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第一部 宰相家の居候
225 もう一人のアルビレオ(前)
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
翌朝。
何故か馬車の馭者席にゲルトナーが座って、イザクが馬車の中に、私とシーグと一緒に乗り込んで来たので二人して目を見開いた。
慌ててシーグが奥につめて、隣にイザクを座らせている。
「イザク?」
「ちょっと、シーグ込みで内密の話がある。植物園に着く前にはちゃんと馭者席に戻るから心配するな」
一般常識として、家族や婚約者以外の男女が同じ馬車に乗る事に関しては、巷の乗合馬車を利用するような一般市民であればともかく、貴族の間では非寛容だと私もヨンナからの「教育」で耳にした。
じゃあ私は…と思ったら、それは一応「国が命じた賓客として庇護下」にあると対外的にも周知されている為、問題ないのだとか。
どうにも何か誤魔化されている――と思いながらも、聞き返す勇気はなく。
実際、今、中にいるのは全員ド平民の筈だけど、何しろ馬車がベクレル伯爵家の馬車であるため、伯爵家に迷惑をかけないためにも、そこは気を付けた方が良いと言う事らしかった。さもありなん。
「シーグ込み?」
「ああ。まずは、ここ何日かお館様のところに誘拐目的の侵入者が押しかけてる。これは良いな?」
侵入者が押しかけてるって何か微妙な表現だなー…と思いつつも、ここはイザクの言葉に、私もシーグもとりあえずは黙って頷く。
「で、昨夜もナリスヴァーラ城への侵入を試みた連中がいて、王宮派遣の護衛騎士とファルコが一緒になって捕まえたらしいんだが」
「ああ、早速向こうに人を回した甲斐があったんだね。良かった」
「まあ結果的にはな。こちらを減らし過ぎだとお館様が城の部屋を冷蔵庫にしていたらしいから、帰ったら自分で謝れよ」
「え」
「大変だな。謝ることだらけで」
容赦のないイザクのツッコミに思わず表情を痙攣らせた私に、向かいに座っていたシーグが、横を向いて小さく吹き出していた。
「悪い、話が逸れた。ともかく、昨日捕まえた中の一人が、どうやらなかなかに手強かったらしい。捕まえたは良いが、そのレベルのヤツを叩き返すと、次に『替え玉』が城で待っていても、おいそれと誘拐に来ないかも知れないって話が出た」
「………なるほど」
確かに、せっかく『替え玉』を用意しても、攫われなければ意味がないし、ソイツでダメなら城に火を放って文字通り炙り出すか…的な極論に走られても困る。
「その極論にシーグより先に思い至るのもどうかとは思うがな」
私の呟きを耳に拾ったイザクがちょっと呆れているけれど、それが荒唐無稽だとは彼も言わなかった。
ただ、イザクの呟きに若干ショックを受けた風のシーグの膝を、向かい側から私がポンポンと叩いて慰めておく。
「大丈夫。イザクは業界歴が長くて、私のは単に性格が捻じくれているだけの事だから。もうちょっと成長したら、このくらいすぐに気が付くようになるって」
「……何か、気が付かない方がシーグにとっては幸せなのかも知れないと思うのは、俺だけか」
一言多い!と私は言いかけたけれど、そんなイザクにパッと視線を投げるシーグが妙に嬉しそうなので、私は言いかけた言葉を呑み込んでしまった。
(あれ?シーグってもしかして……)
もちろんイザクには、何の他意もない。
同じ「薬」を扱う者として、特に目をかけているんだろうなとは思う。
ただこの前から、シーグが割と率先してイザクの手助けをしようとしている気配はあるのだ。
(無意識?ファザコン?それとも本気?うわぁ読めない……)
確かイザクはファルコの一歳下、と言う事はシーグとは20歳前後の差がある筈なのだ。
だけどきっと、イザクが気になるからこそ、シーグは今も「こちら側」に留まってる。
それは多分間違いない。
いや、エドベリ王子を妄信していた事を思えば、喜ばしい変化ではあるけれど。
