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第三部 宰相閣下の婚約者
747 誰も裁いてはならぬ?
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「まったく……ここまでのことをしでかした割には根性のない……ところでガールシン、医局に眠る『もう一人のナルディーニ』はどんな様子だ?」
アルノシュト伯爵家へ行って、カトル・アルノシュト伯爵令息をたまたま見つけて問答無用で保護してきたくらいなのだから、ナルディーニ侯爵家へ行った者たちが侯爵の実弟クレト・ナルディーニ卿を保護しないはずがないと思っていた。
案の定、国王陛下がそれを仄めかせる声掛けを医局長に対し行っている。
思い切り舌打ちしながらなのは、多分恐怖で失神したと思われるナルディーニ侯爵に対して「情けない」と呆れているからだろう。
いやいや、陛下。
陛下自身か周囲のエドヴァルド、マトヴェイ外交部長あたりが判断の基準になっているなら、もはやナルディーニ侯爵や令息なんかは軟弱の極みにいそうな気がします。根性で済む話じゃないと思います。
一連の風の魔力によるあれやこれやを見ていたら、よほどでなければ恐怖しか覚えないと思うのだけれど。
陛下のその迫力に気圧されていたガールシン医局長も、病人の様子を聞かれるという本来の職務に立ち戻って、ようやく我に返ったようだった。
「は……その、そちらは痺れ薬の過剰摂取によって意識が朦朧としている状態ですので、今は緩和剤を処方しながら薬の毒性を取り除く処置の最中です」
「そうか」
陛下は一見淡々としていたようだけど、微かに眉根を寄せている。
気付けばエドヴァルドも、同じ様な表情を垣間見せている。
症状として知られているかどうかはともかくとして、恐らくクレト卿は繰り返し痺れ茶を飲まされたことによる過量服薬の状態に陥っているということなんだろうなと、私は思った。
麻薬の様に薬に依存していくわけではないから、厳密には過量服薬と言えないのかも知れないけれど、症状としては過剰摂取の状態なのだ。
「話を聞くのは困難と言うことか」
「そうですね……」
陛下の問いかけに、ガールシン医局長は少しだけ考える仕種を見せた。
「会話の出来る時間があったり、かと思えば眠ってしまったり……と言う状態を今は繰り返していますね。無論、会話の出来た時間に聞けたことは書き残しておくよう言ってはありますが」
それでも、意識のハッキリしている時があると言うのはなかなかに驚異的なことではあるらしい。
「よほどあの男性に動かれたくなかったんでしょうね。本家使用人たちから裏を取ったという〝草〟の情報を聞く限りは、薬が切れそうになる都度また飲まされて――と言ったことを繰り返されていたようですから」
そもそも痺れ薬自体、軽微な量なら数時間放っておけばいいし、それなりの量だったなら、一度のことなら緩和剤を飲んで一日眠ればほぼ回復するのだと言う。
それが実弟に対し、繰り返し、それも意識が無くなるまで飲ませるなどと、もはや正気の沙汰とは言い難い。
「……コンティオラ公爵」
何故そこまで、とはエドヴァルドも思ったのかも知れない。
ナルディーニ侯爵父子からはしばらく話を聞けそうにないこともあってか、エドヴァルドはナルディーニ侯爵家の寄り親とも言えるコンティオラ公爵に声をかけていた。
「――――」
テーブルの上で、己の拳を何度も開いたり閉じたりしていたコンティオラ公爵が、エドヴァルドの声につと顔を上げた。
きっと「何か」くらいは答えたんだろう。
こちらにまでは聞こえないけど。
「クレト・ナルディーニの役割は『領主補佐』だったのか? それとも別の役割があったのか?」
イデオン公爵領以外の領とて、当然毎年税の報告があるわけだから、ナルディーニ侯爵領の統治体制がどのようになっていたのか、上に立つコンティオラ公爵ならば把握しているだろうとエドヴァルドは判断したのだ。
「日ごろからその男は兄を止め得る立場にいたと言うことだろう? だから茶葉の流通やジェイの投資詐欺を進めるにあたって、警戒された」
「それは……」
どうやらコンティオラ公爵が現時点で不自由しているのは首から下らしく、ナルディーニ侯爵のように呂律が回らないと言ったほどではないらしかった。
ふむ、と近くでガールシン医局長が公爵をガン見しているのが見えてます。
茶葉の効果をここぞとばかりに確かめないで下さい、医局長……!
