2 / 90
2話 神様への怒りの最中に現れたのはまさかの癒し系?
しおりを挟む
はぁ、私どうしたら良いんだろう。私を見守っているって言うのなら、どうにかしてよと、心の中で思い。
それだけじゃ足りないと、実際に叫んで呼んでみたけど、神様は来てくれる様子もなければ、神様と一緒にいた空間にも、戻してくれるつもりもないみたいだし。
このままじゃ確実に、私は2回目の死を迎えることになるんだけど? 何が見守っている、よ! 見守っているどころか、また死なせそうになってるじゃない!!
なんだかんだと、少しずつパニックは収まってきたけど、今度はどんどん怒りが湧いてくる。
本当にどうしたら良いんだ? せめて誰か1人でも、大人の人がいてくれれば、ここの事を聞いたり、これからどうしたら良いか聞けるのに。
「もち、ちんで、もとのばちょにもどったりゃ、おぼえてりょよ。あやまっちぇも、しゅぐにゆるちてやりゃないかりゃな。まほで、こげきちてやりゅ!」
そう神様に届くように、強く思いながら口にする。と、次の瞬間だった。
『あ~、そろそろ良いか? というか、小さいくせにずいぶん物騒なことを言っているな』
それは男性の声だった。誰もいないと思っていたのに、突然声をかけられて。私はどこに誰がいるかも確かめないで、近くの大きな木までよちよち歩いて行き、その木の影に隠れた。
はぁ、歩いている時に、捕まったり、攻撃されなくて良かった。なにしろ2、3歳の幼児、そう簡単にしっかりと走れない。
「だ、だりぇ!?」
勇気を出して声の主に声をかける。
『俺はこの……』
『待ってください。先に私が説明します』
『ぼくもいっしょにせつめい!!』
すると。最初の男性の声を遮るように、別の声も聞こえてきたんだ。1人は、最初の人よりも、少し若い感じの声で、もう1つの声は、子供っぽい、とても元気な声だった。
まさか、新しい人物が現れるなんて。この浮き島、誰もいないと思っていたけど、何人か人がいるの? 住んでるとか? でも家なんてどこに見当たらないけど……。
私は、サッと自分の周りだけ確認してみた。だけど、やっぱり家は見当たらない。奥の方は分からないけど。
よく考えたら、この世界の家がどんなものか知らなかったな。もしかしたら地球の物とは全然違うもので、魔法で見えなくしてるかもしれないし。
「すぅ、はぁ。こんどは、だりぇ?」
新しい人々の出現に、あまりにもドキドキして、私は深呼吸をしてから声をかけた。
『私はこの背中に住んでいる、グレイスウルフです』
『ぼくはねぇ、ぽりゅぴねら!! ぽりゅ? ぽりゅ……、ぽる!! ぽるぴねりゃ!! ……りゃ?』
最初の『る』が言えるようになったと思ったら、後半の『ら』が言えなくなった。可愛い。……じゃなかった、今はそれじゃない。それに最初の人、グレイスウルフ、ウルフって言ったよね。
ウルフってオオカミ? なわけないか。人でもウルフって名前が入っている人はいるもんね。
『これからあなたに、私たちの姿が見えるように前に出ますが、驚かず逃げずにいてください。ここは海です、落ちたら大変ですから。私たちは何もしません。あなたと話しがしたいだけです』
『うん! なにもしない! おはなしは……、ぐれいしゅうるふと、あしゅぴどけりょん、する。ぼくは、いっしょにくだものたべたい!! だからふたりとも、はやくおはなしおわらせる!』
何もしない、話しがしたいだけ……か。何も聞かないことには、これからどうしたら良いか、決めることもできないし。もしかしたら今の状況を、助けてくれるかもしれない。ここは信じて話しを聞くしかないよね。
まぁ嘘で、襲われたところで、今の私じゃ何もできないで、されるがままになるだろうし。うん! ここは話しを聞こう!!
「わかりまちた!!」
『よし。では今から前に出ますね』
『まえにでる!! それでくだもの!!』
『自分で今言っていたでしょう。話しが終わってからと』
『くだもの、さきでもいいよ?』
優先順位が変わってる。可愛いなぁ。歳相応の子かな? でも……、まだ顔は見てないし。この声とはしゃぎ具合が、この異世界特有のもので、実はおじさんだった、なんてのは困るな。
ガサゴソと音がして、向こうの木々の間の草が揺れる。その様子をドキドキしながら見つける私。可愛い子でありますように。……じゃない、ちゃんと話しができますように。というか声のせいで、私の優先順位も変わっちゃったじゃない。
ガサゴソ、ガサゴソ……。ガササッ!