うーん…と唸る私をどう見たのか、イザクが軽く咳払いをして、また逸れかけた空気を元に戻した。
「それで本題はだな、その『捕まえた手強いヤツ』がシーグにそっくりだって、ファルコが言ってきている事だ」
「「⁉」」
イザクのその一言は、確かに馬車の中に爆弾を投下した。
私のみならず、シーグ本人も、これ以上はないくらいに大きく目を見開いている。
「お嬢さん、確かシーグは双子だって以前に話してただろう。今頃多分、薬で喋らせてる頃だろうから、もう少ししたらその辺りは確定するとは思うがな」
「ああ……シーグも捕まって喋らされたって薬ね……」
「そんな…まさかリックが……」
シーグの方は、リックであるなら尚更、捕まるなんて信じられないと言った感じだったけれど、私が「少なくともファルコは、アナタを捕まえたベルセリウス将軍と互角かそれ以上の実力あるよ」と言ったところで、目を見開いたまま絶句してしまった。
まあ確かに、私の保護者みたいな立ち位置に収まってる昨今、ちょっと実力の程は見えにくかったかも知れないけど。それはファルコがいじけるからやめてあげて。
ましてイザクの方を認めてるとか言い出したら、多分しばらくアノヒト立ち直れない。
少なくとも私は、そこは口を噤んでおこうと決めた。
「それでイザク、確定前に話を通して来た理由は?もしかしてこのまま、植物園は私だけ向かって、シーグに面通しさせたい?」
「いや。今は面通しはいい。少なくとも今はまだ。そもそもシーグはアンジェスで正体バレて殺された事になってるだろう。いきなり面通しさせたところで、素直に信じるかどうかも分からんしな」
「……そうだった。どこかの国王陛下が残虐非道に殺戮したハナシになってた」
ははは…と乾いた笑い声の私に、シーグも顔を強張らせている。
残されたギーレンからの潜入者たちは、狙い通りにポッキリと心が折れたらしいと、風のウワサで耳にはしている。
「ただ双子の話を耳にしたお館様が、シーグの存在を楯に、逆にソイツをこちらに引き込む事を視野に入れても構わない――と仰ったらしくてな。一応ソイツを引き込めそうか、難しければどこを突けば良いのか、そう言う事を聞けないかともファルコは言ってるんだ」
「え……リックもこちら側にってコト?」
「何も完全に寝返れって話じゃない。何なら今回限りでも良い。逆にわざと『替え玉』を攫ってくれるように他の刺客を誘導、あるいは自らその『替え玉』を攫ってくれたら一番話が早いって話みたいだな」
イザクのその言葉に、エドヴァルドの意図を察した私が「ああ…」と小声で呟いた。
「実は妹は生きていて、イデオン公爵家の捕虜になってる。言う事を聞けば返してやる――が通じるかどうかってコトね。エドベリ殿下を暗殺しろとかならともかく、予定通りに誘拐して良い。ただしニセモノを、って言われた場合に首を縦に振るか否かと」
「ああ。捕虜になったらもう自己責任、肉親の情なんか最初からないとか言いそうなら、もっと違う薬を使うって話もあるからな。今、アレコレ試すほど時間的余裕もないようだし、聞けるものならってところだろう」
「ええ…でもそれ、シーグに聞く?どちらか片方が肉親の情を大事にしていても、もう片方は真逆の事を思っている場合なんて、山ほどあるよ?」
暗に最初から「違う薬」でも…と言いかけた私を、イザクは目線で窘めてきた。
「それを決めるのはお嬢さんじゃない、シーグ本人だ」
「それは…まあ……確かにウチの場合を押し付けてもしょうがないんだけど……」
ゴニョニョと言い淀んだ私を、怪訝そうにシーグが見てくるので「話してなかったっけ」と、私は苦笑未満の微笑を返した。
「多分私が〝聖女の姉〟なのは事前に聞いてたと思うんだけど――ウチも双子なのよ」
「!」
「ただ、お世辞にも仲が良いとは言えなくてね……ごめんね、リックだったら、シーグが窮地に陥っているって言われたら、動いてくれそうなのかな。こっちの事情は気にしないで良いから、想定されそうなところを余すところなく教えてくれる?」
