エイプリルフール

 少し間に合わなかったエイプリルフール。
※小説になろうのサイトにも転載されています。

【冒頭】

 家には私しか居ないのに、パタパタと廊下から音がする。襖を開いて廊下を覗くと、大根が走っていた。

 捕まえてみれば、表面がしんなりとしている。いつもよりせわしなくしていたのは、腐ってしまいそうだからだろう。

 走る大根は、頭をぽんぽんと撫でてやればパタッと音を立てて倒れる。あとはいつも通り調理すれば良い。今回は縦に切ってお味噌汁にした。

 季節の変わり目に、暖かいお味噌汁。うん。いいお味だ。
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