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308フーリの光攻撃
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ブローが叫んだと同時に、それぞれ後ろに下がる我等。そしてまた同時にジャガルドが持っていた物から光の線がいくつも溢れ出し。
『ダメダメッ!! もっと下がって!!』
ブローがさらに叫ぶ。それぞれ別々の場所へ下がっていた我々は、その言葉にさらに後ろへ下がりながら、木の上へと移動をすると、我とブローの元へ2人が飛んできた。
その間にも、ジャガルドの持っている物、おそらく光の精霊フーリの入っていると思われる入れ物から、更に鋭い光の線が溢れだし。また光の線とは別に、光自体が箱を包むように、別の光も入れ物から溢れ始めていた。
『うん、これだけ離れれば大丈夫かな。たぶんこの後、光が爆発するみたいに広がるから、一応気をつけて』
『おい、これがお前が言っていた、フーリの光魔法か?』
『うん、色々消しちゃうやつね。ふぅ、危ない危ない。あそこにいたら僕達消えちゃうところだったよ。あいつはどうしたかな? あの光に捕らわれると何でだか、どんなことをしても逃げられないんだよね』
『おい、それは聞いていないぞ』
『ごめんごめん、忘れてたんだよ。それよりもあいつだよ。光が消えたらすぐにフーリの所に行かなくちゃ』
光に捕まったら逃げられない? 何故そういう大事なことを言わないんだ、とそう思いながら、光が溢れる方を見る。とそこにはジャガルドが持っていた、フーリが入っている入れ物だけが地面に置かれていて。
気配と周辺を調べれば、少し先の所に、ジャガルドは座り込んでいた。おそらくブローの言葉と我々の行動に、ジャガルドもおかしいと考えたのだろう。我々より遅れて、入れ物を手放し離れたのだろう。だが。
『あ~あ、片足捕まってるよ。まっ、あいつは僕達やレン達の敵だから良いか』
『おい、奴にレン達の苦しみ以上の物を与えたいのだが? それに聞きたいことも、まだあるんだぞ』
『大丈夫大丈夫、足が消えるだけだから。ほら、良く見て。片足の先の方だけ、光がまとわりついてるでしょう? 光全体はもうあれ以上は広がらないから、あいつが完璧に消えることはないよ。ただ、あいつは残念、ちょっと足が逃げ遅れたね。でも、足の先がなくなったって、別に良いでしょう?』
『本当に、これ以上光は広がらないのだろうな?』
『うん、大丈夫。今までで1番広がった時と、同じくらいかな。あっ! 光がもっと強くなってきた。もうすぐだよ』
ブローの言葉に、もしこれ以上光が広がるようなら、ジャガルドをあそこから、もう少し離せないかと考えながら、入れ物の方を再度見る。そして数秒後。
光の線が増え、それが合わさりもう光の線ではなく、ただの光になり、溢れていた他の光も更に光を増すと。流石に直に光を見ていることはできなくなり、手で光を遮る。
その間もジャガルドが動く様子はなく、ブローが言っていた通り、足を光にとらわれていて、どうにも動けないようだった。そして…。
一気に爆発するように、ジャガルドの所まで光が広がると。
「ぐあぁぁぁっ!!」
そうジャガルドの叫び声が。そしてそれと同時に、少しだけ後方に下がったジャガルドの右足の膝より下は、血が吹き出し、完全になくなっていた。囚われていた足が消えたから後ろに下がれたか?
