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第一部 宰相家の居候
【鷹の眼Side】ファルコの望郷(後)
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※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
「そういや、お嬢さんがシーグは双子だっつってなかったか?」
俺の呟きに、ルヴェックやハジェスが「あ…」と、今気が付いたと言う表情を見せた。
確か、男と女の双子。
二人で王子の専属侍従「シーグリック・アルビレオ」を名乗って、俺らの様な諜報活動をしていると。
「とりあえず、お館様に報告だな」
俺は普通に、お館様が「報告を受けている」態で話をしていたのだが、部屋に冷気が漂って、こめかみを痙攣らせたところを見ると、報告が一部端折られている事をそこで察した。
頼むから今後は、レイナに関わる話を省略するな――と、半ば懇願の様に念押しされる有様だ。
聞かれなかったから…なんて事は、お館様の場合、十割通じない。
とりあえず、シーグの存在を楯に、双子のもう片方もこちらに寝返らせる分には構わないとの許可が出たので、俺は再度、シーカサーリの方へと戻る事にした。
別の人間を、お館様として王族の別荘地に攫わせて、帰国までの時間稼ぎをしておくのは、作戦として充分に「あり」だと思ったからだ。
「やっぱ来るんだよな……聞いちゃいたけどな……」
お館様は確かに「却下だ」と言った筈なのに、双子を対面させようとした夜の植物園に、さも何でもない事の様にお嬢さんが鎮座している。
「様子を見て、必要以上に暴れないようだったら、私が受け渡し口から顔を出して話しかけるとかはどう?」
更に、後ろ手に縛っておけば良いんじゃないかって、料理用の糸投げるか、普通?
どうやらお嬢さんは、双子の片割れの戦闘力をかなり警戒しているようで、それ自体は悪い事じゃないんだが。
ナシオ製の薬で眠らせておいた双子の片割れを起こしてみたところ、どうやらお嬢さんも予想していなかったらしい「妹溺愛」気質が判明。
ある意味、利用しやすくなったと言う点では好ましい展開とも言えるが。
「勘違いの任務、頼まれてくれるかな?妹の五体満足は、保証するよ?」
それ、本来は俺のセリフなんじゃ……?と内心でひとりごちた事は秘密だ。
「おまえはとりあえず、ナリスヴァーラ城に戻るんだよ。妹とべったり暮らす前に仕事しやがれ」
事実上、お嬢さんに屈したと言っても良い双子の片割れを引きずってナリスヴァーラ城に戻ると、件の「届け物」があった所為もあるだろうが、お館様が、まだ起きていた。
「お館様。伝言下さった『届け物』の件ですが、例の双子の片割れが、別荘地まで先導する事と、王宮への勘違いの報告を了承しました。妹の五体満足を保証出来るなら、それで良いそうです」
「……えらく簡単に首肯したものだな」
そう言って胡乱な表情をお館様が見せるのも無理からぬ話ではあったが、まさかあそこまで「弱点」が明確だなどとは、あの場にいた、誰一人として思わなかったのだ。
「正直、腕は立ちます。なのでもしかしたら、自分が弱点を突かれる事をあまり考えていなかったのかも知れません。そのくらい、妹の話をした瞬間に事態が一変しましたから」
王子の為と言われる想定はあっても、妹を楯に取られる想定はなかったのかも知れない。
妹も「一般人」ではないために、尚更。
「途中で話を蹴って、王宮に駆け込む心配は薄いと?」
「ええ。お館様もどきを別荘地に送って、王宮に報告に上がって、王と王子に誤った認識をさせるところまでが一括りになってますからね。妹とべったり暮らす前に仕事しやがれって言っといたんで、大丈夫でしょう」
「…そうか」
