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獣人編

逃亡者、女性に貢ぐ

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僕達は買い物をするため街に繰り出す

「サラさん、出来るだけ獣人に対して差別意識の無い店に案内してもらってもいいですか?」

「私の知る限りになってしまいますがよろしいでしょうか?」

「構いませんよ。前もって知っていれば教えてください」

「わかりました。今日は何をお探しですか?」

「家具は大体揃ってたから、衣服と食材あと装備品かな。買いに行く前にサラさんに僕のスキルを見せておくね」

僕は収納から物を出し入れする

「収納ってスキルなんだけど、ちょっと容量が大きいから他の人には内緒にしておいてね。フィルとフェンも内緒にしておいてね。」

サラさんとフィルは頷く。フェンはよくわかってなさそうだけどフィルに任せよう

「買い物に便利ですね。まずは衣服から見に行きますか?私も利用している店があります。その店の店主は獣人に対して差別はしてなかったはずです」

「その店から行こうか」

僕達はサラさんの案内で店に向かう

途中、フィルとフェンを蔑んだ目で見る人がちらほらといたが無視して進む。

「直接手を出してきても僕が守るから安心してね」
僕はフィルとフェンに声を掛ける

「「…うん」」
2人は震えながも返事をする

その後も直接絡んでくる人はおらず無事に衣服屋に到着する

「いらっしゃいませ、何をお求めでしょうか?」

「この子達に服を見繕って下さい」
僕はミアとフィルとフェンを見る

「かしこまりました。どういった服をご所望ですか?」

「普段着用の汚れてもいいやつを数枚と外行き用を金貨2枚まででお願い出来ますか?」

僕の言葉にミアとフィルから反論がくる

「そんなに高いのもらえないよ」
「お兄ちゃん、感覚がズレてるよ」

「……じゃあ金貨1枚まででお願いします」

「…金貨1枚まででよろしいでしょうか?」
店員さんに聞かれる。
僕に聞いてるはずなのに店員さんの意識はミアとサラさんに向いてる気がする

僕はミアを見る。しょうがないなぁみたいな顔をされた

「…はい。お願いします」

「あと、僕の服は自分で選びますのでこの辺りを見させて下さい。」
僕のは安いのを適当でいいや

「かしこまりました。決まりましたらこちらに持ってきて下さい。」

「サラさんはどうしますか?」

「え?」

「自分で選びますか?」

「いえ、服は持ってますので大丈夫です。」

僕は無視する
「すいませーん。この人に似合う服をお願いします」

「ご予算はどのくらいでしょうか?」
店員さんがすぐにやってくる

「銀貨20枚くらいでお願いします」
僕は金額を提示する

「いえ、頂けませんよ」

強情だな。素直にもらって欲しいんだけどね
「銀貨30枚でお願いします」

「…増えてますよ?」

「欲張りですね。銀貨40枚でどうですか?」

「……わかりました。ハイトさんが選んだ頂いた服でお願いします」

しまった。やりすぎたかな…

「……店員さん、この人に「ハイトさんに選んで欲しいです」ふ…くを」

怒っては……いないか。おちょくられてるな
「わかったよ。僕のセンスを信じて待ってて」

自業自得な気もするけど逃げ道を失ったな

僕は悩みに悩んだ挙句、白のワンピースとピンクのカーディガンを選んだ。

試着してもらう。うん、似合ってるな。まあサラさんスタイルいいから何着ても似合うと思うけど

「うん。似合ってるよ」

「ありがとうございます。本当にこんなに高い物を頂いていいんですか?」
サラさんが困惑しながら聞いてくる。

「もちろんですよ」
なんだかんだで嬉しそうでよかった。

僕が適当に自分の服を選んでいると、子供達3人の服も選び終わった。

「お買い上げありがとうございます。お会計が全部で金貨1枚と銀貨80枚になります。細かいのはサービスしておきました。」

店員さんにいい笑顔で伝えられる
あれ?思ったより高いな

ミアがジトっと見てくる

えーと、子供達3人で金貨1枚、僕の服は大体銀貨20枚しないくらいだから…サラさんの服が高いのか。
値段見てなかったな。

「じゃあ金貨2枚からでお願いします」
僕は店員さんに代金を渡す

「お兄ちゃん、後でお話があります」
ミアが御立腹です

「はい」

僕達は服を衣服屋を後にする

「次はどこに向かいましょうか?」

「装備品と食材どっちの店が近い?」

「近くに市場があります。ただそこの市場に限らずに商業ギルドの管轄は獣人に対して差別意思が強いように感じます」

獣人への認識をなんとかするには商業ギルドをどうにかするしかないのかな
「他のところで買う事は出来ないかな?」

「少し高くなってしまいますが、食材を扱っている商店があります。高い分、質は確かです」

「じゃあそっちに行こうか」
高くても気持ちよく買い物したいからね

僕達は商店に向かう

そこにはかなり大きい店が構えていた

「いらっしゃいませ!本日は何をお求めでしょうか?」
少しデップリした店主に迎えられる

並んでいる商品を鑑定すると確かに物は良さそうだ。
「食材を買いに来ました。金貨2枚分種類多めで選んで欲しいです」

ミアにまたか…みたいに呆れ顔で見られるが今回は僕にも言い分がある。

「収納の中では腐らないから食材はあるに越した事はないよ。僕の立場的にも出来るだけ多く持っておきたいんだよ」
店主には聞こえないように小声でミアに言う

「それならいいけど…」

よし、説得に成功したな

「食材に限らず、みんなも欲しいものがあったら言ってね。サラさんもね」
サラさんは言っとかないと欲しいものがあったとしても我慢しそうだからね

僕達は店主が食材を選んでる間に店の中を見て回る。
そこで気になる物を僕は見つける

スキル書
使用するとスキルを獲得出来る書物
獲得経験値1/2

「お客様、その商品はおすすめしませんよ。確かにスキルを得ることが出来るんですがバッドスキルを得ることの方が多いんです。そのリスクを負った割に良いスキルを得ても微妙なスキルが多いんですよ」

「そうなんですね。スキルを得られるのにこの金額はやすいなぁと思ったんですがそうゆうカラクリなんですね」

「ダンジョンから出た物は良くも悪くも変わった物が多いんだよ」

僕はスキル書の中から2冊選んで購入することにする。
「何かあった時のお守り代わりで買っときます」

「物好きな人ですね。私は商品が売れて助かりますがね」

鑑定が使える僕には宝の山にしか見えなかったけどね
まあ、店員が言う通りほとんどはバッドスキルかガラクタのようなスキルだったけど

僕が選んだスキル書は[獲得経験値1.2倍][空間魔法]の2つ

こんなにいいスキルを得られて2冊で銀貨20枚なんてお買い得すぎる。

食材の準備が終わる頃にはみんなも遠慮しながらも欲しい物を選んだようなのでお金を支払って店を後にする

「最後は装備品ですね。装備品はどこの店がいいのか私はわかりません。」

「それなら、繁盛してそうな店に入るしかないかな」

僕も知らないからしょうがないね。入ってみていい感じの店だったらそこで買うとしようかな

「それでは裏通りに鍛冶屋が多く並んでるのでまずはそこに行ってみましょうか?」

サラさんの提案で僕達は裏通りに行くことにする
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