『ね、足の先の方だけなくなった』
『なるほど、お前の説明通りだったな。まさか光魔法で、このような攻撃ができるとは』
『うん、しっかりとなくなってるね』
『これは一体、どのような光魔法なのか』
『もう少しで光も消えてくるはずだよ。あっ! ほら、光が下がり始めた!』
確かにブローの言う通り、光で見えないが、入れ物が置いてあるはずの真ん中の方へ、光は縮まり始め、ジャガルドからも、どんどん離れて行っている。
それを確認したエンが、足が片方なくなったとはいえ、ジャガルドなら無理やり逃げる可能性があると、光が消える前にジャガルドを捕まえに行くと言い。
が、それに我が頷いた時だった。我も他の皆も、そしてブローさえも考えていなかった出来事が起きた。
戻り始めた光が、何故かまた、それはまるで光のロープのように、ジャガルドの方目掛けて伸び始めたのだ。
「くっ、今度は何だ!?」
慌ててジャガルドを離そうと、ジャガルドの元へ行こうとしたが、全員に止められ。
『おい! 止めておけ! ブロー、あれは何だ!?』
『僕も分かんないよ。あんなの見たことない。うん、見たことない物には近づかない方が良いよ。フーカの新しい力かも』
『ブローも知らないなら、うん、近づかない方が良いね。ジャガルドが消えるかもしれないけど、それでレン達の仕返しもできなくなるかもしれないけど、何かあってからじゃね』
『チッ!!』
確かに皆の言う通りだ。我々の知らなかった光の魔法で攻撃し、消し去る魔法を目の前ので見た今。更にブローが知らない魔法となれば、気をつけないわけにはいかない。
これでもし、ジャガルドが消えてしまったら、レン達の苦しみを味合わせてやる事が出来なくなってしまうが、我が消えるわけにもいかないからな。
我は仕方なく、光は治るのをそのまま待つ事にした。剣で光の縄を切ろうとするジャガルド。ジャガルドの周りをうねうねと動き回る光の縄。入れ物の周りは、相変わらず光が溢れているが、それでも最初よりかは、かなりその光は治ってきていて。そして数十秒後。
「クソがっ!!」
光の縄の攻撃に、消されてしまうのではないか、と思われたジャガルドだったが、その結果。そこには光の縄でグルグル巻きにされ、身動きの出来なくなったジャガルドが転がっていた。
そしてジャガルドが、光の縄でグルグル巻きにされた後、光の縄以外の光がどんどん、今までよりも早い速度で中心に集まる始め。最後はパンッ!!と弾けるように、すべての光が消えていったのだった。
『ダメダメッ!! もっと下がって!!』
ブローがさらに叫ぶ。それぞれ別々の場所へ下がっていた我々は、その言葉にさらに後ろへ下がりながら、木の上へと移動をすると、我とブローの元へ2人が飛んできた。
その間にも、ジャガルドの持っている物、おそらく光の精霊フーリの入っていると思われる入れ物から、更に鋭い光の線が溢れだし。また光の線とは別に、光自体が箱を包むように、別の光も入れ物から溢れ始めていた。
『うん、これだけ離れれば大丈夫かな。たぶんこの後、光が爆発するみたいに広がるから、一応気をつけて』
『おい、これがお前が言っていた、フーリの光魔法か?』
『うん、色々消しちゃうやつね。ふぅ、危ない危ない。あそこにいたら僕達消えちゃうところだったよ。あいつはどうしたかな? あの光に捕らわれると何でだか、どんなことをしても逃げられないんだよね』
『おい、それは聞いていないぞ』
『ごめんごめん、忘れてたんだよ。それよりもあいつだよ。光が消えたらすぐにフーリの所に行かなくちゃ』
光に捕まったら逃げられない? 何故そういう大事なことを言わないんだ、とそう思いながら、光が溢れる方を見る。とそこにはジャガルドが持っていた、フーリが入っている入れ物だけが地面に置かれていて。
気配と周辺を調べれば、少し先の所に、ジャガルドは座り込んでいた。おそらくブローの言葉と我々の行動に、ジャガルドもおかしいと考えたのだろう。我々より遅れて、入れ物を手放し離れたのだろう。だが。
『あ~あ、片足捕まってるよ。まっ、あいつは僕達やレン達の敵だから良いか』
