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まこ

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訓練シリーズ

マッサージに行った七彩がいじめられる話

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※攻は短編BL「マッサージにご用心」に出てくる小谷さんです。

拘束/前立腺責/乳首責/ドライ/擽り

攻→小谷
受→七彩/視点

◇ ◆

紹介したら割引になるから、と組織のメンバーに勝手に予約されたマッサージ店。落ち着くオルゴール音楽が流れている部屋の中にはリラックス効果のあるアロマの香りが広がっている。

そんな身も心もリラックス出来るはずの場所で──。

「…ッ、ん……!はぁっ」

ピンポイントに弱点をついてくるマッサージ師の指。堪らずに漏れるのは俺の我慢しきれなかった切ない声。

「すごいですね。すぐに感じることが出来るなんて、素質がおありなんですね」

クスッと楽しそうに笑うマッサージ師は相変わらず指の腹でその箇所を撫で上げた。

「これっ、…はず、せぇっ…、ッ、ひ!」

つけられた手枷と足枷をガチャガチャと鳴らしながら必死に訴えると、グリッと指が動いた。

「外したら逃げるでしょう? 前立腺マッサージも施術の一つなので、是非堪能して下さい」

「ひっ、ぁあ! そこ、やめ…っ」

指が前立腺を撫で上げる度、マッサージベッドに寝転ぶ自分自身の体が跳ねる。

「ふふ。こんな可愛い七彩さんを紹介してくれたご友人には感謝しないとですね。あの方、うちの松岡の事を気に入ってくれてるみたいで。あの子は入った当時から私が指導しているんですが、今は何処へ出しても恥ずかしくない程に立派に成長してくれて」

「そんなの知らねーんだよぉ…っ、くそ…てめぇら、こんなっ、あっ、変な、っ、接客、してたら──っ」

「安心して下さいね。松岡はそんな接客しませんから。私だけです」

ニコッと笑顔でそう言われ、俺はとんだはずれくじを引いた気分だ。

「ひッ、はぁぁあ! だ、めッ、だめ、ゆびっ、…やめれっ……」

「随分と硬くなってきましたね。その反応、もしかしてイケそうなんですか?」

「っ、んぅ」

今まで散々風見先輩に開発された体は、後ろだけで簡単にイッてしまう程になっていた。しかもこいつめちゃくちゃ上手いから尚更。

ガクガクと痙攣し始めた体の反応を見て、追い詰めるように動く指は加速していった。

「こっちだけでイケるなら、見せて下さいね」

「ッ──!!」

その言葉と共に激しく指が動くと、抵抗虚しく俺の体は簡単に絶頂を迎え、アロマオイルマッサージだからと履かされた紙ショーツの中に隠れた俺自身が出す事なく小さく痙攣した。

「…っ、はぁ……」

「すごい。本当にイケましたね」

紙ショーツをずらして挿入されていた指が引き抜かれ、手を洗いに行ったマッサージ師を睨み付けた。

今日俺の担当をしているのは小谷というマッサージ師。背が高くて爽やかな営業スマイルをした物腰柔らかい癒しの雰囲気を持っている人だった。

部屋の雰囲気や、メンバーからの紹介だったこともあり完全に油断していた俺は施術中眠ってしまい、気付くと仰向けで手足を拘束されており、覚醒した頃には指がずっぽりと入っていたのだ。

(なんだここ……性感マッサージなの?いや、でも「私だけです」とか言ってたよな…?)

「涙目で睨みつけられるとゾクゾクしちゃいますね。色々考えてるみたいですが、ここはリラックスする場所ですよ?私に身をに委ねて下さいね」

手を洗い終えた小谷が傍までやってくると、反射的に体が強張る。

「私ね、可愛い方が好きなんです。でも可愛いだけじゃダメで。抵抗してくれないと燃えないんですよねぇ。松岡に怒られたんで暫くはやめてたんですが、あなたはめちゃくちゃタイプなんです」

