騎士団長！！参る！！

何この可愛い生き物は！

「侯爵様のバスタブって大きいんですのね」

純粋な質問にお付きの侍女となったシーナは苦笑いをしておりますね。

「奥様の御髪はとても美しいですねぇ」
「そうでしょうか…ところでシーナさん」
「シーナ！ですよ。奥様」
「呼び捨てはちょっと‥‥無理そうですわ」
「ウフフ。ではしばらくの間は奥様に合わせます」
「ありがとうございます。それでお聞きしたい事があるのです」
「なんでしょうか」

「侯爵様はいつも、あのような感じなのですか」

髪をとくシーナの手が止まります。まぁ…答えようがないですよねぇ

「シーナさん？？」
「あ、あぁ失礼いたしました。侯爵様はお優しいと思いますよ。どうかされましたか？」

ムゥ…とオパール考え込んでおりますね。
聞いていた話と違うような…しかもそれが少しではなく大幅に。

「その‥‥実直と言いますか…愛が重い？という感じがしまして…婚姻とはこういうものかと」

確かに、日頃の旦那様とは全然違います。シーナとてあんな侯爵は見た事がありません。
いつも強面、いえ、仏頂面で寡黙というか言葉の少ない主。
使用人の中には教会で誰かの魂と入れ替わったのでは！というものまでいますしね。

「旦那様はきっと奥様が大好きなんだと思いますよ」
「好き？わたくしの事が？」
「えぇ…あんな旦那様見た事がありませんもの」
「でも、わたくし教会で初めてお会いしましたのよ？」
「エ‥‥マジっすか‥‥あ、失礼しました。さぁ次は着替えで御座いますよ」

っと連れて行かれた先で見せられる卑猥としか言いようのない服。
いや、服ではないですね。透けて見える服などオパールの辞書にはありません。
しかし、一応夫婦生活については見た事はありませんが聞いた事はあります。

「あの、このショーツ…どうみても布より紐の方が多くありません？」
「気のせいでございますよ」
「それにこのキャミソール…胸の部分の生地が切れてますわ」
「き、気のせいでございますよ」
「初夜だからこの格好なのかしら？」
「そ、そうかも知れません」

シーナは言えません。２人の叔母が子供が出来れば絶対に甥を捨てないだろうからと１回しか着用しなくても。ゆうに３か月分はあろうかというセクスィィィな下着が購入されていて、今後も続きます・・とは言えません。

「でも冬になったら寒いわねぇ」
「だ、大丈夫ですよ。ほら！男性は体温が高いと申しますでしょう？」
「そうかしら‥‥兄さまはいつも湯たんぽを独占してましたのに」
「さ、さぁ奥様、できましたわ。あとは向こうの部屋で旦那様をお待ちくださいませ」

扉を開けると、微妙な華美が感じられる調度品に大きなベッド。
まぁ、あの背の高い旦那様が寝るのだから大きいのねぇ・・と思います。

小さい燭台のあるテーブルにはワインと軽く抓める軽食がおかれています。

「そう言えば朝からコルセットしめられて何もたべてなかったんだ」

思わずぱくりと１つつまんで食べるオパール。
「旨っ…」小さく呟くと２つ目を手に取ります。
これこれ、椅子にも座らずお行儀が悪いですね。
３つ目を手に取りますが、するっと滑ってコロコロ…テーブルから落ちちゃう！っと飛びついたオパールですが、そこにフェリックスが入ってきます。

テーブルに上半身を乗せて、尻をフェリックスに突き出す格好のオパールに出力がいきなりMAX！！
後ろからオパールに抱き着いてしまいましたよ！！

「初めてはお互いを見るものだと思ったが…試されているのなら応えねばなるまい」
「なっ…なにをされるのですっ」
「何って（ちゅっ）…君を愛する気持ちを（ちゅっ）‥‥行為で（ブチュッ）」
「んんんっ！！！ダメです！」

強い口調で拒否をしてしまったオパールに、がっくりと項垂れるフェリックス。
しばしの沈黙が流れます。

「えっと…あの…わたくしもこの年ですし、今から何をするのかはわかっておりますわ」
「‥‥」
「で、ですが‥‥まだお互いの事もあまり知らないですし…その…少しお話をしませんか？」
「話？」
「はい。バルブン侯爵様、お話を致しましょう」
「オパール‥‥」
「はい？」
「その…名前で呼んでくれないだろうか」
「お名前？あぁ、そうですわね、フェリックス様」

クゥゥ～っと両手で顔を覆ってフルフル首をふるフェリックス。悶えておりますよ。
おや？オパール・・・・

（ナニコレ…めっちゃ可愛いんですけど！！）

顔は手で覆われてわからないけれど、ランプの灯りに見えた耳を真っ赤にしている大男！
どうやらオパールの萌えを捕らえたようです！
次回！いよいよ？？？？