「何日もこの城内でタダ飯食らいさせる理由もないですし、明日にでも別荘地に向かわせますか?アイツ、結構王子側の最終兵器に近いんじゃないかと思うんで、何日も連絡が入らないとなったら、さすがに警戒して、いったん計画を引っ込める可能性もありますよ」
「……おまえにケガを負わせただけの事はあるか」
「まあ、今はまだこの程度でいなせますがね。もう何年かすれば、良い勝負になったかも知れません」
あれはまだ、攻めの型が少ない。
思ったよりも直情径行型だ。
もう少し性格が悪くなってくれば、話は変わってくるだろう。
無論、わざわざ教えてやるつもりもないが。
「分かった。どのみち明日、イルヴァスティ子爵令嬢とその母親もバシュラールに向けて発つと、届け物に添えられていた手紙にはあった。こちらからも向かわせれば、ちょうど良いと言う事なんだろう。妹の身柄をこちらで押さえておけば、あの少年に見張りを付けずとも大丈夫と言う判断で間違いないんだな?」
「ええ。そこは間違いないかと」
俺が間髪を入れずにそう答えると、お館様は何かを考えるように一度目を閉じた。
「ファルコ」
「はい」
「――アンジェスに帰るぞ。皆にその用意をさせろ」
ゆっくりと、閉じていた目を開いてそう告げるお館様に、俺はすぐには言葉を返せなかった。
いきなりどうした、と思ったのが表情に出たのだろう。
机に置いていた両手を組み合わせたお館様の目が、静かに眇められた。
「明日、イルヴァスティ子爵令嬢とその母親がバシュラールに行くとさっき言ったが、その翌日にはベルトルド国王も遅れて向かうと、2泊3日の予定で余暇を過ごすと、エヴェリーナ妃が知らせてきた。恐らく――明後日には、エヴェリーナ妃が動いてくるだろう」
エヴェリーナ妃。
王や王子よりも恐ろしい顔を持っていると、あのお嬢さんでさえ怯ませる程の女傑。
ギーレンを真に動かしているのはあの女性ではないかと、お館様さえも唸らせている。
「レイナが色々とやりかけの事を抱えているのは聞いているが、どのみち一週間や二週間で何とかなる話じゃない。だからと言ってギーレンに残すなどとは問題外だし、エヴェリーナ妃とその辺りの落としどころは話し合っている筈だ。イザクの薬は完成させておくべきだろうから、一人例外になるとしても、残りは帰国だ」
「…なるほど」
確かに小説の出版にしろ、シュタムの職人を留学させる話にしろ、明日にでもどうにか出来ると言う話じゃない。
ただ、お館様に合わせて帰国したとしても、手掛けた案件をある程度回せる下地だけは、確かに作っていたと思う。
「仮に帰国したとしても、お嬢さんもお館様並みにやる事が山積みな気が……」
俺は全く意識せずに呟いていたが、その瞬間、確かにお館様のこめかみに青筋が立った。
「――知った事か」
「はい?」
一瞬、聞き違えたかと思ったが、お館様の表情からは、そうではない事が窺い知れた。
「ファルコ。今、おまえが発つ前、北と南の館はどちらか使用されていたか」
「あ…っと。北は空いてましたね。南の方は、今、王都に留まってお館様代理となってるオルヴォとミカ坊っちゃん達が使ってます」
脈絡が読み取れなかった俺は、とりあえず問われたままを答えるしかなかった。
「レイナが持って来た簡易型転移装置はイザクに預けておけば良い。帰るだけならそれで充分な筈だからな。残りはエヴェリーナ妃の許可を得て、ギーレン王宮の〝転移扉〟からアンジェスの王宮に戻る形をとる。皆にもその事を周知させてくれ」
「了解しました」
「それと」
言葉を続けるお館様の目に、一瞬だけ剣呑な光が垣間見える。
予め、逆らう事を許さないと告げている、お館様特有の目だ。
――これはこれで、猛吹雪と同等に怖いのだ。
「王宮で国王陛下に帰国を告げた後は、その日は私とレイナは北の館で休む。公爵邸にも南の館にも、連絡は翌朝まで入れるな」
「―――」
どう言う事かと言いかけた俺は、お館様の無言の威圧をまともに受けて、息を呑んだ。
どうもこうもなかった。
さすがに察してしまった。
「ちなみに護衛は――」
「敷地の外ならば許可する」