『おい、奴にレン達の苦しみ以上の物を与えたいのだが? それに聞きたいことも、まだあるんだぞ』
『大丈夫大丈夫、足が消えるだけだから。ほら、良く見て。片足の先の方だけ、光がまとわりついてるでしょう? 光全体はもうあれ以上は広がらないから、あいつが完璧に消えることはないよ。ただ、あいつは残念、ちょっと足が逃げ遅れたね。でも、足の先がなくなったって、別に良いでしょう?』
『本当に、これ以上光は広がらないのだろうな?』
『うん、大丈夫。今までで1番広がった時と、同じくらいかな。あっ! 光がもっと強くなってきた。もうすぐだよ』
ブローの言葉に、もしこれ以上光が広がるようなら、ジャガルドをあそこから、もう少し離せないかと考えながら、入れ物の方を再度見る。そして数秒後。
光の線が増え、それが合わさりもう光の線ではなく、ただの光になり、溢れていた他の光も更に光を増すと。流石に直に光を見ていることはできなくなり、手で光を遮る。
その間もジャガルドが動く様子はなく、ブローが言っていた通り、足を光にとらわれていて、どうにも動けないようだった。そして…。
一気に爆発するように、ジャガルドの所まで光が広がると。
「ぐあぁぁぁっ!!」
そうジャガルドの叫び声が。そしてそれと同時に、少しだけ後方に下がったジャガルドの右足の膝より下は、血が吹き出し、完全になくなっていた。囚われていた足が消えたから後ろに下がれたか?
『ね、足の先の方だけなくなった』
『なるほど、お前の説明通りだったな。まさか光魔法で、このような攻撃ができるとは』
『うん、しっかりとなくなってるね』
『これは一体、どのような光魔法なのか』
『もう少しで光も消えてくるはずだよ。あっ! ほら、光が下がり始めた!』
確かにブローの言う通り、光で見えないが、入れ物が置いてあるはずの真ん中の方へ、光は縮まり始め、ジャガルドからも、どんどん離れて行っている。
それを確認したエンが、足が片方なくなったとはいえ、ジャガルドなら無理やり逃げる可能性があると、光が消える前にジャガルドを捕まえに行くと言い。
が、それに我が頷いた時だった。我も他の皆も、そしてブローさえも考えていなかった出来事が起きた。
戻り始めた光が、何故かまた、それはまるで光のロープのように、ジャガルドの方目掛けて伸び始めたのだ。
「くっ、今度は何だ!?」
慌ててジャガルドを離そうと、ジャガルドの元へ行こうとしたが、全員に止められ。
『おい! 止めておけ! ブロー、あれは何だ!?』
『僕も分かんないよ。あんなの見たことない。うん、見たことない物には近づかない方が良いよ。フーカの新しい力かも』
『ブローも知らないなら、うん、近づかない方が良いね。ジャガルドが消えるかもしれないけど、それでレン達の仕返しもできなくなるかもしれないけど、何かあってからじゃね』
『チッ!!』
確かに皆の言う通りだ。我々の知らなかった光の魔法で攻撃し、消し去る魔法を目の前ので見た今。更にブローが知らない魔法となれば、気をつけないわけにはいかない。
これでもし、ジャガルドが消えてしまったら、レン達の苦しみを味合わせてやる事が出来なくなってしまうが、我が消えるわけにもいかないからな。
我は仕方なく、光は治るのをそのまま待つ事にした。剣で光の縄を切ろうとするジャガルド。ジャガルドの周りをうねうねと動き回る光の縄。入れ物の周りは、相変わらず光が溢れているが、それでも最初よりかは、かなりその光は治ってきていて。そして数十秒後。
「クソがっ!!」
光の縄の攻撃に、消されてしまうのではないか、と思われたジャガルドだったが、その結果。そこには光の縄でグルグル巻きにされ、身動きの出来なくなったジャガルドが転がっていた。
そしてジャガルドが、光の縄でグルグル巻きにされた後、光の縄以外の光がどんどん、今までよりも早い速度で中心に集まる始め。最後はパンッ!!と弾けるように、すべての光が消えていったのだった。
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