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17話 陸を前に、緊張の接近
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『はぁ、面倒なことになった』
『まったく、目ざといですね』
『良く、あの場所から気づいたな』
『大きな街ですからね。それだけ力を持っている人間も多いいのでしょう。はたまた魔獣が我々を見つけたか。まぁ、魔獣の気配はしませんが』
『俺もだ。おそらく、あの人間たちの中に、そういった力を持っている者がいたんだろう。あるいはたまたまか』
『何とか切り抜けられると良いのですが』
『ダメそうなら一旦沖に戻り、また様子をみて戻ってこよう』
『そうですね、ポル。これから少し厄介なことになるかもしれませんから、リアのカバンの中に入っていてください。もしかすると、猛スピードで沖に戻ることになるかもしれませんので』
『やっかい?』
『問題が起こるかもしれない、ということです』
何だろう、ケロケロとグレイスの会話がとても不穏なんだけど。何かあった? 厄介ごとって何? しかも猛スピードで沖に戻るかもしれないって?
「けりょけりょ、ぐれいしゅ、あぶない?」
『どうやら、目ざとい人間に見つかってしまったようだ。確かに、かなり離れた場所に船がいたのは分かっていたのだが。まさかそこから、こちらに気づくとは思わなかった』
『船が一隻、私たちの方へ向かってきています』
「ふね?」
私はグレイスが指さした方を見る。ん? あの、小さく小さく見える船?
「ほんちょに、こっちにきてりゅ?」
私は目を細めてm船を確認する。
『可愛い顔が台無しですよ。ほら、そんな風に見ないで。今のところ、まっすぐこちらへ向かって進んできています。それなりの速さで。途中で進路を変えるかもしれませんが……。私たちはこのまま、一応岸に向かいます。そしてやり過ごせたのなら、そのまま上陸を。ダメそうなら、すぐに沖へ戻ります』
『みつかった? とおいのにねぇ。にんげん、とおくはよくわからないのに』
『普段はそうですが、もしかしたら、遠くを見ることができる力を持っている人間が、あの船に乗っていたのかもしれません』
ケロケロたちは何回か人間と一緒に、行動したことがあるんだって。魔獣討伐だったり、薬草の採取だったり、まぁ、いろいろな理由でね。
でね、ケロケロたちってすごく目が良いでしょう? だから遠くの物でも、どんなに小さな物でも、普通に見えるんだけど。一緒に人と過ごしてみて、分かったこと。それは普通の人は、私と同じくらいしか見えないってこと。
だから、あんなに遠くにいた船に乗ってる人が、私たちを見つけるなんて、普通ならありえないの。
でももし、あの船に魔獣と契約している人が乗っていて。その魔獣が、遠くを見る力を持っていたとしたら? その力で見つかった可能性がある。ただ、ケロケロたちが気配を調べてくれたけど、魔獣の気配は感じなかったって。
ということはつまり、人の中に、そういう見る力を持ってる人がいる可能性があるってことで。
ファーサイトっていう、遠くを見ることができる力があるみたい。それを使えばケロケロたちほどじゃないけど、かなり遠くまで見えるらしく。だから、もしかしたらその力で、私たちを見つけたのかもしれないんだ。
『いいちから、でもいまはいらない』
ポル君の言う通り。私にその力があったら、いろいろな事でが、もっとできるうになるだろうから嬉しいけど。今、その能力はいらないよ。せっかくこれから、陸に上がろうとしているっていうのに。
『リアも、そのまましっかり座っていてください。もし沖へ戻ることになっても、私とケロケロが結界を張るので、大丈夫だとは思いますが。それでも、かなりの速さで戻るでしょうから、危険ですからね』
「あい!! ぽりゅくん、かばん!」
『うん!! しっかりかばん、はいる!!』
ポル君が私の頭からぴょんと降りて、カバンの中に入った。それからグレイスも、スッと洋服の中を確認したよ。グレイスは普段、魔法と格闘で戦ってるけど、人の姿のときはナイフも剣も使うんだって。
「ないふ、ちゅかう?」
『念のためですよ。もしかしたら攻撃されるかもしれませんから。ケロケロはまだ魔獣姿ですしね。攻撃のスピードは私も方が早いですから』
『俺も陸に上がれば剣を使うぞ。そして力ならば、私の方が上だ。後で見せてやる』
『それでは、問題なく陸へ上がれたら、私もリアにナイフの攻撃をお見せしましょう』
そこの大人組、これから何があるか分からない状況で張り合わない。まったく。
そんな、なんとも言えない雰囲気のまま、とりあえず岸へ向かう私たち。問題の船を見てみると、確かにこっちに近づいてきていた。
あの感じだと、乗っているのは10人から15人くらいかな。船の大きさからしても、それがちょうどくらいだし。
そしてなんとなく見えてきた人影。あれって、騎士? 向こうは冒険者? ライトノベルに出てくるような鎧を着た、いかにもな騎士みたいな人たち数人と、冒険者っぽい服装の人たちが数人見えたんだ。
それから……、燕尾服みたいなものを着ている人もいる? 船の上で燕尾服? まぁ、何を着ても良いんだけど、船の上で動きづらくないかな?
