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第三部 宰相閣下の婚約者
748 狂ってしまった王位継承権
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ヒチル伯爵家の話にはクヴィスト公爵家は関われず。
コデルリーエ男爵家とダリアン侯爵家の話にはフォルシアン公爵家は関われず。
アルノシュト伯爵家の話にはイデオン公爵家は関われず。
ナルディーニ侯爵家、エモニエ侯爵家、ブロッカ子爵家の話にはコンティオラ公爵家は関われず。
何だか古代中国の「五行相剋」理論の様にぐるぐると話が回っている。
だけど親族あるいは関係者が、高等法院における裁きの場には関わってはならないとされる司法の大原則に照らし合わせれば、今回の件はスヴェンテ公爵家しか完全なる中立の立場にないと言う話になるのも、また確かだ。
その上クヴィスト公爵家に至っては、当主がサレステーデの王位継承権争いに巻き込まれての不慮の死をとげたばかりで、それさえも三国会談まで王宮の外への公式発表は差し控えられている状態。
更に長男シェヴェスが次期クヴィスト公爵となることが内々に決定しているとは言え、こちらもスヴェンテ老公とは別の意味で五公爵会議における権限をまだ持っていない上に、本人の公爵家当主としての力量は全くの未知数ときている。
「高等法院案件にまで発展しなければ、それぞれの領地を管理する公爵家当主の裁量で裁けたんでしょうが……」
エドヴァルドの呟きは、もはや愚痴だ。
国王陛下も「今更だな」と、にべもなかった。
「分かっています。この後スヴェンテ老公に登城を促す使者を出します。それと陛下、これはあくまで私からの提案ですが――」
深いため息をひとつ吐き出した後で、エドヴァルドはチラリとレイフ殿下を見ながら、再度国王陛下の方へと向き直っていた。
「スヴェンテ老公に五公爵会議の議長を引き受けて貰う件と併せて、テオドル大公殿下の臨時の大公位復帰を延長、あるいは正式な復帰として取り扱っていただきたいのですが」
「……うん?」
「このままいけば、この王宮に住まう王族は陛下お一人になります。さすがに対外的に我が国がどう見られるかと言ったところも含めて、それは避けたいのですが」
レイフ殿下がサレステーデに永久赴任状態になることも、上層部の間では既に周知のこととなっており、恐らく殊ここに至っては、本人もそれを理解している。
政変で第一王子、第二王子が命を落とし、既に充分に高齢だった王族のトーレン前宰相が鬼籍に入り、それと時期を同じくしてテオドル大公がアンディション侯爵として臣籍降下の道を選んだ。
その時点でアンジェス王宮の王族は、第三王子フィルバートとフィルバートの叔父、先代の王の弟であるレイフ殿下とその家族しか残っていなかったにもかかわらず、サレステーデの王子王女の来訪からの一連の出来事で、事実上レイフ殿下の王位継承権は剝奪されたのだ。
エドヴァルドの言う「一人になる」とは、そういうことだった。
「……ああ」
ただ、十中八九その辺りに関心がなかったであろう当代の国王は、エドヴァルドの指摘に「言われて見れば」とでも言わんばかりの意外そうな表情を浮かべていた。
「だがテオドル大公が首を縦に振るか? あの御仁はおまえの領地に夫人と引きこもりたがっていただろう」
「アンディション侯爵領の館は、一時的に王家の離宮扱いにでも何でもして貰って構いませんよ。もともとが臣籍降下する王族のための受け皿としての爵位なんですから。今更大公殿下の子供や孫の世代にまでは復帰は強要出来ませんし、そこまでしてしまっては本人も引き受けないでしょうから、だから本人と夫人だけの話として、なんとか」
「ふうん……」
「お一人ではさすがに王族としての公務が回らないと思いますが」
「…………」
「宰相権限の拡大解釈はお断りしますよ。だいたいが、私の王位継承権は五公爵の中ではコンティオラ公爵家の次くらいには遠い」
遠いどころか、エドヴァルドの本来の血筋から言えばアンジェス国における王位継承権すら存在しないのだけれど、それを知るのは本人と恐らくは私だけだ。
エドヴァルドのダメ押しに、さすがのフィルバートも黙り込んだ。
