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第一章 悪の拠点づくり
1.町についたらまず
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ホラーなやつらを片付けた俺と女神はとりあえず町に向かうことにした。
女神が言うには1km先に町があるらしい。
魔法なのかな?宙に地図の映像を展開して教えてくれた。便利なもんだ。
少しして、町に到着した。
大きさのバラバラな石で壁を築いていて、入り口は木の柵でできた門で閉ざされている。
柵の門の奥に見張りの男がいた。筋肉隆々の中年だ。槍を手にしてる。
「見かけない顔だな?」
見張りの男は訝し気に二人を睨んだ。
最初の町に入るときのこのテンプレートの感じ。めんどくさい。
でも仕方ないか。
「すみません。北の町から旅をしている者です。さっき追いはぎに会ってしまって、命からがら逃げてきました。なんで身分を証明するものとか何も持ってません。」
ライトノベルとかでよくあるセリフをそのまま言う。
ついでに悲嘆に暮れた顔もしておく。
「おお、そうか。それは災難だったな。とりあえず町に入りなさい。
冒険者ギルドか修道院なら少しは力になってくれるだろう。このまま真っすぐだ。」
見張りの男は憐れんでくれて、門も開けてくれる。
「ありがとうございます。」
俺は礼を言ってさらに進んだ。
町に入ると、木や石でできた家や露店が並ぶ。道はそれなりに整えられた石畳が配されていてる。
道行く人の顔は明るく、馬車や荷車が行き交う。町はとても賑やかな雰囲気だ。
中世の面影を残す東欧の田舎町。そんな表現がピッタリだ。
となると俺が目指すは、そうあれだ。
酒場だ。
町の本筋の道を歩き、それらしい所を探す。
しばらく歩くと、二階建ての少し大きい館が見えた。
看板がかかっている。その文字が読めることに少し驚く。
ああ、女神の加護があるんだっけ。
一人で納得する。あれ?でもなんで英語はわかんないんだろう?この世界の言語しかだめなのかな。
さらに一人で納得した。
“ネロの館 酒場&娼館”
館にはそう書かれていた。目的にピッタリな感じだ。
隣にいる女神が不思議そうな顔をしている。
「ここに入るのですか?この世界でもお金の概念はあります。
私たちはお金を持ってませんが・・・。」
疑問を伝える女神を俺は見つめる。
怪しい視線に気づいた女神はハッとなった。
「まさか・・・まさか・・・私を娼館で働かせてお金を稼ごうと・・・・。」
女神の妄想があれこれ始まった。ハアハア言って顔が高揚している。
そのつもりはなかったがそれもいいな、なんてことも考えてみる。
俺は脳みそぶっ飛んでった女神をシカトして、店の扉を開いた。
ギギーッ。
手入れが行き届いていない扉は重苦しい音を立てて開いた。
店の中は一階二階が吹き抜けになっていて、アンティーク調に見えるテーブルがたくさん並んでいる。調度品も全てヨーロッパのアンティーク調に見える。この世界ではきっとそれが普通なんだろうが。
店にはまだ夕方前だというのに結構賑わっていた。
来店に気づいた壁を飾る娼婦たちも色っぽく俺を見てる。
奥の方にはバーカウンターがある。
ガラの悪そうな店主らしき人間が俺を一瞥する。
入口近くにいた店員らしき若い男Aが話しかけてきた。
「お若い方。ようこそ、ネロの館へ。ここは酒場兼娼館です。
初めての方ですよね。お酒を楽しまれて、もし気が乗ったら嬢を指名してくださいね。」
おお!これこれ。日本にはないやつ。ブラジルとかイタリアとかこんな感じって聞いてた通り。
酒だけ楽しんでもいいし、興が乗ってそのままってのも。
なんかロマンがあるなあ。
「あら?お連れの方がいたの?なんだ、お酒だけですの?残念。」
若い男Aは入ってくるなり、俺の後ろに隠れた女神を一瞥して冷たい視線を流した。
あぶね。この人、男色だった・・・。おねえ言葉だし、そりゃそうか。
俺たちは丸テーブルに案内された。
メニューをもらってお酒を頼む。女神も目をキラキラさせてるから頼んでやった。
頼んだものはもちろん、エールだ。
待ちゆく荷車が大麦を載せてたから、この世界にも麦を使ったお酒があると思ってた。
名前もそのまんま、ブラウンエールって書いてある。わかりやすくていい。
若い男Aがエールが運んで来た。
俺はテーブルに置かれたその陶器のカップをおもむろに手に取り、ぐいっと口をつけた。
あまり泡のないエールは大麦の香り高く、アルコール度数も少し高いように思える。
「ぷはああ!」
まさに爽快。そう。実は結構喉が渇いていたのだ。
地球とは少し違うその苦みとうまみに顔が綻んだ。
なんだかんだ色々あったから、とにかく俺は呑みたかったんだ・・・。
