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△求婚前夜
もうあと30分もすれば日付が変わる時間だ。
辺境と言っても討伐以外の執務がないわけではない。どちらかと言えば年間を通して執務が出来る王都の貴族たちに比べて年間の3分の1に当たる期間は討伐、そして3カ月は雪に閉ざされる地。
報告が出来るうちにまとめて決算の他に、次年度の計画書などを作成しなければならないため王都の貴族よりも激務に近いかも知れない。
俺は体を使う討伐も、座って書類と向き合う執務もどちらも苦にはならない。
だが、今年の討伐は試練の時となりそうだ。
ツリピオニーと離れて4、5か月が耐えられるだろうか。
使用人、特に専属執事でもあり、ケガをする前は討伐時にも参謀を務めていたフレイドが俺の顔を覗き込みながら茶を差し出してきた。
柔らかい香りはツリピオニーが安眠効果があるとブレンドした茶から香る。
『旦那様。このままでよろしいのですか?』
『よろしいとは何が?』
『奥様の事です。仮初でも妻と言う立場にしておけば領民からも迎え入れられる。その読みは当たっていました。奥様もこの地が気に入られたようで毎日を楽しく過ごされていますから、数年は王都に戻ろうとは考えないと思います。仕えるものとして聊か残念なのは旦那様ではなく、この地に興味を持たれたという点ですが』
フレイドにソファに座る様に進めると、小さく頷くのが見えた。
『ワインに致しましょうか』
『そうだな。お前もどうだ』
『当然でございます』
ブレンド茶を一気に飲み干して向かい合わせにソファに座った。
グラスに注いでもらったワインは昨年のマウンティングレープというこの地にのみ自生するブドウの一種で醸造したワインだ。数は多く作れないため長い年月寝かせたものは1本で庭付き、使用人付の家が買えると言われている。
片手片足が義手であり義足のフレイドは7年前までは俺の隣で討伐をしていた。元々は子爵の出だが兄の事業失敗で家は借金でとり潰しとなり、平民の妻を娶ったばかりのフレイドは金になるからと王都に妻と妻の両親を置いてこの地で出稼ぎ兵士となり少なくない額を送金していた。
しかし、負傷したことから王都に出向き治療費などを渡そうとした時、フレイドの妻は臨月だった。フレイドが約3年の間、王都に帰る事がなかったというのに。
治療費を受け取ったフレイドの妻は代わりに離縁状を突きつけた。
己の不貞行為は棚に上げ【3年間も放っておくほうが悪い】と言い放った。
そこには反省も、フレイドに対して詫びる気持ちも微塵も感じなかった。
辺境に戻り、起き上がれる状態でなかったフレイドに告げるのは酷だったが妻が迎えに来なかった事でフレイドは悟ったのだろう。天井を見上げて一筋の涙を流すと俺に【世話になった】と告げた。
自死するのではないかと思った俺はフレイドを執事として側に置いた。
2年ほどリハビリをしながら執務を学び5年前、義肢製作をしている工場の娘とフレイドは結婚をした。辺境の地でも妙な偏見を持つ者は多い。五体満足でないフレイドと結婚する事で生まれてくる子供がフレイドと同じだと心無い事を言う者もいた。だがフレイドの妻となった女性は己の顔に傷を付け【これで私も傷物だ。フレイド以外に私を妻にしてくれる者などいない】と言い、結婚したのだ。
今では4歳と2歳の娘2人を養う父親、母親となった。娘2人には傷一つない。そんな当たり前の事も古い迷信を信じる者は【腕や脚を無くした者への施しを神が認めてくれたからだ】と未だに心無い言葉を口にする。
辺境は閉鎖的な地でもある。村意識というものが非常に強いのだ。
結束が強いのは良い事だが、裏を返せば余所者を徹底的に排除するという事でもある。
ツリピオニーは生涯消えない傷を負っている。人目に触れる場所ではないが湯あみなどで接した使用人を口止めしても、王都からの噂が入ってくればあっという間にその話は広がるだろう。
