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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事

086★桜はプリンアラモードが食べたい

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 「ああ、それと、飲み物は
  珈琲で良いかな?

  クッキーやドーナツとか
  プリンを食べるなら
  砂糖抜きの紅茶か珈琲が
  良いだろう

  喉が渇くだろうし………
  流石に、緑茶はクッキーや
  ドーナツに合わないだろうし

  寝る前に飲むような飲み物
  じゃねぇーからな

  ……かといって、ココアじゃ
  甘いモノに対して、甘いモノ
  だから……相殺されちまって

  せっかくの甘味が美味しいと
  感じないだろうからな

  で、どっちにする?
  珈琲か? 紅茶か?」

 クッキーに齧り付いた桜は、クッキーを咥えたまま小首を傾げる。

 「それじゃ、紅茶……
  ミルク入りで………」

 「オーケー」

 桜からの答えに頷き、和輝小なべに牛乳を入れ、煮立たせないように温度の加減をしながら、紅茶の葉を小さじ2杯を振り入れる。
 温めた牛乳に紅茶の色が滲み出たのを見計らい、和輝は少しだけ蒸らして、茶こしでこしながらミルクティーを2つのカップに注ぐ。
 2つのカップのうち、ひとつだけラップをして、ボールに熱い湯を張り、その中に入れて、ミルクティーを保温する。

 桜がもう1杯飲みたいと言った時に、すぐに出せるように用意したのだ。
 保温を済ませた和輝は、ミルクティーを入れたカップを桜の前にコトッと置く。

 「和輝、あれは何をやったの?
  2杯作ったのだろう?」

 小首を傾げる桜に、和輝はクスッと笑う。

 「桜がもう1杯って言った時ように
  用意したんだよ
  ぬるいミルクティーは美味しくない
  からな

  んじゃ俺はプリンを用意するから
  クッキーがドーナツを食べて
  待っていてくれ」

 「うん………あっそうだ
  甘いモノに餓えてるから

  生クリームも、たぁ~っぷり
  使って欲しいなぁ~………
  出来れば、ケーキ付きで……」

 「はいはい、おおせの通りに
  桜姫」

 クスクスと笑って、桜の依頼に応える為に、和輝は苦笑しながらキッチンーと入り、夕刻に作ったプリンと丸い小さなチョコレートケーキ冷蔵庫から取り出した。
 更に、良く冷やした、新鮮でビタミンCなどが豊富な果物も冷蔵庫から取り出す。
  材料を取り出した和輝は、自分の喉を潤すモノとして、珈琲をセットする。

 珈琲メーカーがコポコポという軽い音をたてて、珈琲を抽出し始めるのを横目に、和輝はプリンアラモードを作る為に、大き目の白い皿を用意する。
 まず、最初に、用意した白い皿に、チョコレートケーキを乗せ、その隣りにプリンを乗せてから、生クリームで丁寧に飾り付ける。

 下準備が終わったところで、今度は綺麗にカットした果物を彩り豊かに乗せて行く。
 仕上げに小さなカラフルチョコをトッピングし、生クリームで更に可愛く飾り付けた。
 ちなみに、このカラフルチョコは、溶かしたホワイトチョコに彩りの綺麗な果実などをを混ぜて作った、天然素材オンリーのモノである。

 和輝は、桜の喜びそうな、可愛らしいプリンアラモードを作り上げた。
 勿論、食べきれるようにと、そこまで生クリームでゴテゴテとは飾っていない。
 ドドーンとではなく、可愛くこ洒落た感じに纏め上げた。

 「よぉーし
  プリンアラモードの
  いっちょあがりぃー

  ほら、これぐらいの
  量なら食べられるだろ

  プリンの他にケーキも
  食べたいって言ったから
  小さなチョコレートケーキも
  乗せたぞ

  ほら、スプーンとフォークな」

 そう言いながら、和輝は桜の前にたった今できあがったばかりのプリンアラモードをコトっと置いた。










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