カオスゲージ
〔Law and order ++[81]+++++++ Chaos〕
女神が言うには1km先に町があるらしい。
魔法なのかな?宙に地図の映像を展開して教えてくれた。便利なもんだ。
少しして、町に到着した。
大きさのバラバラな石で壁を築いていて、入り口は木の柵でできた門で閉ざされている。
柵の門の奥に見張りの男がいた。筋肉隆々の中年だ。槍を手にしてる。
「見かけない顔だな?」
見張りの男は訝し気に二人を睨んだ。
最初の町に入るときのこのテンプレートの感じ。めんどくさい。
でも仕方ないか。
「すみません。北の町から旅をしている者です。さっき追いはぎに会ってしまって、命からがら逃げてきました。なんで身分を証明するものとか何も持ってません。」
ライトノベルとかでよくあるセリフをそのまま言う。
ついでに悲嘆に暮れた顔もしておく。
「おお、そうか。それは災難だったな。とりあえず町に入りなさい。
冒険者ギルドか修道院なら少しは力になってくれるだろう。このまま真っすぐだ。」
見張りの男は憐れんでくれて、門も開けてくれる。
「ありがとうございます。」
俺は礼を言ってさらに進んだ。
町に入ると、木や石でできた家や露店が並ぶ。道はそれなりに整えられた石畳が配されていてる。
道行く人の顔は明るく、馬車や荷車が行き交う。町はとても賑やかな雰囲気だ。
中世の面影を残す東欧の田舎町。そんな表現がピッタリだ。
となると俺が目指すは、そうあれだ。
酒場だ。
町の本筋の道を歩き、それらしい所を探す。
しばらく歩くと、二階建ての少し大きい館が見えた。
看板がかかっている。その文字が読めることに少し驚く。
ああ、女神の加護があるんだっけ。
一人で納得する。あれ?でもなんで英語はわかんないんだろう?この世界の言語しかだめなのかな。
さらに一人で納得した。
“ネロの館 酒場&娼館”
館にはそう書かれていた。目的にピッタリな感じだ。
隣にいる女神が不思議そうな顔をしている。
「ここに入るのですか?この世界でもお金の概念はあります。
私たちはお金を持ってませんが・・・。」
疑問を伝える女神を俺は見つめる。
怪しい視線に気づいた女神はハッとなった。
「まさか・・・まさか・・・私を娼館で働かせてお金を稼ごうと・・・・。」
女神の妄想があれこれ始まった。ハアハア言って顔が高揚している。
そのつもりはなかったがそれもいいな、なんてことも考えてみる。
俺は脳みそぶっ飛んでった女神をシカトして、店の扉を開いた。
ギギーッ。
手入れが行き届いていない扉は重苦しい音を立てて開いた。
店の中は一階二階が吹き抜けになっていて、アンティーク調に見えるテーブルがたくさん並んでいる。調度品も全てヨーロッパのアンティーク調に見える。この世界ではきっとそれが普通なんだろうが。
店にはまだ夕方前だというのに結構賑わっていた。
来店に気づいた壁を飾る娼婦たちも色っぽく俺を見てる。
奥の方にはバーカウンターがある。
ガラの悪そうな店主らしき人間が俺を一瞥する。
入口近くにいた店員らしき若い男Aが話しかけてきた。
「お若い方。ようこそ、ネロの館へ。ここは酒場兼娼館です。
初めての方ですよね。お酒を楽しまれて、もし気が乗ったら嬢を指名してくださいね。」
おお!これこれ。日本にはないやつ。ブラジルとかイタリアとかこんな感じって聞いてた通り。
酒だけ楽しんでもいいし、興が乗ってそのままってのも。
なんかロマンがあるなあ。
「あら?お連れの方がいたの?なんだ、お酒だけですの?残念。」
若い男Aは入ってくるなり、俺の後ろに隠れた女神を一瞥して冷たい視線を流した。
あぶね。この人、男色だった・・・。おねえ言葉だし、そりゃそうか。
俺たちは丸テーブルに案内された。
メニューをもらってお酒を頼む。女神も目をキラキラさせてるから頼んでやった。
頼んだものはもちろん、エールだ。
待ちゆく荷車が大麦を載せてたから、この世界にも麦を使ったお酒があると思ってた。
名前もそのまんま、ブラウンエールって書いてある。わかりやすくていい。
若い男Aがエールが運んで来た。
俺はテーブルに置かれたその陶器のカップをおもむろに手に取り、ぐいっと口をつけた。
あまり泡のないエールは大麦の香り高く、アルコール度数も少し高いように思える。
「ぷはああ!」
まさに爽快。そう。実は結構喉が渇いていたのだ。
地球とは少し違うその苦みとうまみに顔が綻んだ。
なんだかんだ色々あったから、とにかく俺は呑みたかったんだ・・・。
カオスゲージ
〔Law and order ++[81]+++++++ Chaos〕
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