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第27話 気持ちを利用する事になっても
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「相手はまぁ…そうだな。私の目から見てもこの男なら任せられると思っているから明日にでも結婚をさせたいと考えてはいる。だが、グラシアナが結婚するよりも私と過ごしたいと言うな――」
「します。結婚します」
「話を最後まで聞け。大事な事だぞ?」
「お相手はお兄様が決め…えぇっと‥その・・・お兄様がいいと仰るのなら」
――危ない。危ない。余計な事を言っちゃうところだった――
貴族でも結婚は自由に出来るのだが、それは家長が許した場合に限られる。
家長が良いと言えば平民であろうと、他国の人間であろうと構わない。過去には飼い犬や所有している馬と結婚した令嬢や子息も存在する。
恋愛結婚が貴族の間でも主流になりつつある。
なのでこの人は!と決めた人がいるのなら何としても家長に許しを得るよう頑張るのだ。
パンディトンの妹も平民の男性と結婚をしているし、今も仲良く靴の修理を引き受けて倹しく暮らしている。
うっかりと「家長であるお兄様が決めたことに従います」と言いそうになってしまったが、そんな決まり事を知っているとなればエリアスも「おやぁ?」と思うだろう。
グラシアナは咄嗟に言葉を飲み込んで誤魔化した。
留守も多かったエリアスだから出掛けている間にグラシアナの面倒な立場も理解をしてくれて迎え入れてくれる男性を見つけてきたのだろう。
今の生活からまた変化をしてしまうだろうが、クリスティアンの成婚の儀まで微妙な立場でもありその後は本当の傷の他に王太子との結婚に至らなかった女として別の意味での傷物になる。
それでも良いと言ってくれているのなら嫁ぐしかない。
「お兄様はその方を推してくださるのでしょう?」
「推すと言うよりも彼しかないだろう。登城するまでの間は極力側にいるように。そうする事で ”にわか” ではない事も相手に伝わるだろうからな」
「では、その方のお屋敷に私は引っ越しを?」
「まさか。その相手はパンディトンだ」
「え?」
パンディトンも目を大きく見開いて驚いていた。
かの日、「義弟」とは呼ばれたけれどエリアスのグラシアナ愛を考えれば一番の策を取って然るべき。てっきり何処かの王族が相手かと思っていた。
ちょいちょい。エリアスはパンディトンにこちらに来いと手招きをする。
「グラシアナが6歳の頃からパンディトンは見守って来た。試験を落ち続けたのもグラシアナを守りたい。それだけなんだ。ここに来たのも騎士を辞め、伯爵家から籍を抜き身一つでやって来た。誰にも出来る事じゃない。それだけグラシアナの事を私と同等に大事にしてくれるのがパンディトンだ」
――えぇっと突っ込んでいい?以上ではなく同等なの?――
エリアスが冗談を言ってる様子はない。
グラシアナは知らなかった事実を知って「本当なの?」とパンディトンを見て言葉が漏れた。
「どうして?近衛騎士になるのは昔からの夢でっ‥‥私の為に試験を落ちたって本当なの?!」
「ほ、本当だ」
「それで伯爵家から籍も抜いてって本当なの?」
「本当だ」
「どうしてそこまでするの!」
「グラシアナ以上に守りたいと心に思う人がいないからだ」
「少し待って・・・判らないわ」
この国の常識で考えるのなら、守りたいと考えた時に身一つになるのは悪手としか言いようがない。後ろ盾が何もないと言う事は孤軍奮闘になる。
パンディトンの行動を考えた時に自分の中にあるどの知識に当てはめてみてもパンディトンの行動を「正解」だと思える道筋が浮かばないのだ。
誰かを何もかも捨てていいから好きになる。そんな感情を持った事が無いグラシアナは混乱をした。
「登城まで時間もない。本当はゆっくりと時間をかけてやりたかったが今回の議会の命令。どう動いてくるかも判らないんだ」
