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194.僕達がしようとしている事(エイデン視点)

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「では、手分けをして行いますか?」

「本当はその方が良いと思ったんだけどね。この複雑な魔法陣を描くには、この本がないと。父さんに確認したし、これが間違いないっていうのは分かったから良いけどね」

「4分の1しか魔法陣が描いてないなんてな。まぁ、俺はこの本自体、初めて見たから、絵が描いてある事すら知らなかったけどな」

「レオナルドはぜんぜん本を読まないからね」

 僕達は今、スノーラ達や父さん達、バディー達やだねユイゴさん達の援護のおかげで、何とかディアブナス達の攻撃をかい潜り、街の中心までもう少しの所に来ていた。バディーの連れて来てくれた、仲間のブラックパンサーが乗せて移動してくれたおかげで、かなり早く街を移動できている。

 僕はさっきスノーラ達が、ディアブナスの動きを止めるための方法を話し合っているのを聞いて、ある事を考えていた。ただスノーラ達の言う通り、バディー達が来る前の状況では、動ける状態ではなく。

 スノーラはまだ微妙な感じで、僕達はもう自分の家族だと思っているんだけどね。せっかくできた弟のレンをまた攫われて、奴に取り込まれたら? 取り込まれなくとも、ディアブナスがこの世界を支配してしまえば、レン達に幸せな未来は来なくなってしまう。
 そう思った僕は、スノーラ達が言っていた、以前失敗しまったと言っていた、あの封印の方法について考えていた。

 その封印については、家に本があったからね、すぐに確かめようと思ったんだけど、レン達から離れるわけにもいかなくて。レン達にまで考え事をやめて、しっかり前を見てって言われちゃったよ。
 でもまさか、どうしようかと思っていたところに、レオナルドとバディーが戻ってくるなんて思わなかった。

 すぐにレオナルドにレン達を任せて、僕は奴等の攻撃で、まぁまぁボロボロになっれしまっている、屋敷の中を本を取りに行き。幸いにも、本を保管してある部屋はまだ被害を受けておらず。ただまだ新しい図書室に本を並べていなかったから、箱から本を探すのに少し時間がかかってしまった。だけど何とか見つけることができて、その場で少しだけ本を確認して。

 僕の記憶通り、そこには昔ディアブナスを封印した方法と、その時使用した魔法陣の事が書かれていて。この本に描かれている魔法陣に、間違いがなければ使えるはず。すぐに部屋に戻って父さんに確認した。それと僕がこれからやりたい事も伝えて。

 まぁ、それを聞いた父さんはかなり怒ったけどね。ただぼくの話しを最後まで聞き、今他に方法がないと分かると、僕の考えを聞いてくれて。そして今、僕達は街の中心へと走っている。

 僕が父さんに言った事、それは封印に必要な魔法陣を僕達が描きに行くって事で。僕が初めにこれを考えていた頃は、誰も動ける人は居なかったけれど。バディーが帰って来てくれた事で、バディーにレン達を守ってもらえばと。レオナルドも戻ってきたからね。レオナルドと一緒ならさらに動けるようになる。

 そう、だから父さんは怒った。俺達がかなり危険な事をしようとしている、そして危険が避けられない事を分かっているから。
 今までの感じから、ディアブナス達は外へ攻撃しに行こうとはせず、ずっとレン達を狙っていて。外に出るのはまぁ何とかできるかなと思っていたけど。

 もし屋敷から上手く外へ出られたとして、その後は? 魔法陣を描いている最中に、ディアブナスが僕達の行動に気がつけば、この魔法陣が失敗しているとはいえ、少しは奴を止められるからね。ディアブナスは止めようと、僕達も標的にしてくるだろう。そうなれば僕達なんて。

 だから父さんは、始め自分がそれをやりに行くって言ったんだ。でも父さんには情報を集めて皆に伝えるという仕事があるし、他にも父さんにしか出来ない事はいっぱいあって。
 それに街を治めている人物が、自ら危険な事をするのはね。確かにこういう時先頭に立たないといけないけど、今回これをやるのは父さんじゃないよ。

 と、こんな感じで僕は父さんを説得して、何とか納得してくれた父さんは、ケビンも連れて行けと。なるべく気づかれずに、素早く魔法陣を完成させるには、少ない人数で、でも最低限の人数が必要だってケビンを付けてくれたんだ。

 そう、魔法陣の大きさはかなり大きくて。ルストルニアの街よりも流石に小さいけれど、それでもお店が集中している箇所はすっぽり入ってしまう大きさで。僕達だけじゃ描くのにやっぱり時間がいるからね。ケビンを付けてくれて良かった。

 しかも話しを聞いたバディーが、仲間を呼んでくれて。僕達だけでも移動するよりも、ブラックパンサーに乗せてもらえれば、かなりのスピードで移動する事ができる。そう、今こうやって早く移動できているのは彼らのおかげだ。

「取り敢えず、まずは冒険者ギルドか商業ギルドだね。ケビンは商業ギルドの方に」

「鉱石ですね」

「ああ。なるべく多くの魔力が溜まっている鉱石を持って来てくれ。街を守るために、すでにかなり持ち出されてると思うけど、でも魔法陣を描くには、それが必要だからね」
 
 魔力の溜まっている鉱石を使って魔法陣を描く事で、封印の威力が上がるのだと、スノーラが教えてくれた。だからまず、その鉱石を手に入れないと。

「本当は他にも何人か、魔法陣を描く奴らがいると良いんだけどな」
 
「今、戦えるメンバーは、ほとんど自分の持ち場に居るはずだからね。もし冒険者ギルドに誰かいたら、声をかけてみようか。でももしダメそうなら、すぐに移動するよ。と、着いたね」

 ギルドが見えて、ブラックパンサーから降りてる時間も勿体無いと、乗ったままそれぞれのギルドに入る。と、そこには思いがけない人物がいて。
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