虐げられ無能令嬢、優しい家族に囲まれて幸せ森暮らしを始めます

ありぽん

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11話 いつに間にか1日半

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 なんと私は眠らされてから、1日半以上、眠り続けていたらしい。ご丁寧におしめまでされて。

 これは私が小屋から連れて行かれる前に、殺し屋たちのリーダーが、最低でも3日もすれば私と離れられる。が、それまでの間、移動中に荷馬車を汚され、ずっと臭い中で進む羽目になってはかなわん、と付けさせたらしい。

 1日半前、私は1日1回の、相変わらず食事とは言えない物を口にした。どうやらそれに薬が入っていたようで、私はすぐに寝始めたって。

 精霊たちは食事に薬が入れられるところを、きちんと確認していたけど。私が怖がらないように、あえて知らせずにいてくれたんだ。

 そして薬を確認した精霊たちは、すぐに動いた。街中の精霊たちに、今日街を出ることを伝えると、街の全精霊たちは屋敷の周りに集合。そして私が小屋から連れ出され、荷馬車で運ばれ始めるとみんなも出発。今も荷馬車の後ろをついて来てるって。

『小さい精霊や、動きが遅い精霊は、他の大きな精霊に乗せてもらったり、精霊魔法を使って早く動けるようにして、みんなと一緒に移動できてるから安心して』

 ホッとした。精霊たちの姿はいろいろ。動物や魔獣たちのように、大きい子もいれば小さい子もいるし。動きが速い子もいれば遅い子もいる。荷馬車での移動だから、遅れたらどうしようと思っていたけど、一緒に移動できていると聞いて安心したよ。

『それで、今外にいる人間たちのことだけど……』

 殺し屋たちは、全部で9人。私の予想は大体当たっていた。こんなこと当たっても嬉しくないけど。そしてその中で、黒いマントをつけている、背の高い男がいるみたいなんだけど。そいつが殺し屋たちのリーダーらしく、皆によく命令していると。

 名前はダボン。ダボン……、ドボン……。精霊たちは、奴らが私を森へ捨てる時、記憶を消すと言っていた。もちろん私が死んだと報告をするダボンは、私の記憶は消さずに、私が死んだと記憶を書き換える。他は完璧に消すよ。

 ただ、普通に記憶を消すだけじゃないくて、いろいろやるみたいだけど。

“きっと、人間の住む所へ帰っても、2度と今までみたいな生活はできなくなるよ。でも別に良いよね。だって僕たちの大切なカティアを、殺そうとしたんだから”

 何をするのか、聞いたけど教えてくれなかったんだ。でも、あの感じだと、本当に殺し屋たちは、もう普通生活はできなくなるだろうな。まさにドボンって感じだ。

 まぁ、良いんじゃないかな。殺しを請け負うくらいだ。今までにもいろいろとやってきたはず。これから奴らの被害者が生まれないと思えば、良いと思うよ。

『と、これまでのことはこんな感じ。それで、これからだけど。奴ら、朝になったらまた動くみたい。でも出発前に、今度は魔法でカティアを眠らせるって。僕たちが起こしたから今起きてるけど、本当なら朝まで寝てたらしいんだ。だから起きる前に、騒がれないように、今度は魔法で眠らせ続けるんだって』

『だから日が昇るちょっと前に、またカティアを元気にするぞ! 本当はご飯を食べさせやりたいけど、今は何もしない方が良いからさ』

 森まで完璧に私を眠らせたいらしい。泣かれると煩いからだと。みんなが起こしてくれて良かったよ。今の状況も、相手の事も少し分かったし。
 いきなり森だと、さすがにすぐ状況を理解することができずに、みんなに迷惑をかけちゃうかもしれなかったから。次は私が、捨てられ殺される森へ着いたら、また起こしてくれるって。

 こうして奴らについての話しをしながら、他にも森での暮らしについて、楽しみだねなんて話しながら、時間は過ぎていった。

 そして日が昇る前に、また回復してもらい。日が昇ると、精霊たちが言っていた通り、寝たふりをしていた私は魔法によって眠らされたんだ。
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