グラシアナもそこは解る。表向き話を聞きたいと言っても議会から命令書で呼ばれると言う事は議会では何らかの決定を既にしているので、受け入れれば返してもらえる。
受け入れなければ、受け入れるまで足止めをされてしまう。
グラシアナの場合は受け入れれば公爵家に戻しては貰えず、王宮の何処かの部屋に即座に隔離されてしまうだろう。
エリアスはそこも踏まえて、もしかすれば命を落とすかも知れないがパンディトンにグラシアナを守らせる。その手法を取る時に「家長が認めた相手」という大義名分が欲しかった。
パンディトンがグラシアナを思う気持ちを利用してしまう事にはなるが、それだけエリアスには幼い日に離れ離れになってしまったグラシアナを守りたかった。
「酷いです。お兄様は・・・彼の気持ちを何だと思っているのです」
「判っている」
「判っているのなら猶更です!」
表情と声に怒りを示したグラシアナにパンディトンが口を挟んだ。
「グラシアナ。エリアスは悪くない。少し話をしないか?」
「クマトン騎士・・・」
「エリアス、大事な妹を少し借りるよ」
パンディトンが声を掛けるとエリアスは頷き、さっきの「こちらに来い」という手ぶりを「シッシ!」追い払うかのようにするので、グラシアナはその手をパチン!と叩いた。
★~★
今日はここまで。
明日はパンディトン渾身の思いがグラシアナに伝わるか?!
そして議会の命令で登城するグラシアナとエリアス、パンディトン。
イメルダを侍らせたクリスティアンのデレも炸裂!!
なのにパンディトン、絶体絶命の大ピーンチ!Σ( ̄□ ̄|||)
まさかの最終日、グラシアナはお一人様?!
ふぅ~明日は4日目・・・やはり5日間は長い・・・明後日がワシには見えないっ!!くぅっ!
なぁんて。ちゃんとカレンダー見てまーす♡
明日はチッチバスで献血してきますのでちょっぴり痩せてきまーす。
ま、直ぐに倍以上の水分補給するけどね(*´σー`)エヘヘ
では、明日も読んで頂けると嬉しいです♡
外道に生まれて~きったけれぇどぉ♪
正解者おりました。スペシャルサンクス―!!
おやすみなさい(-_-)zzz
「します。結婚します」
「話を最後まで聞け。大事な事だぞ?」
「お相手はお兄様が決め…えぇっと‥その・・・お兄様がいいと仰るのなら」
――危ない。危ない。余計な事を言っちゃうところだった――
貴族でも結婚は自由に出来るのだが、それは家長が許した場合に限られる。
家長が良いと言えば平民であろうと、他国の人間であろうと構わない。過去には飼い犬や所有している馬と結婚した令嬢や子息も存在する。
恋愛結婚が貴族の間でも主流になりつつある。
なのでこの人は!と決めた人がいるのなら何としても家長に許しを得るよう頑張るのだ。
パンディトンの妹も平民の男性と結婚をしているし、今も仲良く靴の修理を引き受けて倹しく暮らしている。
うっかりと「家長であるお兄様が決めたことに従います」と言いそうになってしまったが、そんな決まり事を知っているとなればエリアスも「おやぁ?」と思うだろう。
グラシアナは咄嗟に言葉を飲み込んで誤魔化した。
留守も多かったエリアスだから出掛けている間にグラシアナの面倒な立場も理解をしてくれて迎え入れてくれる男性を見つけてきたのだろう。
今の生活からまた変化をしてしまうだろうが、クリスティアンの成婚の儀まで微妙な立場でもありその後は本当の傷の他に王太子との結婚に至らなかった女として別の意味での傷物になる。
それでも良いと言ってくれているのなら嫁ぐしかない。
「お兄様はその方を推してくださるのでしょう?」
「推すと言うよりも彼しかないだろう。登城するまでの間は極力側にいるように。そうする事で ”にわか” ではない事も相手に伝わるだろうからな」
「では、その方のお屋敷に私は引っ越しを?」
「まさか。その相手はパンディトンだ」
「え?」
パンディトンも目を大きく見開いて驚いていた。