「クレト卿は『領主補佐』として、ナルディーニ侯爵領下の管轄領の視察で地方を回っていることが多かったと聞いている。妻子は領都の別邸で、侯爵の家族一家とは付かず離れずの距離で暮らしていると」
もともとナルディーニ侯爵もひどく女癖が悪いだけで、領主としての仕事までを疎かにしていたわけではなかったのだと言う。
最初の頃は地方の現状を自分の目で確認してくる弟と二人、上手く実務を回していたのかも知れない。
それをレイフ殿下への献金資金集めの名の下に、先代エモニエ侯爵夫人にいいようにされてしまったと言うことなんだろうか。
だとすれば、先代エモニエ侯爵夫人は相当な悪女だと言う話になる。
そして兄弟が別々の方向を向いてしまった時、領都に残る弟の妻子は態の良い人質になってしまったんだろう。
「……そういうことか」
そう呟いたエドヴァルドも、きっと同じように考えたに違いなかった。
「陛下、どこまでを連座とするかについては少し考えた方がいいのかも知れません。いえ、侯爵と息子を庇うつもりは爪の先ほどもないのですが」
国王陛下のこめかみがピクリと動いていたからか、機先を制するように陛下に声をかけていた。
「そんな表情をしないで下さい、陛下。いくら害獣除けの罠であれだけ豪快に吹き飛ばしたからと言って免罪になんてなるはずないでしょう。司法が崩壊しますよ。アレは陛下の娯楽。それ以上でも以下でもないでしょうに」
壮大な娯楽。
それでいいのかと思ったのだけれど、長い付き合いであるエドヴァルドとフィルバートとの間は、それでいいのかも知れない。
もしくはそう思わないとやっていられないと、エドヴァルドの方が観念しているのか。
「さすが宰相、理解の深いことだ」
満足げな陛下の影で、エドヴァルドが微かに嘆息しているのが見えたところからすると、多分後者なんだろうな……。
「要はクレト・ナルディーニの容態が落ち着いたところで、本人の様子を見て判断したいということだろう? だがそこにコンティオラ公爵を関わらせるわけにはいかないな。聡明なる宰相殿には理解があろうことと思うが」
「……言わば所属長、関係者に分類されますからね。高等法院のオノレ子爵も首を縦には振らないでしょう」
「その通りだ」
「ですがその論法でいきますと、ヒチル伯爵家の話にはクヴィスト公爵家は関われませんし、コデルリーエ男爵家とダリアン侯爵家の話にはフォルシアン公爵家は関われません。ましてアルノシュト伯爵家の話も考えると、私とて間に入れなくなります。スヴェンテ老公は――」
「――あくまで後見、小公爵は四歳。今回の件を仕切れるような実権はない、か?」
「仰る通りです。五公爵会議すらこれでは成立しません」
誰も裁いてはならぬ、とでも言うような八方塞がりの状況だとも言える。
ふむ……と、口元に手をやりながら国王陛下が宙を仰いだ。
「だが、国王が裁く権利を持つと言う例外を作ってしまうのも、今後のことを思えばあまり褒められたことではないからな……」
元々が、先代・先々代の様な王族の暴走を少しでも食い止めたいがために運営されている五公爵会議なのだ。
いくらサイコパス陛下と言えど、法律まで蔑ろにすればただの暗君。
その辺りの線引きはちゃんと持っているのがフィルバート・アンジェスと言う当代の国王陛下だった。
「ああ、ではこうしようか」
考えているうちに、何かを思い立ったらしい国王陛下が、その場でパチリと指を鳴らした。
「各々該当する家の処遇を決める際には採決に参加をしないこと。その会においてのみ、議長をスヴェンテ老公に担って貰い、会を進めること。議長であれば表立っての復帰とまでは言えんだろうし、誰も文句は言わんだろう」
「五公爵会議の議長をスヴェンテ老公に、ですか」
「おまえの論法を使って、スヴェンテ老公のところだけを割愛しておけば周囲も老公本人も反論のしようがないと思うがな」
「…………」
思わぬ国王陛下からの提案に、虚を突かれたようにエドヴァルドは黙り込んだ。