うわぁ…おっきな目……と思わず言いたくなるほどに、シーグは目を見開いて、しばらく私を見つめていた。
翌朝。
何故か馬車の馭者席にゲルトナーが座って、イザクが馬車の中に、私とシーグと一緒に乗り込んで来たので二人して目を見開いた。
慌ててシーグが奥につめて、隣にイザクを座らせている。
「イザク?」
「ちょっと、シーグ込みで内密の話がある。植物園に着く前にはちゃんと馭者席に戻るから心配するな」
一般常識として、家族や婚約者以外の男女が同じ馬車に乗る事に関しては、巷の乗合馬車を利用するような一般市民であればともかく、貴族の間では非寛容だと私もヨンナからの「教育」で耳にした。
じゃあ私は…と思ったら、それは一応「国が命じた賓客として庇護下」にあると対外的にも周知されている為、問題ないのだとか。
どうにも何か誤魔化されている――と思いながらも、聞き返す勇気はなく。
実際、今、中にいるのは全員ド平民の筈だけど、何しろ馬車がベクレル伯爵家の馬車であるため、伯爵家に迷惑をかけないためにも、そこは気を付けた方が良いと言う事らしかった。さもありなん。
「シーグ込み?」
「ああ。まずは、ここ何日かお館様のところに誘拐目的の侵入者が押しかけてる。これは良いな?」
侵入者が押しかけてるって何か微妙な表現だなー…と思いつつも、ここはイザクの言葉に、私もシーグもとりあえずは黙って頷く。
「で、昨夜もナリスヴァーラ城への侵入を試みた連中がいて、王宮派遣の護衛騎士とファルコが一緒になって捕まえたらしいんだが」
「ああ、早速向こうに人を回した甲斐があったんだね。良かった」
「まあ結果的にはな。こちらを減らし過ぎだとお館様が城の部屋を冷蔵庫にしていたらしいから、帰ったら自分で謝れよ」
「え」
「大変だな。謝ることだらけで」
容赦のないイザクのツッコミに思わず表情を痙攣らせた私に、向かいに座っていたシーグが、横を向いて小さく吹き出していた。
「悪い、話が逸れた。ともかく、昨日捕まえた中の一人が、どうやらなかなかに手強かったらしい。捕まえたは良いが、そのレベルのヤツを叩き返すと、次に『替え玉』が城で待っていても、おいそれと誘拐に来ないかも知れないって話が出た」
「………なるほど」
確かに、せっかく『替え玉』を用意しても、攫われなければ意味がないし、ソイツでダメなら城に火を放って文字通り炙り出すか…的な極論に走られても困る。
「その極論にシーグより先に思い至るのもどうかとは思うがな」
私の呟きを耳に拾ったイザクがちょっと呆れているけれど、それが荒唐無稽だとは彼も言わなかった。
ただ、イザクの呟きに若干ショックを受けた風のシーグの膝を、向かい側から私がポンポンと叩いて慰めておく。
「大丈夫。イザクは業界歴が長くて、私のは単に性格が捻じくれているだけの事だから。もうちょっと成長したら、このくらいすぐに気が付くようになるって」
「……何か、気が付かない方がシーグにとっては幸せなのかも知れないと思うのは、俺だけか」
一言多い!と私は言いかけたけれど、そんなイザクにパッと視線を投げるシーグが妙に嬉しそうなので、私は言いかけた言葉を呑み込んでしまった。
(あれ?シーグってもしかして……)
もちろんイザクには、何の他意もない。
同じ「薬」を扱う者として、特に目をかけているんだろうなとは思う。
ただこの前から、シーグが割と率先してイザクの手助けをしようとしている気配はあるのだ。
(無意識?ファザコン?それとも本気?うわぁ読めない……)
確かイザクはファルコの一歳下、と言う事はシーグとは20歳前後の差がある筈なのだ。
だけどきっと、イザクが気になるからこそ、シーグは今も「こちら側」に留まってる。
それは多分間違いない。
いや、エドベリ王子を妄信していた事を思えば、喜ばしい変化ではあるけれど。
うーん…と唸る私をどう見たのか、イザクが軽く咳払いをして、また逸れかけた空気を元に戻した。