レイフ殿下夫妻が外に出てしまえば、残る王族は庶子とは言えクレスセンシア姫になるだろうけど、その彼女もギーレンのメッツァ辺境伯家への輿入れが決まって、既に辺境伯家の正夫人としての教育も向こうで始まっている。
レイフ殿下の「次」がどうなっているのか、そう言えば私は聞いたことがなかったかも知れない。
「…………次は誰になるんだ、宰相?」
「…………」
そして私と同じ疑問を陛下が持っていると言うのは、そっちはだいぶマズイんじゃないのかと思うんだけど。
案の定、問われたエドヴァルドの方がちょっと呆れている。
「臣籍降下をした者、その子や孫で貴族籍を離れた者は最も後ろに順位は回ります。ただ血が濃いというだけで王族を名乗っていては、統治の根幹が揺らぎます」
つまりはテオドル大公夫妻の娘、孫世代は現時点では血筋云々ではなく、貴族ではないと言うただ一点において、王位継承権はよほど該当者が全滅をしない限りは回ってこないということになる。
テオドル大公の孫婿であるイフナース・クインテン青年を見ている限りは、今更愛する妻にそんな地位はいらないとしか言わないだろうけど、根本の制度としてそうなっているということだ。
「当然テオドル大公に正式に復位をしていただければ、大公殿下が陛下の次になる。まあそこはともかくとして、その次、五公爵家はどの家も祖先の誰かが王家に血を入れている系譜がある。ですから五公爵家の当主がそこに該当していくことになるでしょう」
とは言えコンティオラ公爵家はここ何代も王家に血を入れていない。
トーレン前宰相の母親がイデオン公爵家の出身だったと言う点で、家系図上はイデオン公爵家がその次に遠いと見做されている。
スヴェンテ公爵家は本来であれば第二王子妃がスヴェンテ公爵家ゆかりの侯爵令嬢であったはずが、子どものいないまま政変によって王家からは抜けてしまったため、その次に遠い扱いとなる。
あとはレイフ殿下の正妃ビルギッタ妃がクヴィスト公爵家の血を引いており、今までであれば彼女の血筋に連なる者、クヴィスト公爵家の者が次の王冠に近くなるはずだったが、こちらも夫と共にサレステーデに行ってしまえば、やはり継承権からは遠ざかることになる。
「テオドル大公殿下の妻であるユリア夫人、彼女がフォルシアン公爵家の血筋に連なる方だったはずです。ですので、テオドル大公が復位をすればもちろんのこと、それを拒絶された場合においても、次の継承権はフォルシアン公爵家当主が受け持つことになるでしょう」
「なっ……私か⁉」
どうやら、フィルバート現国王がまだ30歳になったばかりであることもあってか、結婚して子供が出来るか養子でも迎えれば――といったところで、誰もまだその次のことを深く考えてはいなかったらしい。
イル義父様でさえ、ギョッとしたように声を上げているのだから、まさか現時点で自分が大公殿下の次に王位に近いなどと思ってもいなかったんだろう。
「今回の一連の事件で継承権の順番が狂った。よほどのことがない限りは大公殿下が陛下の後に王位を継ぐことはないだろうから、事実上次の王は貴公と言う扱いになる、フォルシアン公爵」
大公殿下の年齢を考えれば、そうだろうなと思う。
誰もさすがに、それを失礼だとはエドヴァルドに指摘しなかった。
「…………もっと早く分かっていれば、サレステーデの王族を更に完膚なきまでに叩きのめしてやったものを。いや、ナルディーニ侯爵家と先代エモニエ侯爵夫人にも原因があるのか?」
長い沈黙の後で、そう零したイル義父様の目は、笑ってはいなかった。
フォルシアン公爵としての公務もあり、息子ユセフはと言えば現在高等法院職員であり、フォルシアン家の公務を手伝える状況にもない。
この上、アンジェス王家の公務など回されていてはたまらない、と言ったところなのかも知れない。
「こうなったら、やはり陛下に相応しい令嬢を早く娶っていただくか……?」
なんてことをぶつぶつと呟いているイル義父様の声が、私の耳にも聞こえてくる。
「……まあ、王位継承権がどうと言う話は一連の裁判のあとでも良かろうよ。まずはここにいる連中を裁くのが先だ。スヴェンテ老公とテオドル大公の説得は、おまえたちで引き受けてくれるのだろう?」
「「「…………」」」
