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第一部 宰相家の居候
177 ベクレル伯爵家(前)
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
いきなり部屋の中への転移は、不法侵入扱いになるから止めようね…とシャルリーヌに言ったものの『簡易型転移装置』の性質上、どこかの扉同士を繋げなくてはならないらしい。
なのでとりあえずシャルリーヌには、ベクレル伯爵家の玄関ホールをイメージして貰い、イデオン公爵邸の玄関ホール同士を繋ぐ形で、転移を行う事にした。
とは言え魔力ナシの私では起動すら覚束ないので、ここは大人しくファルコに起動して貰って、先導も兼ねて先に扉の向こうに行って貰う事にした。
私がちょっと及び腰になっているのを察したイザクが背中を押してくれる形で、セルヴァンやヨンナの縋る様な視線に見送られながら、私はギーレン国への扉をくぐった。
「とりあえず今、侍女に先触れの手紙が行った筈だってコトを伝えて、伯爵か夫人か――って形で取次ぎを頼んだから」
暗闇の視界は、あっと言う間に見慣れない建物の中、玄関ホールへと姿を変えて、一歩足を踏み出した先にはファルコの背中があった。
「ああ…うん、ありがとう」
「しっかしホントに、扉を開けたらギーレンでした――とはな」
「え、ファルコも〝転移扉〟初めてなの?」
「小型で手紙やら氷やら移動させるのは見た事あるが、人の移動となると、簡易だろうと本格だろうと、王宮の管轄だぞ。お館様の部屋にあるのだって、定例報告の時期だけって事で許可されてる装置だから、基本的にお館様以外は使わねぇ」
「あ、そうなんだ……」
言われてみれば、それもそうだ。
一般市民に至るまで、気軽に移動が出来るなら〝転移扉〟や〝扉の守護者〟を巡って争いなど起きない。
うっかり〝蘇芳戦記〟の根幹部分を失念していた。
「失礼、娘の…シャルリーヌの友人と言うのは――」
そうこうしていると、玄関ホールの奥が少し騒がしくなり、それと前後するように、壮年の男性と、すぐ後ろから女性とが、連れ立って現れた。
私はファルコの前へと一歩進んで〝カーテシー〟と共に頭を下げる。
「私が手紙を差し上げました、レイナ・ソガワです。正式な礼儀作法には程遠い、急な訪問となりました点については、幾重にもお詫び申し上げたく――」
「ああ、いや、堅苦しい挨拶は抜きにして貰って結構だ。間違うことなきシャルリーヌの筆跡で、くれぐれも貴女の事を宜しく頼むと……ボードリエ伯爵からの口添えまである。レイナ嬢、ベクレル家は貴女を歓迎しよう。私が当主のロドルフォ・ベクレルだ。隣にいるのが、妻のフィロメナ、シャルリーヌの継母だ」
「ええ、そうですよレイナ嬢。あの子がこのギーレンを発ってからは、事情が事情だけにボードリエ伯爵家と連絡を取り合う事すらままならず……商業ギルド経由で手紙を受け取るなど、私たちには思いもよりませんでした。聞けばあの子と、とても仲良くして下さっているとか。どうぞ奥にお入りになって。最近のシャルリーヌの事をぜひ聞かせて下さいな」
ベクレル伯爵夫妻は、二人ともが今にも泣きそうな表情で、私を邸宅の奥へと案内してくれた。
私の後ろには、結局ファルコやイザク、トーカレヴァにシーグを含め計7人が同行して来ていたけど、あらかじめシーグには、女の子の恰好をして、私の専属侍女見習いを装うように言い聞かせてあった。
ファルコが、宿を探してくると言って席を外そうとすると、ベクレル伯爵が、屋敷への滞在を勧めてくれた。多少予想はしていたけれど、ファルコ達はむしろ、いざと言う時に動きづらくなるからと、私とシーグだけをベクレル伯爵邸に残すと言う形で、最終的には全員の間で折り合いがついた。
シーグはちょっと渋っていたけれど、侍女の仕事を勉強する事は、将来の潜入捜査には確実に役に立つと私が言ったところで、名を捨てて実を取ったようだった。
「ファルコ、ギーレンの言葉話せるんだね」
「……これでも一応〝鷹の眼〟預かってんだが。アンタの中の俺は、どう言う立ち位置なんだ」
曰く、エドヴァルドの密命で、色々な所に探りを入れる関係上、そもそも〝鷹の眼〟の皆は、アンジェスの言葉以外にも、最低1ヶ国は話せるらしい。
「えっと……ベルセリウス将軍の親友?」
「俺も『脳筋』枠なのかよ、おい!」