「それで本題はだな、その『捕まえた手強いヤツ』がシーグにそっくりだって、ファルコが言ってきている事だ」
「「⁉」」
イザクのその一言は、確かに馬車の中に爆弾を投下した。
私のみならず、シーグ本人も、これ以上はないくらいに大きく目を見開いている。
「お嬢さん、確かシーグは双子だって以前に話してただろう。今頃多分、薬で喋らせてる頃だろうから、もう少ししたらその辺りは確定するとは思うがな」
「ああ……シーグも捕まって喋らされたって薬ね……」
「そんな…まさかリックが……」
シーグの方は、リックであるなら尚更、捕まるなんて信じられないと言った感じだったけれど、私が「少なくともファルコは、アナタを捕まえたベルセリウス将軍と互角かそれ以上の実力あるよ」と言ったところで、目を見開いたまま絶句してしまった。
まあ確かに、私の保護者みたいな立ち位置に収まってる昨今、ちょっと実力の程は見えにくかったかも知れないけど。それはファルコがいじけるからやめてあげて。
ましてイザクの方を認めてるとか言い出したら、多分しばらくアノヒト立ち直れない。
少なくとも私は、そこは口を噤んでおこうと決めた。
「それでイザク、確定前に話を通して来た理由は?もしかしてこのまま、植物園は私だけ向かって、シーグに面通しさせたい?」
「いや。今は面通しはいい。少なくとも今はまだ。そもそもシーグはアンジェスで正体バレて殺された事になってるだろう。いきなり面通しさせたところで、素直に信じるかどうかも分からんしな」
「……そうだった。どこかの国王陛下が残虐非道に殺戮したハナシになってた」
ははは…と乾いた笑い声の私に、シーグも顔を強張らせている。
残されたギーレンからの潜入者たちは、狙い通りにポッキリと心が折れたらしいと、風のウワサで耳にはしている。
「ただ双子の話を耳にしたお館様が、シーグの存在を楯に、逆にソイツをこちらに引き込む事を視野に入れても構わない――と仰ったらしくてな。一応ソイツを引き込めそうか、難しければどこを突けば良いのか、そう言う事を聞けないかともファルコは言ってるんだ」
「え……リックもこちら側にってコト?」
「何も完全に寝返れって話じゃない。何なら今回限りでも良い。逆にわざと『替え玉』を攫ってくれるように他の刺客を誘導、あるいは自らその『替え玉』を攫ってくれたら一番話が早いって話みたいだな」
イザクのその言葉に、エドヴァルドの意図を察した私が「ああ…」と小声で呟いた。
「実は妹は生きていて、イデオン公爵家の捕虜になってる。言う事を聞けば返してやる――が通じるかどうかってコトね。エドベリ殿下を暗殺しろとかならともかく、予定通りに誘拐して良い。ただしニセモノを、って言われた場合に首を縦に振るか否かと」
「ああ。捕虜になったらもう自己責任、肉親の情なんか最初からないとか言いそうなら、もっと違う薬を使うって話もあるからな。今、アレコレ試すほど時間的余裕もないようだし、聞けるものならってところだろう」
「ええ…でもそれ、シーグに聞く?どちらか片方が肉親の情を大事にしていても、もう片方は真逆の事を思っている場合なんて、山ほどあるよ?」
暗に最初から「違う薬」でも…と言いかけた私を、イザクは目線で窘めてきた。
「それを決めるのはお嬢さんじゃない、シーグ本人だ」
「それは…まあ……確かにウチの場合を押し付けてもしょうがないんだけど……」
ゴニョニョと言い淀んだ私を、怪訝そうにシーグが見てくるので「話してなかったっけ」と、私は苦笑未満の微笑を返した。
「多分私が〝聖女の姉〟なのは事前に聞いてたと思うんだけど――ウチも双子なのよ」
「!」
「ただ、お世辞にも仲が良いとは言えなくてね……ごめんね、リックだったら、シーグが窮地に陥っているって言われたら、動いてくれそうなのかな。こっちの事情は気にしないで良いから、想定されそうなところを余すところなく教えてくれる?」
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