イデオン、フォルシアン、コンティオラ。
三人の公爵は、黙って国王陛下に頭を下げるよりほかなかった。
コデルリーエ男爵家とダリアン侯爵家の話にはフォルシアン公爵家は関われず。
アルノシュト伯爵家の話にはイデオン公爵家は関われず。
ナルディーニ侯爵家、エモニエ侯爵家、ブロッカ子爵家の話にはコンティオラ公爵家は関われず。
何だか古代中国の「五行相剋」理論の様にぐるぐると話が回っている。
だけど親族あるいは関係者が、高等法院における裁きの場には関わってはならないとされる司法の大原則に照らし合わせれば、今回の件はスヴェンテ公爵家しか完全なる中立の立場にないと言う話になるのも、また確かだ。
その上クヴィスト公爵家に至っては、当主がサレステーデの王位継承権争いに巻き込まれての不慮の死をとげたばかりで、それさえも三国会談まで王宮の外への公式発表は差し控えられている状態。
更に長男シェヴェスが次期クヴィスト公爵となることが内々に決定しているとは言え、こちらもスヴェンテ老公とは別の意味で五公爵会議における権限をまだ持っていない上に、本人の公爵家当主としての力量は全くの未知数ときている。
「高等法院案件にまで発展しなければ、それぞれの領地を管理する公爵家当主の裁量で裁けたんでしょうが……」
エドヴァルドの呟きは、もはや愚痴だ。
国王陛下も「今更だな」と、にべもなかった。
「分かっています。この後スヴェンテ老公に登城を促す使者を出します。それと陛下、これはあくまで私からの提案ですが――」
深いため息をひとつ吐き出した後で、エドヴァルドはチラリとレイフ殿下を見ながら、再度国王陛下の方へと向き直っていた。
「スヴェンテ老公に五公爵会議の議長を引き受けて貰う件と併せて、テオドル大公殿下の臨時の大公位復帰を延長、あるいは正式な復帰として取り扱っていただきたいのですが」
「……うん?」
「このままいけば、この王宮に住まう王族は陛下お一人になります。さすがに対外的に我が国がどう見られるかと言ったところも含めて、それは避けたいのですが」
レイフ殿下がサレステーデに永久赴任状態になることも、上層部の間では既に周知のこととなっており、恐らく殊ここに至っては、本人もそれを理解している。
政変で第一王子、第二王子が命を落とし、既に充分に高齢だった王族のトーレン前宰相が鬼籍に入り、それと時期を同じくしてテオドル大公がアンディション侯爵として臣籍降下の道を選んだ。
その時点でアンジェス王宮の王族は、第三王子フィルバートとフィルバートの叔父、先代の王の弟であるレイフ殿下とその家族しか残っていなかったにもかかわらず、サレステーデの王子王女の来訪からの一連の出来事で、事実上レイフ殿下の王位継承権は剝奪されたのだ。
エドヴァルドの言う「一人になる」とは、そういうことだった。
「……ああ」
ただ、十中八九その辺りに関心がなかったであろう当代の国王は、エドヴァルドの指摘に「言われて見れば」とでも言わんばかりの意外そうな表情を浮かべていた。
「だがテオドル大公が首を縦に振るか? あの御仁はおまえの領地に夫人と引きこもりたがっていただろう」
「アンディション侯爵領の館は、一時的に王家の離宮扱いにでも何でもして貰って構いませんよ。もともとが臣籍降下する王族のための受け皿としての爵位なんですから。今更大公殿下の子供や孫の世代にまでは復帰は強要出来ませんし、そこまでしてしまっては本人も引き受けないでしょうから、だから本人と夫人だけの話として、なんとか」
「ふうん……」
「お一人ではさすがに王族としての公務が回らないと思いますが」
「…………」
「宰相権限の拡大解釈はお断りしますよ。だいたいが、私の王位継承権は五公爵の中ではコンティオラ公爵家の次くらいには遠い」
遠いどころか、エドヴァルドの本来の血筋から言えばアンジェス国における王位継承権すら存在しないのだけれど、それを知るのは本人と恐らくは私だけだ。
エドヴァルドのダメ押しに、さすがのフィルバートも黙り込んだ。
レイフ殿下夫妻が外に出てしまえば、残る王族は庶子とは言えクレスセンシア姫になるだろうけど、その彼女もギーレンのメッツァ辺境伯家への輿入れが決まって、既に辺境伯家の正夫人としての教育も向こうで始まっている。
