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VOL:24 幌馬車から脱走
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メアリが出立すると聞いてサーシャは貯めた金を握りしめてあのカフェにやってきた。
カヌレを買うと、小袋に入った珈琲豆も販売している事に気が付き一緒に購入した。
メアリのリクエストにメアリの家族がお金を出し合ってあの日はカフェに来た。
メアリはサーシャを迷うことなく誘ってくれた。
なのに全く味を感じる事も出来なかった。
カフェの中はあの日と変わらないけれど、気分的にスッキリすると何も気にならない。あれはビアンカとエルサが原因であってカフェには問題はないのだ。
店の外に出るとラウロが待ってくれていた。
甘いものは苦手というラウロはケーキショップなども店内の香りが苦手。
今日も店には入らずにサーシャを待ってくれていた。
「買えたか?」
「買えました~。ラウロの分も買ったから帰ったら一緒に食べましょう」
「甘いものは苦手だと言っただろう?」
「思っているほど甘くないわよ?」
「サーシャの甘くないと俺の甘くないは雲泥の差があるんだけどな」
「だと思って珈琲豆も買ったの。挽き立ては香りが違うんだから」
「だが、コーヒーミルなんて何処にあるんだ?」
「市場に‥‥あっ!!」
すっかり忘れていた。市場にはせめて癒されて欲しいと市場長がコーヒーミルを買ってくれたがこんな事でもなければ珈琲豆など買う事もない。
市場は仲買商会が多く入るので販促品として珈琲があるだけなのだ。
その市場ももう副王都の市場に移るので行く事もない。
「仕方ないなぁ。どこで売ってるんだ?買ってやるよ」
「ううん・・・返品してくる」
「無理だろ。綺麗に包んでくれてるじゃないか」
「そうね…あぁもう!失敗しちゃった!」
「失敗ってのは成功にもなるんだ。ミルがあれば問題ないんだろ?」
「でも、コーヒーミルって結構お値段するのよ?」
「行ってみないと判らないだろ?どうせ俺が買うんだから選んでくれればいいさ」
辺境警備を生業としていたラウロ。実は貯金はかなりある。
酒を飲んでいては逃げ遅れる事もあるし、いつ戦闘が始まるかも判らないので酒は付き合いで飲む程度。家にいる時しか出来ないと、王都に帰ってきている時は草むしりや家の修理で遊びに行く事もない。
娼館も出向いた先で病気が流行っていると聞いてからは行っていない。
何よりサーシャに色々と買ってやることが楽しくて癖になりそうだった。
店に行ってみると、サーシャが思っていた価格帯のものもあるが主流は3千~5千クルの品。
それでもサーシャには高価である事は変わりないが取っ手にカエルが付いたものと、シンプルなミルをラウロは1つづつ購入し、カエルがついたものは爬虫類系の肌質が好きなメアリに贈る事にした。
「ほら、あの子は爬虫類好きって言ってだろ」
「カエルは爬虫類じゃなくて両生類なんだけど…それに好きなのは肌質よ?」
「良いんだよ!クマ類とかキツネ類じゃないんだからさ」
「それ・・・根本から違――」
「気にすんな!カエルだってゲーコゲーコとかキュキュとか声も違うだろ」
さりげなくサーシャに買ったのは2人分用。
サーシャの母は珈琲は飲めないが父とファルコに挽けば、もう一度挽かねばならない。
「俺の分も挽いてくれればいいからさ」
「え?クルクルするのラウロさんよ?」
「俺なの?!」
「どうせ暇でしょう?あ、物置の屋根から雨漏りしてるっておじさまが言ってた」
「物置?あぁあれは雨漏りじゃなくて屋根に上がった時に踏み抜いたから穴があるんだ。だから漏ってるんじゃなくて雨がそのまま入ってんだよ」
「・・・・」