そもそもこちらに「脳筋」の概念はなかったところが、私が当初将軍に会った頃、もちろん将軍のいないところでポツリと「脳ミソまで筋肉で出来ていそうな人種」と、その言葉を呟いたところ、主にファルコとウルリック副長に大ウケ。
アンジェスに新語が根付いた瞬間だった。
「口より手が先な事は間違いないからな」
淡々と私に賛同してくれるのは、イザクだ。
他の〝鷹の眼〟の皆も、ギーレンの言葉に不自由しない者の中から選ばれたらしい。
元特殊部隊所属、現王宮護衛騎士でもあるトーカレヴァ・サタノフ青年に関しては、実家が子爵家な為、貴族教育の一環として、ギーレンの言葉は習得をしていたらしかった。
これじゃ連れて行くのを拒否する理由がないと、ファルコが愚痴っていたのだ。
「じゃあまあ…これは貴女に、まずは預けますよ。私あるいは〝鷹の眼〟と連絡を取りたい時には、この子を飛ばして下さい」
そして、トーカレヴァが来たなら――。
「…〝リファ〟ちゃん!」
「いいですか、預けるんですからね?飼っていいってコトじゃないですから、くれぐれもお願いしますね⁉」
シマエナガもどき、もとい「ヘリファルテ」種のリファちゃんを掌に乗せられた私は、人差し指でリファちゃんをそっと撫でる。
かわいい…と、シーグさえも呟く愛らしさである。
「でしょ⁉ ベクレル伯爵邸でお世話になる間は、アナタにもこの子のお世話を手伝って貰うから、お願いね?」
シーグは、コクコクと首を縦に振った。
護衛の宿ならば、信頼出来る所を何軒か紹介するからと、執事と思しき男性に声をかけられたファルコたちが別室へと消え、私とシーグは逆に、伯爵夫妻と共に応接室へと場所を移した。
「レイナ嬢。私達は本当に、貴女に感謝している。この国に居た間も、娘は将来の王妃としての教育に振り回されて、各家とのバランスに気を配った社交しか出来ず、友人と言う言葉さえ、娘から聞く事はなかったのだ」
ソファに腰を下ろしたベクレル伯爵の表情からは、当時を思い返しての辛さ、後悔が窺える。
貴族社会に籍を置くならば、第一王子の婚約者などと言うのは、普通、とてつもない栄誉だ。
まして伯爵家の側からはおいそれと異を唱える事も出来ず、実際は、諸々のフラグを叩き折りたかったシャルリーヌが孤軍奮闘していたのが真実とは言え、実父の目からは、娘に負担を強いたと映るのだろう。
「それが、貴女を『初めて出来た、ただ一人の親友』だと言い、アンジェス国の社交の場では、エドベリ殿下と遭遇しないようにと、国王陛下と交渉までして下さったと。その親友が困っているのだから、今度は自分が手を貸すのだと……私達が、それに『否』と言う事などありえない。レイナ嬢、どうか第二の実家とでも思って、何でも相談をして欲しい。出来る限りの事はさせて貰う」
「シャルリーヌは、そもそものパトリック殿下とのご縁を繋いだのが、実家がご正妃様と縁のある私であると分かっていても、最後まで私の事を一言も責めませんでしたの。ギーレンを発つ直前も『お義母様は、私の為によかれと思って動いて下さったのだと分かっていますから。ただただ、こうなる未来を崩せなかった自分の力不足だ』と、そう言って発っていきましたの」
そう言えばシャルリーヌは、実母が亡くなって、父親が再婚したのを機に前世の記憶を取り戻したようだと言っていた。
このフィロメナ夫人は、そうするとベクレル伯爵の後添いと言う事になる。
けれど二人の様子を見るに、決してシャルリーヌを疎んじている風ではなく、心から娘の心配をしていると言った感じだった。
「婚約破棄騒動の後『もう、王族関係者には近付きたくない』と言われた時には、例えエドベリ殿下から内々に仄めかされようとも、もう娘を王族の犠牲にはすまいと、そう思ったのですよ。国内の修道院では、権力にモノを言わせて連れ戻されかねないから、国外に出させてくれと言われて、ならばと親戚が以前に嫁いだアンジェス国のボードリエ伯爵家と繋ぎをとった」
「あちらは、何年か前の政治的な争いで唯一のお子様だったご長男のカイネン様を失くされて、奥様とお孫様は、奥様のご実家に返される形になっていて、ご夫婦のみでお暮らしでしたから、二つ返事で快諾していただいて」
――どうやらここにも、フィルバートの国王践祚に際して、第一王子派や第二王子派に粛清がかかった案件の犠牲者がいたらしい。
言われてみれば、王都ボードリエ伯爵邸には、伯爵夫妻とシャルリーヌ以外の家族の人影がなかった。
実際の領地の方に、家族なり一族なりいるのだろうと、勝手に思ってはいたけれど。