アルノシュト伯爵家へ行って、カトル・アルノシュト伯爵令息をたまたま見つけて問答無用で保護してきたくらいなのだから、ナルディーニ侯爵家へ行った者たちが侯爵の実弟クレト・ナルディーニ卿を保護しないはずがないと思っていた。
案の定、国王陛下がそれを仄めかせる声掛けを医局長に対し行っている。
思い切り舌打ちしながらなのは、多分恐怖で失神したと思われるナルディーニ侯爵に対して「情けない」と呆れているからだろう。
いやいや、陛下。
陛下自身か周囲のエドヴァルド、マトヴェイ外交部長あたりが判断の基準になっているなら、もはやナルディーニ侯爵や令息なんかは軟弱の極みにいそうな気がします。根性で済む話じゃないと思います。
一連の風の魔力によるあれやこれやを見ていたら、よほどでなければ恐怖しか覚えないと思うのだけれど。
陛下のその迫力に気圧されていたガールシン医局長も、病人の様子を聞かれるという本来の職務に立ち戻って、ようやく我に返ったようだった。
「は……その、そちらは痺れ薬の過剰摂取によって意識が朦朧としている状態ですので、今は緩和剤を処方しながら薬の毒性を取り除く処置の最中です」
「そうか」
陛下は一見淡々としていたようだけど、微かに眉根を寄せている。
気付けばエドヴァルドも、同じ様な表情を垣間見せている。
症状として知られているかどうかはともかくとして、恐らくクレト卿は繰り返し痺れ茶を飲まされたことによる過量服薬の状態に陥っているということなんだろうなと、私は思った。
麻薬の様に薬に依存していくわけではないから、厳密には過量服薬と言えないのかも知れないけれど、症状としては過剰摂取の状態なのだ。
「話を聞くのは困難と言うことか」
「そうですね……」
陛下の問いかけに、ガールシン医局長は少しだけ考える仕種を見せた。
「会話の出来る時間があったり、かと思えば眠ってしまったり……と言う状態を今は繰り返していますね。無論、会話の出来た時間に聞けたことは書き残しておくよう言ってはありますが」
それでも、意識のハッキリしている時があると言うのはなかなかに驚異的なことではあるらしい。
「よほどあの男性に動かれたくなかったんでしょうね。本家使用人たちから裏を取ったという〝草〟の情報を聞く限りは、薬が切れそうになる都度また飲まされて――と言ったことを繰り返されていたようですから」
そもそも痺れ薬自体、軽微な量なら数時間放っておけばいいし、それなりの量だったなら、一度のことなら緩和剤を飲んで一日眠ればほぼ回復するのだと言う。
それが実弟に対し、繰り返し、それも意識が無くなるまで飲ませるなどと、もはや正気の沙汰とは言い難い。
「……コンティオラ公爵」
何故そこまで、とはエドヴァルドも思ったのかも知れない。
ナルディーニ侯爵父子からはしばらく話を聞けそうにないこともあってか、エドヴァルドはナルディーニ侯爵家の寄り親とも言えるコンティオラ公爵に声をかけていた。
「――――」
テーブルの上で、己の拳を何度も開いたり閉じたりしていたコンティオラ公爵が、エドヴァルドの声につと顔を上げた。
きっと「何か」くらいは答えたんだろう。
こちらにまでは聞こえないけど。
「クレト・ナルディーニの役割は『領主補佐』だったのか? それとも別の役割があったのか?」
イデオン公爵領以外の領とて、当然毎年税の報告があるわけだから、ナルディーニ侯爵領の統治体制がどのようになっていたのか、上に立つコンティオラ公爵ならば把握しているだろうとエドヴァルドは判断したのだ。
「日ごろからその男は兄を止め得る立場にいたと言うことだろう? だから茶葉の流通やジェイの投資詐欺を進めるにあたって、警戒された」
「それは……」
どうやらコンティオラ公爵が現時点で不自由しているのは首から下らしく、ナルディーニ侯爵のように呂律が回らないと言ったほどではないらしかった。
ふむ、と近くでガールシン医局長が公爵をガン見しているのが見えてます。
茶葉の効果をここぞとばかりに確かめないで下さい、医局長……!