そして、俺の母が先王の妹だからと言ってもかなり馴染むのに苦労をしたのと同じように、余所者の受け入れを由としない領民には本来の感情をツリピオニーに向けられては困る。
若い女性には身を切られるほどに辛い立場に置かれることは想像に容易い。
だから俺は、ツリピオニーを婚約者ではなく【妻】だと領民に伝えた。
従兄のジェームズから話が来た時に、この地にいる間は不便を感じて欲しくなかった。この地を離れる時には俺は徹底して悪役になって、妻を虐待した男となろうと心に決めた。
醜夫の暴力に耐えかねて命からがら逃げだしたとなれば、誰もツリピオニーを悪く言わないだろう。
母と同じように婚約者と言う時間を辺境で過ごす事になれば領民たちから【お客様扱い】をされてしまうし、いくら好きだ、愛しているんだと伝えた所で【貴族的な結婚】と思われて【嫌々この地にきた女】として扱われるのだ。
俺は、領民に嘘を吐いた。
一目見て、好きで好きで仕方がなく国王を巻き込み結婚をした。と伝えた。
その言葉に真実味を持たせるために、こちらに向かったと連絡を受けた時に本当の事を知っている直属の部下たちだけを連れてツリピオニーを護衛と言う名目で迎えに行ったのだ。
辺境に一番に乗り入れたのも【会いたくて仕方がなかった】【もう離れている事に我慢が出来なかった】と領民にアピールするためだ。
何時かを決めるのはツリピオニーだが、その何時かまで心穏やかに過ごして欲しいと話を受けた時は本当にそう思った。少女が淑女になっていても手が離せるとその時は思ったから安請け合いをしたのだ。
だが、今、俺は心から欲してしまっている。
【何時か】が来るのが怖くて仕方ないのだ。そんな気持ちを目の前のフレイドは見透かしている。
『素直に言えばよろしいと思いますけどね』
『簡単に言うな。この見た目だぞ』
『私が見る限りですが、奥様は見た目で判断はされてないと思いますし、強欲な女たちと違って旦那様に権力があるからそれに縋っているとも思えません』
『だが‥‥33の男など…』
『私は41歳、妻は先日24歳になりました。私達より年の差は少ないですよ。旦那様、断られる理由を探すのではなく、選ばれる理由を探してください』
『選ばれると言っても‥‥辺境伯と言う立場だけだろうに』
『そうですかね。少なくとも私には奥様が辺境伯だから一緒に馬に乗ったり、並んでスイカを食べて種を飛ばしたりしているのではないと思いますよ』
『だが…断られたら俺は…もう立ち上がれないかも知れない』
『アッハッハ。それは私も思いました。妻に求婚をする時に私は36歳、妻は19歳。おまけにこんな体です。それでもね、思ったんです』
『何を…思ったんだ?』
『朝起きる時は彼女の声で目覚めたい、夜眠る時は彼女の温もりを感じたい。そして‥‥人生の最期には彼女の手を握っていたいと。一度は死んだも同然の身。でも生きてました。当たって砕けたらその時は彼女の幸せを願えばいいじゃないかと、私は彼女に気持ちを伝えましたよ。ま、私以上に漢だったのは彼女でしたけどね』
向かい合ってワインを飲み干すと、フレイドは【一度でダメなら二度三度】と笑ってグラスを2つコツンと当てると部屋から出て行った。
机の引き出しを開けて小さな箱を手に取り、蓋を開ける。
それは亡き母が【お嫁さんに渡して】と俺に託した指輪が入っている。
形状魔法が得意だった母。受け入れてくれれば指輪はその指に馴染むのだと言う。
蓋を閉じて、俺も目を閉じた。
『プロポーズ‥‥そう言えば親父も婚約者だった母上に求婚したのは北にある湖のほとりだったと聞いたな』
父上よりも母上の方が先に天に召された。
2年前に父もやっと母の元に行けると病床で笑っていた事を思い出した。
愛のない政略結婚とは思えないほど仲が良かった両親。思い出を語る父上は指輪を渡そうと跪いてそのまま湖にひっくり返って落ちてしまい、慌てて潜って底に沈んだ指輪を探したのだと言う。
やっと見つけた時は息も絶え絶えで、狼狽える母上は泣き出したのだと言った。
