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Fast Like
酒屋
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専門学生になった無子は始めこそ、SNSで知り合ったクラスメイトとお昼を食べていたけれど、だんだんとその子たちと乗りが合わせきれないのを感じ、悩んでいたところ、隣にいた2つ年上の美人で細身のお姉さんと仲良くなった。
その人は自好さん。
お目目ぱっちりで目鼻立ちがはっきりしていて、目が合った時は仲良くなれない人種なんだろうなって思ってた。
けど、自好さんから無子に話しかけてくれてそれからだんだんと仲良くなった。
そうしていると、無子の前に座っていた見放ちゃんとも自好さんは意気投合してごはんに行くことになった。
無子は2人の自分を持っている感じがとても好きで自分も2人みたいになりたいなと思って、これからは自分を持つことをこっそり決めていると、女子あるあるで自然に恋話の話になった。
けど、中学生や高校生がするくっついた離れたの話じゃなく、やったかやってないかがベースの話。
無子はそんな2人のオープンな会話に驚きつつも、まだ引きずっているともくんの話をすると、見放ちゃんが、
「メールしてみればいいじゃん。」
と言った。
けど、もう2年近く経っちゃってて絶対的に来ないのは分かってた無子だけれど、背中を押されて送っちゃった。
これがドラマだったらメールが返ってきたのかもだけど、現実だから返ってくることもなく日々が過ぎていったある日、自好さんが、
「相席屋、入ってみない?」
と、夜ごはんを食べていた居酒屋の前にあった相席屋を指した。
けど、無子的にそういうところはちょっと怖くて悩んでいると、キャッチの人が無料という言葉を言ったのでとりあえず入ってのんびりすることにした。
そんな魅惑の“無料居酒屋”の常連になりかけていた頃、1番いいなと密かに思ったのは消防で働いてると言っていた人。
私たち3人に通された3人組の男性たち。
そのグループは上司と部下2人で呑んでいて、後である呑み会まで時間をつぶしに相席屋へ来たらしい。
上司は自好さん、部下の1人のメガネくんは見放ちゃんのカップルが出来る中、無子ともう1人の部下は全く乗り気じゃなくて喋りもしないからある意味1番お似合いカップルだったかもしれない。
そんな中、無子はハマっていたダーツを1人夢中でやっていると上司が自好さんを気に入ったらしく、呑み会に3人も参加しないかと誘われた。
無子はこれ以上人が多くなるのも疲れるけど、2人が行くのに行かないと言えるわけもなくただついて行くことにした。
しかも呑み会が始まるのは終電1時間前。
これは確定で朝帰りだなぁと集合場所の店の前で待ち合わせをしている人たちを待っていると、男性4人と女性1人が上司に駆け寄ってきた。
無子たちは女性もいることに若干驚きつつも、定期的にあるという呑み会にお邪魔して無子は見放ちゃんと仲良さげだったメガネくんの隣に座り、ホッと息をつく。
人見知りの無子には今日の夜はハードモードだなと1人黙って過ごしていると、目の前に座っている好青年みたいな顔立ちの後から合流した男性が無子に自己紹介をしてくれた。
きっとつまんなそうにしてんなぁと思って気を使わせてしまったんだろうと、無子は察知して自好さんに教え込まれた愛想笑いと相槌をこなしていると好青くんは無子に彼氏がいるのか聞いてきた。
無子は年齢と職業以外は全て正直に話をして、その好青くんと話を少し弾ませているとその隣にいた唯一の女性が好青くんのお腹を急に触った。
「まだまだだね。私の触ってみ。」
「いや…、俺の方があるじゃん。」
そう言って2人は自分の筋肉自慢をして、好青くんは無子に目線を向けてきたけど、その隣にいた女性の目線の方に無子は目を奪われてしまった。
「無子さんたちのご職業は?」
と、ちょっと怖い雰囲気の女性は突然無子に質問してきた。
「あ、飲食関係です。」
「そうなんですね。そのケース、楽器なのかなって思ってました。ね?好青くん。」
「それ、何入ってるの?」
「包丁セットです。鍵はついてるので安全ですよ。」
無子は好青くんに聞かれた質問を答えると、なぜか女性は不服そうにする。
無子はそれで全部悟った。
好青くんは無子に好意で話しかけてくれているけど、その隣にいる人はそれ以上の好意で好青くんに話しかけてボディタッチをするので、無子は余計なことに巻き込まれたくない一心で隣にいたメガネくんに声をかけ、仲良さげモードにカチッとスイッチを入れてその場をやり過ごした。
すると好青くんは次第に無子と喋るのをやめて、その女性と筋肉の付け方について話し始めた。
無子的に柴犬顔はちょっとタイプだったけど、自分より大人な女性が身近にいる男の人にはもうこりごりだなと思い、始まりそうだった恋を放った一夜になった。