レイフ殿下の「次」がどうなっているのか、そう言えば私は聞いたことがなかったかも知れない。
「…………次は誰になるんだ、宰相?」
「…………」
そして私と同じ疑問を陛下が持っていると言うのは、そっちはだいぶマズイんじゃないのかと思うんだけど。
案の定、問われたエドヴァルドの方がちょっと呆れている。
「臣籍降下をした者、その子や孫で貴族籍を離れた者は最も後ろに順位は回ります。ただ血が濃いというだけで王族を名乗っていては、統治の根幹が揺らぎます」
つまりはテオドル大公夫妻の娘、孫世代は現時点では血筋云々ではなく、貴族ではないと言うただ一点において、王位継承権はよほど該当者が全滅をしない限りは回ってこないということになる。
テオドル大公の孫婿であるイフナース・クインテン青年を見ている限りは、今更愛する妻にそんな地位はいらないとしか言わないだろうけど、根本の制度としてそうなっているということだ。
「当然テオドル大公に正式に復位をしていただければ、大公殿下が陛下の次になる。まあそこはともかくとして、その次、五公爵家はどの家も祖先の誰かが王家に血を入れている系譜がある。ですから五公爵家の当主がそこに該当していくことになるでしょう」
とは言えコンティオラ公爵家はここ何代も王家に血を入れていない。
トーレン前宰相の母親がイデオン公爵家の出身だったと言う点で、家系図上はイデオン公爵家がその次に遠いと見做されている。
スヴェンテ公爵家は本来であれば第二王子妃がスヴェンテ公爵家ゆかりの侯爵令嬢であったはずが、子どものいないまま政変によって王家からは抜けてしまったため、その次に遠い扱いとなる。
あとはレイフ殿下の正妃ビルギッタ妃がクヴィスト公爵家の血を引いており、今までであれば彼女の血筋に連なる者、クヴィスト公爵家の者が次の王冠に近くなるはずだったが、こちらも夫と共にサレステーデに行ってしまえば、やはり継承権からは遠ざかることになる。
「テオドル大公殿下の妻であるユリア夫人、彼女がフォルシアン公爵家の血筋に連なる方だったはずです。ですので、テオドル大公が復位をすればもちろんのこと、それを拒絶された場合においても、次の継承権はフォルシアン公爵家当主が受け持つことになるでしょう」
「なっ……私か⁉」
どうやら、フィルバート現国王がまだ30歳になったばかりであることもあってか、結婚して子供が出来るか養子でも迎えれば――といったところで、誰もまだその次のことを深く考えてはいなかったらしい。
イル義父様でさえ、ギョッとしたように声を上げているのだから、まさか現時点で自分が大公殿下の次に王位に近いなどと思ってもいなかったんだろう。
「今回の一連の事件で継承権の順番が狂った。よほどのことがない限りは大公殿下が陛下の後に王位を継ぐことはないだろうから、事実上次の王は貴公と言う扱いになる、フォルシアン公爵」
大公殿下の年齢を考えれば、そうだろうなと思う。
誰もさすがに、それを失礼だとはエドヴァルドに指摘しなかった。
「…………もっと早く分かっていれば、サレステーデの王族を更に完膚なきまでに叩きのめしてやったものを。いや、ナルディーニ侯爵家と先代エモニエ侯爵夫人にも原因があるのか?」
長い沈黙の後で、そう零したイル義父様の目は、笑ってはいなかった。
フォルシアン公爵としての公務もあり、息子ユセフはと言えば現在高等法院職員であり、フォルシアン家の公務を手伝える状況にもない。
この上、アンジェス王家の公務など回されていてはたまらない、と言ったところなのかも知れない。
「こうなったら、やはり陛下に相応しい令嬢を早く娶っていただくか……?」
なんてことをぶつぶつと呟いているイル義父様の声が、私の耳にも聞こえてくる。
「……まあ、王位継承権がどうと言う話は一連の裁判のあとでも良かろうよ。まずはここにいる連中を裁くのが先だ。スヴェンテ老公とテオドル大公の説得は、おまえたちで引き受けてくれるのだろう?」
「「「…………」」」
イデオン、フォルシアン、コンティオラ。
三人の公爵は、黙って国王陛下に頭を下げるよりほかなかった。
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