『二度三度まで断られたら、軽く死ねる』
俺の素直な本心だ。その時は‥‥たんぼに身を沈めよう。
辺境と言っても討伐以外の執務がないわけではない。どちらかと言えば年間を通して執務が出来る王都の貴族たちに比べて年間の3分の1に当たる期間は討伐、そして3カ月は雪に閉ざされる地。
報告が出来るうちにまとめて決算の他に、次年度の計画書などを作成しなければならないため王都の貴族よりも激務に近いかも知れない。
俺は体を使う討伐も、座って書類と向き合う執務もどちらも苦にはならない。
だが、今年の討伐は試練の時となりそうだ。
ツリピオニーと離れて4、5か月が耐えられるだろうか。
使用人、特に専属執事でもあり、ケガをする前は討伐時にも参謀を務めていたフレイドが俺の顔を覗き込みながら茶を差し出してきた。
柔らかい香りはツリピオニーが安眠効果があるとブレンドした茶から香る。
『旦那様。このままでよろしいのですか?』
『よろしいとは何が?』
『奥様の事です。仮初でも妻と言う立場にしておけば領民からも迎え入れられる。その読みは当たっていました。奥様もこの地が気に入られたようで毎日を楽しく過ごされていますから、数年は王都に戻ろうとは考えないと思います。仕えるものとして聊か残念なのは旦那様ではなく、この地に興味を持たれたという点ですが』
フレイドにソファに座る様に進めると、小さく頷くのが見えた。
『ワインに致しましょうか』
『そうだな。お前もどうだ』
『当然でございます』
ブレンド茶を一気に飲み干して向かい合わせにソファに座った。
グラスに注いでもらったワインは昨年のマウンティングレープというこの地にのみ自生するブドウの一種で醸造したワインだ。数は多く作れないため長い年月寝かせたものは1本で庭付き、使用人付の家が買えると言われている。
片手片足が義手であり義足のフレイドは7年前までは俺の隣で討伐をしていた。元々は子爵の出だが兄の事業失敗で家は借金でとり潰しとなり、平民の妻を娶ったばかりのフレイドは金になるからと王都に妻と妻の両親を置いてこの地で出稼ぎ兵士となり少なくない額を送金していた。
しかし、負傷したことから王都に出向き治療費などを渡そうとした時、フレイドの妻は臨月だった。フレイドが約3年の間、王都に帰る事がなかったというのに。
治療費を受け取ったフレイドの妻は代わりに離縁状を突きつけた。
己の不貞行為は棚に上げ【3年間も放っておくほうが悪い】と言い放った。
そこには反省も、フレイドに対して詫びる気持ちも微塵も感じなかった。
辺境に戻り、起き上がれる状態でなかったフレイドに告げるのは酷だったが妻が迎えに来なかった事でフレイドは悟ったのだろう。天井を見上げて一筋の涙を流すと俺に【世話になった】と告げた。
自死するのではないかと思った俺はフレイドを執事として側に置いた。
2年ほどリハビリをしながら執務を学び5年前、義肢製作をしている工場の娘とフレイドは結婚をした。辺境の地でも妙な偏見を持つ者は多い。五体満足でないフレイドと結婚する事で生まれてくる子供がフレイドと同じだと心無い事を言う者もいた。だがフレイドの妻となった女性は己の顔に傷を付け【これで私も傷物だ。フレイド以外に私を妻にしてくれる者などいない】と言い、結婚したのだ。
今では4歳と2歳の娘2人を養う父親、母親となった。娘2人には傷一つない。そんな当たり前の事も古い迷信を信じる者は【腕や脚を無くした者への施しを神が認めてくれたからだ】と未だに心無い言葉を口にする。
辺境は閉鎖的な地でもある。村意識というものが非常に強いのだ。
結束が強いのは良い事だが、裏を返せば余所者を徹底的に排除するという事でもある。
ツリピオニーは生涯消えない傷を負っている。人目に触れる場所ではないが湯あみなどで接した使用人を口止めしても、王都からの噂が入ってくればあっという間にその話は広がるだろう。
そして、俺の母が先王の妹だからと言ってもかなり馴染むのに苦労をしたのと同じように、余所者の受け入れを由としない領民には本来の感情をツリピオニーに向けられては困る。