そんな一夜が去って、無子が失敗する一夜がやってくることになった。
環流 虹向/子宮が疼く愛が欲しい
その人は自好さん。
お目目ぱっちりで目鼻立ちがはっきりしていて、目が合った時は仲良くなれない人種なんだろうなって思ってた。
けど、自好さんから無子に話しかけてくれてそれからだんだんと仲良くなった。
そうしていると、無子の前に座っていた見放ちゃんとも自好さんは意気投合してごはんに行くことになった。
無子は2人の自分を持っている感じがとても好きで自分も2人みたいになりたいなと思って、これからは自分を持つことをこっそり決めていると、女子あるあるで自然に恋話の話になった。
けど、中学生や高校生がするくっついた離れたの話じゃなく、やったかやってないかがベースの話。
無子はそんな2人のオープンな会話に驚きつつも、まだ引きずっているともくんの話をすると、見放ちゃんが、
「メールしてみればいいじゃん。」
と言った。
けど、もう2年近く経っちゃってて絶対的に来ないのは分かってた無子だけれど、背中を押されて送っちゃった。
これがドラマだったらメールが返ってきたのかもだけど、現実だから返ってくることもなく日々が過ぎていったある日、自好さんが、
「相席屋、入ってみない?」
と、夜ごはんを食べていた居酒屋の前にあった相席屋を指した。
けど、無子的にそういうところはちょっと怖くて悩んでいると、キャッチの人が無料という言葉を言ったのでとりあえず入ってのんびりすることにした。
そんな魅惑の“無料居酒屋”の常連になりかけていた頃、1番いいなと密かに思ったのは消防で働いてると言っていた人。
私たち3人に通された3人組の男性たち。
そのグループは上司と部下2人で呑んでいて、後である呑み会まで時間をつぶしに相席屋へ来たらしい。
上司は自好さん、部下の1人のメガネくんは見放ちゃんのカップルが出来る中、無子ともう1人の部下は全く乗り気じゃなくて喋りもしないからある意味1番お似合いカップルだったかもしれない。
そんな中、無子はハマっていたダーツを1人夢中でやっていると上司が自好さんを気に入ったらしく、呑み会に3人も参加しないかと誘われた。
無子はこれ以上人が多くなるのも疲れるけど、2人が行くのに行かないと言えるわけもなくただついて行くことにした。
しかも呑み会が始まるのは終電1時間前。
これは確定で朝帰りだなぁと集合場所の店の前で待ち合わせをしている人たちを待っていると、男性4人と女性1人が上司に駆け寄ってきた。
無子たちは女性もいることに若干驚きつつも、定期的にあるという呑み会にお邪魔して無子は見放ちゃんと仲良さげだったメガネくんの隣に座り、ホッと息をつく。
人見知りの無子には今日の夜はハードモードだなと1人黙って過ごしていると、目の前に座っている好青年みたいな顔立ちの後から合流した男性が無子に自己紹介をしてくれた。
きっとつまんなそうにしてんなぁと思って気を使わせてしまったんだろうと、無子は察知して自好さんに教え込まれた愛想笑いと相槌をこなしていると好青くんは無子に彼氏がいるのか聞いてきた。
無子は年齢と職業以外は全て正直に話をして、その好青くんと話を少し弾ませているとその隣にいた唯一の女性が好青くんのお腹を急に触った。
「まだまだだね。私の触ってみ。」
「いや…、俺の方があるじゃん。」
そう言って2人は自分の筋肉自慢をして、好青くんは無子に目線を向けてきたけど、その隣にいた女性の目線の方に無子は目を奪われてしまった。
「無子さんたちのご職業は?」
と、ちょっと怖い雰囲気の女性は突然無子に質問してきた。
「あ、飲食関係です。」
「そうなんですね。そのケース、楽器なのかなって思ってました。ね?好青くん。」
「それ、何入ってるの?」
「包丁セットです。鍵はついてるので安全ですよ。」
無子は好青くんに聞かれた質問を答えると、なぜか女性は不服そうにする。
無子はそれで全部悟った。
好青くんは無子に好意で話しかけてくれているけど、その隣にいる人はそれ以上の好意で好青くんに話しかけてボディタッチをするので、無子は余計なことに巻き込まれたくない一心で隣にいたメガネくんに声をかけ、仲良さげモードにカチッとスイッチを入れてその場をやり過ごした。
すると好青くんは次第に無子と喋るのをやめて、その女性と筋肉の付け方について話し始めた。
無子的に柴犬顔はちょっとタイプだったけど、自分より大人な女性が身近にいる男の人にはもうこりごりだなと思い、始まりそうだった恋を放った一夜になった。
そんな一夜が去って、無子が失敗する一夜がやってくることになった。
環流 虹向/子宮が疼く愛が欲しい
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