マジか、と内心では叫んでも、口には出せない。
氷漬けの代わりか、説教の代わりか。
(聞かなかったコトにしてぇ……)
アンジェスに戻れる事自体は喜ばしい話なのだが、俺は盛大に顔を痙攣らせながら、天を仰いだ。
「そういや、お嬢さんがシーグは双子だっつってなかったか?」
俺の呟きに、ルヴェックやハジェスが「あ…」と、今気が付いたと言う表情を見せた。
確か、男と女の双子。
二人で王子の専属侍従「シーグリック・アルビレオ」を名乗って、俺らの様な諜報活動をしていると。
「とりあえず、お館様に報告だな」
俺は普通に、お館様が「報告を受けている」態で話をしていたのだが、部屋に冷気が漂って、こめかみを痙攣らせたところを見ると、報告が一部端折られている事をそこで察した。
頼むから今後は、レイナに関わる話を省略するな――と、半ば懇願の様に念押しされる有様だ。
聞かれなかったから…なんて事は、お館様の場合、十割通じない。
とりあえず、シーグの存在を楯に、双子のもう片方もこちらに寝返らせる分には構わないとの許可が出たので、俺は再度、シーカサーリの方へと戻る事にした。
別の人間を、お館様として王族の別荘地に攫わせて、帰国までの時間稼ぎをしておくのは、作戦として充分に「あり」だと思ったからだ。
「やっぱ来るんだよな……聞いちゃいたけどな……」
お館様は確かに「却下だ」と言った筈なのに、双子を対面させようとした夜の植物園に、さも何でもない事の様にお嬢さんが鎮座している。
「様子を見て、必要以上に暴れないようだったら、私が受け渡し口から顔を出して話しかけるとかはどう?」
更に、後ろ手に縛っておけば良いんじゃないかって、料理用の糸投げるか、普通?
どうやらお嬢さんは、双子の片割れの戦闘力をかなり警戒しているようで、それ自体は悪い事じゃないんだが。
ナシオ製の薬で眠らせておいた双子の片割れを起こしてみたところ、どうやらお嬢さんも予想していなかったらしい「妹溺愛」気質が判明。
ある意味、利用しやすくなったと言う点では好ましい展開とも言えるが。
「勘違いの任務、頼まれてくれるかな?妹の五体満足は、保証するよ?」
それ、本来は俺のセリフなんじゃ……?と内心でひとりごちた事は秘密だ。
「おまえはとりあえず、ナリスヴァーラ城に戻るんだよ。妹とべったり暮らす前に仕事しやがれ」
事実上、お嬢さんに屈したと言っても良い双子の片割れを引きずってナリスヴァーラ城に戻ると、件の「届け物」があった所為もあるだろうが、お館様が、まだ起きていた。
「お館様。伝言下さった『届け物』の件ですが、例の双子の片割れが、別荘地まで先導する事と、王宮への勘違いの報告を了承しました。妹の五体満足を保証出来るなら、それで良いそうです」
「……えらく簡単に首肯したものだな」
そう言って胡乱な表情をお館様が見せるのも無理からぬ話ではあったが、まさかあそこまで「弱点」が明確だなどとは、あの場にいた、誰一人として思わなかったのだ。
「正直、腕は立ちます。なのでもしかしたら、自分が弱点を突かれる事をあまり考えていなかったのかも知れません。そのくらい、妹の話をした瞬間に事態が一変しましたから」
王子の為と言われる想定はあっても、妹を楯に取られる想定はなかったのかも知れない。
妹も「一般人」ではないために、尚更。
「途中で話を蹴って、王宮に駆け込む心配は薄いと?」
「ええ。お館様もどきを別荘地に送って、王宮に報告に上がって、王と王子に誤った認識をさせるところまでが一括りになってますからね。妹とべったり暮らす前に仕事しやがれって言っといたんで、大丈夫でしょう」
「…そうか」
「何日もこの城内でタダ飯食らいさせる理由もないですし、明日にでも別荘地に向かわせますか?アイツ、結構王子側の最終兵器に近いんじゃないかと思うんで、何日も連絡が入らないとなったら、さすがに警戒して、いったん計画を引っ込める可能性もありますよ」
「……おまえにケガを負わせただけの事はあるか」