それともあの船に偉い人が乗っていて、執事さんも一緒に乗ってたりして。ほら、これもライトノベルにはよくあるじゃない。いや、普通に地球でもそうなのか? そんな執事がいるような、生活したことがないから分からないけど。
なんて、いろいろ考えているうちに、さらにどんどん近づいてきた船。あんまり早く進むと、様子がおかしい、危険だ、と思われるかもしれないから、そこそこのスピードで進んでいた私たち。
そうしてついに……。残念なことに、船は進行方向を変えることなく。私たちは、岸まであと少しの所まで来たんだけど、結局船に追いつかれちゃったんだ。
『話しは私がします。ポルは、私たちが『いい』と言うまでは絶対に話さないこと。リアは何か聞かれても、なるべく返事だけにしてください』
『ぽるくん、しっ』
『そうですよ。ポルは私たちが静かにとって言われた時は、ちゃんと言うことを聞いてくれる良い子ですからね。リアもいいですか?』
「あい、へんじだけ」
グレイスが、こっそり私たちに話しかけてくる。なるべく何も言わないようにするよ。そもそも何か聞かれても、この世界のことだったら、まだよく知らないから答えられないし。それに2歳児であることを生かして、分からないで通しておこう。
そうして数分後……。
「おい、そこのお前止まれ!」
船から誰かが、私たちに声をかけてきた。すぐに止まるケロケロ。
「ちょっと話しを聞かせてほしいんだが?」
太陽の光でよく見えなかったけど。なんだろう、すごく雰囲気のある、かっこいいおじさまが、こっちを見てるような気がしたよ。
『まったく、目ざといですね』
『良く、あの場所から気づいたな』
『大きな街ですからね。それだけ力を持っている人間も多いいのでしょう。はたまた魔獣が我々を見つけたか。まぁ、魔獣の気配はしませんが』
『俺もだ。おそらく、あの人間たちの中に、そういった力を持っている者がいたんだろう。あるいはたまたまか』
『何とか切り抜けられると良いのですが』
『ダメそうなら一旦沖に戻り、また様子をみて戻ってこよう』
『そうですね、ポル。これから少し厄介なことになるかもしれませんから、リアのカバンの中に入っていてください。もしかすると、猛スピードで沖に戻ることになるかもしれませんので』
『やっかい?』
『問題が起こるかもしれない、ということです』
何だろう、ケロケロとグレイスの会話がとても不穏なんだけど。何かあった? 厄介ごとって何? しかも猛スピードで沖に戻るかもしれないって?
「けりょけりょ、ぐれいしゅ、あぶない?」
『どうやら、目ざとい人間に見つかってしまったようだ。確かに、かなり離れた場所に船がいたのは分かっていたのだが。まさかそこから、こちらに気づくとは思わなかった』
『船が一隻、私たちの方へ向かってきています』
「ふね?」
私はグレイスが指さした方を見る。ん? あの、小さく小さく見える船?
