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第15話 臭くても金さえあれば
ダリオンと話の口裏を合わせることも出来ず、3日目にしてしらけ切ったパーティはお開きになった。
見事なまでに皿の料理は添え物の食用菊やパセリなどまできれいさっぱりと持ち帰られてワインに至っては大量に返品になると思っていたのに気が付けば木箱には銘柄の全く違う空き瓶が居場所を与えられていた。
「なんでけち臭いの!これだから平民は嫌なのよ」
憤慨するデリスだったがデリスも父親が準男爵であるだけで身分は平民だ。
泥酔状態のダリオンをようよう家に連れ帰ったがデリスの父親が仁王立ちして玄関で待っていたところで話が出来る状態でもない。
仕方なく翌日起きてくるのを待つことにしてその夜は更けていった。
翌日の昼前、二日酔いでもないのに頭が痛かったのはデリスの両親だけではなかった。
ダリオンの両親が押しかけてきて夫人同士がキャンキャンと金切り声を挙げてお互いを罵りあう。
余りにも五月蠅くてデリスも目が覚めたが、ダリオンはガーガーと鼾をかいて大の字になって起きる様子もない。
「あの声で起きないの?信じられないわ」
アリアと付き合っていた時のダリオンは男らしくて頼りがいもあったし、アリアに内緒で付き合い始めたときはデリスが一番で恋人が愛を交わす宿に宿泊したときは「寝顔を見ていたいから」とデリスより遅く寝て、デリスより早く起きていたのに。
「顔だけで好きになったなら100年の恋も冷めるってこういう事かしらね」
酔っぱらって寝苦しかったのかシャツと片方の靴下だけを身に着けて後は生まれたときの肌が見えている。
「ねぇ。起きてよ。ダリオンの親、来てるみたいだし。ねぇってば!」
ダリオンの体を力いっぱい揺すると酔っぱらって寝たので湯も浴びておらず体臭がムワっと鼻を衝く。
「クッサ!!ナニコレ…加齢臭?」
ツーンとする独特の不快な香りがデリスの鼻の奥に張り付いたようで気持ち悪くなったデリスは急いで寝台を飛び出して顔を洗うついでに鼻うがいをするも香りが取れない。
「もう最悪!」
思い描いていたような新婚生活とは程遠い現実にデリスは大きなため息をついたが、本宅から聞こえてくる声に急いで着替えを済ませた。
ちらりとダリオンに目をやれば。
騎士なので精悍な体つきだと思っていたのに、寝ている姿を見ると何ともだらしない。
ダリオン自慢の「男の象徴」も路地裏で用を足す小汚い爺と大差なく見えてしまった。
「あ~…。失敗したかも。でもまぁ…お金は持ってるし、いっかぁ」
デリスがダリオンに粉を掛けた時、他に付き合っている男がいたがアリアの恋人ダリオンが欲しくなった。使える手は何でも使いデリスはダリオンを完全に落とした。
デリスに完落ちした後のダリオンで一番驚いたのは金回りのいい事だった。
騎士の給料はたかが知れているが、ダリオン曰く「何とでもなる」と言ってどこに行くにも何を買うにもダリオンはデリスに我慢させることをしなかった。
ダリオンはアリアには誕生日ですら道端に生えている花を摘んで束にし、金を使わなかったのにデリスにはジャンジャン使ってくれる。付き合い始めて毎月使っていた額は騎士の給料の3~5倍にあたる金額だったのだ。
少々体臭がキツくても金があれば我慢も出来ようというもの。
寝ているダリオンにウィンクをするとデリスは両親の住まう本宅に出向いた。
見事なまでに皿の料理は添え物の食用菊やパセリなどまできれいさっぱりと持ち帰られてワインに至っては大量に返品になると思っていたのに気が付けば木箱には銘柄の全く違う空き瓶が居場所を与えられていた。
「なんでけち臭いの!これだから平民は嫌なのよ」
憤慨するデリスだったがデリスも父親が準男爵であるだけで身分は平民だ。
泥酔状態のダリオンをようよう家に連れ帰ったがデリスの父親が仁王立ちして玄関で待っていたところで話が出来る状態でもない。
仕方なく翌日起きてくるのを待つことにしてその夜は更けていった。
翌日の昼前、二日酔いでもないのに頭が痛かったのはデリスの両親だけではなかった。
ダリオンの両親が押しかけてきて夫人同士がキャンキャンと金切り声を挙げてお互いを罵りあう。
余りにも五月蠅くてデリスも目が覚めたが、ダリオンはガーガーと鼾をかいて大の字になって起きる様子もない。
「あの声で起きないの?信じられないわ」
アリアと付き合っていた時のダリオンは男らしくて頼りがいもあったし、アリアに内緒で付き合い始めたときはデリスが一番で恋人が愛を交わす宿に宿泊したときは「寝顔を見ていたいから」とデリスより遅く寝て、デリスより早く起きていたのに。
「顔だけで好きになったなら100年の恋も冷めるってこういう事かしらね」
酔っぱらって寝苦しかったのかシャツと片方の靴下だけを身に着けて後は生まれたときの肌が見えている。
「ねぇ。起きてよ。ダリオンの親、来てるみたいだし。ねぇってば!」
ダリオンの体を力いっぱい揺すると酔っぱらって寝たので湯も浴びておらず体臭がムワっと鼻を衝く。
「クッサ!!ナニコレ…加齢臭?」
ツーンとする独特の不快な香りがデリスの鼻の奥に張り付いたようで気持ち悪くなったデリスは急いで寝台を飛び出して顔を洗うついでに鼻うがいをするも香りが取れない。
「もう最悪!」
思い描いていたような新婚生活とは程遠い現実にデリスは大きなため息をついたが、本宅から聞こえてくる声に急いで着替えを済ませた。
ちらりとダリオンに目をやれば。
騎士なので精悍な体つきだと思っていたのに、寝ている姿を見ると何ともだらしない。
ダリオン自慢の「男の象徴」も路地裏で用を足す小汚い爺と大差なく見えてしまった。
「あ~…。失敗したかも。でもまぁ…お金は持ってるし、いっかぁ」
デリスがダリオンに粉を掛けた時、他に付き合っている男がいたがアリアの恋人ダリオンが欲しくなった。使える手は何でも使いデリスはダリオンを完全に落とした。
デリスに完落ちした後のダリオンで一番驚いたのは金回りのいい事だった。
騎士の給料はたかが知れているが、ダリオン曰く「何とでもなる」と言ってどこに行くにも何を買うにもダリオンはデリスに我慢させることをしなかった。
ダリオンはアリアには誕生日ですら道端に生えている花を摘んで束にし、金を使わなかったのにデリスにはジャンジャン使ってくれる。付き合い始めて毎月使っていた額は騎士の給料の3~5倍にあたる金額だったのだ。
少々体臭がキツくても金があれば我慢も出来ようというもの。
寝ているダリオンにウィンクをするとデリスは両親の住まう本宅に出向いた。
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