異国のひと~明治二十五年恋物語~
日本で暮らす紫吹星良(しぶきせら)の元に、ある日イギリスから一人の青年が訪ねてくる。
一冊の日記をその手に携えて。
それは青年の、亡くなった曾祖母が書いたものだったそうだが、最近祖父が亡くなって、初めて遺品として見つかったのだと言う。
日記の最初のページには「この日記を読んで、書いた者の想いを汲んで欲しい」と書かれている。
星良は好奇心を押さえられず、そのページをめくった――。
――明治二十五年――
「旧世代の弊害を取り除け」との掛け声の中、時の政府が海の向こうにある国から人を招いて、他国への「追いつけ追い抜け」政策を推進していた頃。
優秀な外国人を国内に留めるためには結婚だと、妙齢の令嬢との縁組が幾つも組まれ――紫吹琴星(ことせ)とハウディート・フォーレンとの婚約も、そうして成立した。
代々鉱山経営を家業とし、鉱脈の発見に特別な能力を発揮する紫吹家と、鉱山学者で地震学者、幅広い地震学や耐震の研究を行うフォーレンとの婚姻は、国を富ませるのにうってつけの組み合わせだと、当時判断されたのだ。
だが、鉱脈を読むという紫吹家の特別な血を色濃く繋いでゆきたい当主・星樹(せいじゅ)にとっては、この結婚には不満しかなく、裏で破談にすべく密かに動き始める。
フォーレンが嘱託として名を連ねていた震災予防調査会を縮小させ、イギリスへの帰還を促す傍ら、別の女性を近付けたり、自らが琴星を囲い込もうと手を回す。
追い詰められていく二人が取る行動は――。
※アニバーサリーカップ用に「カクヨム」掲載分とは少し設定を変えています。
一冊の日記をその手に携えて。
それは青年の、亡くなった曾祖母が書いたものだったそうだが、最近祖父が亡くなって、初めて遺品として見つかったのだと言う。
日記の最初のページには「この日記を読んで、書いた者の想いを汲んで欲しい」と書かれている。
星良は好奇心を押さえられず、そのページをめくった――。
――明治二十五年――
「旧世代の弊害を取り除け」との掛け声の中、時の政府が海の向こうにある国から人を招いて、他国への「追いつけ追い抜け」政策を推進していた頃。
優秀な外国人を国内に留めるためには結婚だと、妙齢の令嬢との縁組が幾つも組まれ――紫吹琴星(ことせ)とハウディート・フォーレンとの婚約も、そうして成立した。
代々鉱山経営を家業とし、鉱脈の発見に特別な能力を発揮する紫吹家と、鉱山学者で地震学者、幅広い地震学や耐震の研究を行うフォーレンとの婚姻は、国を富ませるのにうってつけの組み合わせだと、当時判断されたのだ。
だが、鉱脈を読むという紫吹家の特別な血を色濃く繋いでゆきたい当主・星樹(せいじゅ)にとっては、この結婚には不満しかなく、裏で破談にすべく密かに動き始める。
フォーレンが嘱託として名を連ねていた震災予防調査会を縮小させ、イギリスへの帰還を促す傍ら、別の女性を近付けたり、自らが琴星を囲い込もうと手を回す。
追い詰められていく二人が取る行動は――。
※アニバーサリーカップ用に「カクヨム」掲載分とは少し設定を変えています。
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