『初めまして、私がグレイスウルフです』
『ぼく、ぽりゅぴねりゃ……。ぽ、ぽ、ぽるぴねら!! あのねぇ、おいしいくだものいっぱいなの。だからはやくおはなしおわって、いっしょにたべる!!』
……危険な人間じゃないければ良いな、話しができれば良いな、なんて思っていたけど。
木々の間から出てきたのは、予想外の人物だった。というか人間ですらなく、最初に私が考えたことで当たってたよ。だから相手は驚くな、逃げるなって言ったのかな?
木々の間から出てきたのは、オオカミっぽい生き物と、サッカーボールくらいの、まん丸毛玉な生き物で。その生き物たちが、私に話しかけてきたんだ。
丁寧に話しているのが、オオカミっぽい生き物でグレイスウルフ。毛玉のサッカーボールがポルピネラらしい。
私が動かず、何も言わずにいると、グレイスウルフはスタスタと。ポルピネラは、こう上下左右の動きがない、そのままの状態です~と、グレイスウルフの後ろからついてきて、私の少し前で止まった。そして……。
『それでは、話しを始めましょう』
そう言ったんだ。
それだけじゃ足りないと、実際に叫んで呼んでみたけど、神様は来てくれる様子もなければ、神様と一緒にいた空間にも、戻してくれるつもりもないみたいだし。
このままじゃ確実に、私は2回目の死を迎えることになるんだけど? 何が見守っている、よ! 見守っているどころか、また死なせそうになってるじゃない!!
なんだかんだと、少しずつパニックは収まってきたけど、今度はどんどん怒りが湧いてくる。
本当にどうしたら良いんだ? せめて誰か1人でも、大人の人がいてくれれば、ここの事を聞いたり、これからどうしたら良いか聞けるのに。
「もち、ちんで、もとのばちょにもどったりゃ、おぼえてりょよ。あやまっちぇも、しゅぐにゆるちてやりゃないかりゃな。まほで、こげきちてやりゅ!」
そう神様に届くように、強く思いながら口にする。と、次の瞬間だった。
『あ~、そろそろ良いか? というか、小さいくせにずいぶん物騒なことを言っているな』
それは男性の声だった。誰もいないと思っていたのに、突然声をかけられて。私はどこに誰がいるかも確かめないで、近くの大きな木までよちよち歩いて行き、その木の影に隠れた。
はぁ、歩いている時に、捕まったり、攻撃されなくて良かった。なにしろ2、3歳の幼児、そう簡単にしっかりと走れない。
「だ、だりぇ!?」
勇気を出して声の主に声をかける。
『俺はこの……』
『待ってください。先に私が説明します』
『ぼくもいっしょにせつめい!!』
すると。最初の男性の声を遮るように、別の声も聞こえてきたんだ。1人は、最初の人よりも、少し若い感じの声で、もう1つの声は、子供っぽい、とても元気な声だった。
まさか、新しい人物が現れるなんて。この浮き島、誰もいないと思っていたけど、何人か人がいるの? 住んでるとか? でも家なんてどこに見当たらないけど……。
私は、サッと自分の周りだけ確認してみた。だけど、やっぱり家は見当たらない。奥の方は分からないけど。
よく考えたら、この世界の家がどんなものか知らなかったな。もしかしたら地球の物とは全然違うもので、魔法で見えなくしてるかもしれないし。
「すぅ、はぁ。こんどは、だりぇ?」
新しい人々の出現に、あまりにもドキドキして、私は深呼吸をしてから声をかけた。
『私はこの背中に住んでいる、グレイスウルフです』
『ぼくはねぇ、ぽりゅぴねら!! ぽりゅ? ぽりゅ……、ぽる!! ぽるぴねりゃ!! ……りゃ?』
最初の『る』が言えるようになったと思ったら、後半の『ら』が言えなくなった。可愛い。……じゃなかった、今はそれじゃない。それに最初の人、グレイスウルフ、ウルフって言ったよね。
ウルフってオオカミ? なわけないか。人でもウルフって名前が入っている人はいるもんね。
『これからあなたに、私たちの姿が見えるように前に出ますが、驚かず逃げずにいてください。ここは海です、落ちたら大変ですから。私たちは何もしません。あなたと話しがしたいだけです』
『うん! なにもしない! おはなしは……、ぐれいしゅうるふと、あしゅぴどけりょん、する。ぼくは、いっしょにくだものたべたい!! だからふたりとも、はやくおはなしおわらせる!』
何もしない、話しがしたいだけ……か。何も聞かないことには、これからどうしたら良いか、決めることもできないし。もしかしたら今の状況を、助けてくれるかもしれない。ここは信じて話しを聞くしかないよね。
まぁ嘘で、襲われたところで、今の私じゃ何もできないで、されるがままになるだろうし。うん! ここは話しを聞こう!!