「…変態かよ」

「そんな変態に呆気なくイカされてたくせにね」

「っ!? 何……っ」

とろりと胸元にオイルが垂らされると、敏感になった体はそれだけで反応を示してしまう。

「中が開発されてるってことは、こっちももしかして開発済みですかね?」

アロマが香るオイルが胸元へ広げられると、次に狙われたのは既にぷくっと膨らんでしまった乳首。小谷の細長い指が添えられると、優しく擽るように撫でられた。その瞬間にビクンと腰が浮くと、反応を見た小谷は嬉しそうに笑い声を上げた。

「あら。随分敏感ですね。乳首も弱いんですか?」

「ひぅっ…!ぁ、あっ、…やめ、っ、やめっ!!」

ヌルヌルとしたオイルが感度を上げる役目を果たし、指が動く度にゾクゾクとした刺激が身体中に走る。

「あら。右の乳首の方が感じるんですか?」

「っ、ぁ、あ!ぁッ…ちょ、ふざけ…っんな、やめっ」

今まで自分でも知らなかった事を告げられると、ビクビクと腰が跳ねた。普段は両方いじめられることが多かったし、胸を責められる時間はそこまで長くなかったので分からなかったが、確かに右の方がよりゾクゾクと寒気が襲う気がする。

「っ、ぁぁ!!」

「可愛いですね~乳首でイケるまで続けてあげますからね」

「やめ……っ、ろ、ばかッ……はぁ!ひゃぁぁ!」

「声がどんどん我慢出来なくなってますよー?」

きゅっと右乳首を摘まれると、クリクリと指の腹で捏ねくり回される。紙ショーツを履いているとは言え、直接股間に送られる熱はどんどんと高まっていく。

「下、苦しそうですね。ショーツ、脱がしてあげましょうか?」

「変態が……!っ、離せ、ッ」

「あらあら。──俺好み」

「っひゃぁぁぁあ!」

カリッと乳頭を引っ掻かれると、大袈裟に体が跳ねて声が弾ける。

「あ、あぅ……! だめ、…ねぇ、もぅやめてっ」

ガチャガチャと手足をばたつかせても、小谷はクスクスと意地悪な笑みを溢すだけで指は止めてくれない。

(やばい…っ)

さっき中だけでイッた影響なのか、ずっと体には変な感覚が残っており、胸だけで本当にイキそうになる。

両方の乳首が少し強めに摘まれると、ゾクッと背中や腰に変な感覚が駆け巡った。

「っ、ぁ、…やめ……!やめッ、引っ張んなっ、ぅぁぁ」

「こうするのが好きなんですか?」

「ちがっ、あ!…待って、あのっ、本当に……!」

「んー?」

「──ッ!!」

爪で刺激された瞬間、目の前がチカっとするような刺激が走った。ビクン、ビクンと痙攣する体に漏れる熱い吐息。

(え…?まじで、乳首だけでイッたの?)

頭が痺れる中、とろとろになった意識の中でそう考えていると、乳首から指が離れていった。

「可愛い。イク時の七彩さんの表情、最高ですね。出さないで絶頂するのもいいでしょう?」

「……っ、外せよ、変態が……っもう満足、しただろ…」

「えー?ちゃんと最後はスッキリして帰りたいでしょう?あとでいっぱい出させてあげるんでね」

「るさい!!いい加減にっ、……ひぁ?」

「そんなに怒らないで下さいよ」

オイルを追加した小谷の指が次にやってきたのは、一番の苦手な場所でもある脇腹。触れられた瞬間に思いっきり反応すると、ニヤッと口角を上げた小谷と目が合った。

「ひぁぁぁぁあ!?」

滑りの良くなった指が脇腹を滑ると、強い擽ったさが襲った。

「前に触れた人達もね、くすぐりが苦手な方が多かったんです。七彩さんはマッサージ中あんまり効かないなー思いながら触ってたんですよね。だから感度を上げてからもう一度触ってみようと思いまして。良かったです」

