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013★到着したからと言って、すぐにお城に入場とはなりませんでした
しおりを挟むぱんぱんに物が入っていても、リュックだと気にならないし、毎日背負って通っていたので、それを無意識で、馬車の床に降ろしていたらしい。
どんだけ焦っていたの私。
リュックとカバンに、今、気が付いたって………。
異世界召喚って、意識が飛ぶんだなぁ~って、改めて思ったね。
そして、私は膨らんでいるカバンの中身に意識を向ける。
手に持っていたカバンには、辞典。
ネットで調べるだけじゃなく、辞典を使って調べることも大切だという学校の方針で、日常的に使用。
そして、授業で使うタブレット。
大抵の学校で授業の補助に使っているものは、うちの学校でも使うという、右に倣え的な主体性の無さで導入されて、使用。
ウチの学校って、アナログ優先? それともデジタル優先? どっちなの? って感じの教材。
他に、充電用のミニソーラーパネル。
これは、災害時用に、必ず持って歩くようにって言われている。
ただ、真面目に持って歩くのは少数派だったりするが………。
その他に、スーパーで買ったモノも入っていたりする。
それらの中身を思い出して、私は少しほっこりする。
だって、この世界で手に入らないもの、それとあるかどうかわからないものが、入っていたから………。
そんなコトを考えていた私を、ジーク君が優しく声を掛けながら、軽くゆすって起こしてくれた。
「戻っておいでアリア、馬車から降りるよ」
「ジーク、俺の荷物も持って降りてくれよ。それと、アリアのもな」
「オッケー」
「……? …あっ…はい」
ジーク君とハルト君の声で、お空に飛ばしていた意識を現実に戻した私は、立ち上がりリュックを背負った。
カバンを持とうとしたら、既にジーク君が持ってくれていたの。
だから、焦ってお礼を言った。
「あっ…ありがとう」
そんなどんくさい私に、ジーク君はにっこり笑う。
「どういたしまして、アリアの荷物を持つのは当然でしょ。男なんだから、だから気にしないで……」
その優しい言葉に、私みたいなチンクシャが………。
あぅぅ~……なんか、すっごくいたたまれないんですけどぉ………。
そう思いながら、ジーク君について馬車から降りる。
そこには、ハルト君とアルス君達と美少女達がいた。
うわぁ~…やっぱり、ドンくさい私が最後だった。
なんか、色々なコトが恥ずかしいんですけどぉ………。
それでも、私の思いなんて関係無く、事態は進んでいく。
城に着いたと言っても、出入り口に横付けしたわけじゃないから………。
城に入るまで、結構、歩くことになるなぁ~って思った。
全員が揃ったということで、神官様が言う。
「全員揃いましたね。では、城に向かいますので、私の後を着いて来てください」
「「「「「「………」」」」」」
私と同じように、みんなもなんと答えてイイか、わからなかったんだよね?
だから、黙っていたんだよね?
だって、とにかく勇者や聖女をちやほやする、ラノベと違い過ぎるんだもん。
勝手にそっちの都合で呼び出しておいて、その態度ってなんなのって、感じになると思うのよね。
いや、ちやほやされても、チンクシャな私は、いたたまれなくなっちゃうから………。
まぁ、だからこの塩対応で十分だけどね。
そう、私としては、この世界で生きていく常識と知識を教えてもらって、当座の生活費をもらったら、さっさと出て行く予定だから………。
このくらい素っ気無いほうが、心が痛まなくてイイと思ったけど………。
ハルト君やジーク君は、どう思ったのかな?
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なんとか今日中に更新出来ました。
予定より進んでいないので、明日は朝の8時に更新予定しています。
土曜日なので3回から4回更新を理想に頑張ります。
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