「まあ、今はまだこの程度でいなせますがね。もう何年かすれば、良い勝負になったかも知れません」
あれはまだ、攻めの型が少ない。
思ったよりも直情径行型だ。
もう少し性格が悪くなってくれば、話は変わってくるだろう。
無論、わざわざ教えてやるつもりもないが。
「分かった。どのみち明日、イルヴァスティ子爵令嬢とその母親もバシュラールに向けて発つと、届け物に添えられていた手紙にはあった。こちらからも向かわせれば、ちょうど良いと言う事なんだろう。妹の身柄をこちらで押さえておけば、あの少年に見張りを付けずとも大丈夫と言う判断で間違いないんだな?」
「ええ。そこは間違いないかと」
俺が間髪を入れずにそう答えると、お館様は何かを考えるように一度目を閉じた。
「ファルコ」
「はい」
「――アンジェスに帰るぞ。皆にその用意をさせろ」
ゆっくりと、閉じていた目を開いてそう告げるお館様に、俺はすぐには言葉を返せなかった。
いきなりどうした、と思ったのが表情に出たのだろう。
机に置いていた両手を組み合わせたお館様の目が、静かに眇められた。
「明日、イルヴァスティ子爵令嬢とその母親がバシュラールに行くとさっき言ったが、その翌日にはベルトルド国王も遅れて向かうと、2泊3日の予定で余暇を過ごすと、エヴェリーナ妃が知らせてきた。恐らく――明後日には、エヴェリーナ妃が動いてくるだろう」
エヴェリーナ妃。
王や王子よりも恐ろしい顔を持っていると、あのお嬢さんでさえ怯ませる程の女傑。
ギーレンを真に動かしているのはあの女性ではないかと、お館様さえも唸らせている。
「レイナが色々とやりかけの事を抱えているのは聞いているが、どのみち一週間や二週間で何とかなる話じゃない。だからと言ってギーレンに残すなどとは問題外だし、エヴェリーナ妃とその辺りの落としどころは話し合っている筈だ。イザクの薬は完成させておくべきだろうから、一人例外になるとしても、残りは帰国だ」
「…なるほど」
確かに小説の出版にしろ、シュタムの職人を留学させる話にしろ、明日にでもどうにか出来ると言う話じゃない。
ただ、お館様に合わせて帰国したとしても、手掛けた案件をある程度回せる下地だけは、確かに作っていたと思う。
「仮に帰国したとしても、お嬢さんもお館様並みにやる事が山積みな気が……」
俺は全く意識せずに呟いていたが、その瞬間、確かにお館様のこめかみに青筋が立った。
「――知った事か」
「はい?」
一瞬、聞き違えたかと思ったが、お館様の表情からは、そうではない事が窺い知れた。
「ファルコ。今、おまえが発つ前、北と南の館はどちらか使用されていたか」
「あ…っと。北は空いてましたね。南の方は、今、王都に留まってお館様代理となってるオルヴォとミカ坊っちゃん達が使ってます」
脈絡が読み取れなかった俺は、とりあえず問われたままを答えるしかなかった。
「レイナが持って来た簡易型転移装置はイザクに預けておけば良い。帰るだけならそれで充分な筈だからな。残りはエヴェリーナ妃の許可を得て、ギーレン王宮の〝転移扉〟からアンジェスの王宮に戻る形をとる。皆にもその事を周知させてくれ」
「了解しました」
「それと」
言葉を続けるお館様の目に、一瞬だけ剣呑な光が垣間見える。
予め、逆らう事を許さないと告げている、お館様特有の目だ。
――これはこれで、猛吹雪と同等に怖いのだ。
「王宮で国王陛下に帰国を告げた後は、その日は私とレイナは北の館で休む。公爵邸にも南の館にも、連絡は翌朝まで入れるな」
「―――」
どう言う事かと言いかけた俺は、お館様の無言の威圧をまともに受けて、息を呑んだ。
どうもこうもなかった。
さすがに察してしまった。
「ちなみに護衛は――」
「敷地の外ならば許可する」
マジか、と内心では叫んでも、口には出せない。
氷漬けの代わりか、説教の代わりか。
(聞かなかったコトにしてぇ……)
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