「クレト卿は『領主補佐』として、ナルディーニ侯爵領下の管轄領の視察で地方を回っていることが多かったと聞いている。妻子は領都の別邸で、侯爵の家族一家とは付かず離れずの距離で暮らしていると」
もともとナルディーニ侯爵もひどく女癖が悪いだけで、領主としての仕事までを疎かにしていたわけではなかったのだと言う。
最初の頃は地方の現状を自分の目で確認してくる弟と二人、上手く実務を回していたのかも知れない。
それをレイフ殿下への献金資金集めの名の下に、先代エモニエ侯爵夫人にいいようにされてしまったと言うことなんだろうか。
だとすれば、先代エモニエ侯爵夫人は相当な悪女だと言う話になる。
そして兄弟が別々の方向を向いてしまった時、領都に残る弟の妻子は態の良い人質になってしまったんだろう。
「……そういうことか」
そう呟いたエドヴァルドも、きっと同じように考えたに違いなかった。
「陛下、どこまでを連座とするかについては少し考えた方がいいのかも知れません。いえ、侯爵と息子を庇うつもりは爪の先ほどもないのですが」
国王陛下のこめかみがピクリと動いていたからか、機先を制するように陛下に声をかけていた。
「そんな表情をしないで下さい、陛下。いくら害獣除けの罠であれだけ豪快に吹き飛ばしたからと言って免罪になんてなるはずないでしょう。司法が崩壊しますよ。アレは陛下の娯楽。それ以上でも以下でもないでしょうに」
壮大な娯楽。
それでいいのかと思ったのだけれど、長い付き合いであるエドヴァルドとフィルバートとの間は、それでいいのかも知れない。
もしくはそう思わないとやっていられないと、エドヴァルドの方が観念しているのか。
「さすが宰相、理解の深いことだ」
満足げな陛下の影で、エドヴァルドが微かに嘆息しているのが見えたところからすると、多分後者なんだろうな……。
「要はクレト・ナルディーニの容態が落ち着いたところで、本人の様子を見て判断したいということだろう? だがそこにコンティオラ公爵を関わらせるわけにはいかないな。聡明なる宰相殿には理解があろうことと思うが」
「……言わば所属長、関係者に分類されますからね。高等法院のオノレ子爵も首を縦には振らないでしょう」
「その通りだ」
「ですがその論法でいきますと、ヒチル伯爵家の話にはクヴィスト公爵家は関われませんし、コデルリーエ男爵家とダリアン侯爵家の話にはフォルシアン公爵家は関われません。ましてアルノシュト伯爵家の話も考えると、私とて間に入れなくなります。スヴェンテ老公は――」
「――あくまで後見、小公爵は四歳。今回の件を仕切れるような実権はない、か?」
「仰る通りです。五公爵会議すらこれでは成立しません」
誰も裁いてはならぬ、とでも言うような八方塞がりの状況だとも言える。
ふむ……と、口元に手をやりながら国王陛下が宙を仰いだ。
「だが、国王が裁く権利を持つと言う例外を作ってしまうのも、今後のことを思えばあまり褒められたことではないからな……」
元々が、先代・先々代の様な王族の暴走を少しでも食い止めたいがために運営されている五公爵会議なのだ。
いくらサイコパス陛下と言えど、法律まで蔑ろにすればただの暗君。
その辺りの線引きはちゃんと持っているのがフィルバート・アンジェスと言う当代の国王陛下だった。
「ああ、ではこうしようか」
考えているうちに、何かを思い立ったらしい国王陛下が、その場でパチリと指を鳴らした。
「各々該当する家の処遇を決める際には採決に参加をしないこと。その会においてのみ、議長をスヴェンテ老公に担って貰い、会を進めること。議長であれば表立っての復帰とまでは言えんだろうし、誰も文句は言わんだろう」
「五公爵会議の議長をスヴェンテ老公に、ですか」
「おまえの論法を使って、スヴェンテ老公のところだけを割愛しておけば周囲も老公本人も反論のしようがないと思うがな」
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