そこまではゲーム設定になく、ボードリエ伯爵からもシャルリーヌからもまだ話を聞いていなかった私は、気取られない範囲で目を瞠った。
いきなり部屋の中への転移は、不法侵入扱いになるから止めようね…とシャルリーヌに言ったものの『簡易型転移装置』の性質上、どこかの扉同士を繋げなくてはならないらしい。
なのでとりあえずシャルリーヌには、ベクレル伯爵家の玄関ホールをイメージして貰い、イデオン公爵邸の玄関ホール同士を繋ぐ形で、転移を行う事にした。
とは言え魔力ナシの私では起動すら覚束ないので、ここは大人しくファルコに起動して貰って、先導も兼ねて先に扉の向こうに行って貰う事にした。
私がちょっと及び腰になっているのを察したイザクが背中を押してくれる形で、セルヴァンやヨンナの縋る様な視線に見送られながら、私はギーレン国への扉をくぐった。
「とりあえず今、侍女に先触れの手紙が行った筈だってコトを伝えて、伯爵か夫人か――って形で取次ぎを頼んだから」
暗闇の視界は、あっと言う間に見慣れない建物の中、玄関ホールへと姿を変えて、一歩足を踏み出した先にはファルコの背中があった。
「ああ…うん、ありがとう」
「しっかしホントに、扉を開けたらギーレンでした――とはな」
「え、ファルコも〝転移扉〟初めてなの?」
「小型で手紙やら氷やら移動させるのは見た事あるが、人の移動となると、簡易だろうと本格だろうと、王宮の管轄だぞ。お館様の部屋にあるのだって、定例報告の時期だけって事で許可されてる装置だから、基本的にお館様以外は使わねぇ」
「あ、そうなんだ……」
言われてみれば、それもそうだ。
一般市民に至るまで、気軽に移動が出来るなら〝転移扉〟や〝扉の守護者〟を巡って争いなど起きない。
うっかり〝蘇芳戦記〟の根幹部分を失念していた。
「失礼、娘の…シャルリーヌの友人と言うのは――」
そうこうしていると、玄関ホールの奥が少し騒がしくなり、それと前後するように、壮年の男性と、すぐ後ろから女性とが、連れ立って現れた。
私はファルコの前へと一歩進んで〝カーテシー〟と共に頭を下げる。
「私が手紙を差し上げました、レイナ・ソガワです。正式な礼儀作法には程遠い、急な訪問となりました点については、幾重にもお詫び申し上げたく――」
「ああ、いや、堅苦しい挨拶は抜きにして貰って結構だ。間違うことなきシャルリーヌの筆跡で、くれぐれも貴女の事を宜しく頼むと……ボードリエ伯爵からの口添えまである。レイナ嬢、ベクレル家は貴女を歓迎しよう。私が当主のロドルフォ・ベクレルだ。隣にいるのが、妻のフィロメナ、シャルリーヌの継母だ」
「ええ、そうですよレイナ嬢。あの子がこのギーレンを発ってからは、事情が事情だけにボードリエ伯爵家と連絡を取り合う事すらままならず……商業ギルド経由で手紙を受け取るなど、私たちには思いもよりませんでした。聞けばあの子と、とても仲良くして下さっているとか。どうぞ奥にお入りになって。最近のシャルリーヌの事をぜひ聞かせて下さいな」
ベクレル伯爵夫妻は、二人ともが今にも泣きそうな表情で、私を邸宅の奥へと案内してくれた。
私の後ろには、結局ファルコやイザク、トーカレヴァにシーグを含め計7人が同行して来ていたけど、あらかじめシーグには、女の子の恰好をして、私の専属侍女見習いを装うように言い聞かせてあった。
ファルコが、宿を探してくると言って席を外そうとすると、ベクレル伯爵が、屋敷への滞在を勧めてくれた。多少予想はしていたけれど、ファルコ達はむしろ、いざと言う時に動きづらくなるからと、私とシーグだけをベクレル伯爵邸に残すと言う形で、最終的には全員の間で折り合いがついた。
シーグはちょっと渋っていたけれど、侍女の仕事を勉強する事は、将来の潜入捜査には確実に役に立つと私が言ったところで、名を捨てて実を取ったようだった。
「ファルコ、ギーレンの言葉話せるんだね」
「……これでも一応〝鷹の眼〟預かってんだが。アンタの中の俺は、どう言う立ち位置なんだ」
曰く、エドヴァルドの密命で、色々な所に探りを入れる関係上、そもそも〝鷹の眼〟の皆は、アンジェスの言葉以外にも、最低1ヶ国は話せるらしい。
「えっと……ベルセリウス将軍の親友?」
「俺も『脳筋』枠なのかよ、おい!」
そもそもこちらに「脳筋」の概念はなかったところが、私が当初将軍に会った頃、もちろん将軍のいないところでポツリと「脳ミソまで筋肉で出来ていそうな人種」と、その言葉を呟いたところ、主にファルコとウルリック副長に大ウケ。
アンジェスに新語が根付いた瞬間だった。