「ほんちょに、こっちにきてりゅ?」
私は目を細めてm船を確認する。
『可愛い顔が台無しですよ。ほら、そんな風に見ないで。今のところ、まっすぐこちらへ向かって進んできています。それなりの速さで。途中で進路を変えるかもしれませんが……。私たちはこのまま、一応岸に向かいます。そしてやり過ごせたのなら、そのまま上陸を。ダメそうなら、すぐに沖へ戻ります』
『みつかった? とおいのにねぇ。にんげん、とおくはよくわからないのに』
『普段はそうですが、もしかしたら、遠くを見ることができる力を持っている人間が、あの船に乗っていたのかもしれません』
ケロケロたちは何回か人間と一緒に、行動したことがあるんだって。魔獣討伐だったり、薬草の採取だったり、まぁ、いろいろな理由でね。
でね、ケロケロたちってすごく目が良いでしょう? だから遠くの物でも、どんなに小さな物でも、普通に見えるんだけど。一緒に人と過ごしてみて、分かったこと。それは普通の人は、私と同じくらいしか見えないってこと。
だから、あんなに遠くにいた船に乗ってる人が、私たちを見つけるなんて、普通ならありえないの。
でももし、あの船に魔獣と契約している人が乗っていて。その魔獣が、遠くを見る力を持っていたとしたら? その力で見つかった可能性がある。ただ、ケロケロたちが気配を調べてくれたけど、魔獣の気配は感じなかったって。
ということはつまり、人の中に、そういう見る力を持ってる人がいる可能性があるってことで。
ファーサイトっていう、遠くを見ることができる力があるみたい。それを使えばケロケロたちほどじゃないけど、かなり遠くまで見えるらしく。だから、もしかしたらその力で、私たちを見つけたのかもしれないんだ。
『いいちから、でもいまはいらない』
ポル君の言う通り。私にその力があったら、いろいろな事でが、もっとできるうになるだろうから嬉しいけど。今、その能力はいらないよ。せっかくこれから、陸に上がろうとしているっていうのに。
『リアも、そのまましっかり座っていてください。もし沖へ戻ることになっても、私とケロケロが結界を張るので、大丈夫だとは思いますが。それでも、かなりの速さで戻るでしょうから、危険ですからね』
「あい!! ぽりゅくん、かばん!」
『うん!! しっかりかばん、はいる!!』
ポル君が私の頭からぴょんと降りて、カバンの中に入った。それからグレイスも、スッと洋服の中を確認したよ。グレイスは普段、魔法と格闘で戦ってるけど、人の姿のときはナイフも剣も使うんだって。
「ないふ、ちゅかう?」
『念のためですよ。もしかしたら攻撃されるかもしれませんから。ケロケロはまだ魔獣姿ですしね。攻撃のスピードは私も方が早いですから』
『俺も陸に上がれば剣を使うぞ。そして力ならば、私の方が上だ。後で見せてやる』
『それでは、問題なく陸へ上がれたら、私もリアにナイフの攻撃をお見せしましょう』
そこの大人組、これから何があるか分からない状況で張り合わない。まったく。
そんな、なんとも言えない雰囲気のまま、とりあえず岸へ向かう私たち。問題の船を見てみると、確かにこっちに近づいてきていた。
あの感じだと、乗っているのは10人から15人くらいかな。船の大きさからしても、それがちょうどくらいだし。
そしてなんとなく見えてきた人影。あれって、騎士? 向こうは冒険者? ライトノベルに出てくるような鎧を着た、いかにもな騎士みたいな人たち数人と、冒険者っぽい服装の人たちが数人見えたんだ。
それから……、燕尾服みたいなものを着ている人もいる? 船の上で燕尾服? まぁ、何を着ても良いんだけど、船の上で動きづらくないかな?
それともあの船に偉い人が乗っていて、執事さんも一緒に乗ってたりして。ほら、これもライトノベルにはよくあるじゃない。いや、普通に地球でもそうなのか? そんな執事がいるような、生活したことがないから分からないけど。
なんて、いろいろ考えているうちに、さらにどんどん近づいてきた船。あんまり早く進むと、様子がおかしい、危険だ、と思われるかもしれないから、そこそこのスピードで進んでいた私たち。
そうしてついに……。残念なことに、船は進行方向を変えることなく。私たちは、岸まであと少しの所まで来たんだけど、結局船に追いつかれちゃったんだ。
『話しは私がします。ポルは、私たちが『いい』と言うまでは絶対に話さないこと。リアは何か聞かれても、なるべく返事だけにしてください』
『ぽるくん、しっ』
『そうですよ。ポルは私たちが静かにとって言われた時は、ちゃんと言うことを聞いてくれる良い子ですからね。リアもいいですか?』
「あい、へんじだけ」
グレイスが、こっそり私たちに話しかけてくる。なるべく何も言わないようにするよ。そもそも何か聞かれても、この世界のことだったら、まだよく知らないから答えられないし。それに2歳児であることを生かして、分からないで通しておこう。
そうして数分後……。
「おい、そこのお前止まれ!」
船から誰かが、私たちに声をかけてきた。すぐに止まるケロケロ。
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