そんな2人から少し離れた場所、鉄格子を幌で隠した馬車がゆっくりと過ぎていく。
鉄格子の中にはフランクだけが横たわり、あと4人はコンパクトに丸まって座っていた。
ガタっと小石を車輪が跳ねるたびに人間も跳ねる。
ハゼーク侯爵家の東の領に行く馬車だった。
「水・・・くれよ」
フランクの小さな声に誰も反応しない。ガタガタと大きな音もするので聞こえないのだ。
体のあちこちにある痣もたいぶ黄色くなっているが継接ぎのようになった顔は金が払えず消毒も不十分で黄色い膿を含んで赤黒く腫れあがった箇所もある。
ビアンカもエルサも気味悪がってフランクからは物理的に距離を取っていた。
「フランク。こっち向けよ」
アベルは揺れる馬車の中でただ一人フランクに声を掛け、裂け目から口に流れそうになった膿を拭き取る。
発熱しているフランクに時間を見て水を飲ませるが、その水も自分たちで汲みに行くことは出来ず王都を出たら休憩地で御者に頼まねばならない。
まともな湧き水になるか、地面の水溜りの水になるか。
フランクに水を飲ませながら、アベルもまた逃げる事を考えていた。
アベルの計画を台無しにしたのはビアンカとエルサ。
話しかけて来ても視線も合わさず、声も返す事はないが病人のフランクまで放っておけるほどアベルは人でなしにはなれなかった。
「くそっ!予定が違うじゃないか!」
リヒトは休憩地では縄は付けられていても馬車からは下ろされるだろう。そう考えていたのだが甘かった。食事も水も格子の間から入れられるだけで排泄ですら外で済ませる事を許しては貰えないのだ。
これでは湖に来た時に逃げる事が出来ない。
悶々としながら幾夜か過ぎて幌の隙間から湖の湖岸を走っている事に気が付いたリヒトは焦った。逃げるとすれば今夜か明日か。それを過ぎれば荒野で走って逃げるしかないが、その姿を隠す場所も無い。
夜になり、湖の畔は湖水の関係もあってヒンヤリとしていた。
真夜中、アベルが幌の隙間から御者を呼んだ。
「どうしたんだ?」
「フランクが震えてるんなんだ。熱も高かったし…フランクだけでいい。火の側にいさせてやってくれないだろうか」
アベルの小さな声にビアンカもエルサも寝入ってしまって気が付いていない。
リヒトは寝ているふりをして聞き耳を立てていた。
「仕方ないな。そいつだけだぞ。俺らも途中で死なれたら目覚めが悪いからな」
「ありがとう。恩にきる」
アベルの声に御者は鉄格子の入り口側にある幌をあげた。
――行くなら今しかない――
アベルがフランクを起こし、尻を擦るように格子から抜けるのをアベルは手伝っていた。先にフランクの足が出て、胴体、頭と出た所で、リヒトはそこに向かって飛び込むようにして突っ込んだ。
「うわぁ!!」
リヒトに飛び掛かられた御者は尻もちをついた。脇にいた2人の御者も突然の事に驚いて動きが止まった。前転で受け身をとったリヒトは起き上がって走り出し、勢いをつけて湖に飛び込んだ。
ザバーン!!リヒトが湖に飛び込んだ音に御者は焚火から火を取って、リヒトが走って行った方向に向かった。
「リヒト、ご苦労さん。脱走ってのは頭を使わないと生き残れないぜ?」
リヒトが何処かで脱走しようとしているのは判っていた。
高位貴族で次期当主と言われたアベルやフランクは表情から読み取られないように無表情であれと鍛えられるが、リヒトはなったとしても伯爵家の当主。表情に出まくっていた。
が、アベルも脱走は考えたが鉄格子の中から休憩中どころか一切出して貰えないとなればと考えリヒトを利用することにした。敢えてリヒトに聞こえるように御者を呼び、アベルも1回しかないであろう機会を狙っていた。
利用するのなら自力で遠くに行くのは無理。手薄になった時に馬を奪うのが一番だ。
