異世界召喚に巻き込まれました

ブラックベリィ

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029★適応能力の高い、日本人だからという理由だけで召喚されたようです

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 私は、どうして日本人が、生贄?犠牲?になるのか?を知りたくて質問した。

 「なんで、日本人なんですか?」

 すると神官様は、淡々と理由をあげてくれた。

 「クロノーア様とパーティア様からの御言葉によりますと。日本人は、大変豊富な知識と柔軟な思考を持ち、鍛えるコトが出来る身体を持っているとおっしゃいました。その上で、この世界に適応できる精神と身体を持っているとも。また、一神教徒ではなく多神教徒だから………とも、おっしゃっていました。適応できる種だとお教えいただきました。そして、歴代の勇者殿も聖女殿も、何の支障もなく適応なさっていたという記録がございます。ですから、この国で出されるモノは何を食べても大丈夫ですよ」

 柔軟な思考と豊富な知識、どんな環境にも適応できる精神と身体って………。
 まぁ~ねぇ~…比較的環境の良い関東にいても、冬に雪は降るし、夏は摂氏40℃越える暑さにもポロポロなるしねぇ~………いやぁ~…今年も暑かったわねぇ………。

 梅雨っていう湿気がすごい時期(菜種梅雨、梅雨、秋の長雨など呼び名は色々な雨季)もあるし、冬の超乾燥した時期もあるから、色々と耐えられるわね………確かに。

 それと色々な災害に慣れているわね。
 特に、地震とか、津波とか、火山の噴火や火砕流とか、台風とか、集中豪雨とかね。
 などと、つい納得してしまう私は単純なのかな?
 ぼんやりしている私とちがって、ジーク君は神官様にすかさず突っ込む。

 「本当ですか?」

 ジーク君の突っ込みは、神官様には想定内だったらしく、しれっと答えられた。
 ちょっと教え諭すと言っても良いかも知れない雰囲気があった………。

 「信じていただくしか無いですね。でも、人間食べないと生きていけませんよ」

 神官様の言う通りだと思った私は、テーブルに置かれていた砂糖とミルクを紅茶に入れて、くいっと飲んでみた。
 口の中に広がったのは………なるほど飲めるという実感だった。
 その後に、午後ティーに似た味と香りがするなぁ~という感想が浮かんだ。

 一口飲むと、喉が渇いていたコトが判ったので、私はクイーッと飲み干した。
 カップをソーサーに戻して周りを見ると、みんなカップをソーサーに戻していた。
 私と同じように、一息に飲んだらしい。

 この世界の食べ物が、食べられるなら………。
 病気は、どうなんだろう?なんて思ってしまう。

 デロデロデロデンデデンなんて暗い音と共に、未知の病原菌で、勇者と聖女のパーティーは全滅しましたなんてテロップが流れて、お仕舞いってコトになるのはちょっと……なんて思ってしまう。
 そんな思いをハルト君が、代表して神官様に質問する。

 「僕達だけが、罹患する病気はありますか?」

 この質問も想定内だったらしく、爽やかな微笑み(=営業スマイル?)を浮かべて、説明(=セールストーク?)を丁寧にしてくれる。

 「貴方達だけが、罹る病気はありませんよ。この世界には、ガンや梅毒、淋病、HIVも、ペストも、コレラも、天然痘も、狂犬病も、マラリアも、結核も、風疹も、麻疹などもありません。魔物が人間や家畜を間引くので、人口調節としての疫病などは存在しません。ただし、機能低下による脳出血や心臓肥大や老衰による多臓器不全などは存在します。それとボケというか認知症も存在しています。ざっとこんなコトを知りたかったのでしょう?」

 性病の心配も伝染病の心配も無い世界って………ほっとするわぁ~。
 もっとも、もともとの昔の日本には、日本脳炎以外の怖い病気は、何一つ無かったんだけどさ。

 あれ? あれれ? なんか…すっごく…いやぁ~んな…聞きたくない説明があったよね?
 魔物が人間と家畜を間引くから、人口調節に病気を必要としないって………。
 ここの神様って、正直すぎだわ。
 ………っうか、聞きたくない説明だわ。

 増えすぎる人間を間引くって………なんか、牛や豚や鶏になった気がする。
 いや、神様は、人間を食べたりしないだろうとは思うけどさ………。
 あれ? 魔物は人間を食べるよね?

 ラノベでは、人間も一部の魔物を食べる設定があるけど?
 ここは、どうなんだろう?
 聞きたいような、聞きたくないような………。

 でも、神官様って、鋼鉄の心臓を持っているの?
 魔物で人間を間引くって………。
 なんか、人間の天敵は魔物って言われたような気がするわ。







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