「良かったですじゃないからっ、あ、ひゃぁ…!ふ、ふふっ…ンン、んっ…!」

いやらしく脇腹をモゾモゾと動く指は、笑いだけを生み出す強さではない。少しの気持ち良さも感じさせるような手つきにピクンと体が跳ねた。

「こっちはどうですかね」

脇腹からゆっくりと上へ移動する指は、脇の下を遊び出した。

「ひゃぁぁ……!ぁはぁ…!や…っ、めろ、ってめぇ…、ぅぅ、っ、ぁはっ、あ!ははははっ」

脇に添えられた指全てがこちょこちょと不規則に動き出すと、手足に繋がれた枷が激しく音を立ててマッサージベッドもカタカタと揺れた。

「ぁあ!やめっ、待っ、無理……!なん、か、それゾワゾワしてっ、やだ…ぁ!ああああっっ」

こしょこしょと優しく動く指は、体全体を敏感にさせてくる。痺れるような甘い刺激に暴れると、更に優しく弱い箇所を撫でられた。

「肌を撫でてるだけで随分反応してますね。ショーツがぐっしょり濡れちゃいましたよ」

「黙れ…っ」

「可愛い」

脇腹と脇を往復していた指が首筋へやってくると、次はそこを撫でられた。

「ふ……っぁ、」

くすぐったいよりも何となく気持ち良さが勝つ刺激。自然と色んなところが垂れてくると、その表情を見て小谷が優しく微笑んだ。

「あら。目も口も垂れてますよ?くすぐったいの気持ち良いんですか?」

「……」

きっと、嫌がれば嫌がる程、この手のタイプは楽しんでくるんだろう。それならば。

「気持ち、いい……っ気持ち、い…っからぁ、…」

「そうですか。じゃあもっと擽っていじめてあげますね」

──あれ?

首筋にあった指が脇腹へ戻ってくると、今までとは違う激しい刺激が走った。

「ぎゃあああああああ!?」

「今まではどんなくすぐられ方をしましたか?実は一番効くのってツボ入れなんですって。経験のない方だと痛いだけみたいですけど」

お前、何故そんなに詳しいんだ!とツッコミを入れる余裕もない俺は、ピンポイントに動く指に激しく悶える事となった。

「ぃああああああ!!ひはははははは!ぎゃあああ!」

一言で「擽ったい」と表すには生温い初めての刺激に体は勝手に激しく悶え出し、一切声が我慢出来なかった。

「たくさん勉強したんです。くすぐりに強い方でも、上手くツボを見つけることが出来たら形勢が逆転出来るんですよ」

「ひっ、はははははは! ぃぁぁぁぁあやめでぇぇぇぇぇ!!むりむりむりむりむり!!それ無理!無理!やばい離じでぇぇぇぇッッ」

本格的な責めに目の前は涙で歪み、めちゃくちゃ暴れているにも関わらず手足に痛みは感じない。それ程に脇腹への攻撃はダメージがでかかった。

こんな所に来るじゃなかったと後悔しても、今自分に出来ることはこいつが飽きるのを待つしかない。

今までにない程に暴れ狂って数分、呼吸が出来ずにボロボロと大粒の涙を流すと漸く指が止まってくれた。

「はい、辛い辛い擽りはこれにておしまいです。時間も時間ですし、最後はスッキリして──」

意識が朦朧としていく中、小谷の言葉を聞いていると、遮るようにコンコンと扉がノックされた。

誰か他にいたことに羞恥を感じる余裕もなく、力無く浅い呼吸を繰り返していると、小谷は「やばぁ」と全く焦りを感じていない口調でそう呟いた。

ガチャッと扉が開くと小柄な男性が気まずそうにしながら部屋へ入ってきた。

「……風見さんって方が七彩さんのお迎えに来ています。早く着替えて下さい」

「……かざ、み…先輩……が?」

そういえばマッサージが終わったらご飯食べに行こうって約束していたんだっけ。ぼんやりと記憶を辿っていると、手足につけられた枷は外された。

くっきりと跡になってしまった痣。それを気にする余裕がないままに服を着替えて支払いを済ませた。

終始頭がふわふわする中、外で待っている風見先輩の方へ向かおうとすると、「七彩さん」と小谷が俺の名を呼んだ。

「また来て下さいね」

今まで一切ハマる兆しが見えなかったくすぐり責め。されていた時はやめてほしくて堪らなかったのに、初めて「またされてみたいかもしれない」と思ってしまった俺。

(誰が来るかよ……変態)

心の中でそう強がり、唇を結んで無言でマッサージ店を後にした。

end.
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