アベルは鉄格子が開かないようにカンヌキになるよう太い木を差し込むと、倒れたままになったフランクの頬を叩き「生きてたらまた会おう」そう言い残し、馬車を引いていた馬のハーネスを外して、颯爽と飛び乗って馬を走らせた。
カヌレを買うと、小袋に入った珈琲豆も販売している事に気が付き一緒に購入した。
メアリのリクエストにメアリの家族がお金を出し合ってあの日はカフェに来た。
メアリはサーシャを迷うことなく誘ってくれた。
なのに全く味を感じる事も出来なかった。
カフェの中はあの日と変わらないけれど、気分的にスッキリすると何も気にならない。あれはビアンカとエルサが原因であってカフェには問題はないのだ。
店の外に出るとラウロが待ってくれていた。
甘いものは苦手というラウロはケーキショップなども店内の香りが苦手。
今日も店には入らずにサーシャを待ってくれていた。
「買えたか?」
「買えました~。ラウロの分も買ったから帰ったら一緒に食べましょう」
「甘いものは苦手だと言っただろう?」
「思っているほど甘くないわよ?」
「サーシャの甘くないと俺の甘くないは雲泥の差があるんだけどな」
「だと思って珈琲豆も買ったの。挽き立ては香りが違うんだから」
「だが、コーヒーミルなんて何処にあるんだ?」
「市場に‥‥あっ!!」
すっかり忘れていた。市場にはせめて癒されて欲しいと市場長がコーヒーミルを買ってくれたがこんな事でもなければ珈琲豆など買う事もない。
市場は仲買商会が多く入るので販促品として珈琲があるだけなのだ。
その市場ももう副王都の市場に移るので行く事もない。
「仕方ないなぁ。どこで売ってるんだ?買ってやるよ」
「ううん・・・返品してくる」
「無理だろ。綺麗に包んでくれてるじゃないか」
「そうね…あぁもう!失敗しちゃった!」
「失敗ってのは成功にもなるんだ。ミルがあれば問題ないんだろ?」
「でも、コーヒーミルって結構お値段するのよ?」
「行ってみないと判らないだろ?どうせ俺が買うんだから選んでくれればいいさ」
辺境警備を生業としていたラウロ。実は貯金はかなりある。
酒を飲んでいては逃げ遅れる事もあるし、いつ戦闘が始まるかも判らないので酒は付き合いで飲む程度。家にいる時しか出来ないと、王都に帰ってきている時は草むしりや家の修理で遊びに行く事もない。
娼館も出向いた先で病気が流行っていると聞いてからは行っていない。
何よりサーシャに色々と買ってやることが楽しくて癖になりそうだった。
店に行ってみると、サーシャが思っていた価格帯のものもあるが主流は3千~5千クルの品。
それでもサーシャには高価である事は変わりないが取っ手にカエルが付いたものと、シンプルなミルをラウロは1つづつ購入し、カエルがついたものは爬虫類系の肌質が好きなメアリに贈る事にした。
「ほら、あの子は爬虫類好きって言ってだろ」
「カエルは爬虫類じゃなくて両生類なんだけど…それに好きなのは肌質よ?」
「良いんだよ!クマ類とかキツネ類じゃないんだからさ」
「それ・・・根本から違――」
「気にすんな!カエルだってゲーコゲーコとかキュキュとか声も違うだろ」
さりげなくサーシャに買ったのは2人分用。
サーシャの母は珈琲は飲めないが父とファルコに挽けば、もう一度挽かねばならない。
「俺の分も挽いてくれればいいからさ」
「え?クルクルするのラウロさんよ?」
「俺なの?!」
「どうせ暇でしょう?あ、物置の屋根から雨漏りしてるっておじさまが言ってた」
「物置?あぁあれは雨漏りじゃなくて屋根に上がった時に踏み抜いたから穴があるんだ。だから漏ってるんじゃなくて雨がそのまま入ってんだよ」
「・・・・」
そんな2人から少し離れた場所、鉄格子を幌で隠した馬車がゆっくりと過ぎていく。
鉄格子の中にはフランクだけが横たわり、あと4人はコンパクトに丸まって座っていた。
ガタっと小石を車輪が跳ねるたびに人間も跳ねる。
ハゼーク侯爵家の東の領に行く馬車だった。
