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弟4章 狂信者集団と対決・前哨戦
239★和輝はスポーツ飲料を買いにお店に走る
しおりを挟む和輝から桜にもたらされた情報によって、爺やが屋敷内の警戒態勢を整えている、その頃。
和輝は、毎日欠かさずきちんと新聞と広告を見ている竜也から教えてもらった、新しく開店したばかりの店に向かって車を走らせていた。
そう、今度こそ、何度も買い忘れたスポーツ飲料を求めて………。
脱水症状などを起こした時の保険として、簡単に水分補給(身体に浸透しやすいように、作られている)できるスポーツ飲料を買い置きしたいと思っていた。
だから、ひとり寂しく待っている桜がちょっと可哀想かなと思いながらも、和輝は買い込みに走ったのだ。
住み慣れた街なので、住所さえ教えてもらえば、その場所に行ける和輝だった。
ああ確かに、今日がオープン日だったんだな
新店舗祝いの花飾りが飾ってあるわ
ここなら、けっこう割安のスポーツ飲料が有りそうだな
クスッ…ラッキーだな…おっ…あの車、駐車場から出るな
和輝が来店した時間は、運の良いことに、来客の空白時間だったらしく、オープン当日の店にしては、そこまで混んでいなかった。
そんな中で、和輝が出ると見当を付けた車が、駐車場から出て来る。
ちょうど、店のまん前にある駐車場から1台抜けたので、和輝はそこに自分の車をスルリと滑り込ませた。
駐車場に車を停めた和輝は、妹達を振り返る。
「ここかぁ~……前は雑種地だったのになぁ…………
よぉ~し、スポーツ飲料を買い込むぞ
真奈、優奈、乾き物だったら、おやつに買ってやるぞ」
お買い物の許可をもらった真奈は、すかさず後部座席から身を乗り出して聞く。
「和輝兄ぃ~チーズは?」
運転席に張り付くようにして聞く真奈に、和輝はクスッと笑って答える。
「ん、チーズは桜ん家の冷蔵庫に入っているから必要ないぞ
犬用のモノもたぁ~んとあるからな
ヨーグルト、バター、生クリームもバッチリあるぞ
それと、アイスクリームなら、俺が作るから必要ない
お菓子は、ひとつなら買ってもイイぞ
時間は10分だけな
ほら、降りるぞ、真奈、優奈……んじゃ、買い込み行くぜ」
和輝の答えを聞いた優奈は、運転席に身を乗り出している真奈の手を握って言う。
「うん、理解った、行こう真奈ちゃん」
カチャっと車のドアを開けて降りたのに続き、和輝も運転席から降りる。
同時に、竜也と輝虎、乙姫に竜姫が左右のドアから降りた。
「竜也、輝虎、お前らはイイのか?」
和輝の質問に、ヒョイッと肩を竦めた竜也が答える。
「ああ、和輝が作ったお菓子を食べているしるねぇ
ご飯だって、3食きっちりと食べて、おやつを食べると
他に、食べたいって思わなくなるからね
スポーツ飲料を探すんだろう
どんなモノが出ているか、ボクも興味あるしね
成分も調べておきたいから、一緒に探すよ」
「ああ、同感だな、和輝の昼食とお菓子、優奈ちゃんの手料理
他に食べたいと思わないな
だから、俺も和輝の買い物に付き合う」
2人の言葉に、和輝は笑ってお礼を言う。
「さんきゅー、竜也、輝虎」
輝虎と竜也の答えを聞いた和輝は、乙姫と竜姫を振り返る。
「そんで、竜姫と乙姫は、どうする?」
そんな和輝に、まずは竜姫が答える。
「ダイエットを気にかける女子高生に、お菓子の買い食いは危険よ
当然、避けるに決まっているでしょう
ああいうのを食べられるのは、お子様だけよ、ねっ乙姫」
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