「口より手が先な事は間違いないからな」
淡々と私に賛同してくれるのは、イザクだ。
他の〝鷹の眼〟の皆も、ギーレンの言葉に不自由しない者の中から選ばれたらしい。
元特殊部隊所属、現王宮護衛騎士でもあるトーカレヴァ・サタノフ青年に関しては、実家が子爵家な為、貴族教育の一環として、ギーレンの言葉は習得をしていたらしかった。
これじゃ連れて行くのを拒否する理由がないと、ファルコが愚痴っていたのだ。
「じゃあまあ…これは貴女に、まずは預けますよ。私あるいは〝鷹の眼〟と連絡を取りたい時には、この子を飛ばして下さい」
そして、トーカレヴァが来たなら――。
「…〝リファ〟ちゃん!」
「いいですか、預けるんですからね?飼っていいってコトじゃないですから、くれぐれもお願いしますね⁉」
シマエナガもどき、もとい「ヘリファルテ」種のリファちゃんを掌に乗せられた私は、人差し指でリファちゃんをそっと撫でる。
かわいい…と、シーグさえも呟く愛らしさである。
「でしょ⁉ ベクレル伯爵邸でお世話になる間は、アナタにもこの子のお世話を手伝って貰うから、お願いね?」
シーグは、コクコクと首を縦に振った。
護衛の宿ならば、信頼出来る所を何軒か紹介するからと、執事と思しき男性に声をかけられたファルコたちが別室へと消え、私とシーグは逆に、伯爵夫妻と共に応接室へと場所を移した。
「レイナ嬢。私達は本当に、貴女に感謝している。この国に居た間も、娘は将来の王妃としての教育に振り回されて、各家とのバランスに気を配った社交しか出来ず、友人と言う言葉さえ、娘から聞く事はなかったのだ」
ソファに腰を下ろしたベクレル伯爵の表情からは、当時を思い返しての辛さ、後悔が窺える。
貴族社会に籍を置くならば、第一王子の婚約者などと言うのは、普通、とてつもない栄誉だ。
まして伯爵家の側からはおいそれと異を唱える事も出来ず、実際は、諸々のフラグを叩き折りたかったシャルリーヌが孤軍奮闘していたのが真実とは言え、実父の目からは、娘に負担を強いたと映るのだろう。
「それが、貴女を『初めて出来た、ただ一人の親友』だと言い、アンジェス国の社交の場では、エドベリ殿下と遭遇しないようにと、国王陛下と交渉までして下さったと。その親友が困っているのだから、今度は自分が手を貸すのだと……私達が、それに『否』と言う事などありえない。レイナ嬢、どうか第二の実家とでも思って、何でも相談をして欲しい。出来る限りの事はさせて貰う」
「シャルリーヌは、そもそものパトリック殿下とのご縁を繋いだのが、実家がご正妃様と縁のある私であると分かっていても、最後まで私の事を一言も責めませんでしたの。ギーレンを発つ直前も『お義母様は、私の為によかれと思って動いて下さったのだと分かっていますから。ただただ、こうなる未来を崩せなかった自分の力不足だ』と、そう言って発っていきましたの」
そう言えばシャルリーヌは、実母が亡くなって、父親が再婚したのを機に前世の記憶を取り戻したようだと言っていた。
このフィロメナ夫人は、そうするとベクレル伯爵の後添いと言う事になる。
けれど二人の様子を見るに、決してシャルリーヌを疎んじている風ではなく、心から娘の心配をしていると言った感じだった。
「婚約破棄騒動の後『もう、王族関係者には近付きたくない』と言われた時には、例えエドベリ殿下から内々に仄めかされようとも、もう娘を王族の犠牲にはすまいと、そう思ったのですよ。国内の修道院では、権力にモノを言わせて連れ戻されかねないから、国外に出させてくれと言われて、ならばと親戚が以前に嫁いだアンジェス国のボードリエ伯爵家と繋ぎをとった」
「あちらは、何年か前の政治的な争いで唯一のお子様だったご長男のカイネン様を失くされて、奥様とお孫様は、奥様のご実家に返される形になっていて、ご夫婦のみでお暮らしでしたから、二つ返事で快諾していただいて」
――どうやらここにも、フィルバートの国王践祚に際して、第一王子派や第二王子派に粛清がかかった案件の犠牲者がいたらしい。
言われてみれば、王都ボードリエ伯爵邸には、伯爵夫妻とシャルリーヌ以外の家族の人影がなかった。
実際の領地の方に、家族なり一族なりいるのだろうと、勝手に思ってはいたけれど。
そこまではゲーム設定になく、ボードリエ伯爵からもシャルリーヌからもまだ話を聞いていなかった私は、気取られない範囲で目を瞠った。
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