「わかりまちた!!」
『よし。では今から前に出ますね』
『まえにでる!! それでくだもの!!』
『自分で今言っていたでしょう。話しが終わってからと』
『くだもの、さきでもいいよ?』
優先順位が変わってる。可愛いなぁ。歳相応の子かな? でも……、まだ顔は見てないし。この声とはしゃぎ具合が、この異世界特有のもので、実はおじさんだった、なんてのは困るな。
ガサゴソと音がして、向こうの木々の間の草が揺れる。その様子をドキドキしながら見つける私。可愛い子でありますように。……じゃない、ちゃんと話しができますように。というか声のせいで、私の優先順位も変わっちゃったじゃない。
ガサゴソ、ガサゴソ……。ガササッ!
『初めまして、私がグレイスウルフです』
『ぼく、ぽりゅぴねりゃ……。ぽ、ぽ、ぽるぴねら!! あのねぇ、おいしいくだものいっぱいなの。だからはやくおはなしおわって、いっしょにたべる!!』
……危険な人間じゃないければ良いな、話しができれば良いな、なんて思っていたけど。
木々の間から出てきたのは、予想外の人物だった。というか人間ですらなく、最初に私が考えたことで当たってたよ。だから相手は驚くな、逃げるなって言ったのかな?
木々の間から出てきたのは、オオカミっぽい生き物と、サッカーボールくらいの、まん丸毛玉な生き物で。その生き物たちが、私に話しかけてきたんだ。
丁寧に話しているのが、オオカミっぽい生き物でグレイスウルフ。毛玉のサッカーボールがポルピネラらしい。
私が動かず、何も言わずにいると、グレイスウルフはスタスタと。ポルピネラは、こう上下左右の動きがない、そのままの状態です~と、グレイスウルフの後ろからついてきて、私の少し前で止まった。そして……。
『それでは、話しを始めましょう』
そう言ったんだ。
552
あなたにおすすめの小説
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!
由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。
しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。
さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。
そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。
「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」
やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった!
しかしハルの血が特殊だと知った騎士はハルを連れ帰って?
いっそ美味しい血と癒しを与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。
【完結】スキルを作って習得!僕の趣味になりました
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》 どんなスキル持ちかによって、人生が決まる。生まれ持ったスキルは、12歳過ぎから鑑定で見えるようになる。ロマドは、4度目の15歳の歳の鑑定で、『スキル錬金』という優秀なスキルだと鑑定され……たと思ったが、錬金とつくが熟練度が上がらない!結局、使えないスキルとして一般スキル扱いとなってしまった。
どうやったら熟練度が上がるんだと思っていたところで、熟練度の上げ方を発見!
スキルの扱いを錬金にしてもらおうとするも却下された為、仕方なくあきらめた。だが、ふと「作成条件」という文字が目の前に見えて、その条件を達してみると、新しいスキルをゲットした!
天然ロマドと、タメで先輩のユイジュの突っ込みと、チェトの可愛さ(ロマドの主観)で織りなす、スキルと笑いのアドベンチャー。
転生したらちびっ子になって、空を落ちていた件 〜もふもふたちのお世話はお任せあれ。ついでに悪もやっつけます!〜
ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした高橋凛は、お詫びとして理想の世界へ転生することに。しかし気がつけば幼児の姿で、しかも空を落下中だった!?
バカ神、あいつまたミスったな!? そう思いながらも、凛はどうすることもできず、空を落ちていく。しかも更なるアクシデントが凛を襲い……。
が、そのアクシデントにより、優しい魔獣に助けられた凛は、少しの間彼の巣で、赤ちゃん魔獣や卵の世話を教わりながら過ごすことに。
やがてその魔獣を通じて侯爵家に迎え入れられると、前世での動物飼育の知識や新たに得た知識、そして凛だけが使える特別な力を活かして、魔獣たちの世話を始めるのだった。
しかし魔獣たちの世話をする中で、時には悪人や悪魔獣と対峙することもあったため、凛は、『魔獣たちは私が守る!!』と決意。入団はできないものの、仮のちびっ子見習い騎士としても頑張り始める。
これは、凛と魔獣たちが織りなす、ほんわかだけど時々ドタバタな、癒しとお世話の物語。
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
モブっと異世界転生
月夜の庭
ファンタジー
会社の経理課に所属する地味系OL鳳来寺 桜姫(ほうらいじ さくらこ)は、ゲーム片手に宅飲みしながら、家猫のカメリア(黒猫)と戯れることが生き甲斐だった。
ところが台風の夜に強風に飛ばされたプレハブが窓に直撃してカメリアを庇いながら息を引き取った………筈だった。
目が覚めると小さな籠の中で、おそらく兄弟らしき子猫達と一緒に丸くなって寝ていました。
サクラと名付けられた私は、黒猫の獣人だと知って驚愕する。
死ぬ寸前に遊んでた乙女ゲームじゃね?!
しかもヒロイン(茶虎猫)の義理の妹…………ってモブかよ!
*誤字脱字は発見次第、修正しますので長い目でお願い致します。
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる