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3話 神様のやらかしと家族のはじまり
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「かみしゃまが、しゅみませしぇんでちた」
初めて見る生き物に、小さい体ながら、なんとか土下座をする私。なんで私がこんなことをしなければいけないのか。
まぁ、神様の関係者だと言えばそうだし、なんだったら私がここへ転生したいって言ったのは間違いなし。……それも神様が原因だけど。
でも神様、自分がミスったからって、ほぼ無理やり、相手に私のことを頼むのはどうなのよ。しかもみんな、ちゃんと返事をしてないって言うし、それどころか種族も全然違うのに。
あっ、動物に似ているグレイスウルフ達だけど、魔獣でした。魔獣っていうのは、不思議な力を持った、この世界特有の生き物だって、向こうで神様が教えてくれたの。
ライトノベルの異世界ファンタジーに出てくる魔獣そのまま。初めての世界で、初めて出会ったのが魔獣だったよ。
「ほんとに、しゅみましぇん」
はぁ、ここまでほぼ、神様がいろいろやらかしてくれている。まったく、本当に神様なのか?
実は私、すぐに目覚めたんじゃなかったんだ。ここへ来てから丸1日経っていたみたいで。私が起きるまで、グレイスウルフたちはずっと、私の様子を見ていてくれたらしい。神様に、いろいろ勝手に、話しを進められながら。
私がここへ来たのは、みんながゆっくりと休んでいた、昼を少し過ぎた頃だった。突然光の柱が現れたかと思うと、その光の柱の元に私が光と共に現れたと。
驚いたみんなは、その様子を遠くから見ていて、やがて光が消えると、私の様子を見に来た。すると突然、どこからともなく声が聞こえてきたって。
『うわぁぁぁ、また失敗しちゃったよ!! どうしよう! ぜんぜん違うところに送っちゃった!! あっ、でも誰も居ないわけじゃないみたいだし、舞を守ってくれそうだから、みんなに頼んじゃおうかな』
ってね。そう、やっぱり神様が、私を転生させる場所を間違えたようだ。まったく違うところって、なんでそんなミスをしたんだか。
ただ、そんな声が聞こえただけで、何が起こっているか分からないみんなは、警戒して1度私から下がったって。そりゃそうだ、見ず知らずの、しかも自分たちとは違う人間が、突然現れたんだからね。
だけど、声の主、神様はみんなに、勝手に話しをし始めた。自分は神様で、私はどういう人間で、今こういう状況だってね。
そしてありえないことを、みんなにお願いしたんだよ。
『ごめんね。力を使いすぎて、この子を本来の場所に送る力も、他のことをする余力も残ってなくてさ。だから悪いけど、みんなでこの子を、世話してあげてくれないかな。あっ、せっかくだし、家族になるなんてどう? やっぱり無理って思ったら、人のいる場所まで、送ってくれれば良いからさ。本当申し訳ないんだけど、神の愛し子をよろしくね』
それだけ言い残して、サッサと声は消えてしまったらしい。
……まったく、突然現れただけじゃなく、勝手に話を始めて。力を使い過ぎて何もできず、あげく人に押し付けるとは何事か。
しかもさらに詳しく聞こうとしたら、本当に簡単にしか説明を聞いていなくて。代わりに私が詳しく、これまでの状況を説明することになり。今はその説明のあと、神様の代わりに、謝っているところだよ。
『いや、どう考えても、あなたのせいではありませんからね。あなたが謝る必要はありません。それに、あなたの話しを聞いた感じ、あなたもあれの被害者のようですから』
『だめだめな、かみさまねぇ。ねぇ、くだものは? そろそろたべてもいい?』
『まだ、もう少しです』
『え~、ぼく、いっしょにたべるの、たのしみにしてたの』
『もう少しだと言っているでしょう。……そうですね。話しているあいだに、もう1度果物の確認をしてきたらどうですか?』
『もう、なんどもかくにんした』
『もう1度です。そういえば甘さは確認しましたか?』
『ハッ!! それはまだしてない!!』
『では、それを確認してきてください』
『うん!! ぽるくんいってくる!!』
自分のことをポル君と言っている、ポルピネラの魔獣の子が、木々の向こうへ消えていく。
『さて、話の続きですが、最初は我々もどうすべきか悩んでいました。ですが、あなたが眠っている姿を見ているうちに、気持ちも落ち着き。これまでのこと、細かい部分は今あなたから聞きましたが。今私たちは、あれに言われたからではなく、自分たちの意思で、あなたと暮らすのも悪くないと思っています』
まさか神様の話だけで、そして私が寝ている間に、一緒に暮らしても良いと考えてくれているなんて思わなかった。
『それに、私たちはこれで案外、人といろいろ関わっているので、一応は人間のことを分かっているつもりです。なので、あなたの世話をすることもできる』
そうなの? こんな海のど真ん中で、そんなに人と関わることがあるのかな? あっ、もしかして船がここにくるとか、飛ぶ魔法があって、ここまで人が飛んでくるとか。
『ですから、どうしますか? 目覚めたばかりで、すぐに決めろと言うのも酷ですが。あなたがここで暮らすと言うのなら、我々は家族としてあなたを歓迎します。もちろん人間の元で暮らしたいと言うのなら、すぐに人間を探して引き渡しましょう』
どうしようかな? 確かに、同じ人間のいる所で暮らした方が良いのかもしれない。でも、神様に押し付けられたのに、私のことをとても心配し、家族として迎え入れてくれると2人は言ってくれて。
2人の気持ちがとても嬉しいし。……もしかしたら、この2人なら、私の知らない家族を、知ることができるかもしれない。
うん! せっかく新しい世界に来たんだから、こういう家族の形も良いんじゃないかな? それにこれってもふもふを堪能できるのでは?
と、私のそんな考えは置いておいて。こんなちびっ子で、何ができるかも分からない私は、きっとこれからも迷惑をかけちゃうと思う。でも、それでもなるべく迷惑をかけないよう頑張るから。よかったら、私をみんなの家族にしてもらえないかな?
「えちょ……」
『考えがまとまりましたか?』
「あい!! わたちをかぞくにちてくだしゃい! よろしくおねがいちましゅ!!」
『分かりました。これからよろしくお願いしますね』
今まで少しもニコリとしなかったグレイスウルフが、一瞬だけ笑った気がしたよ。そしてそれと同時に、元気よくポルピネラが戻ってきた。
『あじ、かんぺき!! おはなしおわった!? くだものたべる!!』
まさか新しい世界で、家族ができるなんて、今までで1番嬉しい出来事かも。これに関しては、ここに送り間違った神様に感謝かな。
でも、みんなにも、私にも迷惑をかけたことについては、もしもまた会うことがあったら、覚えてろよ?
初めて見る生き物に、小さい体ながら、なんとか土下座をする私。なんで私がこんなことをしなければいけないのか。
まぁ、神様の関係者だと言えばそうだし、なんだったら私がここへ転生したいって言ったのは間違いなし。……それも神様が原因だけど。
でも神様、自分がミスったからって、ほぼ無理やり、相手に私のことを頼むのはどうなのよ。しかもみんな、ちゃんと返事をしてないって言うし、それどころか種族も全然違うのに。
あっ、動物に似ているグレイスウルフ達だけど、魔獣でした。魔獣っていうのは、不思議な力を持った、この世界特有の生き物だって、向こうで神様が教えてくれたの。
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「ほんとに、しゅみましぇん」
はぁ、ここまでほぼ、神様がいろいろやらかしてくれている。まったく、本当に神様なのか?
実は私、すぐに目覚めたんじゃなかったんだ。ここへ来てから丸1日経っていたみたいで。私が起きるまで、グレイスウルフたちはずっと、私の様子を見ていてくれたらしい。神様に、いろいろ勝手に、話しを進められながら。
私がここへ来たのは、みんながゆっくりと休んでいた、昼を少し過ぎた頃だった。突然光の柱が現れたかと思うと、その光の柱の元に私が光と共に現れたと。
驚いたみんなは、その様子を遠くから見ていて、やがて光が消えると、私の様子を見に来た。すると突然、どこからともなく声が聞こえてきたって。
『うわぁぁぁ、また失敗しちゃったよ!! どうしよう! ぜんぜん違うところに送っちゃった!! あっ、でも誰も居ないわけじゃないみたいだし、舞を守ってくれそうだから、みんなに頼んじゃおうかな』
ってね。そう、やっぱり神様が、私を転生させる場所を間違えたようだ。まったく違うところって、なんでそんなミスをしたんだか。
ただ、そんな声が聞こえただけで、何が起こっているか分からないみんなは、警戒して1度私から下がったって。そりゃそうだ、見ず知らずの、しかも自分たちとは違う人間が、突然現れたんだからね。
だけど、声の主、神様はみんなに、勝手に話しをし始めた。自分は神様で、私はどういう人間で、今こういう状況だってね。
そしてありえないことを、みんなにお願いしたんだよ。
『ごめんね。力を使いすぎて、この子を本来の場所に送る力も、他のことをする余力も残ってなくてさ。だから悪いけど、みんなでこの子を、世話してあげてくれないかな。あっ、せっかくだし、家族になるなんてどう? やっぱり無理って思ったら、人のいる場所まで、送ってくれれば良いからさ。本当申し訳ないんだけど、神の愛し子をよろしくね』
それだけ言い残して、サッサと声は消えてしまったらしい。
……まったく、突然現れただけじゃなく、勝手に話を始めて。力を使い過ぎて何もできず、あげく人に押し付けるとは何事か。
しかもさらに詳しく聞こうとしたら、本当に簡単にしか説明を聞いていなくて。代わりに私が詳しく、これまでの状況を説明することになり。今はその説明のあと、神様の代わりに、謝っているところだよ。
『いや、どう考えても、あなたのせいではありませんからね。あなたが謝る必要はありません。それに、あなたの話しを聞いた感じ、あなたもあれの被害者のようですから』
『だめだめな、かみさまねぇ。ねぇ、くだものは? そろそろたべてもいい?』
『まだ、もう少しです』
『え~、ぼく、いっしょにたべるの、たのしみにしてたの』
『もう少しだと言っているでしょう。……そうですね。話しているあいだに、もう1度果物の確認をしてきたらどうですか?』
『もう、なんどもかくにんした』
『もう1度です。そういえば甘さは確認しましたか?』
『ハッ!! それはまだしてない!!』
『では、それを確認してきてください』
『うん!! ぽるくんいってくる!!』
自分のことをポル君と言っている、ポルピネラの魔獣の子が、木々の向こうへ消えていく。
『さて、話の続きですが、最初は我々もどうすべきか悩んでいました。ですが、あなたが眠っている姿を見ているうちに、気持ちも落ち着き。これまでのこと、細かい部分は今あなたから聞きましたが。今私たちは、あれに言われたからではなく、自分たちの意思で、あなたと暮らすのも悪くないと思っています』
まさか神様の話だけで、そして私が寝ている間に、一緒に暮らしても良いと考えてくれているなんて思わなかった。
『それに、私たちはこれで案外、人といろいろ関わっているので、一応は人間のことを分かっているつもりです。なので、あなたの世話をすることもできる』
そうなの? こんな海のど真ん中で、そんなに人と関わることがあるのかな? あっ、もしかして船がここにくるとか、飛ぶ魔法があって、ここまで人が飛んでくるとか。
『ですから、どうしますか? 目覚めたばかりで、すぐに決めろと言うのも酷ですが。あなたがここで暮らすと言うのなら、我々は家族としてあなたを歓迎します。もちろん人間の元で暮らしたいと言うのなら、すぐに人間を探して引き渡しましょう』
どうしようかな? 確かに、同じ人間のいる所で暮らした方が良いのかもしれない。でも、神様に押し付けられたのに、私のことをとても心配し、家族として迎え入れてくれると2人は言ってくれて。
2人の気持ちがとても嬉しいし。……もしかしたら、この2人なら、私の知らない家族を、知ることができるかもしれない。
うん! せっかく新しい世界に来たんだから、こういう家族の形も良いんじゃないかな? それにこれってもふもふを堪能できるのでは?
と、私のそんな考えは置いておいて。こんなちびっ子で、何ができるかも分からない私は、きっとこれからも迷惑をかけちゃうと思う。でも、それでもなるべく迷惑をかけないよう頑張るから。よかったら、私をみんなの家族にしてもらえないかな?
「えちょ……」
『考えがまとまりましたか?』
「あい!! わたちをかぞくにちてくだしゃい! よろしくおねがいちましゅ!!」
『分かりました。これからよろしくお願いしますね』
今まで少しもニコリとしなかったグレイスウルフが、一瞬だけ笑った気がしたよ。そしてそれと同時に、元気よくポルピネラが戻ってきた。
『あじ、かんぺき!! おはなしおわった!? くだものたべる!!』
まさか新しい世界で、家族ができるなんて、今までで1番嬉しい出来事かも。これに関しては、ここに送り間違った神様に感謝かな。
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