは違う」——その言葉を百回聞いた日、ルチアは微笑んで離縁届に署名した。「ええ、私は丈夫ですから。どうぞ幼馴染様をお大事に」。翌朝、エミルが目にしたのは——税務報告の締切、領民からの陳情の山、そして紅茶の淹れ方すら知らない自分。三ヶ月後、かつて「地味な妻」と呼ばれたルチアは、辺境伯の財務顧問として辣腕を振るっていた。

後宮祓いの巫女は、鬼将軍に嫁ぐことになりました

由香
キャラ文芸
後宮で怪異を祓う下級巫女・紗月は、ある日突然、「鬼」と噂される将軍・玄耀の妻になれと命じられる。 それは愛のない政略結婚―― 人ならざる力を持つ将軍を、巫女の力で制御するための契約だった。 後宮の思惑に翻弄されながらも、二人は「契約」ではなく「選んだ縁」として、共に生きる道を選ぶ――。

『最後に名前を呼ばれた日、私はもう妻じゃなかった』

まさき
恋愛
「おい」「なあ」 それが、夫が私を呼ぶときの言葉だった。 名前を呼ばれなくなって三年。 私は、誰かの妻ではあっても、もう“私”ではなかった。 気づかないふりをして、耐えて、慣れて、 それでも心は、少しずつ削れていった。 ——だから、決めた。 この結婚を、終わらせると。 最後の日、彼は初めて私の名前を呼ぶ。 でも、その声は、もう届かない。

あなたが選んだのは私ではありませんでした 裏切られた私、ひっそり姿を消します

矢野りと
恋愛
旧題:贖罪〜あなたが選んだのは私ではありませんでした〜 言葉にして結婚を約束していたわけではないけれど、そうなると思っていた。 お互いに気持ちは同じだと信じていたから。 それなのに恋人は別れの言葉を私に告げてくる。 『すまない、別れて欲しい。これからは俺がサーシャを守っていこうと思っているんだ…』 サーシャとは、彼の亡くなった同僚騎士の婚約者だった人。 愛している人から捨てられる形となった私は、誰にも告げずに彼らの前から姿を消すことを選んだ。

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

辺境伯は才女を隠さない

放浪人
恋愛
王太子の名で出された政策。その多くを書いていたのは、婚約者セレナだった。 けれど彼女は報われるどころか「冷たい悪役令嬢」と噂され、不正の責任を負わされて婚約破 棄。 厄介払い同然に送られた北辺で待っていたのは、無骨で寡黙な辺境伯オスカー。 だが彼だけは、彼女の仕事も価値も最初から知っていた。 「その案は良い。君の名で公告を出す」 隠されてきた才女が、自分の名を取り戻し、やがて王宮すら覆す――。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。