「水・・・くれよ」
フランクの小さな声に誰も反応しない。ガタガタと大きな音もするので聞こえないのだ。
体のあちこちにある痣もたいぶ黄色くなっているが継接ぎのようになった顔は金が払えず消毒も不十分で黄色い膿を含んで赤黒く腫れあがった箇所もある。
ビアンカもエルサも気味悪がってフランクからは物理的に距離を取っていた。
「フランク。こっち向けよ」
アベルは揺れる馬車の中でただ一人フランクに声を掛け、裂け目から口に流れそうになった膿を拭き取る。
発熱しているフランクに時間を見て水を飲ませるが、その水も自分たちで汲みに行くことは出来ず王都を出たら休憩地で御者に頼まねばならない。
まともな湧き水になるか、地面の水溜りの水になるか。
フランクに水を飲ませながら、アベルもまた逃げる事を考えていた。
アベルの計画を台無しにしたのはビアンカとエルサ。
話しかけて来ても視線も合わさず、声も返す事はないが病人のフランクまで放っておけるほどアベルは人でなしにはなれなかった。
「くそっ!予定が違うじゃないか!」
リヒトは休憩地では縄は付けられていても馬車からは下ろされるだろう。そう考えていたのだが甘かった。食事も水も格子の間から入れられるだけで排泄ですら外で済ませる事を許しては貰えないのだ。
これでは湖に来た時に逃げる事が出来ない。
悶々としながら幾夜か過ぎて幌の隙間から湖の湖岸を走っている事に気が付いたリヒトは焦った。逃げるとすれば今夜か明日か。それを過ぎれば荒野で走って逃げるしかないが、その姿を隠す場所も無い。
夜になり、湖の畔は湖水の関係もあってヒンヤリとしていた。
真夜中、アベルが幌の隙間から御者を呼んだ。
「どうしたんだ?」
「フランクが震えてるんなんだ。熱も高かったし…フランクだけでいい。火の側にいさせてやってくれないだろうか」
アベルの小さな声にビアンカもエルサも寝入ってしまって気が付いていない。
リヒトは寝ているふりをして聞き耳を立てていた。
「仕方ないな。そいつだけだぞ。俺らも途中で死なれたら目覚めが悪いからな」
「ありがとう。恩にきる」
アベルの声に御者は鉄格子の入り口側にある幌をあげた。
――行くなら今しかない――
アベルがフランクを起こし、尻を擦るように格子から抜けるのをアベルは手伝っていた。先にフランクの足が出て、胴体、頭と出た所で、リヒトはそこに向かって飛び込むようにして突っ込んだ。
「うわぁ!!」
リヒトに飛び掛かられた御者は尻もちをついた。脇にいた2人の御者も突然の事に驚いて動きが止まった。前転で受け身をとったリヒトは起き上がって走り出し、勢いをつけて湖に飛び込んだ。
ザバーン!!リヒトが湖に飛び込んだ音に御者は焚火から火を取って、リヒトが走って行った方向に向かった。
「リヒト、ご苦労さん。脱走ってのは頭を使わないと生き残れないぜ?」
リヒトが何処かで脱走しようとしているのは判っていた。
高位貴族で次期当主と言われたアベルやフランクは表情から読み取られないように無表情であれと鍛えられるが、リヒトはなったとしても伯爵家の当主。表情に出まくっていた。
が、アベルも脱走は考えたが鉄格子の中から休憩中どころか一切出して貰えないとなればと考えリヒトを利用することにした。敢えてリヒトに聞こえるように御者を呼び、アベルも1回しかないであろう機会を狙っていた。
利用するのなら自力で遠くに行くのは無理。手薄になった時に馬を奪うのが一番だ。
アベルは鉄格子が開かないようにカンヌキになるよう太い木を差し込むと、倒れたままになったフランクの頬を叩き「生きてたらまた会おう」そう言い残し、馬車を引いていた馬のハーネスを外して、颯爽と飛び乗って馬を走らせた。
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