かの日、「義弟」とは呼ばれたけれどエリアスのグラシアナ愛を考えれば一番の策を取って然るべき。てっきり何処かの王族が相手かと思っていた。
ちょいちょい。エリアスはパンディトンにこちらに来いと手招きをする。
「グラシアナが6歳の頃からパンディトンは見守って来た。試験を落ち続けたのもグラシアナを守りたい。それだけなんだ。ここに来たのも騎士を辞め、伯爵家から籍を抜き身一つでやって来た。誰にも出来る事じゃない。それだけグラシアナの事を私と同等に大事にしてくれるのがパンディトンだ」
――えぇっと突っ込んでいい?以上ではなく同等なの?――
エリアスが冗談を言ってる様子はない。
グラシアナは知らなかった事実を知って「本当なの?」とパンディトンを見て言葉が漏れた。
「どうして?近衛騎士になるのは昔からの夢でっ‥‥私の為に試験を落ちたって本当なの?!」
「ほ、本当だ」
「それで伯爵家から籍も抜いてって本当なの?」
「本当だ」
「どうしてそこまでするの!」
「グラシアナ以上に守りたいと心に思う人がいないからだ」
「少し待って・・・判らないわ」
この国の常識で考えるのなら、守りたいと考えた時に身一つになるのは悪手としか言いようがない。後ろ盾が何もないと言う事は孤軍奮闘になる。
パンディトンの行動を考えた時に自分の中にあるどの知識に当てはめてみてもパンディトンの行動を「正解」だと思える道筋が浮かばないのだ。
誰かを何もかも捨てていいから好きになる。そんな感情を持った事が無いグラシアナは混乱をした。
「登城まで時間もない。本当はゆっくりと時間をかけてやりたかったが今回の議会の命令。どう動いてくるかも判らないんだ」
グラシアナもそこは解る。表向き話を聞きたいと言っても議会から命令書で呼ばれると言う事は議会では何らかの決定を既にしているので、受け入れれば返してもらえる。
受け入れなければ、受け入れるまで足止めをされてしまう。
グラシアナの場合は受け入れれば公爵家に戻しては貰えず、王宮の何処かの部屋に即座に隔離されてしまうだろう。
エリアスはそこも踏まえて、もしかすれば命を落とすかも知れないがパンディトンにグラシアナを守らせる。その手法を取る時に「家長が認めた相手」という大義名分が欲しかった。
パンディトンがグラシアナを思う気持ちを利用してしまう事にはなるが、それだけエリアスには幼い日に離れ離れになってしまったグラシアナを守りたかった。
「酷いです。お兄様は・・・彼の気持ちを何だと思っているのです」
「判っている」
「判っているのなら猶更です!」
表情と声に怒りを示したグラシアナにパンディトンが口を挟んだ。
「グラシアナ。エリアスは悪くない。少し話をしないか?」
「クマトン騎士・・・」
「エリアス、大事な妹を少し借りるよ」
パンディトンが声を掛けるとエリアスは頷き、さっきの「こちらに来い」という手ぶりを「シッシ!」追い払うかのようにするので、グラシアナはその手をパチン!と叩いた。
★~★
今日はここまで。
明日はパンディトン渾身の思いがグラシアナに伝わるか?!
そして議会の命令で登城するグラシアナとエリアス、パンディトン。
イメルダを侍らせたクリスティアンのデレも炸裂!!
なのにパンディトン、絶体絶命の大ピーンチ!Σ( ̄□ ̄|||)
まさかの最終日、グラシアナはお一人様?!
ふぅ~明日は4日目・・・やはり5日間は長い・・・明後日がワシには見えないっ!!くぅっ!
なぁんて。ちゃんとカレンダー見てまーす♡
明日はチッチバスで献血してきますのでちょっぴり痩せてきまーす。
ま、直ぐに倍以上の水分補給するけどね(*´σー`)エヘヘ
では、明日も読んで頂けると嬉しいです♡
外道に生まれて~きったけれぇどぉ♪
正解者おりました。スペシャルサンクス―!!
おやすみなさい(-_-)zzz
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