若い女性には身を切られるほどに辛い立場に置かれることは想像に容易い。
だから俺は、ツリピオニーを婚約者ではなく【妻】だと領民に伝えた。
従兄のジェームズから話が来た時に、この地にいる間は不便を感じて欲しくなかった。この地を離れる時には俺は徹底して悪役になって、妻を虐待した男となろうと心に決めた。
醜夫の暴力に耐えかねて命からがら逃げだしたとなれば、誰もツリピオニーを悪く言わないだろう。
母と同じように婚約者と言う時間を辺境で過ごす事になれば領民たちから【お客様扱い】をされてしまうし、いくら好きだ、愛しているんだと伝えた所で【貴族的な結婚】と思われて【嫌々この地にきた女】として扱われるのだ。
俺は、領民に嘘を吐いた。
一目見て、好きで好きで仕方がなく国王を巻き込み結婚をした。と伝えた。
その言葉に真実味を持たせるために、こちらに向かったと連絡を受けた時に本当の事を知っている直属の部下たちだけを連れてツリピオニーを護衛と言う名目で迎えに行ったのだ。
辺境に一番に乗り入れたのも【会いたくて仕方がなかった】【もう離れている事に我慢が出来なかった】と領民にアピールするためだ。
何時かを決めるのはツリピオニーだが、その何時かまで心穏やかに過ごして欲しいと話を受けた時は本当にそう思った。少女が淑女になっていても手が離せるとその時は思ったから安請け合いをしたのだ。
だが、今、俺は心から欲してしまっている。
【何時か】が来るのが怖くて仕方ないのだ。そんな気持ちを目の前のフレイドは見透かしている。
『素直に言えばよろしいと思いますけどね』
『簡単に言うな。この見た目だぞ』
『私が見る限りですが、奥様は見た目で判断はされてないと思いますし、強欲な女たちと違って旦那様に権力があるからそれに縋っているとも思えません』
『だが‥‥33の男など…』
『私は41歳、妻は先日24歳になりました。私達より年の差は少ないですよ。旦那様、断られる理由を探すのではなく、選ばれる理由を探してください』
『選ばれると言っても‥‥辺境伯と言う立場だけだろうに』
『そうですかね。少なくとも私には奥様が辺境伯だから一緒に馬に乗ったり、並んでスイカを食べて種を飛ばしたりしているのではないと思いますよ』
『だが…断られたら俺は…もう立ち上がれないかも知れない』
『アッハッハ。それは私も思いました。妻に求婚をする時に私は36歳、妻は19歳。おまけにこんな体です。それでもね、思ったんです』
『何を…思ったんだ?』
『朝起きる時は彼女の声で目覚めたい、夜眠る時は彼女の温もりを感じたい。そして‥‥人生の最期には彼女の手を握っていたいと。一度は死んだも同然の身。でも生きてました。当たって砕けたらその時は彼女の幸せを願えばいいじゃないかと、私は彼女に気持ちを伝えましたよ。ま、私以上に漢だったのは彼女でしたけどね』
向かい合ってワインを飲み干すと、フレイドは【一度でダメなら二度三度】と笑ってグラスを2つコツンと当てると部屋から出て行った。
机の引き出しを開けて小さな箱を手に取り、蓋を開ける。
それは亡き母が【お嫁さんに渡して】と俺に託した指輪が入っている。
形状魔法が得意だった母。受け入れてくれれば指輪はその指に馴染むのだと言う。
蓋を閉じて、俺も目を閉じた。
『プロポーズ‥‥そう言えば親父も婚約者だった母上に求婚したのは北にある湖のほとりだったと聞いたな』
父上よりも母上の方が先に天に召された。
2年前に父もやっと母の元に行けると病床で笑っていた事を思い出した。
愛のない政略結婚とは思えないほど仲が良かった両親。思い出を語る父上は指輪を渡そうと跪いてそのまま湖にひっくり返って落ちてしまい、慌てて潜って底に沈んだ指輪を探したのだと言う。
やっと見つけた時は息も絶え絶えで、狼狽える母上は泣き出したのだと言った。
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